「きょうは会社休みます。」第9話~こじらせ女の恩返し | 日々のダダ漏れ

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「きょうは会社休みます。」

今日会社を休みます。

第9話 こじらせ女の恩返し
別れの温泉卓球奇跡のプロポーズ!


田之倉君との初めての旅行。そして温泉。お母さん
には内緒にしていたが…部屋には露天風呂付いて
いる。平日の朝なのに、いつもの反対方向のバスに
乗る罪悪感。そしてなんとも言えない、解放感。お勤
めご苦労さまです。皆さんの分まで、楽しんできます。

「奥様と、言われて笑みが、収まらず」。

雑誌やテレビでしか見たことがなかった、個室の露天
風呂。一人でしか来ることがないと思っていた憧れの
地に、彼氏と2人で来れた幸せ。
私は勝った。人生の勝者だ。
「露天風呂 ああ露天風呂 露天風呂!」。

 

 

熱いお湯につかっているのに全身に鳥肌が…。

 

 

そして、この心臓の高鳴りは、何だ!?

これが夢にまで見た温泉卓球!
いくらミスしても、ポイントを取られても、込み上げ
てくる幸せ。そして束の間、訪れる愛のラりー。
「卓球の 音の余韻が 子守唄」。

 

幸せだ。このまま死んでも悔いはない。

た…確かにうまい。完全にツボを心得ている。
これはまさに、ゴッドハンド。
田之倉君は、どこまでも、私の、神だ!

**********

(花笑の夢)
武士沢) なんとさやかちゃんが、
     田之倉を陰で操っていたのです。
花笑) さやかちゃん、どうしてこんなことしたの?
さやか) だって、
     花笑ちゃんばっかり幸せになってずるい!
悠斗) だって、
    花笑ちゃんばっかり幸せになってずるい!
武士沢) だって、
     花笑ちゃんばっかり幸せになってずるい!
花笑) ブッシーさんまで…。
さやか) 田之倉君がかわいそう!
悠斗) 田之倉君がかわいそう!
武士沢) 田之倉君がかわいそう!
さやか・悠斗・武士沢) この、恩知らず!


確かに私は、これまで田之倉君にたくさんの幸せを
頂いてきた。なのに私は、それに甘えるばかりで、
何一つお返しできていない。このままでいいわけが
ない。何かお返しをしなければ。私が田之倉君にし
てあげられることは…。一体何だろうか?


**********

田之倉君への恩返し。
思い返せば、田之倉君には何度もキュンキュンさせ
てもらってきた。メガネを外された瞬間の、ドキドキ。
合鍵をもらってからの、頭ポンポン。
幸せな朝食の音。そして、刺激的な言葉の数々。


「青石さん、俺のことたぶん好きですよ」
「メンマ頼んでもいい?」
「花笑さん、こっと見て」
「俺達さ、一緒に住まない?」
「今日、会社休んじゃう?」
「今からする?」


なのに私ときたら、キュンのキュの字もお返しできて
いない。ならばせめて、私からも多少のキュンをプレ
ゼントできないものだろうか。男の人は裸にエプロン
をした女性に興奮すると、何かで読んだことがある。
でもそんな恰好でお茶を運ぶのは、私にはレベルが
高すぎる。耳かきと膝枕! 世の中にはそれ専門の
お店まで存在すると聞く。ついこの間も、うちのお父
さんがお母さんにしてもらいながら、幸せそうな顔を
していた。


花笑) 田之倉君?
悠斗) うん? えっ、何?
花笑) み…耳かき、やってあげる。
悠斗) いや、いいよ。どうかしたの?


キュンキュンポイントは残念ながら耳かきではなかっ
た。それに田之倉君はもともと甘えるよりも甘えられ
たいタイプだ。男の人に甘えるのは、最も苦手な作業
だが、田之倉君に、キュンとしてもらえるなら、甘え上
手の女にだって、なってみせる。


(悠斗の肩にもたれかかる花笑)
花笑) 温泉、楽しかったね。
悠斗) えっ、花笑さん、どうかした?
花笑) えっ?
悠斗) さっきから何か変だよ。
花笑) あっ、ど…どうしたんだろう?
    ちょ…ちょっと私、疲れちゃったのかな?


甘え上手の女は、ここでか弱くよろけてみせるはず。

**********

結局何もできずに帰ってきてしまった。
いや、何もできなかったのではない。
努力が実を結ばなかっただけだ。

恩返しの道は、想像以上に険しい。
私に何か、できることはないか。


**********

朝尾) そんなに嬉しいことあったの?
花笑) 田之倉君が、「結婚しよう」って言ってくれたん
    です。といっても、大学を卒業してからなので、
    まだ先の話ですけど。
朝尾) ふ~ん、そう。


仮にも友達なら、結婚を我が事のように喜んで
くれるはず。なのに冷た過ぎるリアクション。
やはり朝尾さんとは、犬猿の仲だ。


朝尾) それで? 君はどうするの?
花笑) えっ? あっ…。それはもちろん…。
    あっ、それで相談なんですけど。男の人が、
    どうしたら喜んでくれるのか聞きたくて。
朝尾) 俺にご褒美でもくれるわけ?
花笑) 朝尾さんにじゃありません。
    たくさんの幸せをくれた、田之倉君に、
    どうしても恩返しがしたくて。
朝尾) 裸にリボンでも巻いて、
    「私がプレゼントです」って言ってみたら?
花笑) 真剣に聞いてるんです。
朝尾) 嬉しい事ねぇ。一緒に夢に向かって歩いて
    くれることかな。たまに背中を押してくれたら、
    言うことないね。まっ、そういう相手を見つけ
    るのは、夢を叶えるよりも、難しかったりする
    けどね。


**********

悠斗) 僕の中で、優先順位が変わったんで。
武士沢) えっ? もしかしてお前達、結婚すんの?
悠斗) 就職したらそのつもりです。
武士沢) そっか。
悠斗) はい。
武士沢) そっかそっか。よかったね、彼女さん。
悠斗) フフフ…。
花笑) でも、田之倉君。
    ホントに、大学院行かなくていいの?
悠斗) だって、花笑さんを何年も
    待たせるわけにはいかないでしょ。


**********

 

 

 

私はまた、田之倉君から幸せをもらおうとしている。

 

 

私からしてあげる事は、まだ何も見つからないのに。
これまで田之倉君は、私のわがままや至らなさを、
全て優しく受け止めてくれた。
そして将来の夢を諦めて、
私と結婚しようとしてくれている。
田之倉君の夢。
それは大学院に行くことだったはずだ。
 
今の私は背中を押すどころか…
足を引っ張ってるだけじゃないか。
こんな私が、田之倉君にしてあげられること。
今の私が、してあげられること。


**********

悠斗) どう?
花笑) うん。すごいきれい。いつもありがとね。
悠斗) ん?
花笑) いつもっていうか、
    付き合い始めてからずっとだけど。
悠斗) どうしたの?
花笑) 就職のことなんだけどね。
悠斗) うん。
花笑) やっぱり、田之倉君は、
    大学院に進学するべきだと思う。
悠斗) どうして?
花笑) 私がもっと若くて、結婚を意識する年齢じゃ
    なかったら、普通に進学してたでしょ?
悠斗) 前にも言ったよね。俺には、
    花笑さんと一緒にいない選択肢はないから。
花笑) ありがとう。でも、私のために夢を諦めるのは、
    間違ってると思う。
悠斗) 花笑さんは俺と結婚したくないの?
花笑) 今のままだと、後で、きっと後悔する。
悠斗) 後悔なんてしないよ。
花笑) 今は理解できないかもしれないけど、
    何年か経ったら、分かってくれると思う。
    だから…私のことは忘れて、進学して。
悠斗) どうして忘れなきゃいけないの?
    そんなの無理に決まってるでしょ。
花笑) だってもう田之倉君のこと、
    好きじゃないから。
悠斗) 嘘だ。
花笑) 実はね、朝尾さんと付き合ってる。
悠斗) どうしてそんな嘘つくの?
花笑) ううん、ホント。田之倉君の知らないところで
    デートもしてた。仕事帰りに車で送ってもらっ
    たり、一緒にランチ食べたり、海までドライブし
    たり。気付いてなかったかもしれないけど、私、
    最低な女だから。だからもう、私のことは、忘
    れてください。

(合鍵を悠斗のポケットに返す花笑)
花笑) 田之倉君とお付き合いできて、ホント…
    夢のような経験をさせていただきました。
    ありがとうございました。


**********

花笑) ごめん…。結婚なくなったから。
    別れることになって。
巌) そうか。それは…残念だったな。


**********

大城) 困ったことあったら、
    「ケチャップ」って10回言ってみ。
花笑) どうして?
大城) 悩んでることがバカバカしくなって
    気持ちが少しだけ軽くなるからさ。
花笑) いやそれ、大城君だけでしょ。
大城) 俺に効くんだったら
    同期のお前にだって効くだろ。
花笑) もう言ってること無茶苦茶ですけど。
大城) まっ、「ケチャップ」が効かなかったら遠慮なく
    俺に相談しろよな。またいいの教えてやるから。


**********

朝尾) これ以上彼女を苦しめるのは可哀想じゃない
    か? 君は彼女に夢中になるあまり、無理をし
    過ぎた。とっくに限界は来ていたんだよ。相手
    を思えば思うほど、期待に応えようとする。相
    手もそのペースについて行こうと必死に無理
    をする。ダメな恋愛の典型的なパターンだよね。
    彼女は気づいたんだよ。このままじゃ君をダメ
    にしてしまう。君のためにできる最善のことが、
    別れることだって。なのにまだ君は気づかない
    の? だから忠告したじゃないか。彼女の事が
    ちゃんと見えてるのかって。
悠斗) 見えてなかったんですね。最初から。


**********

「愛というのは人を喜ばせること。それには気持ちの
先回りをすること。相手が今何を欲しがっているかを
見抜き、そのことをしてあげる。嫌がることはしない。
愛とは、想像力」。私の事だ。私のことが書いてある。
田之倉君の将来を思い、静かに身を引いた私。
間違ってない。これこそがハイグレードな愛の形。


**********

一華) ここにたどり着きましたか。
花笑) 「藁にもすがる」って、こういう気持ちの事な
    んだね。いくら弱ってるからってこんなにも買
    うかねぇ。だって、どの本にも私のことが書い
    てあるから。
一華) ねぇ、会社辞めて、
    出家するとか言いださないでね。
花笑) え…一華、私の心が見えるの?
一華) いや、見えるんじゃないの。
    癖を把握してるだけ。
花笑) だったら、私が苦しんでるの分かるでしょ?
    ねぇ、どうやったら楽になるか教えて!
一華) もう何千年も前から治療法は1つしかないの。
    別れの辛さは時間が解決。いまだに特効薬は、
    発見されてません。
花笑) 医学がこんなに進歩してるのに、恋愛に効く
    薬だけは開発されないなんて!
    絶対におかしいって!
一華) ねぇ、花笑。彼氏の連絡先は消した?
    消しとかないと、何かの弾みで甘えたりしちゃ
    うよ? あと、連絡なんか来るはずもないのに、
    無意識に期待しちゃうんだ。そうすると苦しい
    時間が増えるだけだからねぇ。
花笑) 大丈夫…ちゃんと消すから。
一華) でも、花笑にしてはよく決断したね。彼氏が
    夢を諦めて、就職した後に、やっぱり違いま
    した!ってなるよりは全然よかったと思うよ。
    まぁ、この成長を糧に、次の恋愛を頑張りた
    まえ。
花笑) もう恋愛は卒業しました。はぁ…。
    やっぱり私には向いてません。
一華) 今はそう思うかもしれないけど、時間が経
    ったらまた恋愛したくなるから。心配するな。


**********

朝尾) 本日無事にオープンすることができました。
    それもひとえに青石さん、
    あなたの協力のおかげです。
花笑) えっ、ちょっと待ってください。
    今、本日オープンって言いませんでした?
朝尾) まぁ、本当は明日なんだけど。
    君が、一番最初のお客様。
花笑) 私がですか?
朝尾) 実は、この店を作る時から、そう決めていた
    んだ。だから、来てくれてホントに嬉しいよ。
    今はいろいろ辛いだろうけど、おいしいもの
    でも食べて、元気出してさ。
花笑) ありがとうございます。
朝尾) つくづく思ったけど、本当に君は変な人だ。君
    ぐらいの年齢の女性は、次の男の目星がつい
    てから別れるもんなんだよ。なのに君は…。
    本当にバカ正直に生きている。
花笑) 朝尾さんぐらいの年齢の人は、そんな失礼な
    こと女性に言いませんけどね。中学生じゃある
    まいし、いい加減他人にちょっかい出してから
    かうのやめたらどうですか?
朝尾) 君を置いて僕だけまっとうな人間に
    なるわけにはいかないよ。
花笑) ご心配なく。私は朝尾さんに比べたら、
    何倍もまっとうな人間です。
朝尾) ふ~ん。そうだったんだ。
    じゃあ君の忠告に従って、
    そろそろ失礼な発言は慎んでいこうかな。
花笑) そうですよ、これから心を入れ替えて、
    美しい言葉を勉強し直してください。
朝尾) 美しい言葉ね…
花笑) まぁ、朝尾さんには、
    100年かかっても無理でしょうけど。
朝尾) あっ、これは君も好きな言葉じゃないかな。
花笑) そう言っといて、どうせ私が傷つくような言葉
    を言うんですよね? もう朝尾さんの癖は分か
    ってますから。
朝尾) 僕と結婚してくれませんか?
花笑) な…何言ってるんですか?
    もう、冗談もいい加減にしてくださいよ。
朝尾) そのままの君でいいんだ。
    何も変える必要はない。
    言いたいことを言って、好きなことをして、
    そばで笑ってくれればいい。
    だから…俺と結婚しよう。ん?


**********

ず~っと、花笑の「田之倉君が結婚してくれるって」と
いう言い方が気になっていて…。結婚を「してもらう」
ものと思っているうちは、うまくいかないだろうなあと。

「恩返し」っていう考え方が、いかにも花笑らしくて…。
愛情は、恩を返すものじゃないけど、やさしくされたら
やさしくしてあげたくなるし、自分がうれしかったことを、
相手にもしてあげたくなる気持ちになるのは自然な事。
相手にしてもらうばかりだった花笑にも、ようやく相手
に対して何かしたいと思える余裕が出て来たというか。
ずいぶん大人になったね(とっくに大人だけど)、本当
に恋愛偏差値もあがったねと花笑を褒めてあげたい。

相手に無理をさせて、自分も無理をしてる状態では、
いずれ2人ともダメになってしまう。まさに朝尾の言う
とおり、ダメな恋愛の典型的なパターンって、自然体
じゃない、どちらかが無理をしてることが多い気が…。

結婚してもらう、じゃなくて、ちゃんと2人が、結婚した
くてする…じゃないと。年上の方は、一度は身を引い
て、それでも相手が来てくれるぐらいじゃないとね~。
年上が年下にお願いしている状況は、いつか必ずダ
メになることが多いような気がするから。今まで、いく
ら漫画とはいえ、あまりにファンタジーすぎた恋愛に、
ようやくリアルな香りづけがされてきたというか…ここ
からが本番だよね、年の差カップルの恋愛の試練は。

絶妙なタイミングでの朝尾のプロポーズ。これがまた、
原作通りの33歳設定だったらかなり揺れ動くだろうな
あと思ったりして。でもドラマの花絵はまだ30歳。もう
30歳ともいえるし、まだ30歳ともいえる難しいお年頃。

個人的には、最近好感度急上昇中の大城君がかな
りお勧め物件。ケチャップケチャップ、10回って~w
大城君、結婚相手としては結構いいと思うんだけど。
すでに予告でプレゼントは僕状態の加々見君。ぜひ
自分にリボンを巻きつけて現れてほしいものです~。

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第3話~こじらせ女のお泊りデート
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第5話~こじらせ女の初修羅場
第6話~こじらせ女にサインください
第7話~こじらせ女のお部屋探し
第8話~こじらせ女の孤独
第9話~こじらせ女の恩返し
第10話~こじらせ女の選択

●「きょうは会社休みます。」HP

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