1.適格消費者団体
埼玉消費者被害をなくす会
2.概要
埼玉消費者被害をなくす会は、株式会社ファーマフーズが販売する薄毛治療薬・育毛剤「ニューZ」のウェブサイト広告表示について、2025年3月以降、申入れ及び再申入れを行っている。
同団体は、同商品の使用前後画像や体験談について、効能効果に関する誤認を与えるおそれがあるとして、表示の削除又は適正な表示への修正を要請。その後、使用前後画像の明暗差や白髪染めがうかがわれる点、「※白髪の改善効果はありません」との注釈表示についても再申入れを行った。
同社は、使用前後画像は商品の使用によるものであり画像加工等も行っていないこと、体験談は第三者による実際の証言内容であることなどを回答。また、注釈が付記されていない箇所については、画像の近傍に付記するようにすると回答した。
その後も使用前後画像の表示が継続していたことから、同団体は2026年8月、特定商取引法及び景品表示法に基づき、当該表示の使用停止を求める差止請求書を送付。同社はこれを受け、対象となるウェブページの表示を修正し、使用前後画像及び「※白髪の改善効果はありません」との表記を削除したと回答した。
3.経緯
2025年3月25日
埼玉消費者被害をなくす会、株式会社ファーマフーズに対し申入書を送付。
同社が販売する薄毛治療薬・育毛剤「ニューZ」のウェブサイト広告表示について、以下の表示の削除又は適正な表示への修正を求めた。
①本件商品の使用の前後における画像
②本件商品の使用者における体験談・感想等
申入れでは、同社が本件商品について、発毛促進、育毛、脱毛(抜毛)の予防、若禿(壮年性脱毛症)、薄毛、ふけ、かゆみ、病後・産後の脱毛、糠性脱毛症、円形脱毛症の効能効果」があり、「脱毛症改善」「AGA治療」「毛髪治療」「薄毛治療」を目的として販売しているとしたうえで、薬機法第66条が医薬品等の効能、効果又は性能に関する虚偽・誇大広告を禁止していること、特商法第12条が通信販売における商品の性能等について著しく事実に相違する表示等を禁止していること、景表法第34条第1項第1号及び第5条第1号が優良誤認表示を禁止していることを挙げた。
上記に基づき、使用前後画像については、真に本件商品の使用による効能効果に基づくものではない場合や、真に効能効果に基づくものであったとしても画像加工等がされている場合には削除するよう求めた。
また、使用者において同程度の効能効果が保証できない場合には、本件画像の削除又は同程度の効能効果が保証できないことを明示するなど、適正な表示に修正するよう求めた。
さらに、「個人差があります。」との表記について、本件画像等で効能効果の表示がされていることに比して文字サイズが極めて小さいとして、消費者が理解しやすいよう、他の表記と同程度の文字サイズ・位置等で表示すべきと指摘した。
使用者の体験談については、薬機法等の趣旨から、使用前後画像と同様に、真実性の確保及び効能効果について消費者に誤認を与えない内容であることが必要であると指摘。
さらに厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」においても、『愛用者の感謝状、感謝の言葉等の例示及び「私も使っています。」等使用経験又は体験談的広告は、客観的裏付けとはなりえず、かえって消費者に対し効能効果等又は安全性について誤解を与えるおそれがある』とされているとしたうえで、「てっぺんの地肌が見えにくくなってる!」「髪が太くなって分厚くなってきました。」などの記載が、真に同社と無関係の本件商品の使用者(第三者)によるものであり、かつ記載内容が事実であるか確認を求めた。事実と異なる場合には、各体験談を削除するよう求めた。
また、同社が依頼した体験談であることの表記については消費者が理解しやすいよう、他の表記と同程度の文字サイズ・位置等で表示すべきと指摘、各体験談の続けていきたい理由の記載内容については不適切な部分があると削除、又は、適正な表示に修正を求めた。
>>申入書
2025年4月11日
同社、回答書を送付。
使用前後画像について、ニューZの使用によるものであり、画像加工等も行っていないと回答。各画像の撮影年月日及びオリジナル画像を提出した。
「個人差があります。」との表記については、8p以上で記載しており、現状でも適正な表示であるとしつつ、同団体の意見を踏まえ、より分かりやすい表示にする観点から、該当箇所をもう少し大きな文字で表記するよう修正すると回答した。
体験談については、第三者が本商品を使用した結果に対する実際の証言内容であると回答。また、同社が感想を依頼したものであることの表記は、8p以上でコメントの直下に記載しており、適正な表示になっている上、同表記が記載内容を打ち消す性質の内容でもないとして現状の表記で十分であると回答。
続けていきたい理由の記載内容についても、適切な内容であると回答した。
>>回答書
2026年3月30日
同団体、再申入書を送付。
同社のウェブサイト広告表示について、以下の表示の削除又は適正な表示への修正を求めて再申入れ。
①本件商品の使用の前後における画像
②「※白髪の改善効果はありません」の文字サイズ
再申入れでは、使用前後画像について、使用後画像の方が暗いことや、白髪染め等をしたことがうかがわれることから、頭髪・頭皮の状態を適正に比較できないとしたうえで、初回申入れと同様、特商法・景表法の観点から、使用前後画像として相当ではないとして、削除又は修正を求めた。
また、「※白髪の改善効果はありません」との表記について、文字サイズが小さいことや、同種の画像で当該注釈が付記されていない箇所があることを指摘し、表記箇所及び文字サイズの修正を求めた。
>>再申入書
2026年4月16日
同社、回答書を送付。
画像の明暗差について、消費者には単に明暗が違うと認識されるにすぎず、優良誤認に該当するような内容ではないとして、特に問題はないと回答した。
「※白髪の改善効果はありません。」との表示については、文字サイズが8p以上であると説明。そのうえで、注釈が付記されていない箇所については、画像の近傍に付記するようにすると回答した。
>>回答書
2026年8月3日
同団体、同社に差止請求書を送付。
同社のウェブサイトに引き続き掲載されていた「ニューZ」の使用前後画像について、使用停止を求めた。
また、「※白髪の改善効果はありません」との注釈についても、表示がない画像があるとした。さらに、本表示について同社は、8ポイントのサイズでの表示がなされているとしていたが、同団体は閲覧媒体によっては極めて小さな文字となるとして、十分な文字サイズが確保されているとはいえないとした。
>>差止請求書
2026年8月6日
同社、回答書を送付。
同団体からの指摘を受け、対象となったウェブページの表示箇所を修正したと説明した。具体的には、使用前後画像を削除するとともに、画像の削除に伴い「※白髪の改善効果はありません」との表記についても削除したと回答した。
>>回答書
