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トドお父さん通信

北部九州在住 高BMI中高年のオタク趣味の活動記録

先月おもちゃ病院で、トランジスタ回路セミナーの第2回目を開催しました。

 

トランジスタ(バイポーラトランジスタ)の原理の説明と手を動かして組み立て・実験する
ハンズオンの形態で、5名の方で講師の私も含め6名で行いました。

 第1回のセミナーの様子

今回も成功! というところで、第3回も同じカミーリヤで計画しています。
題目:トランジスタ電子回路セミナー 第3回 電子回路初中級編

日時:6月29日(日) 13:00~15:00
場所:筑紫野市 カミーリヤ 2F 研修室

 

今回は前回積み残しのトランジスタによるモータ駆動回路をnMOS FETに置き換えての実験から始めます。

FETも値段が安くなったので、モータのように大電流を流す場合は低ON抵抗のMOS FETを使ったほうがいいです。
 

その後は、ここまでの復習(トランジスタのスイッチング回路)を行った後、いよいよ

トランジスタの増幅回路の説明に入ります。
題材は秋月で売っているオルゴールIC(トロイメライ)の出力にSS8050 NPNトランジスタ

をつないで、スピーカを駆動します。

 

その後は、オルゴールICの出力にRCのローパスフィルタを構成して、PWMのローパスフィルタ

の効果を確認します。

最後におもちゃによくある、CDSセルを使って光が入ったら音が鳴るように、光スイッチを作ります。

最初はトランジスタで回路を考えたのですが、これもnMOSで構成したほうがスイッチの特性が

良いのでこちらもAO3400を使ったCDS回路を実験するようにしました。
 

AO3400はエンハンス型の、1.5Vという定電圧でゲートがONするのでスイッチとして使いやすい素子です。

しかも、中華圏から100個単位数百円で買えるので、トランジスタの方が安いとは言えなくなりつつあります。

 

AO3400のデータシート

   

 

FETの動作回路

トランジスタと違って飽和電圧(0.3~0.5V)がでないので、電源電圧をほぼフルに負荷にかけられます。
また、ゲートの駆動信号も電圧制御で電流を吸い込まないので、ON/OFF制御が楽になります。

 

 

つぎはトランジスタの音声増幅回路です。
オルゴールICはPWM信号で出力するので純粋なアナログ回路とはいいがたいのですが、

説明の都合上仕方ないので許して下さいね。でも、PWM信号をローパスフィルタを通し

て平滑したら、アナログ増幅回路ですよね。
 

【実習4】 オルゴールを鳴らす回路を作る

トランジスタ一石のアンプでオルゴールICの出力を受けてスピーカを駆動する回路を作ります。
アンプなしとどれくらい音の大きさが違うのでしょうか?

こりは実験しないとですね。(スピーカに直列にいれた抵抗(デフォ100Ω)で音の大きさを変えられます)

 

ブレッドボードで回路を実装する
トグルスイッチを追加して、オルゴールを入り/切りできるようにします。
 
【実習5】ローパスフィルタを試験する
トランジスタの入力抵抗4.7kΩの後に0.1uFを入れて、ローパスフィルタを構成し音声を
聞き比べます。
 
 
ローパスフィルタのカットオフ周波数の計算
Digi-keyのサイトでCとRの定数を入れローパスフィルタのカットオフ周波数の計算をします。
R=4.7k、C=0.1uFで カットオフ周波数は388Hz≒400Hzになります。
PWMのキャリア周波数も入りキンキンの音なので、これで柔らかい聞きやすい音になります。
 
 
ここで4.7kΩを1kΩに変えると、カットオフ周波数が ≒ 2kHzになりますが、CRの一次フィルタ
では-6db/OCTしか減衰しませんから、これではあまりPWMのフィルタとしては不十分なはずです。
当日会場にオシロをかついで持って行って、波形をみながら音を聞き比べてみましょうかね?
 
 
【実習6】 オルゴールON/OFF をCDSのスイッチに変更
増幅回路ではありませんが、CDSセルを使ってON/OFF制御を実験します。おもちゃでよくある回路の一つです。
 
CDSは暗い時に500kΩ、明るい時に数kΩになりますから、10kΩと直列にして3V VCCをつなぐ
と暗い時は0V、明るい時は2.5V程度になるので、明るい時にFETがONしてオルゴールが鳴るようになります。
nMOS FETでは、回路のGND側をON/OFFする、いわゆるロ―サイドSWになります。
  

CDSと抵抗を上下反対に接続すると、暗くなってON、明るくなってOFFになります。家の常夜灯の仕様ですね。

ブレッドボードで回路を実装する
ここまでで、1日では終わらないボリュームの内容になったかと思います。

NPNトランジスタとPNPトランジスタの違いを確認してもらうために、オルゴール音声増幅
回路のトランジスタをPNPに変えたバージョンのブレッドボードも、おまけプロジェクトで
用意しました。
 
 
【おまけ実習7】 オルゴール音声をPNPトランジスタで増幅する回路
基本的にPNPでもNPNでも入力波形がPWMなら、動作に違いはないと思います。
 
でもオルゴールICの静音時に信号がGND側になっていたら、電流がガンガン流れますね。
また、ロ―サイドでON/OFFする回路なら、VCC側で共通にしていた方がいいかもしれません。
 

ブレッドボードで回路を実装する
ブレッドボードを組んで、電流値を測ってみましょうかね。

 

今回の資料で説明したいのは、「おもちゃの音声信号はアナログではなくデジタル」ということです。
面倒ですがオシロをかついで持って行って、PWM生波形・ローパスフィルタを入れた波形を見
せて、その音声を聞いてみることが、音がでるおもちゃの修理の経験値を上げることになるか
もしれません。
 
皆さんには、ぜひ音声信号を扱うことにすこしでも慣れて貰って、
次のアナログ信号のトランジスタ増幅回路の勉強につながればいいのですが。
(なんて高いところ目線でドヤ顔の発言、すみませんw)
 
今回のセミナーに参考になりそうなPWM波形に関するYoutubeの画像を上げておきます。
How to convert a PWM Signal to Real Analog using RC Filter (with actual measurements and analysis)

 
今回書き直した第2回目のセミナー用のテキストは、下に置いておきます。
 
コメント等でアドバイスを頂けますとさらに助かります。
 
それでは、おやすみなさい


過去のセミナー
おもちゃ病院でトランジスタ回路ハンズオンセミナーを実施しました(第1回)

おもちゃ病院でトランジスタ回路ハンズオンセミナーを実施しました(第2回)

【おもちゃ病院】またまたJOZENのラジコンバギーのお持ち帰り修理です(前編)
の続きになります。
 

JOZENのラジコンバギー TRDの後輪駆動回路のHブリッジ用Dual MOSFET、pMOSの4953、nMOSの9926Bを中華圏のAliExpressに発注した所まででした。

これにつかっている9926BはNP9926Bとマーキングがあり、4953は4953のマーキングでしたが、発注したのはそれぞれAO9926B、APM4953でしたがメーカ違いということで問題ないでしょう!


6月8日に注文したのですが、今日は6月14日、1週間もしないで届きました !

 

AliExpressの注文、バラつきはありますが早い時は早いですね。

 

 

早速交換してみましょう。

 

どちらが壊れたのかわからないので、左右の4953と9926Bを2つ交換します。


交換して、リモコンから信号を入れます。
あれっ、後進は動くのですが、前進が相変わらず動きません。


信号を追いかけてみます。
まずは4つのトランジスタのベース。

 

前進とバックで、それぞれ対になったトランジスタのベースが交互にONします。
駆動信号は、問題なさそうです。

次にトランジスタのコレクタ信号を見てみます。

 

ベースに入った信号と”H"、”L"が反転した出力が出ています。
これも問題ないですね。トランジスタは壊れていません。

 

念のため9926Bと4953のG1,G2信号もオシロで信号を確認しました。

駆動用のトランジスタのコレクタと同じ信号がでていて、問題ありません。
こりは困りましたね。

 

下の回路図で、上のpMOS FETと下のnMOS FETの接続、それとモータへの接続線を
確認してみます。

あれっ、モータの黒線につながるD2,D2同士はつながっていますが、赤線につながるD1,D1同士がつながっていません。pMOS 4953のドレインがつながってないようです。 (赤線でペケをしました)

 

 

ここは、電線を剥いて半田あげした線で接続してみます。(赤ワクの部分です)

 

これで動くようになりました。
Dual FETが逆起電圧で壊れたのではなかったですね。
でも、プリント基板のパターンが切れているとは、これはこれで大問題ですよね。
 
前進の時、ヘッドライトは点灯するんですよ。
こちらのパターンは生きているんですかね?
 
後輪の前進、バックの回転動作確認の画像をYoutubeに上げました。
 

 
JOZENのラジコンの修理をされる皆さんの参考になれば、幸いです。
それでは、おやすみなさい。

 

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最近は、おもちゃ病院でラジコン修理を預かることが多くなりました。
で、またまたです(笑)

ラジコンのメカ修理は苦手なんですが、電子回路系の修理の実績を作ってしまったせいです。

 

先日の近隣自治体でのおもちゃ病院で、またJOZENのラジコンを預かりました。
例のベテランドクターが、『M君、またたのむよ』と視線を送ってきます。

 

最初は電池が放電していたの動かなかったのですが、電池を入れて動くようになっても
後進はするが、前進しないという症状の様です。

こりは、どっかで見た症状と同じですね。

 


しかも、同じJOZENのラジコンバギーですし。
また、表面実装のPNPトランジスタを交換すれば治るかもです。

部品がないので、持ち帰って確認しました。

 

バラシてみます。
防水ケースに入っているから、基板を取り出すのに難儀するんですよ。
でも、なんと今回はこの点が改善していました。
 

 

電線に余長があるから、防水ふたをめくるとなんとか基板にアクセスできるようになっていました。
JOZENさん、前に指摘した点を聞いてくれたんですかね(笑)


基板上の後退を制御するPNPトランジスタは、赤ワク内の部品です。
前回と同様の症状なので、一応交換してみます。

 

トランジスタを外した状態です。
マーキングY2 SS8550  PNPトランジスタを手持ちの部品で実装します。

 

あれっ、コントローラで前進レバーを押しても、モータが回転しませんね。

不思議なことに、モータは回転しないけど、ヘッドランプのLEDランプは光るんです。

左2つがSS8550でHブリッジの上側を制御するPNPトランジスタ、下は上側を制御する
NPNトランジスタの様です。

 

この信号が、その上にある2つのSOP8ピンのICに入力されています。
ICのマーキングは、左側がNP9926B、右側が4953(XS2107)とあります。

ネットで調べたけど、見つからないんです。(前回も同じことを書いた覚えが?)

ここで、発想の転換。この2つのICはドライバICじゃないんじゃないか?
もしかしたらMOS FETかも?  FET 9926Bで検索するとビンゴです!

 

FET4953で検索すると、こちらもビンゴ!

 

回路図を起こしてみました。
PNPトランジスタがpMOS FETの駆動に、NPNトランジスタがnMOS FETの駆動に使われているはず…
ですが、配置的には逆になっていますね。
でも、回路図的には完璧に当たらずといえども、遠からずの構成になっていると思います。
 

     

 

いままでのラジコンの修理では、専用のHブリッジIC MX612Bとか、MX620Bとかを使っている基板が

 

多かったので、思い込みで勘違いをしていて反省です。

 

そういや、こないだのJOZENラジコンバギーでは、前輪のHブリッジはなんとpMOS FETを2個、nMOS FETを

2個。合計4個使ったディスクリート回路になっていたんでしたね。

 

 


ディスクリート回路は上下のFETが同時ONして貫通すると燃えるんですよね。(実際萌えていました)

 
 
この駆動信号はマークを消した無線ICで制御して、同時にONしないように、またブレーキの時は下のFETが
2つONして、上のFETは2つOFFするように制御していると思います。
 
いずれにしても、この2つのDual FETをAliExpressに手配中です。 

 

基板の部品配置図は、前回のブログから転載します。

部品が来たら、この2つのDual FETを交換したらたぶん直ると思います。
 
前進でヘッドライトが点灯するので、たぶん上段のpMOS FETは生きていて、下段のnMOS FETが壊れて
いると思います。
 
なんで壊れたか?
量産設計では、FETのD-S間に保護用のダイオードを付けるのが定石です。
フライホイールダイオードとか、フライバックダイオードとか、回生ダイオードとか呼ばれます。
 
モータが急に止まった時、ロータのインダクタンスに蓄えられたエネルギーは高圧の逆起電力を発生します。
FET内部にもボディダイオードがあって、少しは回生電流が流れるのですが、1Aとかはとても流せません。
 普通のSWダイオードでは、1Aも電流を流せるものはないし、1N4007等の整流用ダイオードでは動作速度が
遅いので、30V1~2Aくらいのショットキーダイオードを使うのがいいのでしょうね。
自分がなじみのある品番ではRoHMのRB160M-30TRあたりでしょうか?
 
でも、コストアップになるからおもちゃレベルのラジコンでは使われないんでしょうね。
4個も使いますし。
自分は知らない世界ですが、ホビーレベルのラジコンになると使われているかもしれませんね。

いずれにしても、中華圏から部品が届いて修理ができたら続編を書きますね。
こうご期待!!
 
各部品のリンクです。
 
APM4953 Dual pMOS FETのデータシート
 
MX6xx系のモータドライバのデータシートへのリンク
http://www.semi-mixic.com/product1_3.html
 
皆さんの参考になれば、幸いです。

 

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