1.適格消費者団体
とちぎ消費者リンク
2.概要
とちぎ消費者リンクは、株式会社オアシスが提供するレンタルサーバーサービスの利用規約および表示について、消費者契約法および景品表示法に違反するおそれがあるとして申入れおよび差止請求を行っていた。
その後、訴訟を経て同社が規約の削除等の対応を行ったことを受け、同団体は2026年3月、差止請求を終了した。
3.経緯
2023年6月29日
特定非営利活動法人とちぎ消費者リンク、株式会社オアシスに申入書を送付。
レンタルサーバー利用規約における最低利用期間内の解約時に初期設定費用(9万9000円)を請求する条項について、消費者契約法に違反するおそれがあるとして、削除または修正を求めた。
あわせて、ウェブサイト上の「通常: 99,000円→初期費用0円 60秒で自分だけのサイトが完成」の表示から最低利用期間や解約時の違約金の発生が読み取れない点が、有利誤認にあたるおそれがあると指摘した。
>>申入書
2024年3月4日
同団体、同社に対し差止請求書を送付。
当該条項および表示の削除を求めた。
>>差止請求書
2024年5月20日
同団体、宇都宮地方裁判所に不当条項差止等請求訴訟を提起。
>>訴状
2024年12月26日
同社代理人より回答が示され、条項の適法性については争う姿勢が示された。
>>御連絡
2025年12月11日
判決言渡。
宇都宮地方裁判所は、レンタルサーバー利用規約第13条のうち、最低利用期間内に解約した場合に初期設定費用9万9000円を全額支払わせる条項について、形式上は「初期設定費用」とされていても、実質的には中途解約に伴う違約金として機能するものであり、消費者契約法9条1項1号の対象となるとした。その上で、同社は当該金額の算定根拠を十分に明らかにしておらず、他社における同種サービスでは初期設定費用を0円とし、月額料金の中で回収している例もみられることなどから、少なくとも月額料金1か月分の支払いで初期設定費用は回収可能であるとして、9万9000円全額を支払わせるのは平均的損害の額を超える部分に当たるとし、同条項を含む契約の申し込み又は契約の意思表示を行ってはならないとした。
一方で、同条後段の、最低利用期間内に利用料等の支払遅延があった場合に初期設定費用を支払わせる条項については、訴訟提起前に当該部分を対象とする法所定の事前請求がされていなかったとして、当該部分に係る差止請求は却下された。
また、ウェブサイト上の「通常:99,000円 初期費用0円 60秒で自分だけのサイトが完成 月額9800円」などの表示については、最低利用期間の定めや期間内解約時に初期設定費用9万9000円の支払義務が生じることが表示されておらず、あたかも常に初期費用がかからないかのように消費者に誤認させるとして、景品表示法34条1項2号の有利誤認表示に当たると判断し、これらの表示を行ってはならないとした。
>>判決文
2026年1月24日
同団体、差止請求書を再度送付。
レンタルサーバー利用規約第13条のうち、利用料等の支払遅延があった場合に初期設定費用を一括で支払わせるとする条項について、削除を求めた。
同団体は当該条項について、消費者契約法第9条第1項第2号に定める違約金条項に該当するとした上で、年率14.6%の遅延利息を定める第15条とは別に、初期設定費用9万9000円の請求や月額料金の増額(9800円から1万6800円)といった不利益を課すものであり、平均的損害額を超える違約金等を定めるものに当たると指摘した。
その上で、これらを合算すると同号の上限を超えるとして、当該条項は無効であり削除が必要であると主張した。
>>差止請求書
2026年1月29日
同社、回答書を提出。
訴訟の結果を踏まえ、利用規約第13条(最低利用期間)および第15条(延滞利息)を削除し、関連表示を修正したと報告した。
>>回答書
2026年3月17日
同団体、同社による規約改定および表示修正を確認し、差止請求を終了。
あわせて、控訴も取り下げた。
>>申入れ終了通知
>>取下書
