アマチュア局に許可の実績ある最大出力はかつては500W、今は1kWまでに拡大されています。また、資格の上でも2アマは100Wから200Wへ。電信級および3アマは25Wを経て今の50Wへと拡大されました。それでも私が開局した頃から一切変わっていないのが移動局の最大50Wという電力です。
当時と比べると、現在では様々な情報の流れが誤り訂正付きのデジタル化されていますし、携帯電話とペースメーカーの関係が注目されてより機器の方も電波障害には強くなってきました。ハムの電波による妨害や誤動作はずっと少なくなったはずです。しかし電磁波が生体に及ぼす影響は変わらないでしょうから、どこで垂れ流されるか分からない移動局の電力は簡単には増力を許可できないのでしょう。
ハイパワーで女の子ばかり出生、という実証のところが怪しい噂話はさておき、電磁波が加熱以外の影響をもたらす可能性はあります。例えば、ハイパワー局が送信するとアンテナ上の鳥が一斉に逃げ出す、とかいう噂がありました。また、かつてのパチンコのイカサマには強力な電波で台を誤動作させる方法がありましたが、実行役には手の痺れや頭痛を訴える者がいたという話です。
ちなみに、そのイカサマ道具は単1のニカド電池16本を背負い、25Wのモジュール4個で合成した100Wを袖に仕込んだアンテナから放射していたのだとか。25Wとは以前の3アマ向け機材用なのか、これも「アマチュア用品のプロ流用」の一種と言えるのか、作っていたのは現役ハムだったのか、興味深いですが確かめようがありません。
しかし電界強度は距離の二乗に反比例しますから、ハイパワーでもアンテナからの距離を稼げば急減します。逆に言えば、ごく近くのローパワーの方が勝るものであり、ハンドヘルド機の使用はそれに当たります。特に1200MHzではアンテナの実効高も充分そうなので影響は大きいかも・・・ですが、近年、アルインコがDJ-G7を終売にして以来、1200MHzのハンドヘルドは市場から消えていたのでした。半導体不足プラス需要減からのようです。アマチュア機の技術も進歩し、144/430/1200の3バンド機などこれからは当たり前、と思っていたら技術でないところで後退してしまったのは悲しい現状です。