最近は、おもちゃ病院でラジコン修理を預かることが多くなりました。
ラジコンのメカ修理は苦手なんですが、電子回路系の修理の実績を作ってしまったせいのようです。
先日の近隣地区のおもちゃ病院でも、ラジコンを2台 預かりました。
1台目は、こんな車輪おばけの水陸両用ラジコンです。
どうも、モータが不調でロックしてモータドライバが壊れたと予想されるようです。
担当した先輩ドクターから託されました。

先日の鳥栖のおもちゃ病院で預かったラジコン、2台目です。
別の先輩ドクターから、この状態で預かりました。

家に持ち帰って修理してたら、トランジスタから煙が出たので、なんとかしてくれとのことでした。
JOZENのラジコンバギーですね。
たしか 今年の1月に修理しましたね。
【おもちゃ病院】大型ラジコンバギーをお持ち帰りで修理しました
1台目の水陸両用ラジコン、ロック気味だったモータは左用/右用 2個とも交換して貰っています。
家に持って帰って電源を入れると、送信機が点滅したままペアリングしません。
本体の電源ONしても、受信側の基板についているLEDが点灯しないんです。
託した先輩ドクターに電話して確認すると、『動作確認時はLED点灯していたが、色々触っている
うちに点灯しなくなった。壊してしまったかもしれない』ゲナです。
これは困りましたね。
とりあえず本体の受信基板のICの各部電圧と信号を確認しました。
非常にシンプルな構造になっていて、無線IC RF2517Aとモータドライバ MX1212RXが2個です。
それと、3.7Vの円筒型 LiPO電池 18650の電圧から3.0Vを作るLDO(65ZXとマーキング)が
載っています。
調べていくと、どうもこのLDOから3Vが出ないようです。出力VccとGND間が数Ωしかありません。
このICを外しても、VccとGND間は数Ωで短絡しています。RF2517AのVccとVss間も数Ωでショート
しているようです。
どうも、過電圧・過電流が加わって壊してしまったようですね。
モータドライバが壊れているかは、この2つのICが動作しないと難しいですね。
基板から簡単な接続図を作ってみると、ドライバのMX1212RXは2CHのモータを駆動するようです。
SOP 8Pパッケージなので、無線IC RF2517Aからシリアル通信で駆動信号を貰っている様です。
また、MX1212RXのモータ出力は2個パラに接続されていました。1個だと駆動能力が足りない
のですかね?
感🅆休題:データシートと現物を必死マメタン(死語w)で探しました。
データシートは見つかりませんでしたが、現物はAliExpressで見つかりました。
モータドライバ MX1212RXも見つかったんですが、値段が高いのでまずRF2517AとLDOを注文。
到着するまで、2週間くらいでしょうか?
現在、部品がくるのをまっています。
2台目は、前に修理したのと同じ、JOZENのラジコンバギーです。
前回は後進は動くが、前進しないという症状でした。
今回は、全く動かない! というものです。
それも、先輩ドクターが触っているうちに前輪駆動用のHブリッジ回路のFETが燃えてしまったとの
ことです。前に修理した時はHブリッジIC MX608Eを使っていたので、コストダウンでしょうか?

そのまま安定化電源から6V電源を入れると、電流制限がかかるくらい電流が流れます。
ブリッジが筒抜けになったんでしょうね。下の画像の赤枠の中です。

仕方がないので、HブリッジのMOS FETを4個とも交換することにします。
上側(電源側)のFETはA1SHB、下側(GND側)のFETはA2SHBとマーキングがあります。
ネットで調べると、A1SHBはPMOS FETのSi2301、A2SHBはNMOS FETのSi2302でした。
どちらも形状はSMDのSOT-23で、20V 3A(-20V -3A)くらいの駆動能力があります。
これは手持ちのAO3400 (NMOS)、AO3401 (PMOS)で代用します。
NMOSは 30V 5A、PMOSは-30V -4A なので、十分でしょう。

表面実装のトランジスタ(FET)の交換、最近は慣れてきました。
3つのピンに大目にハンダを盛り、すこし高温にした半田ごてを当ててチップをコテ先で動かします。
別の部品の上に乗らないように注意が必要です。
部品が外れたら、半田吸い取り線でパッド上の半田を取り除き、フラックスを大量に塗ります。

そうしたら、3ピンのうち1ピンにハンダを乗せ、SMDのFETの1ピンを位置を動かしながら、いい位置
で半田します。 OKなら、残りの2ピンも半田していきます。
できました! すこし半田がモリモリになりましたが、いいでしょう!

この状態で電源をONしてみます。
過電流が流れなくなり、数mA~数十mAの電流が流れるようになりました。
これで、修理の原点になりました。
送信機から操作しても、受信側にまったく信号が出てきません。
これは、受信回路を見る必要がありそうです。
トドお父さんは自慢じゃないですが、ラジコンの受信機の回路なんて見たことがありません。
ネットで調べると、つつじが丘おもちゃ病院の大泉さんのブログ記事がヒットしました。
今回のラジコンは40MHzですが、超再生受信回路というのを使っているらしいです。
受信の回路図と動作原理も丁寧に説明されていました。 感謝です!
JOZENのラジコンJeepの修理(パスコンの内部リーク)
続けて調べると、おなじJOZENのラジコンの回路図が書いてあるサイトがありました。
ジョーゼン(JYOZEN)ラジコン修理(40MHz) 全く動作せず
受信回路図を下に貼りました。部分部分は違いますが、受信回路はほぼ同じそうです。
コイル(L2)からトランジスタ(Q1)のコレクタに3Vが供給されるはずですが、ここに電圧が
出ていません。

コイルの反対側には6V電源から220Ωを介してツエナーの電源回路があり、3.3Vが供給されてます。
(注:電源はこの回路図とは違います。今回の基板での話です)
どうしてつながってないのでしょうか? テスターで測定すると半田から出ている足では数Ωで導通
があります。
「ははぁ、半田が外れているんだな!」と納得して追いハンダを施します。下の赤枠の部分です。

電圧が出るようになりました。オシロでコレクタを触ってみると発振波形が出ています。
これが、クエンチ波形というものなのですね。

試しにラジコン送信機を操作してみると… 動くではないですか! 前輪が左/右、後輪が前進/後進。
やったー\(^_^)/ これでミッションコンプリートです。
今日も持ち帰り深夜残業、お疲れさまでした!
今回のJOZENの基板の部品図も貼っておきますね。皆さんの参考になれば幸いです。

これで実績を積むと、ますますラジコンの修理が回って来そうですね。
1台目も部品が来たら、実装して確認せんばなりません。
まさにラジコン地獄、またまたトドお父さん涙目です!
次回に続く!!
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