最近は、おもちゃ病院でラジコン修理を預かることが多くなりました。
実はラジコン、苦手なんです。
でも、そうは言ってられません。
つぎからつぎへと修理依頼が来るからです。
今回は大宰府で預かった、ラジコンバギーです。
後進はするが、前進はしないという症状です。
まずは基板を解析するために分解していきます。
うっ、こりは大変そうです、防水のため基板へ行くケーブルが接着剤で固められています。
これを外さないと、基板を取り出せません。
ベテランドクターさんに相談しました。『M君、そりは穴を開けてほじくりだすしかないよ』
ゲナです。
これだから、ラジコンの修理はいやなんですよぅ(涙目)
仕方がないので、1.5mmのドリルで接着剤に穴を開けていきます。
最後はアンテナ側のケーブルを切って対応しました。
基板に水がかかって汚れていたので、基板クリーナできれいにします。
これが基板になります。
上の2個のICが後輪のモータをまわすブリッジICのようです。
品番は左がNP9926P、右は4953とマーキングがあります。
品番でググりましたが、マッチするICが見つかりませんでした。
(下のハンドル用のモータドライバはMX608Eとマーキングがあり、これはAliでみつかります)
後進のモータは回るから、モータドライバは壊れてない? とすると、前段の駆動トランジスタが
怪しいです。上の左側のICの下のトランジスタ2個、左が前進用、右が後進用のようです。
リモコンから前進信号をいれると、左のm6とマーキングがあるトランジスタのBase端子に信号が
出てくるようです。ただし、コレクタ側に信号の変化はありません。
これに対し、右のm6トランジスタはコレクタも動作しています。
PNPでhfeは300くらいあります。
やはり、m6マーキングのトランジスタはS9015のようです。
次に左の壊れているかもしれないトランジスタを外して調べます。
SMD部品なので、足を半田で付けて測定しました。
コレクタの3番ピンが壊れて接続されていないようですね。
さすがに、S9015 PNPのSOT23 SMD部品はもっていませんが、S8550 PNP SOT23なら在庫が
あります。 hfeがすこし違う程度なのでおそらく大丈夫でしょう。
外した基板のPADに半田付けをしてトランジスタを再び取り付けます。
まず左の正転信号に逆転側のM6トランジスタを実装します。
テスト運転・・・正転で回った!
これで前進が動くようになりました!
右の後進側には、手持ちのS8550 SMDトランジスタを取り付けます。
こちらも問題なく回転しました。
あとは、元通りに組み立てる作業が残っています。
基板を入れているフタにあけた穴を、ホットボンドで固めます。
ケースを開けるために切ったアンテナには、別の黒線をつなぎました。
もとの電線と半田付けし、それから熱収縮チューブで保護します。
周波数は40MHzとありますが、長さが若干長くなりました。
あとは、順番を思いだして、ネジを止めていくだけです。
ボディを固定します。
前輪を固定しているパネルを取り付けます。
外していたサスペンションを固定。
できました1 これでミッションコンプリート!(のはずです)
また、おもちゃ暴飲まで持って行かんばなりません。
今日も持ち帰り深夜残業、お疲れさまでした!
とおもったら、また鳥栖で大型ラジコン ランドローバー の持ち帰り修理が入りました!
モータから煙が出て動かんゲナです。
まさにラジコン地獄、トドお父さん涙目です!