下の図のように、一辺が2cmの正方形を3つ組み合わせた図形があります。この図形を、直線①を軸として1回転してできる立体をA、直線②を軸として1回転してできる立体をBとします。次の問いに答えなさい。
(1)AとBでは、体積はどちらがどれだけ大きいか求めなさい。
 ただし、体積が同じ場合は、解答らんに「Aが0cm3だけ大きい」と書きなさい。
(2)AとBでは、表面積はどちらがどれだけ大きいか求めなさい。
 ただし、表面積が同じ場合は、解答らんに「Aが0cm2だけ大きい」と書きなさい。

  

 

昨日に引き続き、立体の回転体の問題を取り上げます。

昨日取り上げた上の問題より、この滝中の問題のほうが昔からよくある問題(洛星中学校2006年後期算数1第3問など)で簡単です。

(1)も(2)もAとBの体積(表面積)の差だけが問われているので、どこで差が生じたかを考えることが大切です。

Aの体積(表面積)とBの体積(表面積)をそれぞれ求めてから差を求めるようなことをしてはいけません。

面倒なだけですからね。

(1)の体積の問題は、下の段では差が生じないので、上の段の差を考えることになります。

具体的な計算の際、比を利用して解くとよいでしょう。

それぞれのパーツの部分の比は、いわゆる等分割ピラミッドですぐに求められるのですが、解説では、何も知らないふりをして普通に求めています。

(2)の表面積の問題は、底面積と側面積の部分に分けて考えると、底面積では差が生じないので、側面積の差を考えることになります。

側面積の同じ部分を相殺すると、求めるべき側面積の部分がすぐにわかります。

詳しくは、下記ページで。

 滝中学校2025年算数第3問(問題)

 滝中学校2025年算数第3問(解答・解説)

 

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 右の図は1辺の長さが6cmの正方形です。斜線(しゃせん)部分をある直線を軸として1回転させてできる立体について、ADを軸としたときの立体の体積は[ ]cm3であり、また、ABを軸としたときの立体とBCを軸としたときの立体とADを軸としたときの立体の体積の和は[ ]cm3です。

  
(斜線部分というのは、かげをつけた部分になります。)

 

回転体の体積の問題です。

立体の図(見取り図)は不要です。

正方形が4個の直角二等辺三角形に分かれていますが、それぞれの部分と軸との位置関係に注意を払って、体積比で処理します。

最難関中学校の受験生であれば、この種の問題は解けて当たり前で、いかに短時間で処理できるかが勝負となります。

詳しくは、下記ページで。

 大阪星光学院中学校2025年算数第1問(4)

灘中をはじめとする最難関中の受験生向けに作成した問題を1問紹介しておきます。

余裕のある人は解いてみるとよいでしょう。

 

立体の図は不要で、正六角形の問題の定石的処理と図形を回転軸に平行に移動しても体積が変わらないことなどを利用して体積比で処理します。

 

 

 

 

 

 

 図において、四角形ABCDと四角形AEFGはともに正方形で、BE:HD=15:8です。また、三角形DGHは、周の長さが40cm、面積が60cm2です。
 このとき、次の図形の面積はそれぞれ何cm2ですか。
(1)四角形ABCD
(2)三角形AEH
(3)四角形AEFG
(4)三角形DGF

  

 

(1)が解けるかどうかが運命の分かれ道で、完答か0点になってしまうような問題で、受験生にとっては恐ろしい問題だったかもしれませんね。

ただ、回転+拡大・縮小が合同を生み出すこと(灘中学校2024年算数1日目第10問洛南高等学校附属中学校2024年算数第6問東海中学校2019年算数第8問神戸女学院中学部2021年算数第6問平面図形(回転+拡大・縮小)の問題などを参照)は最難関中学校の受験生であれば常識と言えますし、線対称と合同については図形問題を解く際に常に考えておくべきことなので、最難関中学校の受験生であれば解いてほしい問題です。

洛南の出題者もそう考えていると思います。

詳しくは、下記ページで。

 洛南高校附属中学校2025年算数第6問(問題)

 洛南高校附属中学校2025年算数第6問(解答・解説)

 

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 aとbは整数です。a×bは4で割ると2あまります。a+bは奇数(きすう)でしょうか、偶数(ぐうすう)でしょうか。解答らんの当てはまるものに〇をつけ、その理由を書きなさい。

 

偶奇性の基本問題です。

近年の南山中学校女子部の入試において、偶奇性を利用する問題が繰り返し出されています(南山中学校女子部2019年算数第4問南山中学校女子部2022年算数第4問(2)南山中学校女子部2024年算数第6問など)。

南女の受験生ならしっかり対策しているはずで、落としてはいけない問題でしょう。

因みに、2018年には、2数の和の偶奇性について直接問うています。

詳しくは、下記ページで。

 南山中学校女子部2025年算数第7問(問題)

 南山中学校女子部2025年算数第7問(解答・解説)

 

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 最初、Aさんは50円玉を1枚、10円玉を4枚、5円玉を1枚、1円玉を4枚持っていて、Bさん、Cさんは何も持っていない。中の見えない箱の中に、1円、2円、・・・、99円と書かれたカードが1枚ずつ計99枚ある。Aさんはこの箱からカードを1枚引き、そのカードを箱に戻さずに続けてBさんがカードを1枚引く。
 Aさんが自分の引いたカードに書かれている金額をBさんに支払い、その後Bさんが自分の引いたカードに書かれている金額をCさんにちょうど支払うことができたとき「成立」とする。
(1)Aさんが引いたカードに23円と書かれていたとき、「成立」となるBさんのカードの引き方は全部で[ ]通りある。
(2)「成立」となる確率を求めよ。
(注)
確率→小学生の場合、とりあえず、すべての場合に対してある場合が起こる割合と考えればよいでしょう。

 

灘高入試の場合の数・確率の問題は灘中受験生なら解けるものが多いですが、今回取り上げた問題もそうですね。

今年の灘高入試では、もう1問確率の問題が出ていましたが、灘中受験生なら「手の運動」にしかならないような問題でした。

さて、今回取り上げた問題は、(1)が微妙な感じの問題で、(2)だけ出したほうがよかったでしょうね。
23というのが中途半端に小さな数なので、すべての場合を書き出してしまっても解けてしまい、却ってメインの問題の解決の妨げになりかねないですからね。
例えば87円とかであれば、書き出そうとは思わないので、メインの問題の解決につながる解法に行きつく可能性高くなるでしょうね。
問題自体は、中学入試でも出される、ちょうど支払える金額が何通りになるかという典型問題にすぎませんが、その合計を求めないといけないので、(小学生には)若干難しくなっています。

とはいえ、約数の総和の求め方(神戸女学院中学部1995年算数2日目第4問の解答・解説を参照)や九九の計算結果の和の求め方(2025年の中学入試に出されそうな算数の問題(その1)を参照)をきっちり理解していれば、それと同じやり方でできるので、灘中受験生なら解けてほしい問題です。
因みに、硬貨の枚数の設定は、2025年の入試にふさわしいものとなっています。
優秀な出題者が、適切な解き方にたどり着いた受験生に喜んでもらおうとしたのでしょうね。
今年の灘中入試では、1日目の計算問題(下の(参考問題))で、2025の桁を落とした数が露骨に出ていて、しかもその数値に何の意味もないつまらない問題でしたが、この灘高の入試問題はかなりおしゃれでいい問題です。

詳しくは、下記ページで。

 灘高等学校2025年数学第5問(問題)

 灘高等学校2025年数学第5問(解答・解説)

 

(参考問題)灘中学校2025年算数1日目第1問
 (1+3/2-5/4+7/6-9/8-11/10)×45/23+2.025=□
(解説)
( )の中で1から11までのすべての整数が順に並んでいますが、出題者の遊び心によるものでしょう。
( )の中の仮分数を頭の中で帯分数に直すと、整数部分がすべて消えることがすぐにわかりますね。
1/2-1/4+1/6-1/8-1/10を計算することになりますが、1/2-1/4が1/4になり、1/4-1/8が1/8になることがすぐにわかるので、あとは1/8+1/6-1/10を通分して計算することになり、(15+20-12)/120=23/120となることもすぐにわかるでしょう。
23/120×45/23=3/8=0.375と2.025の和の2.4が答えとなります。
灘中受験生なら、上記の計算をすべて暗算で行うことができて当たり前でしょう。

 

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