前回は、マリオカートの基板の後輪モータ駆動用のHブリッジICを交換したが、回転が弱弱しい
ので、手戻りしたところまででしたよね。
それからコロナに罹患したので、しばらく手付かずでした。
8月17日が、久留米のおもちゃ病院の開院日だったので、夏休みの宿題のように、頭にひっかか
っていました。
I2Cスキャナの宿題を先に片付けたので、次はおもちゃ病院の宿題2つを片付ける番です。
① おもちゃ修理用のSound Player基板を小型化する(60x50mm → 50x35mm)
② マリオカート基板の後輪駆動が力強く動くようにする。
①は別にレポするとして、今回は②ですね。
モータドライバ用のHブリッジIC、中華のAli Expressでいろいろ出ています。MX630bという
ICが一番電流が流せそうですが、データシートがない。データシートが見つかるICで、最も
電流が流せるのは。MX615bでした。 データシートは下記です
通常動作で電流値は1.7Aになっていますね。これで少しは安心です。
さて、交換してみましょう。
MX615b Ali Expressで5個 480円くらいでした。遅い時は4週間、今回は2週間ほどで届きました。
前に交換したMX08Lを取り外し、MX615bを付けます。だいぶ交換もなれてきました。
ICが外れました。
半田吸い取り線できれいにします きれいになりました
ICが外れた状態で、急がば回れ、基板の回路図を手書きでトレースしました。
保存する必要もありませんので、こんなのでOKです。
電流検出とおもわれた、R010 は、COBの制御回路とモータ駆動のパワー系のグランドを
分離しているので、接続点にこの10mΩを介してアース間をつないでいます。
パワー系は、モータドライバのVddには電池から、PTCを介して直接、VccやCOB制御回路の
3Vには、LDO ICで3Vを生成して繋いでいます。ドライバへは直接、COBには10Ωを介して
繋いでいます。LEDの電流制限は1.5kΩです。
いろいろと分かってきましたね。 FZMOS-5Xの接続回路は、MX08やMX615bと同じでした。
1PはEnableではなく、内部のロジックを動かす(A相、B相を検知する)ためのVccでした。
さて、これからMX615bを実装して動かしてみます。
あれ、モータが動くとモータ駆動電圧Vddが低下していますね。
モータに250mA流れると、1V近くに低下します。ペアリングを示す赤LEDも不安定になります。
その際の写真を失念したので、前の画像です。 Vdd電圧が1V近くに低下していますね。
電池から、Vddまでの抵抗値を測ると10Ωくらいありました。どこが原因でしょうか?
まず、PTCの両端は… 10Ωもあります!
ドライバ破壊以外の原因は、過電流防止用のPTC(パワーサーミスタ)の特性不良でした。
ここは0Ω~1Ωくらいでないと困りますね。
試しにTCの両端を追い半田してみました。
すると、0.5Ωに下がりました! 半田クラックだったのでしょうか?
上がモータのA出力電圧、下がVdd電圧です。 モータ回転前。
上がモータのA出力電圧、下がVdd電圧です。 モータ回転中。
ドライバのA出力をみると3V近くでるようになりました。モータのトルクも十分です。
定電圧電源で動作させています。付属のLiPO電池だと、もっと電圧低下は少ないです。
PTCの不良については、とりあえず様子を見ることにしました。
PTCなんて部品は持ってませんので、このまま経過観察しましょう。
さて、週末に久留米のおもちゃ病院にもっていって、組み込んでもらいました。
基板も組み込みます。
組み立て中。左右のステアリングが逆接続でした。
さて、組みあがりました。テスト走行です。
おっ、元気に動きますね。
ミッション・コンプリートです。
3か月間もドクターさんをたらいまわしにされた、難病のマリオカート君
無事完治してよかったです。
【追記】PTCって、ポリスイッチのことなんですね。
ポリスイッチなら、秋月電子にいろんなバリエーションがあります。
技術資料もありますね。さすが秋月