箱の中に1から5までの数字が書かれたカードが1枚ずつ入っています。この箱の中からカードを1枚ずつ順に3回取り出します。ただし、取り出したカードは元に戻(もど)さないものとします。次に、1回目と2回目に取り出したカードに書かれた数字の和を十の位とし、2回目と3回目に取り出したカードに書かれた数字の和を一の位とする整数を作ります。例えば、1回目に5のカード、2回目に1のカード、3回目に2のカードを取り出したとき、1回目と2回目に取り出したカードの数字の和は5+1=6、2回目と3回目に取り出したカードの数字の和は1+2=3ですから、作られる整数は63となります。このとき、カードの取り出し方を(5,1,2)と書くことにします。

(1)作られた整数が奇数となるようなカードの取り出し方は何通りありますか。

(2)作られた整数が3の倍数となるようなカードの取り出し方は何通りありますか。

(3)作られた整数が37となるカードの取り出し方は(1,2,5)の1通りで、45となるカードの取り出し方は、(1,3,2)(3,1,4)の2通りです。作られた整数が70以上になり、その整数を作るカードの取り出し方が3通りある整数をすべて求めなさい。

 

(1)と(2)は、まず、カードの数字を剰余((1)は偶奇性、(2)は3で割った余り)で分類した後、選び出して並べるという方針で解くのがいいでしょう。

(3)は、73、74、75、・・・というように、網羅的に順番に調べようとしてはいけません。

そんなことをするとかなり面倒なことになってしまいます。

十の位の数で分類し、一の位の数を機械的に書き出せば、短時間で処理できます。

なお、(2)も(3)も条件の対等性を利用することで作業量を若干減らすことができます。

作業量がかなり多い問題なので、少しでも作業量を減らすことが大切です。

詳しくは、下記ページで。

 神戸女学院中学部2013年算数第7問(問題)

 神戸女学院中学部2013年算数第7問(解答・解説)

 

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 日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2003年の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2003年第1問を取り上げ、解説します。
JJMOの予選がなかったころの問題で、前半の問題は実質的には予選の問題のようなものです。
今回取り上げる問題ですが、答えが負の数になってしまい、小学生にとっては厳しいですが、問題全体の符号を変えれば、中学入試にもよく出されるタイプの計算問題となり、小学生でも簡単に解けるでしょう。
  2.604÷3.1+0.8556÷0.31-18.6÷31
 =26.04/31+85.56/31-18.6/31 (3つの割り算をそれぞれ1つの分数に直した後、1つ目の分数の分母、分子を10倍し、2つ目の分数の分母、分子を100倍しました。自動的に通分できていますね。)
 =(111.6-18.6)/31
 =93/31
 =3
となります。
なお、実際のJJMOの問題の答えは-3となります。

 

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 日本数学オリンピック(JMO)2006年予選の問題

 

今回は、日本数学オリンピック2006年予選第6問を取り上げ、解説します。

簡単な問題ではありませんが、最難関中学校の受験生や算数オリンピックにチャレンジする子であれば、解けるようにしておくべき問題です。

すべての場合の数(2×2×2×2×2×2×2×2×2=512通り)から同じ色のみからなる2×2の正方形ができる場合の数を引いて求めます(余事象の利用)。
赤いマスの2×2の正方形と青いマスの2×2の正方形が同時にできることはありえませんね。
また、赤と青は条件的に同じだから、赤いマスの2×2の正方形ができる場合の数を考え、それを2倍すれば同じ色のみからなる2×2の正方形ができる場合の数が求められますね(条件の対等性の利用)。

  
赤いマスの2×2の正方形(以下、Sとします)は四隅にできます(上の図の左上のものが一例)。
黄色の部分は2×2×2×2×2=32通りあり、どの四隅にできるかで4通りあるから、Sができる場合は全部で32×4=128通りありそうですが、この中には、(あ)四隅のうち4か所にSができる場合が4回カウントされ、(い)四隅のうち3か所にSができる場合が3回カウントされ、(う)四隅のうち2か所にSができる場合が2回カウントされてしまっているので、それぞれの場合において、3回分、2回分、1回分取り除く必要があります。
(あ)の場合
9マスすべてが赤入りの場合(1通りありますね)だから、1×3=3通り取り除くことになります。
(い)の場合
四隅のうち1か所だけ青色の場合(4通りありますね)だから、4×2=8通り取り除く必要があります。
(う)の場合
Sが斜めに2つ並ぶ場合とSが隣に2つ並ぶ場合があります。
前者は、四隅のうち最も離れた2か所だけが青色の場合(2通りありますね)ですね。
後者は、2×3(3×2)の赤色の長方形が元の正方形の1つの辺のところにできる場合(4通りありますね)で、図の黄緑色のマスが赤色の場合、2つの水色のマスは青色に確定し、黄緑色のマスが青色の場合は、2つの水色のマスは何色でもよく2×2=4通りあり、(1+4)×4=20通りあります。
したがって、(2+20)×1=22通り取り除く必要があります。
(あ)、(い)、(う)より、Sができる場合は全部で
  128-(3+8+22)
 =95通り
あり、同じ色のみからなる2×2の正方形ができる場合は
  95×2
 =190通り
あります。
したがって、求める場合は全部で
  512-190
 =322通り
あります。
なお、上の解説で重複してカウントされてしまっていますと書いてありますが、実際は、わざと重複してカウントして、その後、ダブってカウントされた分を取り除くという手法で解いています。
この手法は、中学入試、高校入試、大学入試、数学オリンピックなどで使える応用性の高いものなので、しっかりマスターしておきましょう。

東京大学2023年理科数学第2問・文科数学第3問日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2023年予選第3問灘高等学校2022年数学第4問などに取り組んでみるとよいでしょう。

 

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 図において、ADとAEは同じ長さで、CDとCFも同じ長さです。また、角ABEと角CBDは同じ大きさです。角(あ)、(い)の大きさはそれぞれ何度ですか。

(図はホームページを参照)

 

算数オリンピックレベル(算数オリンピックならトライアルレベル、ジュニア算数オリンピックならファイナルレベル)の問題です。

角度の難問でよく使われる手法(折り返しや回転を利用して二等辺三角形や正三角形を作出する手法)を利用します。

詳しくは、下記ページで。

 洛南高等学校附属中学校2018年算数第4問(2)

 

 

 

 日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2006年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2006年第3問を取り上げ、解説します。

JJMOに予選がなかったころの問題で前半の問題は実質的に予選の問題です。

分数を習っている小学生であれば簡単に解けるでしょう。

小学生の場合、但し書きは無視して考えればいいでしょう。

分母と分子の和が一定(109)ですね。

1に最も近い分数を求めるのだから、分母と分子の値が最も接近する場合が答えの候補となります。

分母と分子の和が奇数だから、分母と分子が等しくなることはなく(一般に、2整数の和と差の偶奇は一致するからです)、分母と分子の差が1の場合を考えることになります。

和差算により、(109+1)/2=55、55-1=54の一方が分母、他方が分子となります。

54/55と1の差が1/55で、55/54と1の差が1/54で、1/55<1/54だから、54/55のほうが1に近いことになり、これが答えとなります。

中学入試では、同種の問題で、この問題より難しいものが出されているので、ぜひ解いてみましょう(大阪星光学院中学校2019年算数第2問など)。

 

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