他人に縋り付いてばかりだ。

呼んで、泣いて、喚いて。

離れてくのは道理だろうに。


神に祈ってばかりだ。

縋って、乞って、憎んで。

変わらないのは自分のせいなのに。


さよならを唱える。

目の前には誰もいやしないのに。

誰につぶやいてんだ、俺。

あれだな。

もしかしたらこの世界は作り物で

もしかしたらこれはブラウン管越しの空想で

俺はそいつに向かってつぶやいているのかもな。

…。

なあ、見てんだったら

救いの手でも差しのべてくんねーかな。
なにかを変えたい。
自分を。
世界を。
頑張りもしないでそう言葉を吐き出すあんたの口を今すぐに塞いでやりたい。

「死ねばいいのに」
そういう思考にいきつく脳味噌なんてあっても無駄だろうと強く思う。
そういうあんたが死ねば良い。

誰かが誰かを殺す度に、殺した方法でその犯人も殺してしまえばいいと願う。
それが残忍であればある程に。

だってひどい話だろう?

頑張りもせずに人を妬む。
死ねば良いのにと簡単に口ずさむ。
人かと訪ねたくなるようなその思考。

なんだってこんなにも黒いんだ。
なんだよこの纏わりつく感情は。

強烈な頭痛と目眩と嘔吐感。
なんだこの世界の有様は。

なんでもない一日を、消していく。
一瞬で消えるそれをひどく虚しく、愛おしむ。
その割には必死になってはいないけれど。

きっとその時がきたら頑張るよ。
それはもう、

涙が出るほどに。
私が私でいられるように、
そっと何かを切り捨てた。

「もういらない」
「苦しいの」
「涙が出るほど」

大事だった。
何度も落としては、膝を擦り付けながらそれを拾った。
熱くて、痛い。
そんなものを拾い上げて火傷して、手も切り傷だらけ。

ねえ、それを今、捨てるよ。
この手で落として、
この足で踏みつぶす。

だから私を前へ進ませて。

嘘と虚栄で縛られてどうにも動けない。
ほどいたら楽になれると思って、するりと緩めれば
今度はからまってしまってほどこう躍起になる。

たわんだままの私。

それで歩き出した。
転ぶのなんて目に見えているけれど、
それで糸が切れたら儲けもの。
上を向きたい。
前を見据えたい。
誰かの力になりたい。
自分を信じたい。

そう思う度に、自分が嫌になる。
なんでこんなにも弱いんだろう。
なんでこんなにも力がないんだろう。

周りに縋り付いてばかりいる。
強くなりたい、と何度も繰り返しているだけだ。

どうしたらいいのかわからない。
強くなりたいのに、その方法がわからない。

強くなりたい、
自分を奮い立たせたい。
言い切れる力が欲しい。

泣いてばかりなのはもうたくさんだ。
窓を全開にして呼ぶんだ。

さあ、ピーターパン。

連れてってくれと。

返事がないなら落ちてやれ。

そざかし慌てて飛んでくるんだろう?
牢獄に一人、閉じ込められている。
欲しいものは手に入るが、誰とも会う事を禁じられ、
日々をただ縛られたまま生きている。
唯一の救いはたったひとつの開け放たれた窓。
知らない誰かは言った。

「ここで死ぬまで生きるか、その窓から飛んで自分から死ぬか。精々悩んで選べ」

それを聞いた瞬間、意地でも生きてやろうと思った。
そんな感情も何年も経てば風前の灯よりも小さくなる。
生きたい。
でも今を生きてると言えるのか?
寝て、起きて、食べて、一人でいる。
それを誰が生きてると言ってくれる?

「助けて」

生きているとも言えない。
死ぬのも怖い。

何に縋れば良い?
生温い水の中を泳いでる。

微睡んだ一瞬、

何かがこの手から落ちて、

そして「君」がそれを受け取った。

ああ、今度は君の番だ。

「それ」を頼むよ。

大事にしてくれ。

名前は「命」と言うらしいんだ。

俺にはもう持てる力はないから。

君が代わりに持ってくれ。

頼むよ、

大切に、生きてくれ。