【名曲リレー811】day#3

■That'll Be The Day / Linda Ronstadt('76)

事あるごとに書いてますが、初めて買ったFM雑誌は77年正月号の表紙がジョージ・ハリスンの「33&1/3」のもので、リンダ・ロンシュタットの特集をチェックするためでした。(以前武田さんが画像を紹介してくれました)。発売は12月2週目くらいでしょうから、この「風にさらわれた恋」からシングル“That’ll Be The Day”はその少し前からラジオでかかっていて、スポットCMで流れる部分が実にかっこよく感じました。リンダ初体験がこの曲でしたが同時にバディー・ホリーも初体験だったわけです。ワディ・ワクテルとアンドリュー・ゴールド(このアルバムを最後にバンドを卒業し独立)の2本のgのコンビネーションの良さはこのドイツでのライヴ動画でもわかりますね。

 

 

【名曲リレー812】be#2

■I May Not Be Your Kind / Garland Jeffreys('77)

こういうレゲエっぽいリズムを体が欲しがる時ってあります。ガーランド・ジェフリーズは「プエルトリコのスプリングスティーン」的な売られ方をして、ストリートロックがもてはやされた80's初めのEpic時代ちょっとした成功を収めましたが、政治的なメッセージソングとレゲエっぽいリズムというなんかステレオタイプに押し込めた感じで、なんかちょっと違う気もしました。それより少し前のA&M時代は売れませんでしたがもっと自由にやってる感じ。「Ghost Writer」からのこの曲も心地いいです。

 

 

【名曲リレー813】be#3

■Be Good To Yourself / Frankie Miller('78)

グラスゴーのオーティス、ことフランキー・ミラーの「Full House」に入った”Be Good To Yourself”はアンディ・フレイザー作品。フレイザーはフリー脱退後ソロやシャークスを組みましたが、その後はソングライターとして友人に曲を書いてましたが、いい曲なのに知られてなくて惜しい。しかしミラーの暑苦しさ大好きです、奇妙なステージアクションもまた喉同様ソウルフルです。

 

 

【名曲リレー814】good#2

■Good Lady Of Tront / The First Edition('71)

 

こういう記事書くために当てもなくつべを彷徨ってるとたまに意外な拾いもの見つけたりします。ケニー・ロジャースがソロになる前に組んでいたフォーク~カントリー的なバンド、ファースト・エディションは60's末にサイケなヒット曲がありますが、70'sに入ってカントリーロックが時代のトレンドになっても感覚的に古いのかさっぱり売れませんでした。71年の「Transision」(Reprise)で取り上げた”Good Lady Of Tront”はピーター・ゴールウェイ作。フィフス・アヴェニュー・バンド時代のレパートリーで、ここでのアレンジはゴールウェイのソロでもやった(同じReprise)ようなカントリー・ロック的なものでした。何となく見つけてうれしかった曲。

 

 

【名曲リレー815】good#3

■Life's Been Good / Joe Walsh('78)

イーグルスに参加後の「But Seriously Folks…」からシングルになった大ヒット曲”この人生に賭けて”ですが、歌詞からしてジョークみたいな曲です。大金持ちになったロックスターの表明というかつぶやきみたいな内容です。ヘヴィなgのイントロとレゲエっぽい本編、テクノ風シンセ(78年にしてはかなり新しい)の使い方に落差があります。ジョー自身も大ヒットに驚いたことでしょう。

 

 

【名曲リレー806】journey#2

■Journey From Eden / Steve Miller Band('72)

スティーヴ・ミラーの低迷期といわれる時期の1枚「Recall The Beginning」からのメランコリックなバラードです。dsは固定できていませんが、ジェラルド・ジョンソン(b)が合流し、第2期黄金期へ向けてメンツがそろいつつありますね。

 

 

【名曲リレー807】journey#3

■Journey's End / Matthew Fisher('73)

マシュー・フィッシャーは「A Salty Dog」の後脱退してソロになります。その後元メンバーのロビン・トロワーをprodしたりするのですが、一連のソロではvoも取り、メロディアスな曲を書き、と意外な一面を見せてます。最初のソロ「Journey's End」('73)はアンドロメダ、グレイプフルーツのメンバーをバックにした意欲作でポップな曲、哀愁の曲など引き出しの多さも見せてます。タイトル曲は哀愁系のナンバーで、ドラマティックな展開です。ユーミンの"翳りゆく部屋"は元ネタは"青い影"と言われてますが、この曲の後半なんかもヒントになってそうです。

 

【名曲リレー808】end#2

■End Of The Season / The Kinks

初期のキンクスはねじれたビート曲だけでなく、こういうけだるいメランコリックな曲を途中に挟んでいました。「Something Else」という初期の傑作に入った”End Of The Season”は、小鳥のさえずりで始まり場末のさびれた感じがよく出ています。こういうのをクルーナー唱法というのかなあ。

 

 

【名曲リレー809】end#3

■End Of The Day / Al Stewart('78)

アル・スチュワートの「Time Passages」の最後に入った何とも上品なナンバー。アンドリュー・パウエルがarrのさざ波の様なストリングスがとても美しいです。アコギの名手ピーター・ホワイトがたっぷり弾きまくってインストかなあと思わせて半分近くになってから歌が始まります。

 

 

【名曲リレー810】day#2

■The Day Will Come / Rod Stewart('65)

英Columbiaに残したロッド・スチュワートのシングルですが、65年というとロング・ジョン・ボルドレーのフーチークーチー・メンとスティームパケットの間でしょうか(ショットガン・イクスプレスは66年)。才能がある人はバンドでもソロでもいけますね。ロックではなくポップ曲ですけど、僕は「60’s Lost & Found」というSee For Milesから出てたコンピLPで知りました。いい曲です。

 

 

 

【名曲リレー801】feel#3

■Feels Like Heaven / Fiction Factory('84)

確かこの"Feels Like Heaven"1曲で消えたような印象のフィクション・ファクトリーですけど、名曲はやっぱり記憶に残りますね。ケヴィン・パターソンの印象的なvoとメロディーが実に84年の素晴らしかった(個人的にですよ)当時の英国のシーンを思い出します。しかし苦しそうに歌う人です。TOTPなんで口パクですが生演奏の番組もあってそっちは透明感ややダウン。こういう音楽はスタジオのマジックがあります。

 

 

【名曲リレー802】heaven#2

■Heaven Right Here / Jeb Roy Nichols('00)

もしお友達が教えてくれなければ出会えなかった人です。こっちからお願いしたわけでなく、彼の絶妙のセレクトでして、マーヴィン・ウエルチ&ファーヤー、ハンス・スタイマー・バンド、バリー・ゴールドバーグ、ロディ・フレイムetcとフィニルさん、こういうの好きでしょ、と問答無用(もちろん感謝してるのです)に聞かせてもらったものにはずれはなかったのです。アメリカ人ですが渡英してRough Trade経由で日本に入ってきたのかな、とにかくメロディアスな曲を書く人です。でもこれもう20年近く前のアルバム(「Just What Time It Is」)というのも信じられません。まるちゃん、ありがとう。

 

 

【名曲リレー803】heaven#3

■Heaven Is In Your Mind / Millington('77)

ファニーというガールズ・バンドは、女だてらに~とかそういう気負いみたいなものがやってる音楽にあまり出てなくて、また当時のそういうバンドの多くが目指していたガレージ~ハードロック系の物とはちょっと違っていて意外です。ジューンとジーンのミリントン姉妹は、解散後メロウな方面へ進んで77年に都会的な「Ladiers On The Stage」(UA)をリリースしています。なかなか素敵なブルー・アイド・ソウルなバラードだと思います。

 

 

【名曲リレー804】mind#2

■Step Out Of Your Mind / American Breed('67)

シカゴ出身のブルー・アイド・ソウルと言うかそんな感じのアメリカン・ブリードの最初のヒットがこの曲。67年の24位です。最大のヒットの"Bend Me Shape Me”はイギリスのエーメン・コーナーのカヴァーの方がソウルフルでカッコよかった。よってアメブリといえばこの"Step Out Your Mind"なのです。

実はチャカ・カーンのルーファスの元バンドらしいのです。

 

 

【名曲リレー805】mind#3

■Journey To The Center Of The Mind / Amboy Dukes('68)

テッド・ニュージェントの初期のキャリアとして知られたデトロイトのガレージ・バンド。デビューは68年Mainstreamより。最大のヒット"Journey To The Center Of The Mind"('68,#18)では、すでにモダン・ハードロックの萌芽が感じられます。この時点でニュージェントのワンマン・バンドと化しており、ジョン・ドレイク(vo)は本作後解雇されます。その後ラスティ・デイ(vo〜後にカクタス)を加えるも、1作ごとにメンバーが違うという体制は変わらず、73年にDiscreetよりテッド・ニュージェント&アンボイ・デュークスの名前で再結成するも、ほとんどソロ名義でした。

 

 

 

【名曲リレー796】turn#2

■Turn Your Back on Me / Kajagoogoo('84)

リマールと別れた(というか、もともとバンドにリマールが加わる形でバンドが改名)カジャグーグーは、ポップなファンク色を強めたシングルを出してますが、バンド名をKajaと短くしています。このシングルはおそらく改名前の最後のシングルかと。当時以来久々に聞きましたが、耳はちゃんと覚えてました。スティックを使うニック・ベッグス(b)は近年はスティーヴ・ハケットのバンドで弾いてたとのことです。

 

 

【名曲リレー797】turn#3

■When The World Turns / Linda Lawley('69)

エターニティーズ・チルドレンはソフト・ロックの中では僕は一番好きです。ここの紅一点リンダ・ロウリーが、69年にシングルを出してた事は知りませんでした。レーベルはECと同じTower。チップス・モーマンの名前がprodの一人としてクレジットされてます。"When the World Turns"です。el-sitarが心地いいです。リンダさんは70's後半、ジェリー・ドナヒュー、ゲリー・コンウェイというフェアポートゆかりのメンバーとカナダでシーヴス(Thieves)というバンドを組んでAristaからデビューしています。

 

 

【名曲リレー798】world#2

■Watching the World Pass By / Paladin

ロジャー・ディーンの描くジャケのおかげでプログレ扱いされてますが、パラディンも本質は、ラテン的なテイストを持ったハードロックで、テリー・リードのバンドにいたメンバーによって組まれ71年にBronzeからデビュー。72年にはセカンド「Charge」をリリース。後にスナフー~プロコル・ハルムのピート・ソリー、後にマッギネス・フリントのルー・ストーンブリッジという2人のkb奏者がおりました。この曲はイントロ部がずいぶんレイドバックしたムードで、この辺は渡米してプレイヤーを組んで大成功を収めたピーター・ベケットの趣味なのかもしれません。カントリー・ホンクなviolinソロはソリーです。

 

 

【名曲リレー799】world#3

■I Could Feel The Whole World Turn Around / Shotgun Express('66)

ロッド・スチュワートとベリル・マースデンのツインvoだったショットガン・エクスプレス(kbはピーター・バーデンス,dsはミック・フリートウッド)は結局Columbiaからシングル1枚で終わってしまいました。ソウルフルなvoと洗練されたストリングスがミスマッチのようでいてなかなかかっこいいです。

 

 

【名曲リレー800】feel#2

■I Feel For You / Chaka Khan('84)

元々はプリンスの曲とか、スティーヴィー・ワンダーがharmonicaで参加とか、オープニングのラップの部分ではメリー・メルが加わって、ヒップ・ホップ・カルチャーの大衆化に貢献したとか、それまでチャカ・カーンと呼んでたのにシャカ・カーン(ホントはこっちらしいけど)と呼ぶ人が増えたとか、様々な情報量を含んだ84年のチャカ・カーンの大ヒットです。

 

 

 

 

 

 

【名曲リレー791】LA#3

■LA Woman / The Doors

71年のドアーズは「LA Woman」になります。もう僕はドアーズに関してはファーストだけの、ガレージ・パンク方面からの興味しかないのですが、その理由はジム・モリソンのvoとしての器が大きすぎて僕を惑わすからとしておきましょう。とはいっても嗜みとして代表曲は知っております。bassとしてサポートでジェリー・シェフが参加。レイ・マンザレクのorganが控えめになるとつまらないなあ。でもこのPV(「バニシング・ポイント」「ブリット」「激突!」のシーンが挿入されます)の空の青さが眼に痛い。

 

 

【名曲リレー792】woman#2

■Woman Is The Nigger Of The World / John Lennon&Plastic Ono Band('72)

niggerと言う歌詞が引っかかって放送禁止となり、結果#57どまりだった72年のジョン・レノン/プラスティック・オノ・バンドのシングルで「Sometime In New York City」からの先行シングルとしてカットされました。この動画はディック・キャヴェット・ショーでのTVパフォーマンスで、ホストのキャヴェットが「中南米の方々、お気に障りましたらご容赦を」と生放送中に語って物議をかもしだした事で知られてます。バックはエレファンツ・メモリー。

 

 

【名曲リレー793】woman#3

■Stoned Woman / Ten Years After('69)

まさに上り調子だった69年のTYAの4枚目「Ssssh」に入ったキャッチーにまとまった強力なナンバーです。ブルーズ・ロックとして語られるTYAですけど、正確にはブルージーなロックンロールといった感じ。アルヴィン・リーのgは実にかっこいいのです。

 

 

【名曲リレー794】stone#2

■Hearts Of Stone / Southside Johnny & Asbury Jukes('77)

ブルース・スプリングスティーンという人は、仲間内にしばしば名曲を惜しげもなく提供してしまう("Fire"しかり,"Because The Night"しかり)傾向にあるのですが、サウスサイド・ジョニーに提供した"Hearts Of Stone"のその中に入るでしょう。スプリングスティーンのフォロワー(といってもほぼ同じ世代)として76年にデビューしたサウスサイド・ジョニー率いるアズべリー・ジュークスの演奏は、E・ストリート・バンドよりも辛口のR&Bといった感じです。マイアミ・スティーヴがprodした「Hearts Of Stone」は確か初めて聞いたサウスサイド・ジョニーのLPだったような記憶。CBSソニ―から分かれ独立したエピック・ソニーの最初のリリース(目玉はボストンのセカンドでしたが)の1枚だったような。繊細さには欠けますがいいメロディー。

 

 

【名曲リレー795】stone#3

■Turn To Stone / Electric Light Orchestra('77)

”Telephone Line”のヒットで日本でもじわじわと盛り上がってたELO人気が、この2枚組「Out Of The Blue」で爆発しましたね。レーザー光線満載の来日公演もありました。先行シングルがこの”Turn To Stone”で、ロネッツの最後のシングル”You Came, You Saw, You Conquered”へのオマージュでしょうか?(この2曲とナイアガラから出た満里奈ちゃんのちびまるこの曲は、従姉妹みたいなメロディですね)

 

 

 

【名曲リレー786】hard#2

■Hard Pill To Swallow / Keef Hartley Band('72)

キーフ・ハートレー・バンド6枚目は72年にDeramからリリースされた「Seventy Second Brave」です。前作「Little Big Band」を最後にミラー・アンダーソンが脱退ヘムロックを結成した為、若干のメンバーチェンジが行われています。メンバーはハートレー(ds)、クリス・マーサー(sax~ジューシー・ルーシー)、ゲイリー・セイン(b,vo~ユーライア・ヒープ)、ピート・ウィングフィールド(kb.vo~ジェリーブレッド)、ジュニア・カー(g,vo~ハンソンとしてManticoreにソロあり)、ニック・ニューウェル(sax,fl~ズート・マニー&ビッグ・ロール・バンド)更にゲストとしてミック・ウィーヴァー(org)が参加しています。ウィングフィールド、マーサーは基本的にセッション・マンですし、セインもこの年ヒープに参加したのでこのメンツがどこまでパーマネントなのかは不明ですけど、それまでの一気にたたみかけるブラスロックよりは、緩急をつけたソウル寄りの音になっています。"Hard Pill To Swallow"の様にウィングフィールドが歌い上げるソウルフルなバラードもあります。

てっきりいつものブルージーなブラスロックだと思ってたのですが、実はファンキーなメロウ・グルーヴと呼ばれるものに近いです(相変わらずインディアンなジャケットがとてもそういう音には思えませんが)。8分28秒より。

 

【名曲リレー787】hard#3

■A Hard Day's Night / Goldie Hawn ('98)

女優ゴールディー・ホーンが、70'sに残した唯一のアルバムが、72年にRepriseから出した「Goldie」です。音楽ファンがこのLPを探し求めるのは、ソフトフォーカスのゴールディーのジャケットによるものではなく、Warner/Repriseのスタッフが総力を結集したバーバンク・サウンドの70'sヴァージョンだからでしょう。そもそもバーバンク・サウンドとは何ぞや?という問いは、僕には荷が重いのですが、ロックテイストのノスタルジックなサウンドが、Warner Brosの本社のあったバーバンクをもじっていつしかこう言われるようになりました。代表選手はヴァン・ダイク・パークスでありハーパース・ビザールです。さてドリー・パートン、ドノヴァン、ポール・ストゥーキー、ヴァン・モリソン、ジョニ・ミッチェルらのカヴァーが詰まったこのアルバムですが、バーバンク・サウンド云々といわれるのは、ビル・モンロー、トラヴィス・エドモンソン、テンパランス・セヴンといったロック以前の楽曲のセレクトにあります。こう言ったナンバーは、正直僕の100パーセント好みとは言えないのですけど。とここまで書いといて紹介するのはこのアルバムからではなく、ジョージ・マーティンの「In My Life」('98)からのあの曲。ノスタルジックなジャズ路線でセクシーに歌われます。

 


【名曲リレー788】night#2

■Shot Down In The Night / Steve Swindells('79)

スティーヴ・スウィンデルズの名前を聞いたのはホークウィンド改めホークローズのアルバムでしたが、2人となったパイロットの「Two's Crowd」にも参加してたんですね。それ以前にもアルバムがあるsswで、ニュー・ウェイヴ時代に呼応した「Fresh Blood」('80)は、ホークローズ脱退後のリリースで、再結成ホークウィンドのヒュー・ロイド・ラングトン(g~彼はオリジナルメンバーでもありました)やサイモン・キング(ds)などホークスゆかりのメンバーが参加。bassはVDGGのニック・ポッターです。この曲は再結成ホークウインドのライヴ盤「Live1979」にも収録されてました(すでにスウィンデルズはやめた後です)。

 

 

【名曲リレー789】night#3

■LA Nights / EL&P('77)

77年はそれまで沈黙を守ってた大御所のプログレバンドたち(ほかにはイエスとフロイド)がこぞって新作を出した年でした。今から思えば、(プログレというジャンルが)時代のトレンドからずれてしまい、次の一手になる新作がかなり重要、ということでずいぶん迷ったようです。結果的にどのバンドも新味を出しつつ既定路線の延長だったわけで、とりわけ2枚組で3面に各人のソロを盛り込んだEL&Pの「Works」は、延命処置に近い内容でした。C面にあたるカール・パーマー・サイドにはイーグルスに参加して絶好調だったジョー・ウォルシュ(g)をフィーチャーした"LA Nights"が収められています。ややフュージョン風のロックジャムで、ドライヴ感のあるウォルシュのスライドは、それほど目立つわけではないですがカッコイイ。当時ラジオではあんまりかからなかったんで、好きになるのはずいぶん遅くなってしまいましたが。saxは誰が吹いてるんだろう。

 

 

【名曲リレー790】LA#2

■LA Connection / Rainbow('78)

1枚ごとにバンド名が短くなっていったレインボウのこれは4枚目になる「バビロン」から。bとkbが変わってますが、このビブ・デイズリー、デイヴィッド・ストーン時代が映像も割とあって昔からなじみやすいのです。この時期はキャッチーに行きたいところをディオとコージーの存在が押しとどめてた部分もありますので、従来路線のものもあるなか、この"LA Connection"あたりはそれでも当時はずいぶんキャッチーに感じたものです。

 

 

 

 

【名曲リレー781】other#3

■Some Other Guy / (David Essex’s )The Stray Cats(’74)

リーバー&ストーラーが書いたこの曲はビートルズも初期に(ハンブルグ時代?)レパートリーに入ってましたが、最初にやった人は共作者でもあるリッチー・バレットという人だそう(’62)。僕が知ったのはネオGSのザ・ストライクスで、新宿ACBあたりでよくやってたライヴで聞いた覚え。その前後にサーチャーズの「Sugar & Spice」に入ったヴァージョンも知ったのかな。珍しいところでは70’s半ば、アイドル的な人気を誇ったデイヴィッド・エセックスを主演にした映画「スターダスト」で、これは音楽監督がデイヴ・エドモンズで、劇中でエセックスやエドモンズ、アダム・フェイス、キース・ムーンはストレイ・キャッツというバンド(ネオロカとは別バンドですが、そっちのprodがエドモンズだったのでネーミングのカンケーはあるかも)で出ているのですが、この曲を歌うシーンも少しですがありました。

 

 

【名曲リレー782】some#2

■Some Like It Hot / Power Station(‘85)

デュラン・デュランの2人がロバート・パーマー(vo)、シックのdsと組んだのがパワー・ステーションで、折からのブリティッシュ・インヴェイジョンの波に乗ってブレイクするも、ツアーの際はパーマーはソロを優先し、シルヴァーヘッドのマイケル・デ・バレスがvoで参加するという大人の事情でした。けれどパーマーが優先したソロから“Addicted To Love”の大ヒットも生まれめでたしめでたしだったのです。“Some Like It Hot”は85年のアルバムからのシングルで、タイトルはモンロー映画「お熱いのがお好き」からとられています。今聞いても重くかっこいい。

 

 

【名曲リレー783】some#3

■Tyr Some Buy Some / Ronnie Spector(’71)

Appleにロニー・スペクターが残したのは結局このシングル1枚でした。ロネッツ解散後、ロニー・スペクター&ロネッツとしてBuddhaからシングル出してあとがこれだった気が。悲しみと哀愁に満ちた荘厳なバラードです。ジョージ作。ヴェロニカはオッオッオッオッオーを連発します。

 

【名曲リレー784】try#4

■Try And Love Again / Booker T Jones('79)

もちろんイーグルスの「Hotel California」の中でランディ・マイスナーが歌ったナンバーで、これをブッカー・T・ジョーンズがしっとりと歌います。もちろんMG'sを率いたオルガンの名手でありますが、歌うの好きです、この人。例の"Jamaica Song"もそうですし。

 

 

 

【名曲リレー785】try#3

■Tried So Hard / Ian Matthews(’74)

どっぷりと西海岸に使ったイアン・マシューズの74年作「Some Days You Eat The Bear…」は、トム・ウエイツ、クレイジー・ホース、ジェシ・ウィンチェスター、スティーリー・ダン、ハニーバスらのカヴァーが並んでてその直球ぶりに、当時はだれもがこういう曲を取り上げてたことを思い出させます。ジーン・クラークのバーズ脱退後のゴズディン兄弟と組んだ時期のLPからの”Tries So Hard”もまた、あの時代らしいセレクト。ちょっと緩すぎますけど。

 

 

【名曲リレー776】wild#2

■Wild Things Run Fast / Joni Mitchell(’82)

ちょうどこれが出たころに来日したジョニ・ミッチェルを見たことがあります。70’s後半から急速にジャズっぽくなっていきその揺り返しからか、再びロック色が濃くなったGeffen移籍第1弾でした。リリース当時は結構聞きこんでましたが、不思議にライヴ見てから(よかったのだけど)、新しいジョニへの興味がなくなり、旧作は聞くけど新しいものは聞かなくなりました。この曲はスティーヴ・ルカサーのgが唸るロック色の濃いものですけど、まったくのジョニ節です。

 

【名曲リレー777】wild#3

■Walk On Wild Side / Lou Reed(‘72)

ジャケットの印象が強烈で「Transformer」をアルバム単位では聞いてないんですが、この曲は大好き。しかしまあこんなやばい歌詞の曲がそのままOAされヒットしたもんだなと思います。ヒッチハイクをしながら眉毛を抜き、すね毛を剃り女になったというホリーから始まって、当時はタブーだった人たちのエピソードをつづったナンバー。印象的なdouble bassは、ハービー・フラワーズ、dsはパトゥーにいたジョン・ハルジーなんですね(録音はTrident)、印象的なコーラスは電撃的太ももという名前のサンダーサイズというコーラス・グループによるものです。

 

 

【名曲リレー778】side#2

■Love On Your Side / Thompson Twins('83)

メンバー3人のヴィジュアルがバラバラなのが逆に印象的だったトンプソン・ツインズは、80'sのブリティッシュ・インヴェイジョンでも全米チャートを席捲したバンド。もともとはエレトクロニック・ポップ系でしたが、次第にテクノビートにこだわらずポップでダンサブルな音楽へと変わってきました。83年のこのヒットは、ティンバルスなどパーカッシヴな楽器が効果的に使われています。Aristaに移籍した「Quick Step & Side Kick」から。

 

 

【名曲リレー779】side#3

■On The Other Side / Kansas('79)

79年の「Monolith」に入った”On The Other Side”は泣きのメロディーでドラマティックな展開なものです。てっきりシングルになったと思ったけど記憶違いでした。ラジオではよくかかってましたが、個人的にはこのあたりからカンサスとは疎遠になってゆきます。

 


【名曲リレー780】other#2

■HurtingEach Other / The Carpenters(’72)

オリジナルはリトル・アンソニー&インペリアルズで、ルビー&ザ・ロマンティックスもとりあげたナンバー。カーペンターズのは72年の「A Song For You」からのシングルで#2まであがっています。

 

 

 

 

【名曲リレー771】dance#3

■Butterfly Dance / Kevin Ayers('70)

ちょうどホール・ワールドの「Shooting At The Moon」時期のシングル。レイディバーズの女性コーラスが華やかな印象を受けるなかなかかっこいい曲。僕は「Odd Ditties」で初めて聞きました。このB面は“May I”の仏語ヴァージョンでした。

 

 

【名曲リレー772】butterfly#2

■Butterfly / Fox('70)

ヘリウムガス声のヌーシャ・フォックスのフォックスではなく、69年にFontanaからデビューしたフォックスです。「For Fox Sake」という唯一のアルバムはCD化もされてます。まあ一般的には無名に近いサイケですが、このアコースティックな"Butterfly"はシングルB面曲でBam Curusoのコンピで知った曲。哀愁のアコギは実は結構テクニカルだったりします。

 

 

【名曲リレー773】butterfly#3

■Dog And Butterfly / Heart(’78)

CBSソニーから独立したエピック・ソニーの第1回リリースの目玉はボストンの「Don’t Look Back」でしたが、第2回リリースの目玉はハートの「Dog & Butterfly」でした。デビュー当時からナンシー・ウィルソンのアコギを使った曲はありましたが、いつもフォーキーには聞こえず何となく重さを感じてました。このタイトル曲もそう。軽やかそうではあるけど、実はそうではないのは、ゼッペリンを常に念頭においているハートらしい。とはいえこのタイトル曲大好きです。

 

 

【名曲リレー774】dog#2

■A Salty Dog / Procol Harum(’69)

これまた曇り空に似合う音楽。マシュー・フィッシャーがいた初期プロコルというと、“青い影”ばかりですけど、しみじみ歌い上げるゲイリー・ブルッカーの塩辛い声が素晴らしい3枚目のタイトル曲“A Salty Dog”も絶品です。こういう控えめに寄り添ったストリングスなら全然気にならないのです。

 

 

【名曲リレー775】dog#2

■Wild Dogs / Jim Capaldi('79)

後期トラフィックでリズム隊を組んだロスコ・ジー(b~元カン)、クオンタム・ジャンプのトレヴァー・モライス(ds)を加えたジム・キャパルディの「Electric Nights」('79)からのAORファンク。このあたりになると日本盤LPも出なくなっててニュースも伝わってこなくなってますが、悪くないです。

 

 

 

 

【名曲リレー766】rock&roll#2

■Rock And Roll / Rough Diamond(’77)

“Rock And Roll”というシンプルなタイトルはゼッペリンの有名曲があるのにあえてかぶせてきたのはラフ・ダイアモンドです。ユーライア・ヒープを諸事情でクビになったデイヴィッド・バイロン(vo)がハンブル・パイのクレム・クレムソン(g)と組んだ77年の大型スーパーグループで、Islandも東芝EMIも結構宣伝に力を入れましたが時代が悪かったのかさっぱりでした。dsはイースト・オブ・エデン~ウィングスのジェフ・ブリットンでしたが先の2人に比べると小粒です(^^) ハードロックとして売り出そうとしたのが失敗だったのかも。この”RockAnd Roll“も都会的なバッド・カンパニーみたいな味わいがあります。saxはだれだろう?

 

 

【名曲リレー767】rock&roll#3

■Rock And Roll Band / Eire Apparent(’70)

エアラ・アパレントは60‘s終わりにベルファーストで結成されたサイケ・ガレージ・バンドで、同じマネージメントのジミ・ヘンドリックスの北米ツアーに同行し、ジミのprodで「Sunrise」(Buddah)を残しています。ジミのgがダビングされたこのアルバムはやりすぎ(やられすぎ)の評価もあるのですが、個人的には文句なし。sswとして一部で名を馳せるアーニー・グラハム(vo)やフランキー・ミラーの下で活動するクリス・スチュワート(b)をフィーチャーしておりました。

 

 

【名曲リレー768】band#2

■Band On The Run / Paul McCartney & Wings(’73)

新作録音の為にアフリカはナイジェリアのラゴスへ向かう前夜、行きたくないとマカロックとシーウェルが脱退した為3人となった第3期ウィングス。それでもラゴスとロンドンでこんなすごいアルバムを作り上げてしまったのが「Band On The Run」でした。湧き出るポールの曲作りの才能は複数の曲の一部をつなげて1つの物のしてしまうある意味もったいない感じ。このタイトル曲は3つの曲のスケッチをつなぎ合わせたもの。個人的には本編以上に最初の部分が好き。当初アルバムタイトルは「バンドは荒野をめざす」だったらしいけど、荒野というよりは、ラゴスは録音時期雨季の為同行したエンジニアのジェフ・エメリックは強烈な湿気と虫に悩まされたとか。しかしなんだってラゴスだったのかはポール流のカンピューターでしょうか?

 

 

【名曲リレー769】band#3

■Dance With The Surfin’ Band / Hal Blaine & The Young Cougars(’63)

名ドラマー、ハル・ブレインの名前がクレジットについていますが、これはクリスタルズの影武者だったダーレン・ラヴ(vo)をフィーチャーしたガール・サーフィンものの快作です。

 

 

【名曲リレー770】dance#2

■Dance Away / Roxy Music(’79)

鮮やかな復活となったロキシーの「Manifesto」から。思えばプロパガンダだのマニフェストだのNew Wave系のバンドから知った政治用語も多かったなあ。ポール・キャラックやゲイリー・ティッブスといった新しい血を加え再生した後期ロキシーの1枚目です。ジャケットは相変わらずショッキング。