1.適格消費者団体
埼玉消費者被害をなくす会
2.概要
2024年1月30日、埼玉消費者被害をなくす会は、消費者が脱毛エステ業者株式会社ビューティースリーの「全身脱毛無制限コース」を契約し、ライフティ株式会社の分割払いクレジットを利用して支払った代金について、ライフティから消費者に返金することを求め、集団的被害回復制度に基づく共通義務確認訴訟を提起した。
>>訴状
本訴訟について、さいたま地方裁判所は2025年12月26日、同団体の主張を退ける判決を言い渡した。
その後、同団体は控訴したが、東京高等裁判所は2026年6月17日、同団体の控訴を棄却。これを受け、同団体は2026年6月30日、最高裁判所に対し、上告及び上告受理申立てを行った。
3.経緯
2023年10月~11月
ビューティースリーが9月末に破産決定。なくす会がライフティは有料施術を受けた回数のみで清算する対応であり、無償施術分は対応しない旨の情報提供を受ける
2023年12月13日
なくす会はライフティに対し、ビューティースリーの脱毛エステ契約にクレジット契約を提供した件数、「5回目以降無償施術・期間無制限」の約束に関する認識などを問い合わせを実施
2024年1月19日、
ライフティはクレジット契約の与信対象は1年間4回の有料契約分であり、5回目以降の無料施術分の附帯特約は対象ではないから解約時の清算対象でもない旨を回答
2024年1月30
国民生活センターに数百件の相談が寄せられていることが判明。なくす会は多数の事案について個別交渉・個別訴訟では適正な解決が困難であると考え、日、集団的被害回復訴訟を提起。
2025年12月26日
さいたま地方裁判所は、同団体の主張を退ける敗訴判決を言い渡した。
本判決では、ビューティースリーの「全身脱毛無制限コース」に関し、1年間4回の有料施術代金に2年目以降の無料施術・期間無期限の対価が一定程度含まれていると考える合理性はあるとしつつも、清算金の発生については個別事情を考慮すべきであり、「2年目以降無料施術」との記載が直ちに特定商取引法に違反し無効とはいえないとされた。
また、クレジット契約書の記載についても、エステ契約書の内容に沿ったものであり、クレジット契約の内容を誤認させる虚偽の記載には当たらないとした。
同団体は判決の内容を精査のうえ、控訴する方向で検討しており、控訴の有無および対象契約者の今後の対応については、2026年1月中旬頃に同団体のウェブサイトで公表するとしている。
>>判決文
2026年6月17日
東京高等裁判所は、ライフティに対する消費者裁判手続特例法の消費者団体訴訟制度に基づく共通義務確認請求訴訟の控訴審(第一審:さいたま地方裁判所)において、控訴棄却判決を言い渡した。
同判決では、同団体が主張した契約書面の記載の違法・無効を前提とするクーリング・オフ及び不実告知取消しのいずれも認められなかった。
一方で、同団体によると、無償施術の経費が有償施術の経費に転嫁されていると認められる場合には、中途解約時の清算金の計算において、施術1回当たりの料金を無償施術分を含めて算定する余地があることを認めた点は、第一審とは異なるとしている。
>>控訴審判決文
2026年6月30日
同団体は、高裁判決を不服として、最高裁判所に対し、上告及び上告受理申立てを行った。
