1.適格消費者団体
全国消費生活相談員協会
2.概要
全国消費生活相談員協会は、脱毛サロン「LACOCO」で使用されていた契約書面、概要書面及び利用規約に、特定商取引法又は消費者契約法により無効となると考えられる条項があり、ウェブサイト上にも景品表示法に抵触する有利誤認表示があるとして、2023年11月、当時の運営会社である株式会社メディビューティーに対し、条項及び表示の使用停止と是正を申し入れた。
主な対象は、契約の有効期限経過後の中途解約を認めない条項、中途解約時に各種割引を無効とする条項、ローン解約手数料を負担させる条項、関連商品のみの解約を一律に認めない条項、事業者の損害賠償責任を一律に免除する条項など。また、実際には分割払いの開始時期を遅らせるだけであるにもかかわらず、「初月0円」などと表示していた広告についても是正を求めた。
その後、LACOCO事業は会社分割により株式会社Ladybirdへ承継され、同社との間で申入れと回答が重ねられた。最終的に同社は、旧契約書やアフターフォロー付きプランに基づく契約を含め、新旧を問わず、申入れの趣旨に沿って修正した現契約書の方法により精算し、その取扱いを全店舗へ周知する旨を回答した。
同協会は、申入れにより一定の改善がなされたとし、2026年1月15日をもって申入れを終了した。
3.経緯
2023年11月30日
全国消費生活相談員協会は、株式会社メディビューティーに対し、脱毛サロン「LACOCO」の契約条項及びウェブサイト上の表示の使用停止と是正を求める申入書を送付。
契約書面上で「有効期限」と、それより長く設定された「施術保証期間」が使い分けられ、施術保証期間中は施術を受けられるにもかかわらず、有効期限を経過した後は中途解約及び精算を認めない条項について、特定商取引法第49条第7項により無効になるとして使用停止を求めた。このほか、中途解約時に契約時の各種割引を無効とする条項、中途解約時にローンの分割手数料を負担させる条項も特商法により無効であるとして使用停止を求めた。
また、関連商品のみの解約を一律に認めない条項は消費者契約法第8条の2により無効であるとして使用停止を求めた。
さらに、利用規約に定められた事業者の損害賠償責任を一律に免除する条項について、消費者契約法第8条第1項第1号及び第3号により無効であるとして使用停止を求めた。
このほか、ウェブサイト上の初月の支払いが0円であるとの表示についても、実際には分割払いの開始月を遅らせるだけで、1回分の料金が無料になるものではない場合、有利誤認表示に該当するとして使用停止を求めた。
>>申入書
2024年1月23日
同協会は、同社に対し、回答を催促する連絡書を送付した。
>>ご連絡
2024年1月29日
同社は、同協会に対し、申入書に対する回答書を送付した。
本回答書では、「施術保証期間」などの用語を「契約有効期限」に統一すること、中途解約時に各種割引を無効とする条項及びローン解約手数料に関する条項を削除することなどを回答した。
関連商品の解約制限や利用規約の免責条項については、同社に責任がない場合を除外する(同社に責任がある場合は解約や賠償を認める)趣旨の文言へ修正することを示した。
また、「初月0円」は支払いの開始を1か月遅らせる意味であり、料金を1か月分減額するものではない旨の注記を追加するとした。
>>回答書
2024年4月3日
同協会は、同社に対し、再申入書を送付した。
同再申入書では、契約に関する用語を統一するだけでは不十分であり、契約期間、契約の有効期間及び契約有効期限並びに施術保証期間を一致させ、その内容を約款上で明確にするよう求めた。
関連商品の解約については、「同社に責任がない場合」ではなく、「関連商品の契約不適合の場合等を除く」と修正するよう要請。利用規約の免責条項についても、「同社に故意又は過失がない場合」と明記するよう求めた。
また、「初月0円」との表示について、支払いの開始時期が遅れるだけで値引きが行われないのであれば、注記を追加しても有利誤認は解消されないとして、表示自体を停止するよう求めた。
さらに、同社らかの回答書で対応が不明確だった部分について、対応方針の説明を求めた。
>>再申入書
2024年4月17日
同社は、同協会に対し、契約書面等の具体的な修正内容を精査しており、追って回答する旨の回答書を送付。
>>回答書
2024年6月11日
同協会は、同社に対し、回答を求める連絡書を送付。
>>ご連絡
2024年6月12日
同社は、同協会に対し、回答期限の猶予を求める連絡書を送付。
>>ご連絡
2024年7月10日
同社は、同協会に対し、回答書、概要書面及び契約書を送付。
契約書面及び概要書面で使用する用語を「契約期間」に統一し、施術間隔等に応じて契約期間を設定すると回答した。
また、ローン解約手数料に関する条項を削除し、関連商品の解約に関する条項を「関連商品の契約不適合の場合等を除く」と訂正するとした。契約書面と概要書面についても全体的な見直しを行い、2024年8月から全店舗で改定後の書面を使用するとした。
また、ウェブサイト上の「初月0円」の広告表示は削除、停止するとした。
>>回答書
>>概要書面
>>契約書
2024年8月27日
同協会は、同社に対し、契約書面等の更なる是正を求める連絡書を送付。
同連絡書では、新たに提出された契約書面等を確認したところ、削除すると回答していた各種割引の精算条項が残されているなど、従前の回答内容と書面の記載に齟齬があると指摘した。また、事務手数料やデータ登録初期費用等について、同社は回答書で指摘に合理性があると認めていたものの、新契約書面等には入会金の総額及び内訳が明示されていないとして、その明示を求めた。
また、関連商品に契約不適合がある場合には解約できる旨が契約書面に反映されていないことなどについても修正を求めた。
利用規約については、ウェブサイトから規約自体が削除され、回答内容の反映状況を確認できなかったことから、再掲載する場合は改定案を示し、再掲載の予定がない場合はその旨を回答するよう求めた。
一方、ローン解約手数料に関する条項及び問題とされたウェブ広告が削除されたことは確認した。
>>ご連絡
2024年9月24日
同社は、同協会に対し、回答書、概要書面及び契約書を送付。
同回答書では、電子契約サービス「けいやくん」を導入し、契約書面等を改定するとともに、申入れ内容を運用に反映する予定であるとした。
また、ウェブサイト上の利用規約は削除しており、今後も再掲載する予定はないと回答した。
>>回答書
>>概要書面
>>契約書
2024年12月24日
同協会は、株式会社アイリンク(旧:株式会社メディビューティー)に対し、脱毛サロン「LACOCO」の運営会社が株式会社Ladybirdに変更されたか照会。
>>お問い合わせ
2025年1月7日
株式会社Ladybirdは、同協会に対し、問い合わせ書に対する回答書を送付。
会社分割に伴い、2024年12月1日からLACOCOを含むエステ・脱毛事業の運営会社が株式会社Ladybirdに変更されたと回答した。
>>回答書
>>通知書
2025年1月22日
同協会は、株式会社Ladybirdに対し、再申入書を送付した。
「けいやくん」で使用する契約書面の案文に、以前問題を指摘した「関連商品のみの解約は認められません」との条項が再び記載されているとして、修正を求めた。
また、中途解約時に返還された関連商品の価値を一律に「販売価格の40%を基準」として算定する方法について、未使用の商品等にも適用される場合には不相当であり、特定商取引法第49条第6項に反すると指摘し改定を求めた。
ウェブサイト上の「1か月分0円」との表示については、実際には分割払いが2か月目から開始され、2か月目に2か月分をまとめて支払う仕組みで、36回分全額を支払う必要があるにもかかわらず、1回分が値引きされるとの有利誤認表示に違反するとして、表示の削除及び支払条件の明確な表示への修正を求めた。
一方、別のウェブサイトで実際に1か月分を割り引いていた表示についても、割引前の総額12万2,100円に対する分割回数や分割金額が明示されておらず、割引の内容や根拠が分かりにくいとして、消費者の自主的かつ合理的な選択を妨げないよう、明確で読みやすい表示への修正を求めた。また、分割回数にかかわらず、1か月分の割賦金相当額又は3,300円が値引きされるのかについても回答を求めた。
さらに、役務提供期間を見やすく表示することや、「けいやくん」を利用した場合の契約締結手続について、各書面の説明や署名がどのように行われるのかを具体的に説明するよう求めた。
>>再申入書
2025年2月18日
同社は、同協会に対し、回答期限の猶予を求める回答書を送付。
>>回答書
2025年3月4日
同社は、同協会に対し、回答書、「けいやくん」の契約書及び同意署名画面を送付。
関連商品の契約不適合時の取扱いについて、契約書面の表面に注意書きを追加するとし、精算方法については、業界団体が定めた基準を参考に、下着や美容機器等の返還時の価値を販売価格の40%を基準に算定していると説明した。
広告表示については、関係行政機関の指導を受けながら順次修正しているとした。
まず「1か月分0円」の表示を削除したと回答した。別のウェブサイトの割引表示については、単純計算による表記であり総額表示もあること、また東京都生活文化スポーツ局取引指導課表示指導担当からも改善が認められているとの認識を示した。また、同サイトのキャンペーンは、分割回数を選択できるものではなく、月々の支払額及び支払回数があらかじめ定められた36回払い限定のキャンペーンであると説明した。
さらに、「けいやくん」を利用した契約手続では、各書面を説明し、顧客が確認項目をチェックした上で署名する仕組みであると説明した。
>>回答書
>>けいやくん契約書
>>けいやくん同意署名画面
2025年6月3日
同協会は、同社に対し、再申入書を送付した。
同再申入書では、関連商品の契約不適合責任等に基づく消費者の権利を妨げないことが明確になるよう、契約書面の文言を改めて提案した。中途解約時の関連商品の使用料の精算については、一般社団法人日本エステティック振興協議会が定める「エステティック業統一自主基準」等を踏まえ、販売価格の40%を基準とするのは使用済みの下着や美容機器等であり、開封されていても汚れや破損のない未使用の商品は、販売代金全額を返金して引き取るべきであると指摘し、精算条項の再修正を求めた。
また、「けいやくん」を利用した契約書面が紙又は電磁的方法のいずれで交付されているのか、各書面の説明、署名及び交付がどのような手順で行われているのかについても回答を求めた。
>>再申入書
2025年6月25日
同社は、同協会に対し、回答書及び「けいやくん」の契約書の記載例を送付。
同回答書では、関連商品の契約不適合責任等に基づく消費者の請求を妨げない旨の文言に修正したと回答した。
また、未使用で汚れや破損のない商品については販売代金を全額返金し、使用済みの商品については所定の計算式で精算する旨を契約書面に追加した。
同協会が問合せをしていた「けいやくん」を用いた契約手続については、概要書面や付随書面をそれぞれ説明し、顧客が確認・署名した後、契約書面等の控えを交付する運用であると回答した。
>>回答書
>>けいやくん契約書(記載例)
2025年9月2日
同協会は、同社に対し、関係書面の提出を求める連絡書を送付。
同協会は、関連商品の取扱いを定める条項及び精算方法が修正されたことや、契約書面等をそれぞれ説明した後、印刷して顧客へ交付する運用が行われていることを確認した。
その上で、申入れの終了を検討するため、「アフターフォロー付きプラン」に関する書面、概要書面及び使用中の利用規約がある場合には最新の規約を提出するよう求めた。
>>ご連絡
2025年9月17日
同社は、同協会に対し、回答書、サービス契約書、概要書面及びアフターフォロー付きプランに関する書面を送付。
同回答書では、「保証付きプラン」を2025年9月12日に廃止したと回答した。
利用規約については、以前のウェブサービスを前提とした内容で誤解を招くおそれがあったため削除しており、必要事項は契約書面等に記載していることから、別途作成する予定はないと回答した。
>>回答書
>>概要書面
>>契約書
>>アフターフォロー付きプラン
2025年11月4日
同協会は、同社に対し、追加書面の提出及び精算方法の改善を求める連絡書を送付。
契約書面で参照されている承諾書等の追加提出を求めた。
また、廃止前に契約されたアフターフォロー付きプランについて、有償施術と同内容のサービスが保証期間中に提供される場合には、そのサービスも含めて未施術分を精算する必要があると指摘した。
旧契約書を使用して契約した顧客についても、従来の違法と指摘された精算方法ではなく、改定後の現契約書に定める精算方法を適用し、全店舗に周知するよう求めた。
>>ご連絡
2025年11月14日
同社は、同協会に対し、回答書及び関係書面を送付。
同回答書では、廃止前のアフターフォロー付きプラン及び旧契約書に基づく契約についても、現契約書に定める精算方法に基づいて精算し、その取扱いを全店舗に周知すると回答した。
>>回答書
>>資料
2026年1月15日
同協会は、同社に対し、申入れにより一定の改善がなされたとして終了通知を送付。
>>終了通知