「Nのために」第10話(最終回)~明かされる事件の真実・・・N達の未来 | 日々のダダ漏れ

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「Nのために」

Nのために

 
第10話(最終回)
明かされる事件の真実・・・N達の未来
 
安藤) 48階ってまさか…野口さんの所?
西崎) そのまさかだ。
安藤) 何かたくらんでんだろ?
    それってさ、杉下の同級生も関わってる? 三
    人揃って偶然な訳ないだろ。何考えてんの?
西崎) 偶然だ。縁があるというやつじゃないのかな。
    何しろ彼は、杉下の罪の共有、究極の愛の相
    手だ。
なかなかいいやつだ。

**********
 
安藤の心の声) そんなのは、愛じゃない。
          それは、ただの自己満足だ。

**********
 
奈央子) 違うの。私じゃないの。
     希美ちゃんを連れ出してほしいの!
西崎) 杉下?
奈央子) 奥の書斎に、主人と二人っきりでいるの。
     あの子、いつも私に隠れて主人と連絡を取り
     合ってる。今日の食事会も、あの子が主人を
     そそのかしたの。
西崎) 違う。
奈央子) 早く希美ちゃんを連れて帰って。仲が
     いいんでしょ? あなたならできるでしょ?


**********
 
安藤の心の声) 杉下。本当に困ったら、
         誰に助けを求める? 誰に頼る?
         俺に電話を、かけてこい。

**********

希美) ついてきてくれって言われたら、私は安藤に
    ついていきます。奈央子さんと同じです。奈央
    子さんは、この家を逃げ出すつもりです。
転ん
    で流産したなんて嘘ですよね。
野口) 奈央子がそう言った?


希美の心の声) 西崎さん。私もこの人を、
         安藤から引き離したい。


希美) あなたよりも
奈央子さんを大切に思う人が、
    今、迎えに来てますよ。

 
**********
 
野口) お前のせいで、俺達の子は死んだんだ!
西崎) そんな関係じゃない。
野口) お前さえいなければ、俺が、俺が奈央子を疑
    うこともなかった。
奈央子が流産したのは、俺
    が殴ったせいじゃない! 
お前のせいだ!
(玄関のドアにはチェーンがかけられている)
西崎の心の声) 逃げられない。
野口) 俺が殺したんじゃない!

**********

野口) 俺を裏切るのか!
奈央子) 違う。
野口) お前、俺を捨てるのか!
奈央子) そんな事しない。
野口) 俺を捨てて、どこ行く気だ!
奈央子) どこにも行かない…あなたと、一緒にいる。
野口) 嘘つけ。あいつと行くんだろ。
西崎) もうやめてくれ。


**********

奈央子) 触らないで。この人から離れて!
     この人は、私だけのもの。止められるのは、
     私だけなの。早く! ここから出てって!
     あなたも、
あなたなら、私とこの人を、助けて
     くれると思ったから。
だから優しくしてあげた
     んじゃない。
その傷も、舐めてあげたんじゃ
     ない。
お願いだから出てって! 二人っきりに
     して!

**********

西崎) 聞いてくれ。野口を殴ったのは俺だ。
    奈央子を刺した野口を、俺が殺した。
希美) 何言ってるの?
西崎) 奈央子を人殺しにしたくない。
希美) 西崎さんは何もしてないじゃない。
西崎) 
何も見なかったことにしてくれ。俺が殺した。
希美) 何でそんな嘘つかなきゃならないの? 西崎
    さんが、罪をかぶることはないでしょ。
西崎) 俺は、罪を償いたい。前にも、母親を見殺し
    にした。
それを償わずに生きてきて、どう現実
    に向き合えばいい
のか分からない。償い終わ
    ったら、今度こそお前たちと
同じように、現実を
    生きていく。
希美) そんな嘘…つき通せる自信ない。
西崎) お前の究極の愛は、罪の共有なんだろ?
    愛はないかもしれないが、罪を共有してくれ。
希美) そんなの…できないよ…。


**********

希美) 助けて。助けて成瀬君!

**********

希美) 成瀬君…ごめん。
慎司) どしたん…なんがあった?
西崎) 作戦は失敗だ。警察に通報してくれ。
    警察には、作戦のことは黙っておこう。
    俺が一人で、奈央子を連れ出すつもりだった。
希美) でも…。
 
慎司の心の声) どうして、
         今自分がここにいるのか分かった。
         4年前、杉下は何も聞かずに
         俺をかばってくれた。

         今度は、俺の番だ。
 
慎司) 大丈夫。全部偶然だって言えばいい。
西崎) ああ。
慎司) 杉下と、俺は、なんも知らんかった。
    今日会ったのも偶然。それでいいね?
西崎) 杉下を、守ってやってくれ。

**********

安藤) 何があった?
西崎) 逃げられなかった。
安藤) 俺のせいだ…。

**********

あの日、伝えられなかった思い。
すれ違った願いに、
答えを出そうとは、思わない。
けれど10年という歳月が、
答えを導き出そうとしていた。
それぞれが心の底に閉じ込めて、
誰にも知られないまま終わるはずだった。
その、答えを。


**********

慎司) 一緒に帰らん? ただ、一緒におらん?
希美) もしかして、病気のこと西崎さんに聞いた?
慎司) 島には、帰りたないんか?
    親にも世話になりたくないん?
希美) もう何年も会ってないし。
慎司) 今も、島におるん?
希美) 母親と弟は、高松におる。お母さん随分前に
    再婚したんよ。会いに来てくれて、ありがとう。
    成瀬君、自分の野望、覚えとる?
慎司) どの?
希美) 結婚した相手より、あとに死ぬ。もし一緒に
    なっとったら、私が成瀬君の野望かなえられ
    とったね。
慎司) 分からんよ。そのうち画期的な治療法が発見
    されて、杉下のほうが長生きするかもしれん。
    杉下の、思うとおりにしたらええよ。
    杉下の人生や。生きたいように生きたらええ。
    でも…待っとるよ。
希美) 甘えられん。
慎司) 待っとる。


**********

希美) 誰も悲しませずに死ぬことは、
    できるんでしょうか?
多田) それはできないよ。誰も悲しませずに、
    生きるのが難しいのと同じ。一人で生き
    ていくことなんて、できないんだから。


**********
 
高野) 希美ちゃん。
    自分のために、生きてええんよ。

**********
 
高野) みんな、あなたに何も話さんのですね。仕事
    柄、人が何かを隠すのは、やましいことがある
    からやと思ってました。独りよがりやなと思わ
    んこともないですが、誰かを守るために、無心
    に嘘をつく人間も、おるんですね。

**********
 
安藤) 君から何も聞けなかったら、
    もう事件のことは吹っ切ろうと思ってた。
    ありがとう。時間取らせて
悪かったね。
慎司) あの日…杉下が考えていたのは、
    安藤さんのことだったと思います。
    あなたを守ろうとしていました。
安藤) 杉下はいつも、心の中で誰かを
    支えにしてたよ。それは君だろ?
慎司) 島を出るのに、お互いの支えが必要だっ
    たんです。あれから10年もたつんですね。
安藤) うん。
慎司) あっという間だった。杉下のそばに、
    あなたがいてくれてよかった。
安藤) 会いに来てよかった。

**********

早苗) ねえ、希美ちゃん。洋ちゃんと、三人になって
    から、
ママ…希美ちゃんにひどいことしたね。
    あの頃のこと、あんまり思い出せんのよ。
    気がついたら、洋ちゃんも希美ちゃんも、ママ
    の側におらんかった。
自分のことばっかりで…
    ごめんね。ごめんなさいね。
希美) お母さん…話たいことがあるんよ。
    悲しませるかもしれんけど、聞いてくれる?
早苗) なん? 言うて。聞くよ。
希美) 
私、病気になった。怖いんよ。この世から、
    いなくなってしまうのが、怖いんよ。
早苗) 全部話してみなさい。大丈夫やけん。
    大丈夫。大丈夫。


**********

電・希美) 安藤は? 広い世界、見られた?
電・安藤) まだまだこれからだよ。
電・希美) 今、思ったとおりに生きてる? こうなり
      たいって、思ったとおりに、生きてる?
電・安藤) 生きてる。完璧じゃないけど悪くない。
電・希美) よかった。
電・安藤) 杉下は?
電・希美) 私も、これからかな。
電・安藤) 前を向いて生きろよ!
      そっちの方が杉下らしいから。
電・希美) 安藤もね。誰にも邪魔されないで、
      行きたい場所に行ってほしい。元気でね。


**********

私に人生をくれた、大切な人たち。
ありがとう。


希美) 来たよ!
慎司) これから、仕入れに行くけど、乗る?
    何食べたい?
希美) おいしいもの。








**********

自分が思っているように、相手が思っているわけでは
ないし、相手が思っているように、自分が思っている
わけでもない。自分以外の人が何を考えているのか、
それがわかるのは本人のみ。人は自分が思いつく範
囲で想像し、どこか自分に都合のいい想像をしてる。
誰かのためにしたことが、本当にその人のためにな
っているとは限らない。逆に、自分が知らないところ
で誰かのためになっていることもある。人って難しい。
 
事件の真相は、野口夫妻のそれぞれの嫉妬と誤解、
安藤の嫉妬と誤解が生んだ悲劇。切ないすれ違い。
人の心は、思っていることは目に見えないから、ちょ
っとした言葉で、白から黒へ、黒から白へとあっとい
まに変わってしまうこともある。成瀬の存在を聞かな
ければ、安藤がチェーンをかけることはなかっただろ
うし、野口が口を滑らせなければ、希美が西崎の存
在を匂わす事もなかったはず。頼られたかった安藤。
その安藤を守りたかった希美。安藤を守りたい希美
を守ろうとする慎司。母親への贖罪の気持ちを奈央
子に重ねていた西崎は、罪をかぶることで、自分の
罪悪感を清算し、新しく生き直そうとしたのだと思う。
西崎さんが一番可哀想な気がしたけれど、それでも、
希美と安藤に出会えた事は、彼にとって何よりの救
いになっていたんだろうなって。安藤のために、希美
のために、考えて考えて、慎司に希美を託した西崎
さんが愛おしい。魂の居場所があるべきところへ…。

狭い島の中で、希美と慎司の絆が深まる様子を丁寧
に描かれてきたこと。火事の夜、無言のうちに罪の共
有を意識した2人。あの日…つないだ手が、その後を
生きる2人を勇気づけていたこと。あの事件の現場で
も、2人はそっと手を繋いでいた。島で苦しかったころ
の自分を知っている、そこで語り合った野望を知って
いる人がいることは幸せだ。キラキラしていた頃の自
分を知ってる人の心の中で、ずっと生き続けられる。
慎司の前では、頑張り過ぎなくてもいい。無理しない
で、いつか、自然に甘えることもできるはず。最後に
希美の隣りにいるのが、慎司で本当によかった~! 
2人の佇まいが美し過ぎて、泣けて泣けてしょうがな
かった。ラストの2人の姿だけで、それだけで泣けた。
ダラダラ余計な事を書いてしまったけど、シンプルに、
とてもいいドラマでした! 歌もよかった。原作は読ん
でないけれど、間違いなく、文字だけでは伝えられな
い、表現できない瞬間が、たくさんあったと思います。

家入レオ - Silly

 
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第8話~エリート夫の嘘と罠・・・炎に消えた真実
第9話~最終章~前編~今夜事件の幕が開く!
第10話~明かされる事件の真実・・・N達の未来

●「Nのために」HP


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