私は小学生の時に並三、および4球スーパーを作りましたが、本当か?としばしば疑われることはありました。子供がそんなに工具も持っているはずがないのに、力仕事のシャーシ加工ができたのか?という意味のようです。ところが、シャーシにはラジオ専用の既製品があったのです。
戦後、ラジオは高価なメーカー製品に対抗して、街の電気屋やアマチュアが組み立てて販売することが普通でした(私はその世代ではないので伝聞)。
回路はNHKや真空管メーカーの発表した標準設計があり、それに部品も合わせて製造され寸法も規格化、その通りに穴を開けたシャーシも、またケース・キャビネットまでもが新品の部品として小売りされたのです。その時代が過ぎた後年もそのアルミ板のプレス型が活用され、「並三用」とか、「スーパー用」という加工済のシャーシは当初の役目を終えてはいましたが趣味向けに生産されていました。従って私が買った工具は、少々寸法の違う部品に合わせて修正するためのハンドドリルとテーパーリーマー程度で、あとは自宅にあった家庭用工具セットと半田鏝でラジオは組み立て出来たのです。参照はもちろん、ラジオ雑誌の実体配線図です。
「超再生受信機」の投稿にも書いたように、強電界の都市部に居たので再生式の並三では「感度と選択度の向上」、という再生検波の恩恵には気付くことなく終わりました。続いて4球スーパーでは実体配線図で電源ダイオードの極性が逆だったというミスにつられて、しばらく不動。気付いて直した後は、スーパーヘテロダインというものは組み立てよりも調整こそ自作の肝ということを知ります。なお、並三の方はその後ワイヤレスマイクに改造しましたが、これについては改めて。
私は中学を受験したので以上までで工作は中断し、再開後に作ったのがトリオ9R-59Dの受信機キットでした。