次の式と2つの□に同じ整数をあてはめて、正しい式になるようにします。
  □/30+30/□=2.9
①あてはめた数が1以上30以下であることが分かっているとき、その整数を答えなさい。
②あてはめた数が31以上であることが分かっているとき、その整数を答えなさい。

 

今から30年弱前に神戸女学院中学部で同じような問題が出されています。

神戸女学院の問題は、□+378/□(□は整数)が整数となるもので答えが異なるものが何通りあるか求める問題などでしたが、名古屋中学校の問題のように小数があっても同じことです。

何倍かして整数にすればいいだけのことですからね。

約数のペアに着目するのが本質的な解法だから、問題の誘導(らしきもの)は無視して解いています。

因みに、上の神戸女学院の問題は、378の約数のペアが何組あるか求める問題にすぎませんね。

詳しくは、名古屋中学校2025年算数第1問(3)の解答・解説で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の□の中に適当な数を入れなさい。
 7/13+6/13×7/12+6/13×5/12×7/11+6/13×5/12×4/11×7/10=□

 

ジュニア数学オリンピック(JJMO)で同じような問題が過去に出されています。

 

 

上のJJMOの解説では、今回取り上げた甲陽学院の問題の2つ目の解法と同様の方法で解いていますが、1つ目の解法でもJJMOの問題を解くことができるのでやってみるとよいでしょう。

ただ、1つ目の解法のほうが気付きにくいかなとは思います。

詳しくは、甲陽学院中学校2012年算数1日目第1問(1)の解答・解説で。

 

 

 

 

 

 

  1,2,3,5,6,7,8,10,11,12,13,15,・・・・・・

のように4と9を使うことなく1から順に整数を並べたとき、85は小さい方から数えて何番目ですか。

 

低学年の子でも解ける問題です。

キッズBEEにチャレンジする子であれば次のように調べて簡単に答えを出せますね。

実際、小2の教え子が秒殺していましたからね。

1桁 0、4、9以外の7個

10台 4、9以外の8個

20台 8個

30台 8個

40台 0個

50台 8個

60台 8個

70台 8個

80台 0、1、2、3、5の5個

したがって答えは60番目となります。

変則8進法の処理については下の問題の解説を参照しましょう。

最難関中の受験生ならこの解法をマスターしておくべきですが、この程度の問題であれば上の解法よりはやく解けるか微妙ですね。

 麻布中学校1994年算数第4問

 

 

 

 

 

 

 4m3+n2=2020を満たす正の整数m、nの組は2組ある。その2組を求めよ。
(注)
4m3→4×m×m×m
2→n×n
正の→0より大きい

 

範囲をしぼって調べつくすだけの問題で、しかも、調べる範囲も少ないので、小学生でも簡単に解けるでしょう。

とはいえ、条件の緩いnの範囲をしぼるという頓珍漢なことをすると面倒なことになってしまいますが・・・

なお、3の平方剰余・立方剰余に着目する(京都大学2025年理系数学第2問の解答・解説を参照)と、調べる範囲をさらにカットできますが、この問題でそこまでする必要はないでしょう。

詳しくは、下記ページで。

 久留米大学附設高等学校2020年数学第1問(5)(問題)

 久留米大学附設高等学校2020年数学第1問(5)(解答・解説)

 

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 図において、△ABCはAC=10、BC=4、∠ACB=90°の直角三角形で、△ABDはAD=BD、∠ADB=90°の直角二等辺三角形である。線分BDと線分ACの交点をE、直線ABと直線CDの交点をFとするとき、次の問に答えよ。
(1)省略

(2)省略

(3)省略
(4)△BCFの面積を求めよ。
  


(1)はルート(√)が絡むので省略、(2)は4点A、B、C、Dが同一円周上の点であることと相似を利用すれば簡単に解けますが、小学生には厳しいですし、メインの(4)を解くのに(2)を経由しなくても普通に解けるので省略、(3)は小学生でも簡単に解けます(以下の解説のプロセスで答えがすぐに出せます)が、メインの(4)を解くのにこれを経由しなくても解けるので省略しています。

三角形ABCの面積は4×10×1/2=20となります。
ここで、三角形ABCを辺ABに関して折り返した後、斜めの正方形・直角二等辺三角形の処理(水平な正方形を作出)を行います。

三平方の定理を知らないふりをして解くので一工夫必要ですが、最難関中学校の受験生や算数オリンピックにチャレンジする子などにとっては常識と言えるレベルの処理です(東海中学校2016年算数第8問灘中学校2023年算数1日目第10問第28回ジュニア算数オリンピックトライアル問題9(ジュニア算オリ2024年トライアル問題9))し、最難関中学校でなくても同様の処理を要求する問題が普通に出されています(六甲学院中学校2016年A算数第5問)。

  
三角形ABDの面積は{(4+10)×(4+10)-4×10×2}/4=29となります。
図のように垂直な線を引くと、三角形ABDと三角形ABCは底辺(AB)が共通だから、高さの比(DG:CH)は面積の比と等しくなり、29:20となります。
DGの長さを[29]とすると、三角形ABDが二等辺三角形であることから、AG=GB=[29]となります。
また、CH=[20]となり、2つの直角三角形ABCとCBHは相似(角度に記号をつければわかりますね)で、辺の比(中:小)が10:4=5:2だから、BH=[20]×2/5=[8]となります。
さらに、三角形FDGと三角形FCHのピラミッドう相似(相似比はDG:CH=29:20)に着目すると、HF=([29]-[8])×20/(29-20)=[140/3]となり、BF=[140/3]-[8]=[116/3]となります。
三角形ABCと三角形BCFは、高さが等しく、底辺の比がAB:BF=([29]×2):[116/3]=3:2となるから、面積比も3:2となります。
したがって、三角形BCFの面積は20×2/3=40/3となります。

因みに、仮に三平方の定理を知っていて、ルートの計算ができるとしても、上のように解いたほうが計算が楽になる問題でした。