【タイトル】
ザ・コア(原題:The Core)
【概要】
2003年のアメリカ/イギリス/フランス/イタリア/ドイツ/カナダ合作映画
上映時間は135分
【あらすじ】
世界各地で異常現象が発生し、物理学者のジョシュはこれが地球の核の回転停止に原因があると考える。このままでは1年後に地球は滅亡してしまうとして、政府は地球の核まで行って核爆弾でその核を再回転させるプロジェクトを極秘裏に開始する。
【スタッフ】
監督はジョン・アミエル
音楽はクリストファー・ヤング
撮影はジョン・リンドリー
【キャスト】
アーロン・エッカート(ジョシュ)
ヒラリー・スワンク(ベッカ)
デルロイ・リンドー(グラス)
スタンリー・トゥッチ(ジムスキー)
チェッキー・カリョ(サージ)
ブルース・グリーンウッド(ボブ)
リチャード・ジェンキンス(パーセル)
【感想】
当初はSF映画の監督をよく務めるピーター・ハイアムズが監督する予定だった本作は、8,500万ドルの予算に対し、全世界で7,400万ドルしか稼ぐことができず、批評家からの評価も芳しくなかった。
1990年代後半は世紀末ということもあり、「アルマゲドン(1998)」や「ディープ・インパクト(1998)」パニック映画は様々製作された。上述の例は宇宙に向かうという設定だったが、本作はその逆で地球の真ん中に向かおうという設定である。到底無茶な話なんだが、映画的には「一応(お金があれば)できます」という体で進んでいく。
必要な分野のエキスパートを足早に紹介していき、宇宙船ならぬ地中船は完成する。このエキスパートの代表は映画好きなら誰もが知るようなキャストが起用されている。
また、冒頭から世界の異常気象が次々に描かれていくのだが、各エキスパートらによる船の開発の場面になると途端に異常気象の描写は減ってしまい、世界的な危機が襲うこともなければ、彼らが地中に向かうことは世間に伏せられたままとなる。一応ゴールデンゲートブリッジが溶ける様子も描かれるのだが、ここまで来たらさすがに世界中の人がパニックを起こしてもおかしくない。主人公をそこまでヒロイックに描きたくなかったのかもしれないが、本作なら別に世界中の人たちが彼らに命運を託す流れでも良かったとは思う。
それから、政府には「実はプランBがありました」として、パーセルがそのプランBを強引に進めるのを阻止するという地上側のドラマも一応は用意されている。これは映画的に面白さに直結していないように感じる。これだったら「アポロ13(1995)」で宇宙船内のトラブルを地球にいるNASAの連中があれこれ知恵を出して解決策を考えるみたいな物語の方が良かったと思う。本作には悪役の存在は別に必要ないだろう。ジョシュとジムスキーの対立だけで十分。
お約束のように乗組員は次々と犠牲になっていき、最終的に生き残るのは主人公とヒロインの二人だけである。宇宙に行く物語は山ほどあれ、地球の核に行く物語はそうない。地球の核に向けて進めばどんな景色が待っているのかは辿り着いたことのない人類が知る術もないのだが、本作なりに描けていたんじゃないだろうか(実は似たプロットの映画はいくつかあるようだが)。好きと言えるほどの作品ではないが、決して嫌いではない。
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【配信関連】
<Amazon Prime Video>
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【ソフト関連】
<BD>
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├オリジナル(英語)
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音声特典
├ジョン・アミエル(監督)による音声解説
映像特典
├未公開シーン
├メイキング
├SFXについて
├予告編