A、B、C3種類のポンプが2台ずつあり、これらを使ってある水そうの水をすべてくみ出します。A2台とB1台とC2台を使うと35分、A1台とB2台とC1台を使うと52分30秒かかります。
(1)6台をすべて使うと何分何秒かかりますか。[式と計算]
(2)6台をすべて使って水そうの水をくみ出す予定でしたが、くみ出し始めてから21分後にBとCが1台ずつこわれました。残りの水をこわれていない4台でくみ出したところ、予定より3分30秒長くかかりました。A1台で水そうの水をすべてくみ出すのに何分かかりますか。[式と計算]

 

やや条件が複雑な仕事算の問題ですが、難しくはありません。

学校のレベルを考えると、簡単と言えるでしょう。

(1)は、途中で消去算(というほどのものではないですが・・・)の処理が必要となります。

(2)は、解説では逆比を利用して解いています。

因みに、今年の愛光中の入試では大問2で和差算が出されていました。

昔からそうですが、特殊算がよく出されますね。

しっかり対策しておくとよいでしょう(下の算数プラスワン問題集をしっかりこなしていれば十分です)。

詳しくは、下記ページで。

 愛光中学校2025年算数第3問(問題)

 愛光中学校2025年算数第3問(解答・解説)

 

 

 

 日本数学オリンピック(JMO)2016年予選の問題

 

今回は、日本数学オリンピック2016年予選第1問を取り上げ、解説します。

小学生にとってはなじみのない記号(√、4乗)があるので、そのままでは解けませんが、次のような問題(内容はJMOの問題と変わっていません)にすれば、小学生でも解ける問題となります。
 次の□にあてはまる整数を求めなさい。ただし、2つの□には同じ数が入るものとします。
 (11×11×11×11+100×100×100×100+111×111×111×111)/2=□×□
実際、このように表現に変えた問題を教え子に解いてもらったことが何度かありますが、普通に解けた子が結構います。
さて、JMOの問題を解いていきましょう。
 11×11×11×11
=121×121(この計算は、「並び数」のかけ算の計算手法(桁をずらして足すだけ)を応用します(以下同じ)。
=  121
  242
+121  
 14641

 111×111

=  111

  111

+111  

 12321(この計算については、筑波大学附属駒場高等学校2005年数学第4問の解答・解説ページを参照)
 111×111×111×111
=12321×12321
=    12321
    24642
   36963
  24642
+12321    
 151807041
100×100×100×100=100000000
 151807041
 100000000
+    14641
 251821682

  ↓÷2
 125910841(=□×□)
まず、桁数の見当をつけます。
100000000=10000×10000だから、□は10000より「少し」大きい数となります。

次に、最高位のほうから数の見当をつけます。

11×11=121<125<144=12×12だから、□は11000より「少し」大きい数となります。
111×111=12321<12591

 112×112
=  224
  112
+112  
 12544<12591

で、113×113が12591より大きいことは、112×112の計算過程から容易に読み取れるので、□は11200より「少し」大きい数となります。
 1121×1121

=   1121

   2242

  1121

+1121     

 1256641<1259108

 1122×1122

=   2244

   2244

  1122

+1122     

 1258884<1259108

1123×1123が1259108より大きいことは、1122×1122のの計算過程から容易に読み取れるので、□は11220より「少し」大きい数となります。

□×□(=125910791)の一の位が1であることから、□の一の位の数は1か9となります(一の位チェック!)。

 11221×11221

=    11221

    22442

   22442

  11221

+11221    

 125910841

となるから、答えは11221となります。

なお、最後のところは、倍数判定法(検算で使う九去法を応用)を利用してもよいでしょう。

125910791は9で割ると8余る数ですが、11229は、各位の数の和が3で割り切るから3の倍数となり、11229×11229は9の倍数となり、答えとなりえません。

このことから、答えがありうるとしたら、11221となることが計算するまでもなくわかります。

中学生で文字式を習っているのであれば、次のように、ルーティーンワークのような作業をするだけです。

100+11=111であることに着目します。

100=x、11=yとします。

ルートの中身の分子は

  (x+y)4+x4+y4

 =(x2+y2+2xy)2+(x2+y22ー2x22 (前半の4乗で、4乗の展開公式に跳びつかないことが大切です。後半の変形は前半の変形で出てきた形をみて、(x2+y2)のかたまりを作り出しました。)

 =2(x2+y22+4xy(x2+y2)+2x22 ((x2+y2)のかたまりをばらさないように式変形します。前半の展開で出てきたものと( )の外にあるもので計算できるものをすぐに計算してしまうのがポイントです(証明問題ではないので、式変形を端折っても問題ありません)。だらだら式を書いたところで正確性はアップしません(むしろ、ミスが起こりやすくなります)。)

となるから、ルートの中身は

  (x2+y22+2xy(x2+y2)+x22

 =(x2+y2+xy)2

となり、x2+y2+xy>0だから、与えられた式はx2+y2+xyとなります。

あとは、文字を数字に戻すだけです。

  100×100+11×11+100×11

 =11221

が答えとなります。

 

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 いくつかの整数の和と積が等しくなるような数の組を考えます。
 [例]和と積がともに8になるような数の組は2通りあり、それぞれの数の小さい順に並べると、
  1、1、2、4と1、1、2、2、2
です。
 1、1、2、4について調べてみると、
  1+1+2+4=8
  1×1×2×4=8
です。
 1、1、2、2、2について調べてみると、
  1+1+2+2+2=8
  1×1×2×2×2=8
です。次の問いに答えなさい。
(1)いくつかの整数の和と積がともに12になるような数の組は3通りあります。それらの組をそれぞれ、例のように数の小さい順に並べなさい。答えのみを解答欄に書きなさい。
(2)いくつかの整数の和と積がともに210になるような数の組は全部で何通りありますか。
(3)いくつかの整数の和と

積がともに2310になるような数の組は全部で何通りありますか。

 

1を使わない積を考えた後、適当に1を加えて和が積と等しくなるようにするのがポイントです。

(1)はウオーミングアップの問題にすぎません。

(2)から本格的な問題になります。

210を素因数分解した後、素因数の割り振りを考えると計算で簡単に解くことができます。

(3)も同じ方針で解くこともできますが、(2)と同じ作業を繰り返しても時間の無駄なので、出題者が用意してくれた解法に乗っかるのがベストでしょう。

詳しくは、下記ページで。

 東大寺学園中学校2025年算数第5問(問題)

 東大寺学園中学校2025年算数第5問(解答・解説)

和と積が絡んだ場合の数の問題を紹介しておくので、ぜひ解いてみましょう。

 

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 直径12cmの円の周上に円周を12等分する点をとります。色のついた部分の面積の和は何cm2ですか。

  

神戸女学院中学部でほぼ同じ問題が過去に出されています(神戸女学院中学部2018年算数第5問)。 

等積変形により2つの部分の面積をくっつけた後、相似比が18cm:12cm=3:2より面積比は(3×3):(2×2)=9:4となるから、女学院の(2)の問題の答えの52.515cm2を4/9倍すると、答え(23.34cm2)が得られます(ちゃんとした解き方は解説ページを参照)。

関西の某大手塾に通う生徒が復テでずっとこんな解き方をしていました。

記憶力のいい子でテキストの問題を解いたら答えを覚えてしまっていたので、数値を変更しただけの手抜き問題のオンパレードのテストでまともに解くのが馬鹿らしかったのでしょうね。

もちろんまともに解くこともできていましたが、程度の低いものに対してそれにふさわしいやり方をしていたわけです。

昔の大学入試センター試験の数学の問題などはまともに解くのがばかばかしいものが多かったので、できる子はまともに解けるけど適当に片付けるという感じでしたからね。

それと同じことです。

今の大学入試共通テストの数学は違う意味でまともに解いたらばかばかしいですが・・・

さて、話を元に戻します。

女学院の問題では、(1)を利用して和差算に持ち込んで解いていますが、ここでは別の解法を紹介します。

等積移動により2つの部分の面積をくっつけます(直径(ピンク色の太線)に関して折り返すイメージです)。

 

曲線上の点と円の中心を結びます。

三角定規(正三角形の半分のもの)の辺の比を利用すると、長さは図のようになります。

  色のついた部分の面積

 =(水色+黄色)+(黄緑色+紫色)-(紫色+黄色)

 =6×6×3.14×1/6+3×6×1/2-3×3×1/2

 =18.84+4.5

 =23.34cm2

となります。

 

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 次の計算をしなさい。

  1/3+36/7×4.25-5/8÷0.525

 

大した計算問題ではありませんが、ちょっとしたことで差が生じます。

5/8÷0.525のところを瞬時に625/525として25で約分すると簡単になります。

25で約分するとき、25×4=100を利用して、頭の中で、4×5+1=21、4×6+1(あるいは21+4)とすれば、ほんの数秒で処理できます。

また、普段の学習の際、次のような分数の引き算をするときにどういう処理をしているかでも差が生じます。

 24/17-18/19

24/17を頭の中で帯分数に直し、1-18/19=1/19と7/17の和を求める処理をしていれば、今回の東大寺の問題も簡単に答えが求められるでしょう。

因みに、この計算の分母は、先日取り上げた「和と差の積=2乗の差」(関西学院中学部1996年算数2日目第1問(4)南山中学校女子部2024年算数第1問(4)の解説を参照)と平方数の知識を利用すると、(18+1)×(18-1)=324-1=323と暗算で求められます(もちろん、340-17=323とすることもできます)。

詳しくは、東大寺学園中学校2025年算数第1問(1)の解答・解説で。

 

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