開成高等学校2025年数学第2問
 下の図で、四角形ONAK、四角形OKBL、四角形OLCM、四角形OMDNは合同な正方形である。また、△ONP、△OKQ、△OLR、△OMSは合同な正三角形である。
 このとき、以下の問いに答えよ。
(1)(ⅰ)省略(ⅱ)省略
(2)正方形ABCDの面積は、正方形PQRSの面積の何倍か。
(3)省略

  

(1)は(2)を解くための誘導で、小学生でも解ける問題でしたが、この誘導に従うと却って面倒なことになるのでカットしています(仮に、出題者の誘導に乗ると、いわゆる30度問題の処理をすることになります(大阪女学院中学校2009年後期算数第2問の図の上の部分をカットした図形になります。解説のページの6cmを〇cmなどとすれば、同様にして答えが求められます))。
(3)はルートが絡むので省略しています。
正方形PQRSの面積は直角二等辺三角形OSPの面積の4倍ですね(三角形OSPが直角二等辺三角形であることは、対称性により明らかでしょう)。

  
ところで、直角二等辺三角形OSPは直角二等辺三角形OMNを、点Oを中心に反時計回りに60度回転したもので合同(2辺とその間の角がそれぞれ等しいから合同としてもよいでしょう)だから、面積が等しくなります。
結局、正方形PQRSの面積は、直角二等辺三角形OMN4個分の面積、つまり、正方形KLMNの面積と等しくなるから、正方形ABCDの面積は、正方形PQRSの面積の2倍となります。

回転+拡大・縮小が合同を生み出すことは常に意識しておくべきでしょうね。

”平面図形(回転+拡大・縮小)の問題(灘中学校2024年算数1日目第10問)”の類題 | 中学受験算数プロ家庭教師

 

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 ある整数A、Bがあり、AからBまでのすべての整数の積を{A,B}と表します。
 たとえば、{1,4}=1×2×3×4=24となり、{5,7}=5×6×7=210となります。
(1){1,81}は3で最大何回割り切れますか。
(2){1,25}は一の位から連続して0がいくつ並びますか。
(3){26,125}は一の位から連続して0がいくつ並びますか。

 

ルジャンドルの定理にまつわる有名問題で、昔から大学入試や高校入試だけでなく、中学入試でも出されています(京都大学2009年理系甲数学第5問・文系第数学5問筑波大学附属駒場高等学校2017年数学第2問四天王寺中学校2005年算数B第1問(2)筑波大学附属駒場中学校2002年算数第1問高槻中学校2024年B算数第3問など)。

中学受験生なら必ず習う基本的な論点なので、短時間で解けないといけないでしょう。

実際、例えば、(3)であれば、

  ([125/5]+[125/25]+[125/125])-([25/5]+[25/25])

 =25+5+1-5-1

 =25個

でおしまいですからね([〇]は〇を超えない最大の整数を表します(ガウス記号))。

ご丁寧に(3)を解くための誘導がついていますが、女学院では不要でしょう。

なお、日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2008年第2問のような問題になると、解き方によって、時間面で大きな差が生じます。

このJJMOの問題を今回取り上げた女学院の問題と同様の解法で解こうとすると面倒なことになることにすぐに気づくはずです。

詳しくは、下記ページで。

 神戸女学院中学部2025年算数第1問(問題)

 神戸女学院中学部2025年算数第1問(解答・解説)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 AB=4、BC2、CA=5である△ABCがある。半直線CB上にBD=4となるように点Dをとる。また、辺CA上に点Eをとり、2直線ABとDEの交点をFとする。
 △AFEの面積と△FDBの面積が等しいとき、以下の問いに答えよ。
(1)省略
(2)点Bを通り、四角形BCEFの面積を二等分する直線と直線ACとの交点をGとする。このとき、線分AGの長さを求めよ。

  

 

(1)はルートが絡むので省略しています。

メインの(2)を解くにあたって(1)は不要で、(2)だけ解くのであれば、AB=4という条件は不要です。

この(2)は灘中入試の1日目で出されても標準的な問題でしょう。

さて、問題を解いていきましょう。

実質的には、長さの比(AG:GC)を求める問題です。

長さの比を求める主な手法は、面積比の利用と相似の利用です。

(解法1)

面積比だけで解きます。
三角形AFEの面積と三角形FDBの面積が等しいから、それぞれに四角形BCEFの面積をつけ足した三角形ABCと三角形DCEの面積も等しくなります。
三角形ABCと三角形DCEは、底辺の比がBC:DC=2:(2+4)=1:3だから、高さの比(AC:ECと一致)は、その逆比の3:1となり、AE:EC=(3-1):1=2:1となります。

 
2点C、Eを直線で結び、三角形CEFの面積を①とすると、高さの等しい三角形の面積比は底辺の比と一致するから、三角形AFEの面積は①×2=②となり、与えられた条件から、三角形FDBの面積も②となります。
再び、いわゆる等高図形の面積比の知識を利用すると、三角形FBCの面積は②×2/4=①となります。
結局、四角形BCEFの面積は①+①=②となるから、面積を二等分する直線BGを引くと、三角形BCGの面積は②×1/2=①となります。
三角形ABCの面積は②+①+①=④となるから、再び、いわゆる等高図形の面積比の知識を利用すると、AC:GC=④:①=4:1となります。
したがって、AGの長さは5×(4-1)/4=15/4となります。

(解法2)

面積比と相似を利用して解きます。

この問題では、(解法1)のほうが若干楽な感じですが、問題によっては、この解法のほうが楽なこともあります(例えば東海中学校2019年算数第4問など)。

2点A、Dと2点B、Eをそれぞれ直線で結びます。

  
三角形AFEと三角形FDBの面積が等しいから、それぞれの三角形に三角形ADFの面積を加えても等しくなります。
三角形ADEと三角形ADBは、底辺(AD)が等しく、面積が等しいから、高さも等しくなり、ADとBEは平行になります。
三角形CEBと三角形CADのピラミッド相似(相似比は、CB:CD=1:3)に着目すると、EB:AD=1:3となります。
また、三角形BEFと三角形ADFのちょうちょ相似(相似比は、EB:DA=1:3)に着目すると、FE:FD=1:3となります。
三角形BEFの面積を①とし、いわゆる等高図形の面積比の知識を利用すると、三角形FDBの面積(三角形AFEの面積)は①×3=③となり、再び、いわゆる等高図形の面積比の知識を利用すると、三角形BCEの面積は(①+③)×2/4=②となります。
四角形BCEFの面積を2等分する直線BGを引くと、三角形BCGの面積は(①+②)×1/2=①×3/2となります。
三角形ABCの面積は③+①+②=⑥となるから、再び、いわゆる等高図形の面積比の知識を利用すると、AC:GC=⑥:(①×3/2)=4:1となります。
したがって、AGの長さは5×(4-1)/4=15/4となります。

 

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 (0.02km+13m-40cm)×(2.3m+32cmー120mm)は何a(アール)ですか。

 

面積の単位換算の基本問題です。

開成の受験生があまり力を入れて学習しない分野を出したのでしょうかね。

こんなのが出されるとなると、来年以降の入試では、メジアン(中央値)とかモード(最頻値)とかの類も警戒しないといけないかもしれませんね。

さて、今年の開成中の問題ですが、実質的には長さの単位換算の問題で、1a=100m2を最後に使うだけです。

それぞれの( )の中をmの単位に揃えて計算することになりますが、いずれも暗算で処理できるでしょう。

詳しくは、開成中学校2025年算数第1問(1)の解答・解説で。

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 504を100で割ると、商が5であまりが4となります。このように、100で割ったときの商があまりの5/4倍となるような整数のうち、最も大きいものを求めなさい。

 

昔から様々な中学校で出されてきた問題です(灘中学校1986年算数1日目第3問など)。

一般に、AをBで割ったときの商がQ、余りがRであるとき、A÷B=Q・・・Rという割り算の式を作るのではなく、A=B×Q+Rというかけ算の式を作る方がうまくいくことが圧倒的に多いでしょう。

この問題もそうで、かけ算の式を作った後、倍数条件を利用すれば簡単に解けます。

詳しくは、東大寺学園中学校2025年算数第1問(3)の解答・解説で。

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