【タイトル】
ディープ・インパクト(原題:Deep Impact)
【概要】
1998年のアメリカ映画
上映時間は120分
【あらすじ】
彗星が地球に衝突することが分かり、政府は極秘裏に核爆弾で彗星を破壊する計画を進めていた。
【スタッフ】
監督はミミ・レダー
製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ
音楽はジェームズ・ホーナー
撮影はディートリッヒ・ローマン
【キャスト】
ロバート・デュヴァル(フィッシュ)
ティア・レオーニ(ジェニー・ラーナー)
イライジャ・ウッド(リオ・ビーダーマン)
ヴァネッサ・レッドグレーヴ(ロビン・ラーナー)
マクシミリアン・シェル(ジェイソン・ラーナー)
モーガン・フリーマン(トム・ベック大統領)
リーリー・ソビエスキー(サラ)
ジェームズ・クロムウェル(アラン・リッテンハウス)
チャールズ・マーティン・スミス(マーカス・ウルフ)※ノンクレジット
【感想】
設定が類似していることで知られる「アルマゲドン(1998)」の2か月前に公開され、全世界で3億4千万ドルを売り上げた。その「アルマゲドン(1998)」でも被害に遭うワールドトレードセンタービルが本作でも津波に飲み込まれている。また、本作には、ロバート・デュヴァル、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、マクシミリアン・シェル、モーガン・フリーマンという4名のオスカー俳優が出演している。
まず、冒頭では彗星を発見した高校生がきっかけで、ウルフ博士は計算によりその彗星が地球に衝突することを突き止める。そのデータを持ってウルフ博士は車でどこかへ運んでいる最中に事故で死んでしまう。そして、映画は1年後に移行するので、事故が原因で彗星の発見が遅れて大変なことになるのではないかと思うが、その情報はしっかり政府に届いており、対策まで打たれていることが判明していく。この情報がちゃんと届くなら、わざわざウルフ博士を事故で死なせる必要はないだろう。後に抽選で無作為に人の生き死にが決まってしまうという展開を考えると、脚本家により作為的にウルフ博士の命が安易に失われる展開はどう考えたって間違っている。この時点で本作は評価に値しないとさえ言えるほどである。もし仮に観客をハラハラさせたいのなら他の展開で考えるべきである。
それから、ジェニーの一連のエピソードも本作を描くうえで必要だとは思えない。テレビ局で働くジェニーは政治家のスキャンダルを追ってエリーという女性の名前まで突き止めるが、実はエリーという名前が女性の名前ではなく、政府の彗星への対策コードの名前であることが判明する。そして、テレビ局内では政府の彗星への対策について知っていたのに教えてくれなかったとして周囲から冷たくされる展開がある(本当は知らなかったことをなぜか言い出せないでいる)。このキャラクターは父との確執を抱えており、それを解消させるという着地を用意しているのなら、その話をメインに描くべきだと思う。スキャンダルを追っていた話も、後にテレビ局で周囲から冷遇される話も映画を面白く要素にも、ジェニーというキャラクターに深みをもたらすという意味でも何の役にも立っていない。
フィッシュ、ジェニー、リオの3人が登場時間も多いため、一応メインキャラクターと言えるが基本は「グランド・ホテル形式」で語られる群像劇である。メインキャラクターたちの抱える問題とかドラマがどれも似たり寄ったりで、どうも映画的に優等生過ぎて心に刺さるものはない。また、基本的に映画的に良い奴ばっかりなのも気にかかる。略奪などの悪いことをする奴はニュースで少し触れられる程度であり、主人公たちが略奪等の被害に遭うこともなく、あくまで本作の描く世界とは遠く外の世界で略奪などが起こっているという話になっている。他の国の様子なども基本的に出てこないが、こういった主人公たちやその周囲の描き方のせいで、ちっぽけな話に見えてしまっているのだろう。
同年公開の類似作品「アルマゲドン(1998)」とよく比較されることになるが、はっきり言ってどっちもどっちな作品である。本作の方が「アルマゲドン(1998)」よりドラマが描けているなんて言われることもあるが、全くそんなことはない。パニックものと群像劇は相性が良いとは思うが、そもそも群像劇は1つの作品として完成させるのは難しいジャンルと言える。それぞれのドラマを描いて積み重なったというより、それぞれのドラマを描くことで薄くなったという感じだろう。
見返して改めて感じたのはモーガン・フリーマンのカッコよさ。黒人が大統領役を演じることも話題になったが、画になる人物だし、彼の発する声に説得力がある。
【関連作品】
「アルマゲドン(1998)」…本作と同時期に製作されたパニック映画。本作では彗星が地球に衝突するのに対し、「アルマゲドン」では惑星が地球に衝突する話である。
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
言語
├オリジナル(英語/ロシア語
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/ロシア語)
<Amazon Prime Video>
言語
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<DVD(スペシャル・エディション)>
言語
├オリジナル(英語/ロシア語)
├日本語吹き替え
映像特典
├終末へ向けて
├メイキング・インパクト
├渋滞シーン
├別れへの思い
├フォト・ギャラリー
<BD>
言語
├オリジナル(英語/ロシア語)
├日本語吹き替え
<4K ULTRA HD+BD>
言語
├オリジナル(英語/ロシア語)
├日本語吹き替え