公会計の動向 -57ページ目

防衛省は21年度に輸入統括部門を設置

 朝日は3月11日に「防衛省、商社の介在存続へ 会計士などで監視強化」を掲出。

 記事は、防衛省の汚職事件を受けて、防衛装備品の調達改善策を検討していた同省の「総合取得改革推進プロジェクトチーム」が10日、商社による水増し請求を防止するためのチェック体制強化などを柱とする最終報告案を固めたと報じる。石破防衛相は当初、商社が介在する輸入制度に問題があるとして廃止する考えを示唆していたが、同制度は維持されることになったとか。今月末をめどに報告書をまとめ、公表すると記事は伝える。報告書案では、21年度から装備施設本部に輸入統括部門を新設し、公認会計士や商社OBなど専門知識を持った人材を登用し、商社への監視機能を高めるとのこと。また新年度から、商社が提出した海外メーカーの見積書はすべて、メーカーに直接照会し、在米の輸入調達専門官を7人増員して10人体制にし、海外メーカーへの現地調査を強化するとのこと。さらに、過大請求が発覚した際の違約金を増額し、海外メーカーとの直接契約も、英語で調達情報を提供することを通じ、拡大を目指すとのこと。石破氏は当初、守屋武昌前事務次官と軍需専門商社の癒着発覚を受けて「調達すると必ず間に商社が入ってくる。こういう国はそんなにないし、このやり方に相当の問題がある」と指摘しており、同チームも商社を介在させない調達方法を検討したが、海外メーカーから「商習慣の違いがあり、商社活用が効率的」との声が出たほか、防衛省が直接契約するには省内の人材育成が必要で「コストがかかりすぎる」(防衛省幹部)と判断し、チェック機能強化で調達効率化を図ることとなったとの由。

大阪市が裏金調査の中間発表

 毎日jpは3月10日に「裏金:総額2億8119万円運用 大阪市」〔井上直樹、犬飼直幸〕を掲出。

 記事は、裏金調査をしていた大阪市が10日、報告書をまとめ、8局と17区役所で計61件、収入総額で少なくとも2億8119万円の裏金が運用されていたと発表したと伝える。うち4件、収入総額で9514万円分は公金外で会計処理上の問題がある資金だが、平松邦夫市長は裏金と認めたとか。報告書は「一義的に職員のコンプライアンス(法令順守)意識の希薄さが原因」と結論付けたが、裏金の総額や使途などで不明な点も多く、市は調査を継続するとのこと。平松市長は、過去に不正に捻出した公金の返還を含め、関係職員への処分を早急に行う考えを示したと記事は伝える。市は2月、東住吉区役所の選挙担当部署で裏金があったことを公表し、これを受け、公金などから不正に捻出しプールした「不適正資金」と、架空の物品調達などで納入業者に実態のない支払いをした上で管理させる「預け金」について全庁調査していたもので、不適正資金は区の選挙担当部署を中心に計30件(うち残高ゼロが5件)で、最も古いのは昭和57年度分から判明し、預け金は計27件(同18件)あったとか。不適正資金は主に、突発的な支出への対応が目的で、事業費用の水増し(15件)▽アルバイト賃金の水増し(10件)▽経費の虚偽の清算報告(7件)、などで捻出されており、使途は、事務用品や消耗品の購入(26件)やアルバイトへの賃金支払い(13件)などが多かったが、私的流用とみなされる可能性が高い、職員への手当(3件)▽懇親会や職員の飲食代(3件)もあったとか。預け金の使途も消耗品などの購入(24件)が多かったとのこと。また、カラ残業に関する全職員調査した結果を発表しており、計44人が通院などのため無断で職場を離れながら給与を受け取る不正な「カラ勤務」をしていたことがわかったとか。市によると、カラ勤務が判明した44人のうち2人は部長級で、目的は18人が通院、6人が葬儀出席、5人が買い物のためなどだったとか。

北海道職員厚済会が無償貸付けを受けている庁舎スペースを有償転貸

 北海道新聞は3月7日に「売店業者から20億円 道職員厚済会 35年間、無償区画また貸し」を掲出。

 記事は、道職員の福利厚生事業を請け負う株式会社「北海道職員厚済会」が、道職員の福利厚生施設として道から無償で借りている道庁地下売店スペースを民間業者にまた貸しし、「受託販売手数料」や「広告料」の名目で、過去35年間で総額約20億円以上を徴収していたと報じる。厚済会は「必要経費であり、テナント料ではない」としているが、道の外郭団体「財団法人道職員互助会」からは食堂と売店の運営委託料として年約4870万円を受けており、「必要経費の二重取り」との批判も招きそうと記事は評する。厚済会は、歴代社長に道幹部OBが就任している天下り会社で、随意契約により、売店と食堂を独占的に経営しており、厚済会がこれまで手数料を受け取っていたのは、直営の食堂と書店など一部のコーナーを除く、パン、文房具、時計、呉服などの約20業者で、清掃や販売資材調達費などに充てる「受託販売手数料」として、各業者の売上目標額の6・5%を徴収していたとのこと。一業者当たり年800万-3千万円で、総額は多い年で約7800万円(3年度)に上り、過去35年間では計19億4千万円に上るとか。これに加え、厚済会は、売店全体で行うセールや抽選会などの販促費用に充てる「広告料」も業者から徴収しており、互助会に報告した19年度まで過去3年間分だけで約940万円、過去35年間で1億円程度に上るとみられると記事は伝える。また、互助会が道議会に示した資料にある手数料内訳の「修繕費」140万円が、厚済会の決算書では70万円とされるなど、記載の食い違いもあったとか。これについて厚済会の藪進総務部長は「民間業者と合意した契約で、テナント料ではなく、徴収した経費はすべて使い切っている」と説明しており、これに対し道総務部は「詳しい契約内容については聞いていなかったが、互助会から詳しい報告を求める」と話しているとか。

和歌山県美里町の別途資金

 読売サイト関西発ページは3月7日に「和歌山・旧美里町、裏金新たに5億4000万円」を掲出。

 記事は、和歌山県旧美里町(現・紀美野町)で町長が自由に使える裏金が存在していた問題で、すでに発覚している約2億8000万円の裏金とは別に、業者から寄付の形で受け取った約5億4000万円が裏金としてプールされていたと報じる。5億4000万円はその後、一般会計に繰り入れられ、町内のトンネル工事などに使われたとか。ずさんな資金管理について、県警は町からの告発を待って背任容疑などで捜査に乗り出す方針とのこと。関係者によると、同町の最後の町長だった段木晃氏(60)が前任の小馬場俊彦氏(83)から引き継いだ11年6月には、町の出納とは別の当時の収入役名義など複数の口座に計8億2000万円がプールされており、5億4000万円は、10年ごろから、町内でゴルフ場開発にかかわった複数の企業から町が寄付金を受け取り、口座に積み立てていたとの由。段木氏によると、小馬場氏から町長を引き継いだ際、「一般会計にあててほしい」と言われ、翌12年6月に業者からの「寄付金」として、町議会の承認を得て同年度の補正予算で一般会計に繰り入れたとか。当時の同町の予算規模は約35億円で、補正予算案が町議会に提案された際、町議から「何の金なのか」「怪しい金ではないか」との声が上がったとのこと。段木氏は「繰り入れまでに時間が空いたので誤解を招くかもしれないが、裏金とは思っていない」、小馬場氏も「寄付は町政に役立ててほしいとの趣旨だった。一時的に預かったものでやましい金ではない」と話していると記事は伝える。一方、収入役名義の口座にプールされていた2億8000万円については、県職員などへの官官接待として温泉宿泊施設の宿泊券600万円、宴会代283万円、お中元などの購入費427万円など計約1500万円を支出し、段木氏の自宅に通じる道路整備費700万円などにも使われていたことが確認されているとのこと。

首相が道路公益法人改革案の4月中の策定を指示

 共同が3月4日に配信した「首相、公益法人改革を指示 道路特定財源の無駄遣いで」は、福田首相が4日、冬柴国土交通相を首相官邸に呼び、道路特定財源から支出を受けている国交省所管の公益法人の在り方について「抜本的な改革に取り組んでほしい」と指示するとともに4月中に改革案をまとめるよう求めたと報じる。18年度に道路特定財源から支出があった同省所管の公益法人は50あり、国交省OBの天下りの受け皿となっていて、民主党などが「道路財源の無駄遣いの本丸だ」と批判していたと記事は伝える。

ゆうちょ銀が資料を「クロネコ」で発送

 日経が3月4日に掲出した「ゆうちょ銀の資料「クロネコ」で発送」は、日本郵政グループのゆうちょ銀行が郵便局に社員研修用テキストを送付する際、グループの郵便事業会社ではなく、ライバル会社であるヤマト運輸のクロネコメール便を使っていたと報じる。ゆうちょ銀行は入札を実施したが、郵便事業会社は「入札に気づかなかった」といい、グループの連携の悪さが浮かび上がったと記事は評する。ゆうちょ銀行は2月中旬、社員研修用のテキストを全国の約2万4000の郵便局に発送した。当初、郵便事業会社に送付を打診したが、仕分けやラベル張りの作業が煩雑であるため、難色を示され、ゆうちょ銀行はそこで一般競争入札を実施したが、郵便事業会社が気づかないうちに、ヤマト運輸が落札したとのこと。ゆうちょ銀行は入札情報を公開していたが、郵便事業会社はこれまで無条件に委託されていたため、情報を確認しておらず、ゆうちょ銀行も通告しなかったとのこと。

公的年金の運用で昨年10~12月は損失

 朝日は3月4日に「公的年金の運用、昨年10~12月は1.5兆円の損失」を掲出。

 記事は、公的年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人が4日、07年10~12月の四半期の運用損が1兆5348億円に達したと発表したと伝える。7~9月期に続いて2期連続の赤字だが、米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題に端を発する国内外の株安の影響を受けたもので、07年度通期の運用実績も02年度以来5年ぶりに赤字となることを避けられない見通しと記事は伝える。同法人は、厚生年金と国民年金の積立金92.8兆円を市場で運用しており、07年4~6月期は2兆3752億円の運用益をあげたが、その後、市場環境が急速に悪化していて、7~9月期は1兆6328億円の損失となり、4月~12月の累計で7924億円の赤字を計上したとのこと。今年に入っても、「厳しい運用環境は変わっていない」とか。10~12月期の運用実績を見ると、国内債券の運用利回りは1.32%のプラスだったが、国内株式は円高による株安の進行を受けマイナス8.96%と低迷し、外国株式も4.80%のマイナスで、その結果、全体の運用利回りもマイナス1.67%となったとか。年金積立金の運用は02年度に累積損失が約6兆700億円にまで膨らんだが、その後の景気回復で03年度以降は黒字が続き、06年度末の時点では運用益の累計は13兆500億円となった経緯がある。公的年金の給付と保険料水準のもとになる財政計算では、04年時点で積立金の長期的な運用利回りを年3.2%と見積もっており、短期的な利回り低下が直ちに年金財政の悪化につながるわけではないが、運用環境の低迷が長期化すれば、「現役世代の平均収入の50%以上」を約束している将来の年金の給付水準に影響する可能性もあると記事は脅す。

公立病院の収支が悪化

 読売は3月3日に「公立病院の事業収支、06年度決算で1997億円の赤字」を掲出。

 記事は、都道府県や市町村などによる病院事業の収支は2006年度決算で、1997億円の赤字となったことが総務省のまとめで分かったと報じる。前年度比で567億円悪化したとか。総務省の06年度の地方公営企業決算の概況によると、病院事業全体の経常収益は3兆9791億円だったのに対し、経常費用は4兆1788億円で、累積欠損金は1兆8736億円に上り、973の自治体病院のうち、721病院が赤字とのこと。自治体病院は小児、救急、山間地、離島の医療など、民間では採算を得るのが難しい医療を担っており、総務省は、赤字の拡大について、<1>診療報酬改定で、料金収入が減った、<2>自治体財政の悪化で、一般会計からの繰り入れが減少した病院が多かった、ことなどが原因とみていると記事は伝える。各自治体は、地方公共団体財政健全化法に基づき、08年度決算から、自治体病院などの公営企業と一般会計などの連結決算を踏まえ、財政再生団体となるかどうかが判断されるため、各自治体は今後、赤字病院の経営改善策を迫られそうと記事は伝える。

入札公告逃れの分割発注で戒告処分

 河北新報ニュースは2月29日に「東北大病院幹部ら処分 工事不適切契約で信用失墜」を掲出。

 記事は、東北大病院(仙台市青葉区)の眼科手術室工事をめぐる不適切な契約問題で、東北大が29日、病院の長谷山則夫事務部長と経理課長を戒告の懲戒処分にし、また、懲戒処分の2人とは別に服務上の措置として、里見進院長ら5人を訓告や厳重注意にしたと報じる。同病院は2006年11月着工の眼科手術室工事で、1000万円以上が対象となる一般競争入札を逃れようと、2310万円の工事を3分割して業者に発注し、随意契約を結んだもので、契約手続きは工事後に行い、内容も公表していなかったとか。訓告は里見院長のほか、施設企画室長と同室補佐、厳重注意は係長2人で、眼科教授については法令・規則違反はなかったとして処分を見送ったとのこと。大学は、学内に設けた調査検討委員会の調査報告に基づき、昨年11月から懲戒委員会と専門委員会で処分を検討してきており、折原守理事(人事労務担当)は処分の理由を「複数の学内規定に違反し、大学の社会的信用を失墜させた責任は大きい」と説明したとか。井上明久総長は「関係した職員は学内規則によって厳正に処分した。これを機に一層の法令順守推進に努めたい」とのコメントを出したとの由。

ボランティア支援金の天引き管理が問題になっている

 読売は3月2日に「民生・児童委員団体の補助金天引きプール、各地で」を掲出。

 記事は、民生・児童委員に個別に給付すべき補助金について、全国の県庁所在市と東京23区の計69自治体のほぼ半数が、委員団体に一括支給して運用を任せていることが、読売新聞の調査でわかったと報じる。3割近い自治体では、団体が一部を会費名目で天引きしてプールしており、全国民生委員児童委員連合会(全民児連)は「使途が不透明になる」として、各団体に改善を求めていると記事は伝える。兵庫県伊丹市の委員団体が補助金をプールして旅行に充てていた問題を受け、69市区を対象に調査したもので、都道府県や市区から委員に対し、交通費や電話代などの費用弁償として給付された補助金は、19年度で1人あたり約4万9000~15万6000円だったとか。36市区は自治体が直接個人に給付していたが、28市区は、市区の連合会などの団体に委員数分の補助金を一括支給しており、5市は一部を一括支給していたとのこと。団体が補助金を天引きしているのは札幌市や江戸川区など20市区で、長野市は19年度のプール額(見込み)が補助金の3割に当たる約2290万円だったとか。名古屋市は「補助金の性格上、一括支給は適切でない」として、18年度から一部の区で個人給付に切り替え、広島市でも14年に内部監査で改善を求められ、個人給付に改めているとの由。宿泊を伴う研修旅行は、少なくとも39市区で実施しており、うち静岡、甲府両市など10市区はプール金から旅費を支出していたが、飲食代や観光費などは委員の自己負担にしているとか。厚生労働省は「費用弁償は活動にかかる実費分であり、目的外に使うのは好ましくない。誤解を受けない運用をしてほしい」と全民児連に要請しているとのこと。