「きょうは会社休みます。」第8話~こじらせ女の孤独 | 日々のダダ漏れ

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「きょうは会社休みます。」

今日会社を休みます。

第8話 こじらせ女の孤独
一生孤独?彼の母に決死の結婚宣言


大丈夫なわけがない。よりによって一番知られたくな
かった大城君にバレてしまった。マモルの名を借りて
彼氏がいると嘘をついた時だって、次の日には社員
全員が知っていた。明日には掃除のおばちゃんにま
で情報が行きわたるのは、確実。帝江物産に入社し
て7年。社内では地味で真面目な印象を持たれてい
た私が、よりによって、バイトの大学生と付き合って
いると知れたら…。


**********

布団を掛けずに寝れば、風邪で休めると思ったが、
至って健康な朝だ。


**********

まだ情報は流出していないのか? とすると…。
まさにたった今、情報が解禁されている!


**********

花笑) あの、き…昨日のことなんだけど。
大城) あ~そうだよ~。俺見た瞬間びっくりして
    あご外れるかと思ったぞ。
花笑) その…みんなにまだ、話したりは…?
大城) 何、青石。
    俺がみんなに言いふらすとでも思ったの?
花笑) うん。だって…。
大城) 俺達同期だぞ。お前のことだから、みんなに
    バレたら会社辞めるとか言いかねねえだろ。
    なっ?
花笑) あっ、ちょ…でも…。
大城) 心配すんな! 俺は、本当に
    言っちゃいけないことは言わないんだよ。
花笑) え~…。
大城) 何だ何だ何だ? あっ、じゃあ、
    口止め料でビールおごれよ。
花笑) うん。


入社以来初めて思った。
大城君と、同期でよかったと。


**********

将来のこと、田之倉君との結婚を、
意識してないと言えば嘘になる。


大城) やったことないからやるんだろ? じゃあ、
    結婚したことないから結婚しないのか?


なぜだろう?
言ってることは無茶苦茶なのに、
不思議と胸に突き刺さる。


大城) 真ん中のブルめがけて
    真っ直ぐ投げればいいから。
花笑) 入るわけないでしょ?
大城) 入る確率はものすごく低い。でもな、青石。
    投げなきゃ奇跡は起こんねえぞ。


なぜだろう?
いつもなら鼻で笑って聞き流す言葉が、
不思議と胸に染み渡る。


大城) どんなに可能性が低くても、希望を持ってる
    奴にしか奇跡は起こんねえだよ。
    恋愛も一緒だろ。


大城君の言うとおりだ。大学院に進学する田之倉君
と結婚までこぎ着けるのは、素人の私が、あの真ん
中に矢を入れるぐらい難しいことかもしれない。でも
希望を失わなければ、いつかまぐれの一投が決まる
かもしれない。

このダーツを「惜しい、もう少しだった」と前向きに捉
えるか、「奇跡はやっぱり起こらない」と、ネガティブ
に捉えるか。昔の私だったら、間違いなく後者だ。

私は重大なことに気づいた。ダーツが真ん中に刺さ
ったところで結婚できるわけではない。ダーツはダー
ツ。結婚は結婚。ちゃんと切り離して考える冷静さが、
30歳の私には求められている。2年間大学院に行く
と言ってる田之倉君と、結婚できる可能性はあるの
だろうか。もしあったとして、それは何年後の事なの
だろう?


**********

田之倉君が大学院に通い始めるのは、1年半後。
そこから2年通うとなると卒業は3年半後。3年半
後の私は33歳。田之倉君は24歳。当たり前のこと
だが、何年たっても私達の年の差は、縮まらない。

3年半なら待てるような気もする。でも、3年半待っ
たからといって、結婚できる保証はどこにもない。
それどころか、大学院を卒業したからといって、就
職するとも限らない。


今日の予定だけではなく、大学院を卒業した後の
予定も、そちらに書いてはいただけないだろうか。


**********

悠斗) まぁ、柴山先生がいるから、
    大学院行く事決めたようなものだし。


憎い…柴山先生が、憎い。

悠斗) 今度花笑さんにも紹介するよ。
    すごい面白い先生だから。
花笑) うん。き…機会があれば、ぜひ。
武士沢) お前、大学院言った後はどうするつもりだ?


ブッシーさん、ナイス!

悠斗) 大学院出たら、
    アメリカに行ってNBA取ろうと思ってます。


ア…アメリカ?

武士沢) じゃあ、ゆくゆくは、自分で会社をつくって、
     世界を股にかける男になるってことだ。
悠斗) まぁ、あくまで理想ですけど。
    30歳までには、起業したいなって思ってます。
武士沢) へぇ~。
花笑) 田之倉君はすごいね。
悠斗) ん?
花笑) 若いのに、ちゃんとしっかりそこまで
    明確なビジョンを持って生きてるんだから。
武士沢) 何? 珍しいな。今日はのろけちゃって。
花笑) 何か、そういうとこカッコいいなって、
    しみじみ思っちゃって。
武士沢) もう~勘弁してよ。
     自分の彼氏、そこまで褒めるかねぇ。
花笑) ですよね。アハハ…。


笑ってないと、涙が出てきそうだった。
田之倉君の思い描く未来に、私の姿はない。


**********

入社してから今日まで、何人の結婚を祝福してきた
だろう。瞳ちゃんが来る前に働いていた一般職の女
の子も寿退社だった。どうしてだろう? 誰かが結婚
をするたびに、自分の結婚が、また一歩、遠のいた
ような気分になる。孤独だ。これから何十年も、独り
ぼっちで生きていけるだろうか?


**********

あんなに鬱陶しいと思っていたデビル朝尾。付きま
とわないどころか、私の存在にさえ気づかないのは、
少し寂しくもある。きっと、孤独のせいだ。


花笑) あっ、あれ? 朝尾さん?
朝尾) あぁ、君か。
花笑) こんにちは。
男性) お知り合いですか?
朝尾) ええ、まぁ。


何だ? その態度は。
あまりの素っ気なさに、だんだん腹が立ってきた。
きっと。孤独のせいだ。


**********

光代) 花笑分かってる? 私達もいつまでも 
    花笑の面倒は見てらんないのよ。
花笑) えっ? どうして?
巌) 人間にはな、寿命ってものがあるんだ。
花笑) えっ?
光代) そうよ。私達もいつかは死ぬのよ。


**********

5歳にしてこの洞察力。
将来どんな女に成長するのか。


一華) さやか。花笑が一緒に暮らそうって
    言ったらどうする?
さやか) え~ヤダ。
花笑) えっ。ど…どうして?
さやか) だってうちの中が暗くなりそう。
巌) フッ。ハハハ…。


何を笑っている。お父さんの育て方とDNAの結果が
今の私じゃないか。少しは責任を感じて欲しい。


**********

もし、田之倉君と結婚できても、
義理のお母様が料理研究家とは…。
神からの試練は、まだまだ続く。


**********

花笑) どっちが、ちゃんとしてる女性に見える?
光代) ちゃんとしてるってどういう事?
花笑) えっ? 清潔感があって、落ち着いてて、安
    心感がありつつ、年齢よりも、若く見えるほう。
光代) それって洋服の問題じゃなくて
    人間の中身の問題じゃないの?


**********

わ…若い。
田之倉君が若いのだから、当然といえば当然か。


**********

悠斗) 大丈夫だよ。うちの母親、
    そんなに怖い人じゃないから。


田之倉君が怖く感じないのは当たり前です。
彼氏のお母さんは、どんなに優しい人でも、
怖いのです。


時子) 花笑さん?
花笑) はい。
時子) おいくつですか?
花笑) 今年、30歳に、なります。
時子) そう…
    じゃあ結婚したら姉さん女房になるのね。
花笑) そ…そうですね。
時子) この子、子供っぽい所があるから、相手は、
    年上の方がいいってずっと思ってたんです。
花笑) いえ、もう、私なんかより、
    ずっとしっかりされているので…。
時子) 悠斗とは、職場が一緒なんですってね。
花笑) ええ、そうなんです。田之倉君、すごく優秀な
    ので、社内でも、みんなに当てにされていて…。
悠斗) いいよ、無理に褒めないで。
花笑) いや、だって、ホントの事だから。
悠斗) ブッシーさんの料理はどう?
時子) ホントにおいしい。
武士沢) どうもです。
時子) これ今度、何かの雑誌で紹介させて下さい。
武士沢) こ…光栄です! お~失礼しました!
     ごゆるりと。
時子) ねぇ、悠斗。
悠斗) ん?
時子) あなたどうしても、大学院に行かなきゃいけ
    ないの? だって、せっかく社員にならないか
    って誘って頂いたのに、お断りしたんでしょ?
悠斗) まだ勉強したい事がたくさんあるんだよ。
時子) 本当に勉強したかったら、
    就職した後でもできるでしょう。
悠斗) もう決めた事なんだから黙っててよ。
時子) だって…。
悠斗) 学費と生活費は、自分で何とかするし。
    迷惑はかけないようにするからさ。
時子) お金の心配をしてるんじゃないの。あなたの
    将来の事を心配してるの。昔と違って、大学
    院に行くと、就職するのが大変だって聞くわよ。
花笑) あの…田之倉君は、私が、一生養います!
時子) えっ!?
花笑) 今、会社の方からちょうど、転職の話を頂い
    ておりまして。総合職に転職すれば、今よりも
    多少お給料も頂けますし。贅沢をしなければ、
    2人で、何とかやって行けると思います。
悠斗) 花笑さん?
花笑) なので…田之倉君は、
    研究に没頭して頂いても、大丈夫です!
時子) あの…。今日は、悠斗の進学の話を
    するつもりで来たんですけど…。
    あなた達、結婚するの?
    ねぇ、今日はそういうお話?
花笑) あっ…。
悠斗) いや、結婚の話じゃない。それに大学院
    行くのに、すぐに結婚とはならないよ。
時子) あ~びっくりした。はぁ…
花笑) すいません。
    何かあの、私、早とちりして。ハハ…。
時子) あっ、そ…そうよね。
花笑) はい。何かごめんね。ハハハ…。
悠斗) あっ、いや…。
花笑) いただきます。


じっとしていると、涙が出てきそうだった。

**********

悠斗) 怒ってる?
花笑) えっ、どうして?
悠斗) 花笑さんが結婚のこと、
    そんなに考えてたって気づかなくて…ごめん。
花笑) ううん。謝らなくちゃいけないのは、私の方。
    お母さん紹介してもらって、ちょっと、舞い上
    がってて。


私はどうかしてる。
田之倉君はまだ大学生。
結婚を考えてないのは、当たり前のこと。
好きな人とお付き合いしている。
今のままでも十分幸せじゃないか。
なのにそれ以上の幸せを望むなんて、
私はいつからこんなに
欲深い人間になってしまったんだ。


**********

立花) 怖いと思ったことは、ありませんか?
朝尾) 怖い?
立花) 年を取るとどんどん、リスクを負うことが
    怖くなるもんじゃないですか?
朝尾) 怖いと思ったことは…正直ありません。
立花) ほぉ~。やっぱりお強い人なんですね。
朝尾) ただ、掛け替えのないものが欲しくなる時は
    ありますね。絶対に揺るがない、気持ちの寄
    りどころのようなものが。
立花) そうですか…。
    朝尾さん、家族をつくってみたらどうですか?
朝尾) 私は、結婚には最も向かない人間です。
立花) そういう人だから、必要なんじゃないですか?


**********

花笑) 瞳ちゃんどこ行くの?
瞳) 私もうこれ以上飲めないんで、
  お先に帰りま~す。
花笑) ちょっと待って。送ってく。
加々見) 青石さん、僕、行ってきます。
     諦めることを、諦めましたから。


**********

加々見) あの!
瞳) 何?
加々見) 顔以外で瞳さんの好きなところ、
     何個か見つかったんですけど。
瞳) 今度でいい? 店は任せるから。
加々見) おやすみなさい。
瞳) ありがとね。


**********

昔だったら、最後まで残って会計をしていた私が、
彼氏に呼ばれて先に帰る日が来るなんて。
私は幸せだ。この街で一番幸せだ。

彼氏のポケットに、手を入れてもらえる。幸せだ。
日本で一番幸せだ。たとえ、結婚ができなくても。

彼氏のぬくもりを、
感じながら見る、最高の夜景。
幸せだ。アジアで一番幸せだ。
結婚は無理だったけど。

外でする初めてのキス。幸せだ。
世界で一番幸せだ。結婚しなくたって。


悠斗) あのね、花笑さん。
花笑) ん?
悠斗) 俺と結婚しよう。


幸せだ。女に生まれて、幸せだ。

**********

田之倉君に待たされ続ける妄想が面白すぎる。自分
探しの世界一周とか、陶芸家になるとか、夢見がちな
男にありそうなパターンで。でも、本当にそういう事を
する男がいるから、怖い怖い。「天国で結婚しよう」の
言葉に「せめて、生きている間には結婚したい」と妄
想に泣く花絵が面白可愛すぎる~。何て可愛いんだ。

今回は、いつも以上に花笑の心の声が絶好調。恋愛
というより、将来の孤独への不安がダダ漏れしてしま
う気持ちが痛いほどわかる。「きっと、孤独のせいだ」
と、何度も繰り返し自分に言い聞かせずにはいられな
い、30女の心情が切なすぎて、痛すぎる。21と30では、
想像する未来のビジョンが違いすぎて。20代で老後な
んて考えないのが普通だし、すべてがこれからだから。

花笑サイドの心情もわかるし、でも、悠斗の母親に近
い側から見ると、正直勘弁して~って思うだろうなあ。
まだ学生で、未来に夢を持っている男の子の将来を、
狭めてほしくないと思っちゃうかも。花笑が思わず宣
言したように、女側が養いますぐらいの気概というか、
男に頼らなくても生きていける経済力は持っていてほ
しいというか。息子が大学院に行ける頭を持っていた
ら、とりあえず急かさないで!とは思っちゃうよなあと。

ドラマでは、原作の花笑の年齢設定を下げたのは正
解。21歳と33歳となると、3年も待てないし、待たせら
れない。21歳と30歳は、まだギリギリ待てるというか。
なんてまともに考えると、夢のようなお話は現実味が
なくなってしまうので、ここは漫画モードじゃないとね。
さすが漫画の主人公、ありえないほど性格のいい悠
斗君は、さらにありえないプロポーズを決行。若いっ
て、こういうことだね~ウフフ、アハハ~(遠い目…w)

とはいえ、「きっと、孤独のせいだ」から「私は幸せだ」
のモノローグに変わり、結婚できなくても幸せだと自分
に言い聞かせる花笑が切なくて切なくて…。悠斗のプ
ロポーズを聞いた花笑の泣きそうな笑顔に泣けてしま
った。たとえ、結婚できなくても、こんなに若くてカッコ
イイ男の子にプロポーズされたら、その思い出だけで
残りの人生生きていけそうな、宝物の記憶になりそう。
な~んて、それだけじゃ、やっぱり寂しすぎるよね…。
笑ってないと泣いてしまいそうな…女の子なんだもん。

先週は活躍が少なくて寂しかった加々見君が、今回、
諦める事を諦めて、根性見せてくれました。送るのを
断られてしょんぼりしてたのが、瞳のありがとうの一
言で、みるみると顔が輝きだす加々見君の可愛さと
いったら! あ~、もう、ホント可愛すぎるっ! あんな
に嬉しそうに飛び跳ねる後ろ姿を見たらもう、キュン
キュンしちゃうし、ついうっかり惚れてしまいそうです。
全然好みのタイプじゃないんだけれど、能年玲奈ちゃ
んを見る時と同じような、小動物系の可愛さというか。
野生の小動物の可愛い仕草見ちゃった~みたいな。
加々見君の恋が実って、はにかむ笑顔が見た~い!
(まさか、こんなに加々見君に持ってかれるとは…w)

 

 

 

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