職業には、動きや機能性を高めるためのユニフォームがあり、
理由が詰まっています。
例えば、看護師の帽子が廃止されたのは、帽子に菌が溜まならいように。
ピンクが多く採用されているワケは、白よりも患者に威圧感を与えないため。
などがありますが、
本日は、コックさんのナゼ??に迫ってみます。



コックさんが着るユニホームといえば、コックコート。
コックコートが着用され始めたのは19世紀のヨーロッパ。
当時、男性たちの間で流行していた「ナポレオンジャケット」が原型となり、
調理時の機能性を加え、コックコートが誕生したのです。

そのコックコートをよく見ますと、
前身頃がダブルのデザインになっているのが多くあります。
ダブルのため、左前でも右前でも着られるのが特徴なのですが…
では、ダブルになっている理由は何でしょう?


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【答え】
人前に出る時に、綺麗な格好で出やすいように


【解説】

例えば、厨房で調理している時に、常連客がレストラン来たとします。
その時、あいさつに出る場面がやってくるでしょう。
とはいえ、調理中。汚れたままの制服では失礼に当たる場合もあります。
そこで、
ボタンを外して左右の打ち合わせを変えることによって、
シミ汚れがない前身頃に即座に変身。
清潔なイメージを保ってお得意様の前に出ることができるのです。

また、コックコートがダブルになっているもう一つの理由として、
身体の保護があります。コックは火を使うため
上半身前部は熱にさらされている時間がかなり多くなってきます。
そのため、前身頃の打ち合わせの部分をダブルにすることによって、
火傷の危険を減らすことができます。

ちなみに、ダッフルコートもダブルになっていますが、
あれが、寒い地域で着ることを想定されたもので、
風向きによって服の隙間を変えることができるためだったのです。

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〇コックコートの袖はなぜ長いの??

コックコートと他のユニフォームとの違うポイントとして
袖丈の長さがあります。折り曲げている人が多いから
長いと気づかないことが多いのですが、
実は袖の長さが通常よりもかなり長くなっているのですが、
では、その理由は何でしょう?



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【答え】
熱いお鍋やお皿をつかむ時、
袖口を伸ばして鍋つかみの代用にできるから

【解説】
袖口はスリットが入っており、折りたたんだり
伸ばすことが簡単にできるのです。




さて、お次は…コックさんといえば、
高いコック帽。

帽子の高さで、上の人になるほど高い帽子をかぶるのが一般的で
料理長にもなると最高35㎝にもなる帽子をかぶっています。
このコック帽、こんなに長い帽子の必要はあるのでしょうか?

実は…機能的なことに関してはほとんどなく、
料理人の気まぐれなオシャレ心から生まれたモノなのです。

時は18世紀の終わりごろ。
フランスのアントナン・カーレムという最高の評判をもっていたコックさんが初めました。
ある晩、彼の料理を食べに来たお客さんの中に、白くて高い帽子をかぶっている人がいたのです。
それを見たアントナンは、気に入って調理場で同じような帽子をかぶり、
瞬く間にフランス国内に広まっていったのでした。

ちなみに、帝国ホテルでは、料理人のキャリアや地位でコック帽の長さが

明確に決まっています。

料理人見習い:18cm

7年以上のキャリアを持つ料理人:23cm

料理長またはそれ以上:35cm

 

また、その後背の高い帽子はコックの居場所が一目で分かり都合がよかったのです。
料理長の他に食材を洗う人、切る人、焼く人、蒸す人、盛り付ける人など、
人が多い調理場において、そこのシェフが誰なのかをコック帽で判断できるのは非常に合理的です。
調理場に常にいるわけではない、事務方や、ホールスタッフなどが調理場の責任者に要件を

伝えたい場合などに便利なことが想像できます。

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さて、最後は、コックさんといえば、胸にスカーフを巻いていますよね。
これも帽子と同じオシャレ??と思うところですが、
実は元々ある役割があり巻いていたのですが…
では、その役割とは何だったのでしょう?

【答え】

冷蔵庫内の寒さを防ぐため

【解説】
これはもともと寒さをしのぐために身につけていたのです。
昔は厨房の暖房設備が十分ではなく巨大な冷蔵庫は入ると
寒くて仕方なかったのでスカーフをまくようになったという。

でも、寒いならマフラーでもいいのでは??
と思うところですが、
毛羽立ったマフラーでは毛やホコリが混入してしまう可能性があります。

さらに、スカーフになった理由として、
調理中の汗をぬぐうという大切な役割もありました。
元々はネッカチーフを首に巻くことができるのはシェフのみでしたが、
最近では調理場のスタッフ全員がネッカチーフを身につけるレストランも多くなってきており、
色の付いたネッカチーフはシェフなどと細かい決まりがあるのです。

 

 

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