「Nのために」第8話~エリート夫の嘘と罠・・・炎に消えた真実 | 日々のダダ漏れ

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「Nのために」



 
第8話
エリート夫の嘘と罠・・・炎に消えた真実
 
 
西崎) 西崎真人。25歳。作家。まわりはみんないい
    人だって言うんだろうが、
あの旦那、クソみた
    いなやつだ。
あんなやつ、死んでいいと思って
    殴った。
殺意があったかどうかっていうなら、
    あったよ。
俺と奈央子が付き合ってた事を、杉
    下は知らない。俺がやった事を黙っててくれっ
    て言えるほどの仲でもないしな。顔見知りに顔
    を見られたら逃げたって無駄だろう。もう逃げ
    られないなあと思って、警察に通報してくれっ
    て頼んだ。杉下の同級生に。名前何だっけ?
    俺には、失うものは何もない。それなら、奈央
    子の事だけを思いながら、それに見合った刑
    を受けようと思った。
反省も後悔も していない。

**********

高野) 
妙な事件よなあ。
    一人一人の言い分は、筋が通っとる。ほやけ
    ど、全体を見るといびつなんよ。
ホンマに、あ
    そこにおった全員が、同じもんを見たんやろか。

    しょっぱなに、西崎君が自白した事で、警察は、
    大事な事に、目つぶっとるんやないかなあ。そ
    う思って、関係者に会うた。スカイローズガー
    デンの事件を調べだしたんは、お前と、希美ち
    ゃんのつながりを知りたかったけん。何かせず
    にはおれんかった。
お前と、希美ちゃんを疑う
    気持ちが、どうにも、消えん。
    何で、こんな事になったんぞ。
何で、二人を疑
    わんといけんのよ。
二人はつらい目に遭うて、
    それでも、精いっぱいやっとったんを、俺は
    の目で見たろが。
何べんそう思うても、疑いが
    晴れん。
これを放ったままじゃ、俺は、よう生き
    ていけん。
慎司) どう話したら、ホントと思ってもらえるのか
    分からんけど、
杉下は何も しとらんけん。
    火つけたのも俺やない。
高野) 
14年も経つんやな。早いもんやな。
    慎司も、希美ちゃんも東京で立派にやっとる。
    14年。同じところに留まってるのは、俺だけ
    なんかな。
高野) 杉下…元気やった?
高野) 変わらんよ、あの子は。強い子やけん。
    電話してやり。
 
**********

希美) どうして私が病気だって分かったの?
西崎) 気に入らないだろうが、興信所を使った。
    どうしてるか気になったからな。
    あの事件がなきゃ…。
希美) 私、西崎さんに出会わなきゃよかったって
    思ったことは、一度もないよ。
西崎) 何か俺にできることはないか?
希美) 気持ちは嬉しいけど。
西崎) いまだに誰にも頼らない気でいるんだな。
希美) そんな事ない。仕事するようになって分かっ
    たけど、
誰かに頼ったり、頼られたりして、
    めて一人前になるのね。
でも、病気の事はま
    た別だから。
西崎) 大丈夫か?
希美) 大丈夫。今まで楽しい事たくさんあったし。
    安藤と3人でいた頃は、ホントに楽しかった。
西崎) そうだな。
希美) 安藤の次は私がここ出てくと思ってたのに。
    西崎さんが先にいなくなって寂しかったよ。
    西崎さんには話しておこうかな。
    この前、安藤に結婚しようって言われた。
西崎) 断ったんだろう。
希美) うん。
西崎) もったいないことしたなって思ってるだろう。
希美) 心、読まないで。
    安藤には弱っていくところ見られたくないし。
    元気なとこだけ覚えててほしい。
西崎) あとで知ったら…何で言わなかったんだって、
    怒るぞあいつ。
希美) そしたら西崎さんがなだめて。
火は…まだ、怖い?
西崎) いや。だいぶマシになった。
希美) よかった。
西崎) そっちはまだ…
    冷蔵庫は食べ物でいっぱいか?
希美) 今は、食べたいものだけ食べるようにしてる。
    もうそんなにたくさん食べたいと思わないの。
西崎) この10年には意味があった。
    ありがとう。杉下。
希美) 私も西崎さんに同じような事言いに来たのに。
    先越されちゃった。

**********
 
西崎) ゆがんだ場所にずっといると、そこがゆがん
    でいる事に気づかなくなる。
外に出て、自分が
    ゆがんだ場所にいる事に
気がついてほしい。
慎司) 駆け落ちとかするわけじゃないんですか。
西崎) そういうことを考えてるわけじゃない。奈央子
    が無事ならそれでいい。とはいえ成瀬君。
    バカな相談を持ち掛けて済まなかった。
慎司) いえ。
西崎) 隣りの部屋に、頼みの綱がいると思うと、
    いてもたってもいられなかったが、これ以上
    の邪魔はやめておこう。
希美) もういいよ。とりあえず、鍋食べよう。


**********

慎司) あんなに高いところに住んどるのに、
    幸せやない人もおるんやな。
    帰って少し考えてみる。
希美) ええよ、そんなことせんで。
慎司) 将棋のことも、考えとく。

 
**********

西崎) ただの同級生じゃないんだろ? 成瀬君は。
    あれか…罪の共有の相手か?
    罪ってどんな罪だよ。
希美) それは言えない。奈央子さん無事だといいね。
    安藤とお見舞いに行ったら色々探ってくるから。
西崎) 頼む。


慎司からのメール
「大事な人がひどい目にあってて、いてもたっても
いられない気持ちはわかる。だから協力する」。


**********

希美) 奈央子さん、ホントに大丈夫ですか?
    野口さんは、奈央子さんのこと…
    大事にしてくれてますか?
奈央子) そうね。欲しいものは何でも主人が与えて
     くれるし、みんなも羨ましいって言う。でも…
     持ってないものもある。何だか分かる?
希美) 奈央子さんは、
    何でも持ってるじゃないですか。
奈央子) それはね、一人で生きていく力。私には、
     どう頑張ってもつかめない。
希美) そんなふうに思わないでください。ホントに
    欲しいと思ったら、手に入るはずです。
    奈央子さん…もし…野口さんに…。


**********

安藤) 杉下はどこ行っても生きていけそうだよね。
希美) 日本じゃ安藤に勝ち目ないけど、
    無人島とか行ったら、逆転できる気がするな。
安藤) 明日っからさ、
    無人島で暮らせって言われたらどうする? 
希美) 何でそんなとこ行かなきゃなんないの?
安藤) 理由はともかく。そう言われたらどうする?
希美) 行ってみてもいいかな。
    一人でどこまでやれるかやってみたいし。
安藤) そう言うと思った。
希美) でも…やっぱり、島に一人じゃ寂しいかな。

**********

希美) また成瀬君に将棋教えてもらえるなんて、思
    わんかった。このアパート、びっくりするくらい
    ボロボロやろ。やけど、島にいる頃より、何倍
    もマシ。そういうのを分かってくれるんって多分、
    成瀬君だけよね。
慎司) ほうかな。
希美) 辛い時助けてもらうと、うれしいよ。
    やけん私も、奈央子さん助けようって思った。
慎司) その役に立てるんなら、よかった。


**********

(回想)
美雪) 鈴木先生…もうママの事愛してないんだって。
    真人は、真人はママの事愛してる?
西崎) あーっ!
美雪) 聞いたらすぐに答えてよ! 愛してる!?
西崎) 愛してる!
美雪) これも、これも…これもぜ~んぶ、ママの
    愛のしるし。ず~っとママのそばにいて。
    愛してる。誰よりも愛してる。

西崎) 助けないと、お母さんが死ぬかと思いました。
    だけど…助けませんでした。
カウンセラー) つらかったね。
         いつでも助けになるからね。
西崎) 僕がお母さんを殺しました。
    お母さんを…殺しました。
 
奈央子) これは…彼の気持ちを受け止めたしるしな
     の。主人はね、本当の気持ちを、私にしか見
     せないの。あの人は、私以上に苦しんでる。


**********
 
西崎) 杉下…。
希美) うん?
西崎) 
奈央子は、
    俺に連れ出してほしいと思ってるのかな?
希美) どうしたの? 急に。
西崎) 
連れ出しに行ったはいいが、家から出たくな
    いと
言われないとも限らない。俺達がやってる
    事は、正しい事なのか? 
文学の世界では何
    でもありだが、現実世界は
そうじゃないだろう?
希美) 奈央子さんに断られたら、それは…しょうが
    ないよ。でもあとから、何であの時助けなかっ
    たんだろって
思うのは、嫌でしょう?
西崎) 嫌だ。
希美) じゃあ、やろうよ。何かあっても、
    私と成瀬君がついてるから。…ねっ。

**********

慎司) 俺…だいぶ、勘違いしてたかもしれません。

**********

夏恵) 「茂さんへ。もっと、早くにこの事を伝えられて
    いたら、どんなによかったかと思います。あなた
    が定年を迎えた春には、伝えようと決めていた
    のに、冬になってしまいました。14年前の夏、さ
    ざなみに、火をつけた人の事です。その人が、
    誰かを知っていて…今まで、隠していました」。


**********

勘違い…。超能力者でもないかぎり、他人が思うこと
を、正確に理解することなんてできない。人は誰でも、
自分が思いたいように、人の気持ちを思いやろうとし、
自分にとって理解しやすい勘違いをしてしまうのかも
しれない。Nのために、の「ため」が、本当にNのため
になることなのか…ただ、勝手にそう思い込んでいる
だけではなかったのか…。勘違いがいい方向に向か
うこともあれば、悪い方向に向かうこともある。そんな
様々な勘違いが、悪い方向へ向かっていく予感を感
じさせた、今回明かされた現状。愛情と嫉妬と信頼と
疑いと…人の気持ちは、ちょっとしたことで大きく揺ら
いでしまう。好きな人の役に立ちたい、大切な人の役
に立ちたい、そう思う気持ちは、純粋なものなのに…。

1人倒れてしまった希美。慎司でも安藤でも西崎でも
誰でもいいから、彼女のそばにいてほしい。もちろん、
できることなら、希実がいてほしい人がそばにいてほ
しいのだけれど…。原作は読んでいないので、とにか
くドラマの中で、希美が、幸せを感じられるようなラス
トになってほしいと願います。切ないお話だけど…そ
れそれが、大切に思う人がいるだけで幸せ…かもね。

 
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第10話~明かされる事件の真実・・・N達の未来

●「Nのために」HP


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