練習用の電鍵 | アマチュア無線の裏側で

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1970から1980年代の忘れがたい記憶から

私の駆け出し時代、「練習用電鍵」として販売されていたのはハイモンド製(980円だったか?)とサトーパーツ製(880円だったか?)で、昔とはいえ実に安かったものです。練習用とはつまり最下層の製品ですが、確かハイモンド社のパンフレットには「練習用には特に良いものを選ぶべきです」と書かれていたと思います。少なくとも国家試験の受験が前提では自作のキーで練習とは行きませんし、練習用に買った物をそのまま使い続けた入門者も多かったようです。

 

ハイモンド製の台座は厚い一枚板のモールドである程度は重量があるのに対し、サトーパーツ製は中空でした。このため粘土や鉛を仕込むのが定番の処置でしたが、その空洞に練習器を組み込んだとか、あるいは端子にループアンテナを付けたワイヤレス電鍵に仕立てた投稿もありました。縦振れの電鍵は安定な設置場所と一定の肘の逃げ場がないと使いにくいので、無線化して自由に動き回れる事の方をメリットと感じたという事は手慣れた打ち手だったのでしょう。

車中から膝の上に置いた縦振れ電鍵でモバイルCW、が自慢の局が誌上で紹介された事がありますが、その符号は実際に耳にすると結構崩れていました。

私が最初に購入した電鍵はハイモンドの練習用でした。軸受けが簡素ですが、それは自分で調整ができます。それより問題なのはコンタクトで、上位品は銀接点でしたが練習用はニッケルメッキだけなので押下圧力の低い私では接触不良を起こしやすく、何となく始終磨いていたらメッキが剥げてしまいました。この電鍵への考えが変わったのは電信級の国家試験が契機です。

 

電気通信術の送信試験では電鍵は持ち込みが許可され、私もその「練習用」を持参しました。ところが、試験卓に備え付けの電鍵が見た目は「練習用」を一回り大きくしただけのような飾り気の無さでしたが、試しにと叩いてみると私物よりもずっと快適ではありませんか。それは後にJRC製と知りましたが、結局その備え付け電鍵で受験を済ませたのです。

要するに練習用はやはり練習用、それを機会に上位機種に買い替えるまで値段なりの品質差があろうという意識はなかったのでした。