【名曲リレー786】hard#2
■Hard Pill To Swallow / Keef Hartley Band('72)
キーフ・ハートレー・バンド6枚目は72年にDeramからリリースされた「Seventy Second Brave」です。前作「Little Big Band」を最後にミラー・アンダーソンが脱退ヘムロックを結成した為、若干のメンバーチェンジが行われています。メンバーはハートレー(ds)、クリス・マーサー(sax~ジューシー・ルーシー)、ゲイリー・セイン(b,vo~ユーライア・ヒープ)、ピート・ウィングフィールド(kb.vo~ジェリーブレッド)、ジュニア・カー(g,vo~ハンソンとしてManticoreにソロあり)、ニック・ニューウェル(sax,fl~ズート・マニー&ビッグ・ロール・バンド)更にゲストとしてミック・ウィーヴァー(org)が参加しています。ウィングフィールド、マーサーは基本的にセッション・マンですし、セインもこの年ヒープに参加したのでこのメンツがどこまでパーマネントなのかは不明ですけど、それまでの一気にたたみかけるブラスロックよりは、緩急をつけたソウル寄りの音になっています。"Hard Pill To Swallow"の様にウィングフィールドが歌い上げるソウルフルなバラードもあります。
てっきりいつものブルージーなブラスロックだと思ってたのですが、実はファンキーなメロウ・グルーヴと呼ばれるものに近いです(相変わらずインディアンなジャケットがとてもそういう音には思えませんが)。8分28秒より。
【名曲リレー787】hard#3
■A Hard Day's Night / Goldie Hawn ('98)
女優ゴールディー・ホーンが、70'sに残した唯一のアルバムが、72年にRepriseから出した「Goldie」です。音楽ファンがこのLPを探し求めるのは、ソフトフォーカスのゴールディーのジャケットによるものではなく、Warner/Repriseのスタッフが総力を結集したバーバンク・サウンドの70'sヴァージョンだからでしょう。そもそもバーバンク・サウンドとは何ぞや?という問いは、僕には荷が重いのですが、ロックテイストのノスタルジックなサウンドが、Warner Brosの本社のあったバーバンクをもじっていつしかこう言われるようになりました。代表選手はヴァン・ダイク・パークスでありハーパース・ビザールです。さてドリー・パートン、ドノヴァン、ポール・ストゥーキー、ヴァン・モリソン、ジョニ・ミッチェルらのカヴァーが詰まったこのアルバムですが、バーバンク・サウンド云々といわれるのは、ビル・モンロー、トラヴィス・エドモンソン、テンパランス・セヴンといったロック以前の楽曲のセレクトにあります。こう言ったナンバーは、正直僕の100パーセント好みとは言えないのですけど。とここまで書いといて紹介するのはこのアルバムからではなく、ジョージ・マーティンの「In My Life」('98)からのあの曲。ノスタルジックなジャズ路線でセクシーに歌われます。
【名曲リレー788】night#2
■Shot Down In The Night / Steve Swindells('79)
スティーヴ・スウィンデルズの名前を聞いたのはホークウィンド改めホークローズのアルバムでしたが、2人となったパイロットの「Two's Crowd」にも参加してたんですね。それ以前にもアルバムがあるsswで、ニュー・ウェイヴ時代に呼応した「Fresh Blood」('80)は、ホークローズ脱退後のリリースで、再結成ホークウィンドのヒュー・ロイド・ラングトン(g~彼はオリジナルメンバーでもありました)やサイモン・キング(ds)などホークスゆかりのメンバーが参加。bassはVDGGのニック・ポッターです。この曲は再結成ホークウインドのライヴ盤「Live1979」にも収録されてました(すでにスウィンデルズはやめた後です)。
【名曲リレー789】night#3
■LA Nights / EL&P('77)
77年はそれまで沈黙を守ってた大御所のプログレバンドたち(ほかにはイエスとフロイド)がこぞって新作を出した年でした。今から思えば、(プログレというジャンルが)時代のトレンドからずれてしまい、次の一手になる新作がかなり重要、ということでずいぶん迷ったようです。結果的にどのバンドも新味を出しつつ既定路線の延長だったわけで、とりわけ2枚組で3面に各人のソロを盛り込んだEL&Pの「Works」は、延命処置に近い内容でした。C面にあたるカール・パーマー・サイドにはイーグルスに参加して絶好調だったジョー・ウォルシュ(g)をフィーチャーした"LA Nights"が収められています。ややフュージョン風のロックジャムで、ドライヴ感のあるウォルシュのスライドは、それほど目立つわけではないですがカッコイイ。当時ラジオではあんまりかからなかったんで、好きになるのはずいぶん遅くなってしまいましたが。saxは誰が吹いてるんだろう。
【名曲リレー790】LA#2
■LA Connection / Rainbow('78)
1枚ごとにバンド名が短くなっていったレインボウのこれは4枚目になる「バビロン」から。bとkbが変わってますが、このビブ・デイズリー、デイヴィッド・ストーン時代が映像も割とあって昔からなじみやすいのです。この時期はキャッチーに行きたいところをディオとコージーの存在が押しとどめてた部分もありますので、従来路線のものもあるなか、この"LA Connection"あたりはそれでも当時はずいぶんキャッチーに感じたものです。