以前の記事で参照した、ニューヨーク連銀のアメリカの大学の専攻別の就職データ。この度、こちらのデータが更新されていましたので見てみることにしました。大学の専攻別に年収中位値や若年失業率と言ったデータを集計しているものです。

 

 

 

『米国の大卒、「就職氷河期」 AIが新人の仕事代替』は本当か?ー雇用関連指標の専攻間比較

アメリカの専攻別年収ランキング:ビジネス編(2024)

アメリカの専攻別年収ランキング(2023)

 

以下で、ざっと年収・失業率の上位・下位データを見てみました。また、その後でデータをダウンロードし、本ブログ的に興味のある専攻をいくつか抽出してみました。元データは2024年の情報に基づき2026年2月に公表ということで、多少古いベースな点はご留意ください。

 

 1.年収

(1)高年収の15専攻

 

高年収(Median Wage Mid-Career)の15専攻。上位はEngineeringが独占。しかし、失業率は昨年と比べるとやや上がっているようにも見受けられます。また、後でも出てきますが、相変わらずコンピュータ系は年収こそ高いものの失業率も高いです(以前、参照した記事ではAIの影響ではないかと考察されていました)。ビジネス・経済系では「Economics」「Finance」「Business Analytics(ビジネス系の学部で提供されるデータ分析の専攻)」が上位に食い込んでいます。

(2)低年収の15専攻

 

低年収の15専攻(15位がタイのため、16専攻を取っています)。上位は相変わらず教育系が独占。他人事ながら、アメリカの教育セクターが心配になってしまいます。年収ワーストの「Early Childhood Education」は2年連続ですが、失業率は去年と全然違います。失業率は他にも去年と比べると大きくばらついている専攻が見られますので、気を付けて見ていかないといけないかもしれません。他には「Anthropology」「Theoogy and Religion」「Fine Arts」「Psychology」等の文系専攻も入っています。

 

 2.若年失業率

(1)高失業率の15専攻

 

高失業率の15専攻。トップの「Anthropology」は2年連続。さらに「Fine Arts」「Performing Arts」「Art History」といった専攻に交じって「Computer Engineering」「Computer Science」が入っており、去年と同じくコンピュータ系の高失業率が際立っています。全般的にも失業率は上昇傾向のように見受けられます。他には「Physics」「International Affairs」「English Language」「Mathematics」と、文理に関わらずリベラルアーツ系の専攻がランクインしています。

(2)低失業率の15専攻

 

低失業率の15専攻。去年とは結構顔ぶれが変わっているように見えます。教育系が上位を占める一方で「Foreign Language」「Geography」「Public Policy and Law」「General Social Science」「Journalism」といった文系専攻もランクイン。これらの専攻は去年はランクインしておらず、「Public Policy and Law」等はむしろ高失業率のランキングに入っていたぐらいですので、気を付けて見なければいけないかもしれません。

 

 3.分野別

(1)ビジネス系専攻

 

ここから先は、データをダウンロードして興味がある専攻を抽出してみました。こちらはこのブログのメインコンテンツでもあるビジネス系専攻。年収が高いのは「Finance」「Business Analytics」。続いて「Information System & Management」に「Marketing」が追い付いていることが目を引きます。「Business Analytics」「Information System & Management」のテック系はやはり失業率も高い。「Accounting」は年収はそれほどでもないものの失業率は低い。「General Busiess」「Business Management」は年収面ではやや苦戦しています。

(2)文系専攻

 

主な文系専攻。全部ダウンロードすると多いので、こちらで選んだものを中心に選んでみました。年収面では「Economics」「Political Science」が健闘。「Ethnic Studies」「Geography」「Public Policy and Law」あたりは、以前の記事ではさほど年収が高い専攻ではなかったので食い違いが出ています。失業率では「Geography」「Foreign Language」「Pubic Policy and Law」が特に低いですが、昨年のデータでは特に低くはなかったので判断は難しいところ。昨年から継続して比較的低いのは「General Education」「Criminal Justice」等です。逆に失業率が高いのは「Anthropology」「International Affairs」「English language」「Phiosophy」「Psychology」等です。

 

 

今回はこれだけです。過去記事でずっと見てきたPayscaleはもうレポートを公開しなくなってしまったようなので、これからはこちらのデータをチェックしていきたいと思います。