【おもちゃ病院】60年前の学研 ラジコン フォード マスタングの修理 | トドお父さん通信

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北部九州在住 高BMI中高年のオタク趣味の活動記録

 ヤフオクで見つけた写真

 

最近は、おもちゃ病院でラジコン修理を預かることが多くなりました。
で、またまたです(笑)

ラジコンのメカ修理は苦手なんですが、電子回路系の修理の実績を作ってしまったせいです。

 

今回は近隣自治体でのおもちゃ病院で、例のベテランドクターから古い60年前のラジコン

修理を依頼されました。

修理を始めたが、どうもラジコンの送受信がうまくいかないとのことです。

送信機の水晶は交換して動作するようになったが、受信機が20㎝くらいに近づけないと動かない

ということでした。もともとは27.125MHzでしたが、27.145MHzに変更したとのことです。

まず、受信回路の動作をオシロで見てくれとのことです。
分解された中のシャーシと送信機を預かりました。



先輩が作った受信部の部品配置図です。


うわ~、受信部の超再生のトランジスタは2SA350!(ゲルマニュームの菅タイプ・高周波用)
駆動トランジスタは2SB32・2SB33!(ゲルマニュームの菅タイプ・高周波用)

 

あまりに昔の設計でビックリしました。データシートで見ても、ftが45MHz、hFEが90
しかありません。B32,33はどちらもPc=0.15W、Icmax=50mAしかありません。

 

これで最終段はリレーをON/OFFしているのだから、スゴいですねw。

 

受信部の基板の写真はこちらです。


裏面はこちら

 

回路図をLTSPICEでトレースしたので公開しますね。

この基板の解析は意外と大変でした。裏面にあとつけ部品もありますしー。
シミュレーションしようとしたのですが、当然ながら発振せず(泣)


現物の基板の動作をオシロで確認しました。 出力はプローブの影響を受けないよう回路図の

コレクタに繋がれた10pF(アンテナ端子)で測定します。

ちゃんとクエンチ波形が出ていました。周期も20uS(50kHz)なので問題なさそうです。
でも、送信機のスイッチを押しても、波形が動きません。
近づけると動くのですが、50cm以上離すとダメです。


 

発振している波形を拡大しました。


22MHzくらいで、送信周波数 27MHzに比べて低いです。
これだと、感度が低いというのは分かりますね。 超再生って同調周波数で発信させて
見かけ上のQを高くして感度と選択度を高くする回路方式です。
 

同調周波数がズレると選択度が高い分、かえって感度は低くなると思われます。
それにしても、LCタンク回路のL(1uHくらい)に並列にCがついてないのが気になります。
同調周波数fは f=1/2π・√L・C と教わりましたから。
 
いろいろと調べて、こちらの回路はベース接地型コルピッツ発振回路がベースになっている
ことが分かりました。
RFワールド「ラジオで学ぶ電子回路」の 第4章 発振回路 および第9章 再生、超再生ラジオ
が大変に参考になりました。

この回路はクエンチングの周波数を決めるR1とC1を外すと、ベース接地型のコルピッツ発振

回路になっているようです。

こちらに詳しい説明があります。(c)通常の書き方、がこの学研の回路と同じですね。

LCの共振周波数は、サボってChatGPT先生に計算してもらいましょう。


このラジコンのタンク回路のインダクタはコアが入っていて回すと調整できます。
1uHから0.766uHに調整すればいいわけです。

早速調整してみましたが、26MHzを超えるあたりでクエンチ発振波形の振幅が小さくなり
発振が止まってしまうので27MHzに調整できないことが分かりました。


こりは2SA350のせいでしょうか? 現代の高周波用のPNPトランジスタに変えてみましょうか?
ということで、2SA1015に交換して試したのですが、あまりうまく発振してくれません。
振幅が大きくなりすぎたり、クエンチの周波数が大きくなったりしました。

 

低hFEで低ftのゲルマニウムトランジスタを使った回路ですからね。 難しいようです。
現代のシリコントランジスタの回路で設計しなおしたほうがいいかもしれません。

 

いつもお世話になっている、つつじが丘おもちゃ病院の大泉院長のこの記事を参考に超再生
回路を作ってみます。(大がかりになりましたね。この間 仕事部屋のエアコンが壊れた事件

もあり、そのあいだ夏休みになったので時間がかかりました(笑))
ラジコン送信機・受信機の製作
 

 

この回路の右側が超再生回路ですね。 3V電源で1.5kΩ → 0.01uFになっていますが、

ここは元回路の10kΩ+18kΩ並列 + 0.01uFのままで9V電源を接続します。
 

また、1uHのコイルと20pFの可変コンを使ってますが、1uHの可変コアコイルと15pFを

使います。トランジスタもNPNの2N3604をPNPの2N3906に変更しました。
もちろん、電源の+、ーも逆にしますね。
 

あとで気づいたのですが、この回路は中華のラジコンICメーカの RX2C/ATS302R-G

のマニュアルにあるリファレンス回路と同じです。

実績のある回路だから安心ですね。


さて、作ってみましょう。
コイルとトランジスタはAliExpressで調達します。
コア入りのコイルはChoiceで10個 527円でした(12Tなので、後で8Tに調整します)

 

10uHも入ったアキシャルのインダクタセットは1uH~4.7mH 20種x10pcsで652円


各種トランジスタのキットは500円くらいでした。
 

 

おっ、こんどは27MHzでも発振します。(波形とってません、すみません(@_@;))
クエンチの周期もバッチリです。(発振の振幅は元回路にくらべ大きいです)

 

オシロだけでなく、短波受信機での受信でも同調周波数を確認できます。受信周波数を27.145MHzに合わせてコイルのコアをゆっくり回すと、ガーというノイズが減る点があり、ここが調整点になります。


これで27MHzに調整できたので、ラジコンに乗せて調整します。


 

2段目以降の回路図はこれです(汚い手書きですみません)

 

2段目は電流帰還バイアスの増幅回路ですね。ゲルマトランジスタの2SB32を使ってます。

3段目はトランスを介してベースに信号を注入し、リレーを駆動します。

まぁ、ベース電流で飽和動作させるいわゆるスイッチング回路になっています。


2段目のコレクタのところで信号を見ると振幅が少ないです。これでは3段目のリレーを
ONできないでしょう。

なにしろ、hFEが40minしかないので、reが高いのではないでしょうか?

増幅率が低いと思われます。これも1段目と同様に2N3906に変えてみましょう。

もともとのベース抵抗は56kと5.6kでした。9V電源の時に、ベースにかかる電圧は0.8Vになります。

 

2SB32のようなゲルマトランジスタはVbeが0.3Vしかないので、これでいいですが、

2n3906のようにシリコントランジスタの場合は、Vbe≒0.7Vなので、これではバイアス電圧

が不足しますね。 今回は56kと15kΩの組み合わせにしました。

 

これならベース電圧は1.9Vになります。0.7Vを引いて1.2Vがエミッタ抵抗 220Ωに

かかりますので、Ic=5mAになります。(もとは2.5mAなので、ちょっと流しすぎ。15kは10kでよかったかも?)

これで、27MHzラジコン送信機からの信号はガンガン入るようになりました。
10mくらいはなれてもOKでした。(リレーの接点が動いて、接点が0Ωになるので分かります)

  
    信号がない場合            信号が入った場合

 

ラジコンの受信機が動くようになったので、依頼したベテランドクターにお返しします。

ラジコン受信機用の電源は006P 9Vですが、前進用モータと左右制御用モータは1.5Vの
単二電池2個で動作します。

 

どうも、制御用接点がおかしいのか、過電流が流れて電池があっちっちになっています。

後日、やはり接点がおかしくてショートしている点があったとのことでした。

 

なおった後、ベテランドクターさんが近隣のおもちゃ病院に持ってきてデモ走行をした

ので、その様子を貼っておきますね。

 


メチャ苦労したが、直ってよかった!!

古いラジコンの修理をされる皆さんの参考になれば、幸いです。
 

それでは、おやすみなさい。


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