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林田学監修:適格消費者団体の動向

元政府委員・薬事法ドットコム社主の林田学です。適格消費者団体の動向についてお伝えしていきます。
適格消費者団体は、景表法・特商法に関して消費者庁を補完する役割を果たしており、その動向は重要です。

1.消費者団体

特定非営利活動法人 消費者支援機構関西

 

2.概要

消費者支援機構関西は、株式会社ライズが運営するスポーツジムがホームページに表示している「パーソナルトレーニング」の表記について、実際は1:2のトレーニングであるにもかかわらず完全な1:1であるかのように誤認されるおそれがあり、景品表示法に違反する可能性があるとして、2023年5月以降、表示内容の修正を求める申入れ・要請を複数回送付している。

また、契約書における免責条項、予約の繰り越し制度や通常プランの記載等についても修正を要求。

株式会社ライズは一部対応を進めたと回答したが、同団体は依然として修正が不十分であり、景品表示法および消費者契約法に反するおそれがあるとし、2025年7月にも再々申入れおよび要請を行っている。

 

 

3.経緯

2023年5月

消費者支援機構関西、株式会社ライズに対し、初回の申入れを実施。

「パーソナルトレーニング」表示の修正などを求める。

※申入書は非公開

 

2023年10月

同社、回答書を送付。

※回答書は非公開

 

2024年3月28日

消費者支援機構関西、申入書兼要請書を送付。

「パーソナルトレーニング」表示の修正、契約書の免責条項修正、予約の取れない場合の繰越対応、通常プラン料金の記載等を求める。

>>申入書兼要請書

 

2024年4月24日

同社、回答書を送付。

「パーソナルトレーニング」表示については「1:2のトレーニングもパーソナルトレーニングに該当する」とする自社の見解を示したうえで、「完全な1:1のトレーニングではないことをホームページで表示する」と修正・対応の意向を示す。その他、契約書における免責条項等にも修正予定と回答。

>>回答書

 

2024年7月31日

同団体より再お問合せ。

ホームページ修正や同意事項等の修正時期などについて問合せ。

>>再お問合せ

 

2024年8月29日

同社、回答書を送付。

4月24日の回答で示していた「完全な1:1のトレーニングではないことをホームページで表示する」方針を撤回し、修正は行わないと回答。契約書同意事項は修正済み、予約の繰越が可能である点および繁忙期には予約が取りづらくなる可能性がある等の記載をホームページ上に表示すると回答。

>>回答書

 

2024年12月27日

同団体、再申入書兼再々お問合せを送付。

「パーソナルトレーニング」表示の修正を再度申入れ。その他修正点の対応時期等について問い合わせ。

>>再申入書兼再々お問合せ

 

2025年1月25日

同社、回答書を送付。

「パーソナルトレーニング」の表示修正は行わない方針を再度示し、「繁忙期には予約が取りづらくなる可能性がある」旨の表示も行わないと回答。その他、予約の繰り越しに対する修正等は対応中と回答。

>>回答書

 

2025年7月2日

同団体、再々申入および要請書を送付。

「パーソナルトレーニング」の表示、契約内容、勧誘方法などについて修正を要請。景表法(優良誤認表示)および消費者契約法違反の可能性を指摘。

>>再々申入および要請書

1. 消費者団体

消費者被害防止ネットワーク東海

2. 概要

同団体は、株式会社FIT PLACEが運営するフィットネスクラブの利用規約について、消費者契約法や不競法に照らして不当または不適切な条項が含まれていると判断し、2024年3月以降、4回にわたり同社に対して是正を求める申入れを行ってきた。同社は、ホームページ上で違約金の有無や金額に関する表示を行っていなかった。さらに月会費が実際よりも著しく低額であるかのような表現を用いており、同業他社と比較して著しく有利であるとの誤認を一般消費者に与えるおそれがあるとされた。

 

3. 経緯

2024年3月19日

消費者被害防止ネットワーク、株式会社FIT PLACEに対し申入書を送付。違約金の設定等を求めた

>>申入書

 

2024年4月19日

株式会社FIT PLACEより回答書。

 

2024年8月20日

同社による利用規約の一部は見直しを実施するが一部は訂正不要との回答を受けて、同団体は再度申入書。

>>申入書

 

2024年9月20日

同社より回答書。

 

2024年12月17日

同団体より、再度申入書。

>>申入書

 

2025年1月17日

同社より回答書。

 

2025年5月20日

同団体より、合理的な違約金算出と資料開示を求め再度申入書。

>>申入書

1.     消費者団体

消費者支援ネット北海道(ホクネット)

2.     概要

ホクネットは、矯正歯科を経営する医療法人社団斎藤会の、「契約のキャンセル、およびキャンセルに伴う返金請求をしないことを約束させる」という契約条項が、消費者契約法に違反し、無効であると指摘。2024年9月に当該条項の使用中止・変更を求めて申入書を送付した。これに対して同年10月に回答があったが、団体は内容を踏まえた契約全体の確認が必要と判断。契約書類の開示を求めて再度照会・連絡を行っている。

3.     経緯

2024年9月17日

ホクネットが医療法人社団斎藤会に対し、キャンセル規定の使用中止または変更を求めて、申入書を送付。

>>申入書

 

2024年10月28日

斎藤会より回答書。

>>回答書

 

2025年2月13日

申入れに対する回答を受け、契約書類の開示を求める照会書を送付。

>>照会書

 

2025年6月13日

斎藤会より契約書類未提出のため、開示を重ねて求める連絡書を送付。

>>連絡書

1.     消費者団体

消費者市民ネットとうほく

2.     概要

消費者市民ネットとうほくは、株式会社北の達人コーポレーションに対し、「定期購入の商品ホームページにつき、いわゆる確認画面の表記が存在しないことから、確認画面を設けること」「(そもそも確認画面が存在しないが、)商品購入の申し込みボタン付近に、商品の到達時期、解約に関する条件、解約料等について適切に表示すること」を要求。特定商取引法およびJADMA(日本通信販売協会)のガイドラインに反するおそれがあるとして、2024年以降、3回にわたり申入れ・要請を行っている。

同社は一部対応を進めたと回答したが、同団体は依然として消費者が注文前に十分な確認・訂正ができる仕組みにはなっていないとし、注文画面の改修を求めている。

 

3.     経緯

2024年4月4日

消費者市民ネットとうほく、申入書を送付。確認画面の設置および重要事項の明示を求める。

>>申入書

 

2024年5月29日

株式会社北の達人コーポレーション、、最終確認画面には問題がないとの見解を示したうえで、商品購入画面における表示内容の配置を変更するなどの対応を行い、購入者が購入手続きの完了をより認識しやすくなるようホームページを改良したと、回答。

>>回答書

  

2024年9月30日

同団体より、改良が不十分であるとして再度申入書。

>>申入書

 

2024年11月22日

同社、ホームページを一部改良したと、回答。

>>回答書

 

2025年5月29日

同団体、ホームページの仕組みを改訂するよう要請書を送付。

>>要請書

1.     消費者団体

消費者被害防止ネットワーク東海

2.     概要

株式会社メニコンが提供する定額制コンタクトレンズプランにおいて使用されている利用規約について、同団体は2025年2月に申入書を送付。消費者契約法に基づき、解約金に関する規約の改定や、賠償責任に関する規約の削除等を求めていた。

これに対しメニコンは同年3月に回答を寄せたが、同団体は、消費者保護の観点から再度の申入れを実施した。

 

3.     経緯

2025年2月18日

消費者被害防止ネットワーク東海、申入書を送付。

>>申入書

 

2025年3月28日

株式会社メニコンより回答書。

 

2025年6月17日

株式会社メニコンに対し再申入書を送付。同社のホームページ上で利用規約改定が確認できないことから改定後規約の団体への送付を求めるほか、解約金の根拠資料の提出などを要望している。

>>再申入書

1.     消費者団体

消費者被害防止ネットワーク東海

2.     概要

2025年6月17日、消費者被害防止ネットワーク東海は、株式会社総和不動産が運営するフィットネスジム「SWR24GYM」において使用されている利用規約に、消費者契約法に抵触するおそれのある記載が含まれているとして、同社に対し改善を求める申入れを行った。。

3.     経緯

2025年6月17日

消費者被害防止ネットワーク東海、フィットネスジムにおいて使用している利用規約に関する申入書を送付。

>>申入内容

 

2025年6月19日

株式会社総和不動産、問い合わせに回答。

1.     消費者団体

埼玉消費者被害をなくす会

 

2.     概要

2025年5月7日、埼玉消費者被害をなくす会は、株式会社ハーブ健康本舗に対し、同社が販売する機能性表示食品「ヒザこし万歳PREMIUM」のインターネット広告の一部の表示について使用取り止めまたは修正を求める申入書を送付した。
これに対し、株式会社ハーブ健康本舗は同年5月23日付で回答書を提出し、複数の表示について誤認の可能性を認めたうえで、修正案を提示し対応する意向を示した。

 

3.     経緯

2025年1月9日

埼玉消費者被害をなくす会が、対象商品の広告内容について株式会社ハーブ健康本舗に問い合わせを実施。

 

2025年1月28日

株式会社ハーブ健康本舗、問い合わせに対して回答。

 

2025年5月7日

同団体が、以下の広告表示の是正を求める申入書を送付。

 「日本唯一の軟骨成分配合」「通常価格6,280円税込・・・が、何と今なら!」「ヒザ 腰 歩み その3大お悩みの根本原因は関節軟骨の減少です」」などがあり、いずれも消費者を誤認させるおそれがあるとした。

>>申入書

 

2025年5月23日

同団体が同社からの回答書を受領。 

「通常価格6,280円(税込)…が、何と今なら!」の価格表示については、公式サイト等で並行して販売している価格であるとし修正の必要はないとする一方、「日本唯一の軟骨成分配合」などの表現については、誤認を避けるための修正を行う意向を示した。

>>回答書

1.     消費者団体

埼玉消費者被害をなくす会

 

2.     概要

2025年5月7日、埼玉消費者被害をなくす会は、株式会社和漢に対し、同社が販売する機能性表示食品「スルフォラファン&ギャバの恵み」の広告表示について、景品表示法第5条第1号(優良誤認表示の禁止)に違反するおそれがあるとして、表示の使用停止または修正を求める申入書を送付。
これに対し、株式会社和漢は2025年5月28日付で回答書を提出し、各指摘に対する見解および一部表現の見直し意向を示した。

 

3.     経緯

2024年11月14日

埼玉消費者被害をなくす会、対象製品の広告表示に関する問い合わせを実施。

 

2024年12月3日

株式会社和漢、問い合わせに対して回答。

 

2025年5月7日

同団体は、同社が公式サイト等に掲載した「血中ALT値を下げる」「肝機能数値の対策に」「多くの方が見事に成功」などの表示が実際より著しく優良であると誤認させるおそれがある、また打消し表示が適切ではないとし、是正を求める申入書を送付。

>>申入書

 

2025年5月28日

 同団体が同社からの回答書を受領。

「ALT値を下げる」などの表示については景品表示法に違反しないとする一方で、「多くの方が見事に成功」など一部の表現は誤認の可能性があるとして見直しの意向を示した。

>>回答書

 

1.     消費者団体

消費者機構日本

 

2.     概要

2025年5月30日、消費者機構日本は、株式会社ストエネ(旧・株式会社グランデータ)による電気供給約款の不当な変更に基づく値上げが無効であるとして、東京地方裁判所に不当利得返還を求める共通義務確認訴訟を提起。

 

3.     経緯

2022年3月31日・2022年12月1日

電気供給約款等の変更による、電気料金の値上げを実施。

 

2025年5月30日

消費者機構日本は、これらの変更について、民法第548条の4第1項に基づく「定型約款の変更」に該当せず、消費者の合意がないまま一方的に不利益を課したものと判断。東京地裁に対し、値上げ分の不当利得返還義務の確認を求める訴訟を提起した(事件番号:令和7年(ワ)第14538号)。

 

>>訴状

 

1.     消費者団体

消費者機構日本

 

2.     概要

消費者機構日本は、合同会社LeyLineGroupが消費者との間で締結していた「専属演者契約」において不当な勧誘や不当条項があったとして、東京地方裁判所に差止請求訴訟を提起。

同社は「当該事業は廃止済みで再開予定もない」と主張したが、東京地裁はこれを退け、2025年2月26日、消費者機構日本の請求を全面的に認める判決を言い渡した。

 

3.     経緯

2024年7月18日

消費者機構日本は、LeyLineGroupが提供する「専属演者契約」について、特定商取引法及び消費者契約法に違反する行為があったとして、東京地方裁判所に差止請求訴訟を提起。

 

2025年2月26日

東京地方裁判所は、被告の事業廃止主張を退け、同社が現在も当該行為を行っている、または行うおそれがあるとして、請求のすべてについて原告の主張を認める判決を下した。

 

2025年3月14日

上記判決が確定。

 

>>東京地裁判決(2025.02.26)

>>消費者機構日本と合同会社LeyLineGroupとの間の 訴訟に関する判決について