熊本市内から車で約90分。
八代の日奈久から水俣までは無料高速道路が走っており、
遠いイメージから一転、さくっと日帰り旅行が楽しめる芦北・水俣エリア。
その芦北の伝統漁法といえば「うたせ船」。
大航海時代を彷彿とさせる自然の動力を利用した船。
帆を張り風の力で網を曳く漁法でエビ漁が盛んなのです。
【第一問】
では、ここで問題!!
一般的な漁船に比べ、うたせ船の方が、
海老が採れやすいのですが、その理由は?
エンジン音が無く静かなため、海老に気づかれにくいから
〇うたせ漁って何?
明治初期から続くうたせ漁がいまだに行われているのが八代海に面した芦北町。
天草の島々を望む美しいリアス式海岸が広がり、
甘夏みかんやデコポンの産地としても有名です。
帆船で風の力だけで船を進めるうたせ漁。
白い帆を膨らませた船の光景から「白いドレスの貴婦人」とも呼ばれています。
また、うたせ船は夫婦共同で動かすことが多いため
「夫婦船」とも呼ばれているのです。
うたせ漁はエンジンを使わないため、静かな漁法です。
そのため海老の警戒心を抱かせないため、船が近づいても逃げることがなく
またエビのすみかである海草・アマモを傷つけなく、
まさに持続可能なSDGs的な漁なのでした。
〇アシアカエビとは…
クルマエビの仲間で、甘みが強くて脚が赤いのが特徴。
天然では主に西日本に生息していますが、
養殖や流通にもむかないため、市場に出回らない珍しいエビなのです。
ですが、芦北うたせ直売食堂「えび庵」で食べることができます。
http://www.ashikita-ebian.com/
「芦北のおいしいえびの“ひやがり”食べなっせ」をキャッチフレーズに
元気に営業されています。
ん??ひやがりって何?
芦北町を含む熊本県の南部では
昼食のことを方言で「ひやがり」というのです。
またうたせ船は「観光うたせ船」もあり、4月から 11 月の間で運行しており、
漁師飯の船上料理や漁体験が楽しめ、サスティナブル旅行にもってこいなのでした。
【第二問】ではここで問題!!
エビのミソは、フォアグラやあん肝のような味わいがありますが、
ミソとはどこの部分??
A:心臓
B:脳みそ
C:肝臓
【答え】
C:肝臓
詳しくは…肝膵臓。脊椎動物では肝臓(かんぞう)と膵臓(すいぞう)は別ですが、
エビは二つが合体した器官があり、それが肝膵臓。
うま味成分のイノシン酸やグルタミンや糖、脂質などが含まれ、濃厚な味わいがあります。
ちなみに、カニみそも同じく肝膵臓なのです。
日本初!!車エビの養殖に成功した上天草市
海老つながりで…
お次は八代海をはさんだ向こう側、上天草に移動!!
上天草に行くとよく見かける光景に…海沿いにある大きな養殖場。
何を養殖しているの!?と思うところですが、
そう、車エビなのです。
【第三問目】
ここで問題!
海老??蝦??エビの漢字表記で迷ったことありませんか??
実は…この2つは全く別物なのです。
では、車エビはどちらが当てはまるでしょう?
A:車海老
B:車蝦
【答え】
B:車蝦
「海老」に老人の老がつくのは…腰の曲がった老人に例えられ、長寿でめでたいという意味を込めた日本生まれの漢字。
そして、海老は海底を歩く大型で硬い殻を持つエビ、イセエビやウチワエビを指しています。
対して、「蝦」は海中を泳ぐ中小型の殻が軟らかい、クルマエビやアマエビを指しているのです。
よって、車エビは「車蝦」なのですが…
天草で見かける看板はほとんどが「車海老」なのです。
なんだか、海老の方が美味しそうですよもんね。
〇車海老養殖発祥の地「上天草市大矢野町維和島」。
明治38年に日本で初めて天然の車海老の畜養という形での養殖に成功し
それ以来、天草地方は全国的にも有名な車エビの産地となり、
今や上天草産の車海老は養殖車海老のトップブランドとして、天然物よりも高値で取引されています。
【第四問】
ここで問題!!
車えびは、普段砂の中に潜っています。
そのため養殖池から海老を獲る際、道具や機械を使うと海老が傷つくのです。
そこで!上天草では、ある方法を使い、海老を砂の中から出すことに成功。
これが、車エビの養殖を盛んにした秘策で、車エビの生態を利用したのもの
でした。
「砂にあるものを当てる」方法
では、そのあるものとは何でしょう?
【答え】
砂に光を当てる
セレンディピティで車海老養殖に成功!!
昔は貝を掘る感じで砂を掻いて獲っていたため、掻くときに海老を傷つけてしまうことが
多かったという。そんな時に偶然出会ったのが、光。
養殖池は明かりが無いため、照明とバッテリーを持ち見回りいった時のこと。
バッテリーが滑り落ち、養殖池に横たわってショートしたその瞬間。
砂の中から海老が飛び出したという。
それ以来、竹の先に電気を付け、砂の上で流すと海老が飛び出し、
今や日本各地でこの漁法が使用されているのでした。
ちなみに
天然の車エビは潮が引き、月明かりがないと獲れないという特性があることが
分かったのは、この竹あかりが発見された、随分あとだったそうです。
〇特許ものの発明だった??
電気を使って獲ることで海老にストレスをかけず、さらに作業効率も上がる。
まさに画期的な方法だったのですが…特許は取らなかったという。
そのため、日本全国に広まったのでした。
【第五問】
では、ここで問題!!
ああえて、特許を取らなかったことによって、
生産者が誰でも作れる状態にし、
その結果、全国への知名度が上がり、有名になったも加工品はどれでしょう?
A:博多明太子
B:辛子レンコン
C:さつま揚げ
【答え】
A:博多明太子
明太子を日本で最初に作ったもはご存じ「ふくや」。
その後、作り方を同業者に伝授し、また東海道新幹線が博多駅までの開通したことも相まって
お土産品として首都圏に運ばれ、普及したのです。
〇車海老は生きたまま送られてくる?
海老が生のまま送ることが出来るのが、車海老の特徴。
車海老をおが屑の中に入れ、普段砂に潜っている時と同じような環境にすることによって
活きたまま届けることが出来るのです。
おが屑の状態で市場に輸送された海老は、一度水槽に入れられて、
ここからさらに販売店や飲食店に出荷されます。
つまり、市場に入荷したての状態で自宅に届くのと同じ最高の鮮度で届くため、
お刺身はもちろん、天ぷら、塩焼き、エビフライなど
どんな料理でも最高な状態で食べられるのでした。
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