●概要
一等無人航空機操縦士・二等無人航空機操縦士では限定変更を行うことで最大離陸重量の拡大(25kg以上)、昼間飛行に加えて夜間飛行、目視内飛行に加えて目視外飛行が可能になります。今回は初学者 ニ等資格限定変更【目視外飛行・夜間】コースを登録講習機関で受講しました。
等級:一等/ニ等
受講料:目視外飛行33,000円+夜間飛行22,000円=55,000円(税込)
受講期間:目視外飛行 2時間/夜間飛行 2時間=合計4時間
修了審査:減点式採点法 70/100点以上で合格
場所はJR常磐線「友部駅」から送迎車で10分、ドローンビジネススクール茨城にお世話になりました。
●無人航空機操縦士とは
日本ではこれまでドローンに関して民間資格が存在していましたが、2022年12月5日より国家資格である「無人航空機の操縦者技能証明制度(操縦ライセンス制度)」が開始されました。国家ライセンスを取得するには国土交通省指定機関にて「学科試験」、「実地試験」、「身体検査」の合格 が必要となります。国家ライセンス取得には、二通りの方法があります。
①「学科試験」「実地試験」「身体検査」を指定試験機関で受験し取得する
車の教習所で例えると、免許センターの一発試験に相当します。
②「学科試験」「身体検査」を指定試験機関、 「実地試験」を登録講習機関で受験し取得する
●資格取得までの流れ
1.技能証明申請者番号の取得
ドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)にて、「技能証明申請者番号」を取得してください。一発免許でもドローンスクールに通う場合でも、まず最初に技能証明申請者番号を取得します。
2.学科・実地講習を受講←今回はここ
ドローンスクールで、取得を目指す資格に応じたコースを受講します。私はニ等無人航空機操縦士 初学者コース<合宿免許>を受講した後、目視外飛行・夜間の限定変更講習を受講しました。
3.実地修了審査を受験
実地修了審査はドローンスクールで行われます。修了審査に合格すると指定試験機関での実地試験が免除になります。
4.学科試験・身体検査を受検
無人航空機操縦士試験(ClassNK)にて試験申し込みを行い、学科試験はCBT形式での受験、身体検査は書類受験または会場での受験を選ぶことができます。 その際、該当する手数料を納付する必要があります。
●学科試験
無人航空機操縦士試験(ClassNK)からの申し込み後、プロメトリックから試験日程の予約が必要です。
等級:一等/二等
試験方式:CBT(三肢択一式)
受験料:【一等】9,900円【二等】8,800円
試験時間:【一等】70問/75分【2等】50問/30分
合格基準:【1等】90%以上【2等】80%以上
身体検査の受検方法は、書類受検と会場受検の2種類があります。書類受検では、運転免許証をスキャンまたはスマホで撮影したデータをアップロードすることで提出が可能です。
受験料:5,200円
必要書類:有効な公的証明書の提出(運転免許証など)
5.無人航空機操縦者技能証明書の交付申請
全ての試験に合格後、国土交通省航空局に対して、無人航空機操縦者技能証明書の交付申請手続きをドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)にて行ってください。 その際、該当する手数料(3,000円)を納付する必要があります。
6.無人航空機操縦者技能証明書の取得
無人航空機操縦者技能証明書が郵送にて届きます。
●ニ等無人航空機操縦士限定変更コース
限定変更とは、以下のいずれかの限定を解除するために必要な実地試験であり、「夜間飛行」・「目視外飛行」・「最大離陸重量25kg以上の機体での飛行」のいずれかの飛行を実施する方は各実地試験が必要となります。(それぞれの限定を解除するための講習を受講・修了した場合は、その内容に応じた実地試験が免除になります)
・夜間飛行
航空法では、「日没から日の出まで」が夜間と定義されています。その間にドローンを飛行させることを「夜間飛行」といいます。
・目視外飛行
操縦者が、目視内にドローンが存在しない状態でドローンを操縦することを「目視外飛行」といいます。プロポ(コントローラー)の画面を見ながら操縦する状況も目視外飛行に該当します。
・最大離陸重量25kg以上の機体での飛行
総重量が25kg以上のドローンを飛行させる場合、厳しい審査基準が適用されます。主に、スマート農業や物流等の分野での活躍が見込める機体がこれに該当します。
カリキュラム
・目視外飛行 2時間
基本操縦(手動)/基本操縦(自動)/基本操縦以外の期待操作/様々な運行形態への対応/緊急時の対応
・夜間飛行 2時間
基本操縦(手動)/様々な運行形態への対応/緊急時の対応
修了審査
・机上試験
・口述試験(飛行前点検)
・実技試験
・口述試験(飛行後の点検及び記録)
●実技試験の練習方法
【ドローンのご紹介】
私はDJI Phantom 4 Pro+ V2.0を所有してます。 この機種のメリットは送信機のスイッチ1つでA:ATTIモード(手動操縦モード)に切り替える事が可能です。 無人航空機操縦士(ドローン国家資格)の実技試験ではATTIモードでのフライト技術が必要となるため、オススメです。
【RealFlight Evolutionのご紹介】
ドローンの操縦を上達させるには繰り返し練習するしかないのですが、一方で練習時間というのは限られてしまうと思います。そんな時に便利なのがパソコンで操縦練習が可能なフライトシミュレーターです。 実技試験で必要なATTIモード(Altitude Hold)での練習もできます。
●感想
ドローンの技能証明は、重量や飛行の方法について限定がされています。基本の技能証明を取得していても、25㎏以上のドローンの飛行や目視外飛行、夜間飛行はできません。これらのドローンや飛行方法で飛行をさせたい場合は、限定を解除して技能証明を取得する必要があります。ドローンでお仕事をされている方で、昼間(日の出から日の入り)に目視内(目で見える範囲)だけで仕事をするのは現実的ではありません。この「基本」だけの限定を解除するのが「昼間飛行の限定変更」「目視内飛行の限定変更」「25kg未満」の限定変更になります。よって「基本」に合格した後は、せめて「昼間飛行の限定変更」「目視内飛行の限定変更」くらいは合格しておきたいですよね!あなたもドローンの国家資格+限定変更も持っているドローンパイロットを目指してみてはいかがでしょうか。