トドお父さん通信 -12ページ目

トドお父さん通信

北部九州在住 高BMI中高年のオタク趣味の活動記録

先月末におもちゃ病院で、トランジスタ回路セミナーの第4回目を開催しました。

今回は前回までのスイッチング回路ではなく、いよいよ増幅回路の説明に入ります。
 

いつものように、トランジスタ(バイポーラトランジスタ)の原理の説明と手を動かして

組み立て・実験するハンズオンの形態で、5名の方で講師の私も含め6名で行いました。

  第3回のセミナーの様子


題目:トランジスタ電子回路セミナー 第4回 電子回路中級編

日時:8月23日(土) 13:00~15:00
場所:筑紫野市 カミーリヤ 2F 研修室

 

最初にここまでの復習(トランジスタのスイッチング回路)を行った後、いよいよ

トランジスタの増幅回路の説明に入ります。

題材はマイクアンプです。

秋月で購入した安価なECM(エレクトリックコンデンサマイク)に接続する1石アンプを作って

セラミックイヤホンを鳴らします。

 

ECMマイクには、数十mVの出力がでますので、これを数十倍のアンプで増幅して、感度のいい

セラミックイヤフォンで音声を聴くというものです。

 

アンパンマン製品を始めとして、おもちゃにはECMマイクがよく使われているので、これはマイクとアンプ(増幅回路)の動作を勉強するにはいい教材だと考えました。

 

【前振り】 3種のトランジスタの増幅回路の説明

トランジスタの増幅回路はバイアス方式により、① 固定バイアス回路、② 自己バイアス回路、
③ 電流帰還バイアス回路の3種があります。

 

下にそれぞれの回路方式を説明します。

 

固定バイアス回路は、もっとも簡単なバイアス回路です。

前にスイッチング回路を設計した時に、バイアス抵抗をつないでベース電流を流し、

コレクタ-エミッタ間の電圧が0に近くなる、つまり飽和するように220Ωとかを選びました。

 

増幅回路では、この抵抗を飽和しないように大きな値(図では470kΩ)にします。
こうして、コレクタに1.5Vくらいの電圧が現れるようにします。
これに入力コンデンサを介して、入力信号の電圧でベース電流に重畳し、出力電圧を得ます。

 

次は自己バイアス回路です。
固定バイアス回路とほとんど変わりませんが、コレクタの負荷抵抗RLからベースへのバイアス
抵抗をつなぐようにしています。

 

こうすることで、固定バイアスで問題になる熱暴走をある程度抑えることができます。
熱暴走の仕組みは、① トランジスタが発熱する → ② トランジスタのhFEがあがってベース電流
が増加しコレクタ電流も増大 → ③ ますます発熱する 

というループで電流値が増し、最悪トランジスタの熱破壊に至る現象です。

負荷抵抗RLの後にバイアス抵抗をつけることで、② コレクタ電流が増す → コレクタ電圧が下
がってベース電流が減る というフィードバックをかけ、少し安定させることができます。

 

最後は電流帰還バイアス回路です。
前の2つに比べて、部品点数が多く複雑になりますが、最も安定して動作させることが

できる方式です。


今回はまず、2.自己バイアス回路をハンズオンしてブレッドボードを試作して、その動作を

学ぶことにします。

 

【実習8】 自己バイアス回路でマイクアンプを作る

ECM(コンデンサマイク)を使って、小信号トランジスタ2SC1815を使って50倍程度の増幅を

行い、セラミックイヤホンでマイク音声を聴く回路を作ります。

 

さきほどの原理図に対して、出力コンデンサが追加になっています。

これは入力コンデンサと同じく直流カットのためです。電圧のみで動作する圧電素子のセラミックイヤホンでは問題ないかもしれませんが、原理の理解と念のためいれています。

 

また、スピーカを鳴らすためには、電子オルゴールの時と同様にもう一段トランジスタを追加してスピーカを駆動するのに必要な電力を稼ぐ必要があります。

 

 

【ブレッドボードで回路を実装する】
回路図の通りに、ブレッドボードに部品を実装します。
コンデンサマイクの極性と電源に1kΩを入れるのを忘れないようにしてくださいね。
 
前の海外製のS8050と違い、日本製の2SC1815はE・C・B(エ・ク・ボ)順に足が並んでいる
ので、それも間違えないようにしてください。
 
 
座学は眠たくなるので、みなさん回路が動作して、設計方法と原理を説明しました。
まずは、ECM(エレクトレット・コンデンサ・マイク)の説明から。
 
【コンデンサマイク(ECM)の原理説明】
おもちゃにもよく使われるコンデンサマイクは、マイクの中にエレクトレットと呼ばれる
高分子材料の膜があり、これの両側を薄い金属で覆いコンデンサのようにしています。
 
エレクトレットの中には電荷Qが固定されています。この膜の片方は音声が加わると振動して
変形するようになっています。コンデンサは2つの電極の間げきが狭くなると容量Cが増加しますので、コンデンサの式 V=Q/C に従って電圧差dVが表れるというわけです。
 
この電圧は数mVと非常に小さく、マイクに内蔵されたFETで増幅します。
FETに接続する電源の電圧と、負荷抵抗RLはマイクのデータシートに記載されています。
 
秋月で買ったこのマイクC9767は電圧範囲は1~10V、出力インピーダンスは1kΩなので、
1kΩをRLとしてマイクの (+) 側に接続します。(デカップリングコンデンサは省略)
 
【自己バイアス回路の設計方法】

次にトランジスタ回路のベース抵抗100kΩ、コレクタ抵抗RL 1kΩ、エミッタ抵抗 10Ωの設計
方針と設計内容について説明します。
このパワポの資料に設計内容は書いてますので、概要だけ。

 

 

電源が3Vなので動作が安定するよう1~2mAコレクタ電流 Icを流したいと思います。
それで負荷抵抗RLは1kΩにしました。

電源が3Vなので、RLに1.5mA流れると両端に1.5V現れ、このトランジスタの動作点は電源の
ちょうど半分の1.5Vになります。(RE 10Ωは小さいので無視します)

さて、Ic=1.5mA流すのに必要なベース電流はどれくらいでしょうか?
ここで2SC1815の増幅率データシートに、-Y(120~240)、-GR(200~400) とあります。
 
YとかGRというのは、トランジスタのランクです。購入する時に指定します。
今回は -Y を購入したので、増幅率は中央値のhFE = 180として計算します。
コレクタ電流Icを1.5mA流すためにはベース電流Ib=1.5/180=8.3uA流せばいいわけです。
 
前に習ったように、ベースBとエミッタE間の電圧 VBEは約0.7V、コレクタCの電圧は1.5V
なので、ベース抵抗にかかる電圧は1.5-0.7=0.8V、オームの法則で R=I/E 8.3u/0.8≒ 100kΩ
と分かります。
ここまで、ついてきていただけたでしょうか?

最後にエミッタ抵抗 REと増幅率の関係を説明します。RE=0Ωの時はどうでしょうか?
パワポの資料にあるように、電圧増幅率AV=RL/re(エミッタ内部抵抗) となります。
エミッタ内部抵抗はVT(熱電圧25mV)/Ic(コレクタ電流)なので、Ic=1.5mA時≒16.6Ω
になります。
したがって、RE=0Ωのときの電圧増幅率AV=1000/16.6≒60倍になります。
RE=10Ωのとき、電圧増幅率AV=1000/26.= 37.6倍
RE=100Ωのとき、電圧増幅率AV=1000/116.6=8.6倍  ということになります。

次の電流帰還バイアス回路で説明しますが、REをつけることでベース電流にフィードバック
がかかるので、増幅率は落ちますが動作は安定します。

【負荷曲線の確認】
初心者の方に少し難しい話になりますが、負荷曲線の確認について説明します。
この下の図が、今回設計したマイクアンプの負荷曲線になります。


まずは、2SC1815のデータシートからVCE特性の図を持って来ます。
Ibを各値で固定して、VCE電圧を可変させた時のコレクタ電流Icをプロットしたものです。
といっても、東芝の本家のVCE特性はIb大電流時のカーブしかありませんでしたので、
秋月の中華製の2SC1815のパチモンのデータシートを持って来ました。

 

まず電源電圧3Vと負荷抵抗1kΩから、Y軸の3mAに点をとり、そこから負荷線(ロードライン)を引きます。 この線とトランジスタの特性曲線が交わる場所が、実際の動作範囲になります。

 

次に電源電圧の半分、1.5Vの位置に赤丸をつけて動作点を決めます。
この図では、ちょうどベース電流 Ib=6µA と 12µA の中間あたり、Ib=9µA付近になります。

 

ここで入力信号が ±5mV 入ったとします。
ベース側から見た入力インピーダンスは約1kΩ程度なので、ベース電流は ±5µA 変化します。

 

このとき負荷線上で交点を読むと、VCEに現れる出力は 1.5V を中心に ±0.3V 変化します。
つまり ±5mV の入力が ±0.3V に増幅されて、増幅率は約60倍となり、設計値とほぼ一致していることがわかります。

負荷曲線については、ここまで結構面倒な説明でしたので、飛ばしていただいて結構です。
 
【動作確認】
ブレッドボードを作ってから、眠たくなるような理論の説明を行いました。(スミマセン)
さて、実際にマイクアンプを動かしてみましょう。

マイクに音を入れると、イヤホンから音が大きく聞こえるでしょうか?
う~ん、何人かはOKですが、何人かはどうもうまくいかないみたいです。
ブレッドボード上の部品の接続を確認してみます。 あっ、動くようになりました。

どうも抵抗値を間違っていたようですね。100kΩのところに100Ωがつながっていました。
ベース電流が流れ過ぎて、VCEが小さくなり音が小さくなっていたようです。
これでは、スイッチング動作のときと同じ動作ですね。(少し聞こえるのがビックリです)
 
うまく動作したら、VCE電圧を測定してみます。 1.5V±0.5Vに入っていればOKです。
VBEも測定して、0.7V近辺になることを確認します。
最初はRE=10Ωが入っているので、電圧増幅率AV=1000/(10+16.7)≒ 40倍
これを100Ωに変えてみましょう。今度はAV ≒ 9倍 なので、あまり大きな音が鳴りません。
RE=0Ωにすると、先ほど説明したように 約60倍になります。人間の耳でわかるでしょうか?
 
残念ながらここまでで、1日のセミナーの時間が来てしまいました。
電流帰還バイアス増幅回路のハンズオンは次回に持ち越しです。
 
今回作成した第4回目のセミナー用のテキストは、下に置いておきます。
 
コメント等でアドバイスを頂けますとさらに助かります。
 
それでは、おやすみなさい


過去のセミナー
おもちゃ病院でトランジスタ回路ハンズオンセミナーを実施しました(第1回)

おもちゃ病院でトランジスタ回路ハンズオンセミナーを実施しました(第2回)

 

おもちゃ病院でトランジスタ回路ハンズオンセミナーを実施しました(第3回 前半)

 

【おもちゃ病院】トランジスタ回路ハンズオンセミナーを実施しました(第3回 後半)

 

おもちゃ病院 トランジスタ回路セミナー 3回目の後半です。
前半はこちら
おもちゃ病院でトランジスタ回路ハンズオンセミナーを実施しました(第3回 前半)

 

修理中のおもちゃが後ろの席に並んでます。


後半は秋月電商で手に入れたオルゴールICでスピーカを鳴らします。


まずは、こんな回路図になります。
秋月のオルゴールICのデータシートに載っている回路図通りです。


オルゴールICからは、PWMではないですが、パルス状の音階データがでていますので、
実際はトランジスタの動作は高速ON/OFFスイッチ動作ですね。

これから皆さんにブレッドボードを組んでもらいます。
オルゴールICとトランジスタが同じような形状なので、気を付けて組んでもらいます。

 

あらかじめ自前のスピーカとスピーカーにブレッドボードに差し込む電線を半田付けして
貰っています。 この辺が不安定で、「音が出た!」とか「音が出ない?」とか悲喜こもごも
でした。 1人の方はオルゴールICの電源を逆接したようで、高温になって壊してしまいました。

でも簡単に動いてしまうより、苦労してようやく動いた方が記憶に残るし、達成感があります。

 

音が出たら、次はローパスフィルタの説明です。

ローパスフィルタの実験には、オルゴールからトランジスタのベースに行く4.7kΩの後に

0.1uFのコンデンサを付けるだけです。


PWMではなく、オルゴールの周波数の矩形波なのですが、矩形波のエッジが削れることにより
すこし角がとれたやさしい音になるはずです。(苦しい言い訳💦)

オシロスコープを使って実際の波形を見てもらいました。
音質については、「もともとのスピーカが小さくて音が悪いので、違いが分からない!」との
事でした。そりゃそうですよね。
本当はPWM信号を使って実験したいのですが、かえって混乱するかもです。

ローパス/ハイパスフィルタカリキュレータ

ローパスフィルタの設計については、Digi-keyに便利なサイトがあるので、そちらを紹介します。
抵抗とコンデンサ(RC)を使った簡単な一次フィルタです。周波数が2倍になると音が半分に
なる、-6dB/Octの特性ですね。 

高音を抑えるのがローパスフィルタで、最初に紹介したやわらかトーマスにも使われている
と紹介しました。(こちらはRとCが両方パラっているのが不思議ですが)

と、ここまできたらいよいよ本日のクライマックス、CDSセルとMOS FETを使った明るさ
センサで電子オルゴールをON/OFFする回路の実習です。

実際にもオルゴールのフタを開けると明かりが入ってオルゴールがなる、ということで実用的
な回路かと思います。

こちらの回路図の赤ワクの部分が追加回路ですね。
オルゴールICとトランジスタのGND側(ローサイド)をFETのスイッチでON/OFFする回路に
なります。


この回路図に書いてあるとおり、CDSが明るい時は数kΩ、暗い時は500k~1MΩですから、
GND側の10kΩと分圧回路にすると、明るくなるとFETのゲートに2~2.5Vくらい印加されて
スイッチがONし、オルゴールが鳴る仕組みです。

暗い時は500kΩくらいありますから、3V電源で I=E/R=6uAくらいの暗電流になります。
これくらいならスイッチ代わりになりそうですね。 オルゴールが鳴っているときは30mA
くらい流れていました。

これも、皆さんに組んでもらいます。
ブレッドボード図にFETのドレインにV㏄を接続する赤線を忘れていたので、皆さん動かずに
焦っておられましたが、そのうち気づいて修正後 無事に明暗スイッチが完成しました。

 

何もないと記憶に残りませんので、このように簡単な落とし穴を設けるのも講師の仕事ですw。

 


最後のスピーカの駆動トランジスタをNPNからPNPに変えてみる、は時間切れでできません

でしたので、皆さんの宿題としました。

 

実際におもちゃの回路、スピーカを駆動する部分はPNPで駆動してることが多いんですよね?
なんででしょうか?

 

音が出てない時にIXの出力がGNDだとNPNは電流が流れません。
逆にICの出力がVcc側だと、NPNでは電流が流れてしまいます。この時はPNPがいいですね。

 

今回のテキストは前回と同じですが、下記に置いておきます。

 

 

次回の4回目は、トランジスタの増幅回路を説明する予定です。
どんな内容にしましょうか?

頭が痛いです。
7月はお休みで、8月は23日を予定しています。
それでは、おやすみなさい。

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おもちゃ病院で、トランジスタ回路セミナーを開催しようと計画したのが今年の1月。

4月に1回目、5月に2回目、今回6月29日は3回目になります。

 

場所は筑紫野市のカミーリヤ、月一でおもちゃ病院を開院している会場を使わせてもらいます。
今回も、5名のおもちゃ病院ドクターが参加されました。

 

前回はトランジスタでモータを回す回路をブレッドボードで確認しました。
まずは前回の復習から。

ベース抵抗を1kΩでは弱弱しくしか回りませんでしたが、220Ωに変えて力強く回るように
なりました。

これは、トランジスタが電流を増幅する素子のため。

 

3V電源で1kΩではVbe 0.7Vを引いて(3V-0.7V)/1k=2.3mAしかベースに流れません。
SS8050トランジスタの電流増幅率 hFEが50とすると、100mAしかコレクタに流せない

計算になります。コレクタの電圧をみると、1.5Vくらい。差し引き1.5Vしかモータに電圧

がかかっていません。

これに対し、220Ωではベース電流が10mAくらい流れますから、500mAくらいモータに

電流が流せる計算になります。ON時のコレクタ電圧も0.3~0.5Vくらいしかかかってません。
これで、モータに十分電圧がかかって、元気よく回ることができるようになります。

 

ここまでが、前回の復習でした。
今回は、前回積み残したトランジスタをFETに変更してモータを回す実験から開始です。

 

これが回路図です。

 

これをブレッドボードに組みます。
す。


今回 SMD部品のAO3400を使いますので、事前にDIP変換基板に実装したものを使います。

AO3400のデータシートはこの内容になります。
トランジスタでベースに相当するのがゲート(G)、コレクタに相当するのがドレイン(D)。
エミッタに相当するのが、ソース(S) になります。

MOS FETとトランジスタとの違いはD-S間のON抵抗が非常に小さいことです。
ゲートに2.5Vかけたとき、ON抵抗が50mΩですからね。

仮に0.5A流れてもドレインの飽和電圧は25mV(0.025V)にしかなりません。
トランジスタのコレクタ飽和電圧 0.3~0.5Vに比べると段違いです。
損失もP=VxIですから、全然小さくなります。
だから、このような(SOT23)のサイズで、最大 5Aも流せるのですね。

 


上のHブリッジ図は間違ってます。正しいHブリッジ回路です。


ブレッドボードができたようなので、モータを回してみましょう。

皆さん、元気よく回っているようですね。

ゲートの抵抗は下記R1は1k、R2は10kΩにしました。
R2(RG)がないと、SWをONしなくても回りっぱなしになりました。
ゲートには電流が流れないので、漏れ電流だけでONしてしまうのですね。
RGが重要な所以です。

 

RGを小さくすると、FETがOFFしたときにゲートの電荷が放電する時間が短くなります。
スイッチング速度を早くする場合は、RGを小さくした方がいいです。
でも、R1/R2の分圧でゲートに掛かる電圧が決まりますので、あんまり小さくはできません。

 

 

次の課題です。
今回はオシロを持ってきたので、モータと並列につないだ0.1uFと
1S4188ダイオードの動作を波形を見ながら説明しました。


0.1uFを外すと、オシロのプローブのモータ駆動側に±10V最大 くらいのノイズが現れます。
0.1uFをつけると、これが±1V最大くらいに低下しました。

 

これが、ノイズキラーの効果です。

回りのラジオにノイズを出しますし、CPU内蔵のおもちゃではCPUが誤作動したりします。

ダイオードについては、残念ながらあまり効果が見られませんでした。
この理由は特定できていませんが、FETのボディダイオードが一時的に電流を流した可能性があります。(単に測定が不十分だっただけかもしれません)
ただし、ボディダイオードはフライホイールダイオードと同じ経路で電流を流せても、順方向電圧が高く電流容量が不足しているため、モータのインダクタンスによるエネルギーを適切に放電できません。
設計上は、適切なフライホイールダイオード(例えば、耐圧30V、電流2A~3Aのショットキーダイオード…対象によって異なる)を使用することが推奨されます。

おもちゃの回路では、コスト削減のため逆起電圧防止用のダイオードが省略される場合が多いですが、これはスパイクによる回路の損傷や誤作動のリスクを高める可能性があります。
適切なショットキーダイオードを使用することで、信頼性と安全性を向上できます。

 

この辺のコストと品質のトレードオフは利益を左右するので、メーカにとってかなり重要です。
説明が長くなりましたので、今回のセミナーの主題、電子オルゴールは次のポストにします。

今回のテキストは下記に置いておきます。

 

 


それでは、次回をこうご期待!!

【追記】
当初、実験結果を「FETのボディダイオードがダイオードの役割を果たした」と記載しましたが、この表現は不正確で誤解を招きました。
ボディダイオードはフライホイールダイオードの代わりにはならず、スパイクが観測されなかった原因は特定できていません。
ご指摘をいただき、正確な情報提供の重要性を再認識しました。
今後は誤解のない解説を心がけます。

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