就業規則のネタ -7ページ目

出張旅費規程 第○○条  旅費の種類

出張旅費の種類としては、


  国内出張の旅費

  海外出張の旅費


のほか、会社によっては


  転勤の旅費


も含めていることがあります。

(転勤の旅費については別に規程を設ける場合もあります)



出張旅費の規程を設けるような会社では、普通、国内出張はあると思いますので、国内出張に関する規定は必要になります。



そして、海外出張もあるのであれば海外出張の旅費についても定める必要があります。

もちろん海外出張が想定されない会社では規定する必要はありません。


まあ、小さな会社でも海外出張がある会社は珍しくありませんし、逆に、ある程度の規模の会社でも海外出張の必要性はほとんどないという会社もあります。

ということで、海外出張の有無は、会社の規模というよりは業種によるということなのかもしれないなと個人的には思っています。



転勤の旅費については、事業所が一つだけ、あるいは複数あるけれども近隣にある、など転勤が想定されない場合は基本的に規定する必要はないでしょう。

逆に、転勤の可能性がある、あるいは、遠隔地から引っ越してきて入社する従業員に支度金等を出す、などといった場合には転勤の旅費について規定することが必要になります。



いずれにしても、出張旅費については、会社によって、何を定めるか?どのように定めるか?がけっこう異なってきます。

そのため、各会社の実情に基づいて必要な規定をしていくということになるでしょう。



以下、一般的な条文を例示します。



(旅費の種類)

第○○条

旅費の種類は次のとおりとする。

①国内出張旅費

②海外出張旅費

③転勤旅費

 

出張旅費規程 第○○条  目的

出張、というと、


 全くない

 ほとんどない


という会社もありますが、多くの会社では従業員を出張させるということがあると思います。



従業員の出張がある、ということになると、そもそも出張とは何か?という問題もありますが、旅費や日当などをどうするか? という規定をつくって、従業員間で不公平がないようにしておく必要があります。

出張旅費は従業員にとっても気になる部分ですので、明確にしておくことが重要だと考えます。



そして、小さい会社でも海外出張があることは珍しくありませんが、国内だけでなく海外出張もある場合は、海外についての規定も必要になります。


海外出張について規定する場合は、コスト面だけでなく、ホテルのグレードや移動手段など、安全面にも配慮することが重要になります。

逆に、物価面では国内ほど気を使わなくてもいいこともあるかと思います。

さらに、パスポートの費用や支度金について配慮した規定を設ける場合もあります。(設けないこともあります)

為替レートに関する定めも必要です。



また、転勤がある会社では、転勤する場合の旅費その他費用についても出張旅費の規程で定めることがあります。

(海外赴任がある場合はこれも含めて)



ということで、各会社の実情に応じていろいろと定めることが出てくるわけですが、近年は特に出張の経費を削減したいという会社側のニーズが強くなっています。

一方、従業員は出張の日当などを当てにしているという面もありますので、このあたりをどのように折り合いをつけるかが問題になる場合もあります。


日当の額を下げたり、宿泊費の上限を下げたりすることは、「労働条件の不利益変更」ということになりますので、会社側の独断で決めてしまうことは避け、従業員に十分説明することが重要です。


会社側の「経営が厳しいのだから特に説明しなくても従業員は分かってくれるだろう」というのは甘い考えではないかと思います。

日頃のコミュニケーションにもよりますが、そこら辺を十分理解していない従業員もいます。

また、会社の厳しい状況を頭では理解していても、「何の説明もないなんてひどいじゃないか」と、感情面で納得できない従業員もいますので、十分に説明をし、100%納得してもらえなくても会社の実情を理解してもらうよう努力することが重要です。


コストを下げても、従業員のモチベーションが下がり、出張の成果が出ないようではいけませんので、このあたりはご注意いただきたいと思います。



以下、一般的な条文を例示します。



(目的)

第○○条

この規程は、就業規則第※※条に基づき、役員及び従業員が社名により出張又は赴任する際の旅費等に関する事項について定める。

 

慶弔見舞金規程 第○○条  災害見舞金

今回のテーマは、なんともタイミングが悪く、載せようかどうか迷っていたのですが、載せないと前に進んでいかないということもあり、載せることにしました。



ということで、今回のテーマは災害見舞金ですが、従業員が天変地異等の災害に遭ったときに支給する見舞金ということになります。

災害見舞金についても、他の見舞金と同様ですが、支給対象とするかどうかをまず検討するということになるものと思います。

もちろん、災害見舞金を支給するかどうかは各会社の自由です。


ただ、災害見舞金は他の祝い金・見舞金と違うところがあります。
それは、たくさんの従業員に同時に支給しなければならない事態が発生する可能性があるということです。

大地震、台風など、広い範囲で災害が起こったような場合は、このようなことになりえます。

しかも、会社自身も被災し、従業員の災害見舞金どころではないということにもなりかねません。

ということで、このような最悪の事態も一応想定したうえで災害見舞金について検討する必要があるものと思います。



災害見舞金の規定を設ける場合は、規定として具体化するために、

① どの程度の災害であれば支給するのか?
② 具体的にいくらにするのか?
③ 原資をどのように手当てをするか?

といったところが検討事項として挙げられると思います。


① どの程度の災害であれば支給するのか?

については、
ちょっとした災害にまで支給していたらきりがありませんので、どこかで線引きをする必要があります。

このあたりは、ある程度具体的な災害を例示しておくとわかりやすいのではないかと思います。
(もちろん、各会社で自由に決められますので、別の決め方でもかまいません)


② 具体的にいくらにするのか?

については、
金額は、やはり世間相場をある程度意識して各会社で決めることになりますが、会社として無理なく支払える金額はどの程度かという観点も重要だと思います。

もう一つは、会社が支給するのはあくまで見舞金であり、災害により被った損害を補填するという性格ではないとの認識も必要でしょう。



③ 原資をどのように手当てをするか?

については、
すでに述べたとおり、従業員だけでなく会社も被害に遭った場合に、会社のほうで手いっぱいになってしまい従業員の見舞金どころではないということも想定したほうが良いと思います。

このような場合にも支払い原資を確保するために、一定のお金をプールしておく(これができれば苦労しないということもあるかもしれませんが)、民間の保険に加入しておく、などの対策が考えられます。


以下、一般的な条文を例示します。


(災害見舞金)
第○○条
従業員の住居が被災し、損害を被った場合に、次のとおり災害見舞金を支給する。
  全焼、全壊等  ○○○○○円
  半焼、半壊等  ○○○○○円
  一部焼失、一部損害等 ○○○○○円

2.前項の見舞金は、同一世帯に二人以上の従業員がいるときは、年長者の一人に対して支給する。
 

慶弔見舞金規程 第○○条  家族弔慰金

前回は従業員本人の死亡弔慰金でしたが、今回は家族の死亡弔慰金について考えてみたいと思います。


家族弔慰金は、従業員の家族が亡くなった際に支給する弔慰金ということになるわけですが、設けている会社と設けていない会社とまちまちのように思います。


もちろん、支給するかしないかは各会社で自由に規定することができます。

そのため、まずは支給するのかしないのかということを検討することになります。


そして、家族弔慰金を支給することとした場合、次に検討する事項としては、


 ① 支給する家族の範囲をどうするか?

 ② 勤続年数や従業員区分による差をつけるか?

 ③ 具体的にいくらにするのか?


といったところになるのではないか思います。



まず、① 支給する家族の範囲をどうするか?

については、


支給対象者ははっきりさせておかないと実務上も困ってしまいますので、まずこの点をはっきりさせることになると思います。


具体的な範囲としては、


  続柄による範囲
  同居、扶養の有無の観点からの範囲


といった面から考えることになるでしょう。



③ 勤続年数や従業員区分による差をつけるか?

については、


差をつけることも可能ですし、つけないことも可能です。あとは、各会社の考え方ということになると思います。



④ 具体的にいくらにするのか?

については、


金額は、やはり世間相場をある程度意識して各会社で決めることになると思います。


また、従業員との続柄等の関係や従業員の勤続年数等により差をつけることも可能です。


そのうえで、会社として無理なく支払える金額はどの程度かというところも考慮することになるものと思います。




以下、一般的な条文を例示します。


(死亡弔慰金)
第○○条
従業員が扶養する家族が死亡した場合、次の区分のとおり家族弔慰金を支給する。
 ①配偶者
  勤続※年未満  ○○○○○円
  勤続※年以上  ○○○○○円


 ②子及び父母
  勤続※年未満  ○○○○○円
  勤続※年以上  ○○○○○円


2.前項の弔慰金は、同一の支給事由について2人以上の従業員がいる場合、支給額が多い 者に対し支払う。同一額の時は年長者に支給するものとする。
 

慶弔見舞金規程 第○○条  死亡弔慰金

死亡弔慰金は、従業員が亡くなった際に支給する弔慰金ということになるわけですが、慶弔見舞金の規定がある場合は多くの場合設けられれているものと思います。

(もちろん設けないことも可能です)


死亡弔慰金について検討するにあたっては、


 ① 誰に支給するのか?

 ② 傷病の原因による差をつけるか?

 ③ 勤続年数や従業員区分による差をつけるか?

 ④ 具体的にいくらにするのか?


といったところが検討事項として挙げられると思います。



① 誰に支給するのか?

については、

死亡弔慰金は、当たり前ですが、従業員本人ではなく遺族に支払うものです。

ただ、遺族といっても一人だけということは少ないので、複数いるなかから誰に支払うかということが問題になります。

この点を曖昧にしておくと、思わぬトラブルに会社が巻き込まれることにもなりかねませんので、はっきりさせておく必要があります。


なお、遺族の順位としては、

 民法の規定による順位(相続の順位)

 労働基準法施行規則の規定による順位(労災保険の遺族給付の順位)

といったところが参考になるものと思います。



② 死亡の原因による差をつけるか?

については、

業務上の死亡か?、プライベートでの死亡か?ということで分けるのが一般的だと思います。

業務上の死亡の場合だけ支給して、プライベートでの死亡に対しては支給しないということも可能ですし、逆に、業務上でもプライベートでも差をつけないということも可能です。



③ 勤続年数や従業員区分による差をつけるか?

については、

②と同様で、差をつけることも可能ですし、つけないことも可能です。



④ 具体的にいくらにするのか?

については、

金額は、やはり世間相場をある程度意識して各会社で決めることになると思います。

ただし、業務上の死亡の場合、会社としての誠意を問われることにもなりますので、この点はおろそかにしないほうが良いでしょう。

そのうえで、会社として無理なく支払える金額はどの程度かというところも考慮することになるものと思います。



以下、一般的な条文を例示します。



(死亡弔慰金)

第○○条

従業員が、業務上の傷病により死亡した場合、次のとおり死亡弔慰金を支給する。

  勤続※年未満  ○○○○○円

  勤続※年以上  ○○○○○円

2.従業員が、私傷病により死亡した場合、次のとおり死亡弔慰金を支給する。

  勤続※年未満  ○○○○○円

  勤続※年以上  ○○○○○円

3.前2項の弔慰金は、労働基準法施行規則第42条から第45条に定める遺族の順位を準用し、上位となる一人に支給する。