概要

測量士の資格には、測量士と測量士補の2つがあります。いずれも測量法に基づく国家資格で、技術者として基本測量・公共測量に従事できます。測量士は測量計画を作成できますが、測量士補は測量計画を作成することができず、測量士の作成した測量計画の指示に従って測量業務を行うことになります。また、土地家屋調査士の資格試験を受験する場合には、測量科目(午前の部の試験)が免除されることも見逃せない魅力です。

試験級:測量士/測量士補

受験料:【測量士】4,250円【測量士補】2,850円 ※収入印紙

受験資格:どなたでも受験できます

合格率:【測量士】7.7%【測量士補】30.3% ※令和2年

試験日程:年1回 9月中旬頃

試験内容

○試験時間:
3時間(午後1時30分から午後4時30分まで)
○試験科目
 (1)測量に関する法規(2)多角測量(3)汎地球測位システム測量(4)水準測量(5)地形測量(6)写真測量(7)地図編集(8)応用測量の8科目

○配点と合格基準

択一式の28問(1問25点)の700点満点で、450点以上で合格です。つまり、28問中18問(約6割)の正解で合格となります。           

なお、測量士補試験では、定規を持ち込めますが電卓の持込みは認められません。

対策

試験問題は過去問の焼き直しが多く、対策がしやすいこともあって難易度は決して高くありません。過去問をしっかり勉強すれば十分合格が狙えます。ただ、問題集によっては最低限の解説しか載っておらず、初心者には不向きなものもあるので要注意です。(例えば㊧測量士補 過去問280)なお、28問のうち、10数問は計算問題が出題されます。つまり、択一問題だけで通過することは厳しくなっているので、計算問題への対策は必須です。使用する公式や三角関数は、高校生の数学ができれば問題ないレベルなので、繰り返し解いて方法を身につけましょう。もし、数学苦手で測量の知識ゼロの方は㊨『1冊合格!測量士補試験』がおすすめです。また、電卓の持ち込みができないので、筆算に慣れておく必要もあります。私は2ヶ月ほど勉強して受験に臨みました。

 

「測量士補 過去問280」2,970円(税込)平成23年度から令和2年度までの全問題を、分野別・項目別に分類、解説した過去問題集。コンパクトに試験科目を解説しているため、ある程度の前提知識が無ければ理解するに多少時間がかかるかもしれません。「1冊合格!測量士補試験」1,980円(税込)測量の超入門書です。全く測量の機器を触ったことがない人や、測量について予備知識がない人が読むにはかなりおすすめです。とりあえずこの本を一週読んで計算も書いてある通りやってみて、それから過去問を解くのがおすすめです。

試験

なんとか合格ラインには達したかなという感じ照れ。毎年、試験問題の一部分を変更して焼き直しをしてるだけで、新傾向の問題は1~2問ほどです。よって全28問中のほとんどが過去問の焼き直しになりますので過去問の復習を中心に勉強時間を費やしましょう。会場に行って驚いたのは、学生服姿の高校生が非常にたくさんいたことです。おそらく土木や工業系の高校の生徒が就職を控えて学校単位で受験しているのでしょう。つまり、大学で測量を専門に学習しているようなレベルの高い人は最初から受験者数に含まれていません。機器を見たことも触ったこともない人でも3か月ほどしっかり勉強すれば普通に独学で合格できる試験だと思います。

 

場所は西武多摩川線 多磨駅より徒歩5分東京外国語大学 府中キャンパスでした。

感想

道路工事の現場や広い空き地で、三脚の上に置いた小型望遠鏡のようなものを作業着を着た人が覗き込んでいる姿を見たことがありませんか?測量は工事の基礎ともいえるもので、住宅から大規模な構造物まで、どんな工事もすべて測量から始まります。そのため測量士補の資格は比較的簡単だけど就職や転職につながりやすいというのが理由で、毎年1万人以上が受験する隠れた人気国家資格です。また測量士補の合格者は土地家屋調査士の午前の試験が免除になるため、土地家屋調査士を目指す場合にも有利な資格といえます。テキストと過去問の繰り返し学習で、着実に合格を狙えるこの試験。将来、測量士事務所や建築業界に携わりたいと考えているみなさんは、ぜひ受験料が安く、独学でも合格を目指せる測量士補にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。