A) 賃貸住宅退去時に多いトラブルは?
P: この時期(3月上旬)は、国公立大学前期の合格発表。そして、後期の発表が下旬ですから、大学合格後にあわてて部屋を探す方も多いと思います。
S: S家は地元(東京)の国公立大学だったんですが、「後期」の滑り込み合格だったので、入学手続きや入学用品? を準備するのにとても慌ただしかったのを覚えています。
まして、地方から、上京するとなると、部屋探し=入口が大変なのはわかるんですが、賃貸だと、退去時=出口で、「原状回復」のトラブルになるケースがよくあります。
「原状回復」とは、キズや汚れ等を借主と貸主のどちらが修繕しなければならない? その作業代金は妥当? などの争いで、国民生活センターへの賃貸住宅に関する相談の半分近くが、このトラブルのようです。
P: そういう決まりごとは「賃貸契約書」に書いてあるのでは? …あれ、契約書どこにしまったかな? と思ってる筆者が言える立場ではないですが…。
S: Pくんのように、信頼できる業者が仲介や管理している物件に入居していたり、大学生でも、大学生協のあっせん物件を利用している方/これから利用しようという新入生は、あまり心配ないと思います。
S: それから、東京都内で賃貸物件を借りるときは、このようなトラブルを防ぐための、「東京ルール」が適用されますので、あまり心配しなくても大丈夫です。
P: 生成AI(Google gemini)に、「東京ルール 賃貸」で聞いたら、
『東京ルールとは、東京都が制定した「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例」に基づくガイドラインです。賃貸住宅の退去時の原状回復や入居中の修繕に関するトラブルを防止することを目的としています。
【東京ルールの内容】
契約締結前に、宅地建物取引業者が借主に対して、東京ルールの内容を書面で交付し、説明することが義務付けられている
経年劣化や自然発生による修繕が必要になった場合は、原則として貸主が修繕費を負担する
通常の使用の範囲を超えたキズ・汚れなどに関しては、借主の費用負担となる
【東京ルールに基づくトラブル防止のポイント】
経年劣化や自然発生による損耗を放置した結果、カビや汚れなど悪化した場合は善管注意義務違反となり、修繕費用は借主負担となる
気をつけたりきちんと掃除をしたりすれば防げる傷や汚れは入居者が負担しなければなりません
備え付けの設備が故障した際、自分で修理しようとするとかえってトラブルが発生するケースもあるため、まずは大家や不動産会社へ連絡しましょう 』(25年3月1日)
上の文章中に、「善管注意義務違反」とあって、戸惑うかもしれませんが(補足1)、「トラブル防止のポイント」までアドバイスしてくれてますね~。
S: ただし、「東京ルール」は、あくまでも「ガイドライン」で、宅建業者に義務づけられているのは、賃貸契約をするときに、東京ルールの中身を、書面で交付し、口頭で説明することです。
そして、借り手は素人なので、説明を聞いてもあまりよくわかってないことも多いと思います。
P: 東京ルールは、2004年~だそうなので、筆者も少なくとも新社会人になって新居を契約した時には説明を受けたはずなんですが、まったく記憶にないですね。
S: そういう方が多いとは思いますが、書面で1点だけ「特約」の箇所だけはチェックした方が良いでしょう。
というのは、「ルームクリーニング費用」の負担額や、「電球・蛍光灯の交換、水回りのパッキンなどの交換」については、「特約」で定められていることが多いようです。
https://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_00749/
P: 「電球・蛍光灯の交換」は、当たり前のように自分でしてましたが…。
S: 新入生の方や、新入社員で配属先が4月とか7月(研修後)に通知されて、あわてて引っ越すことも多いと思いますが、とくに大学新入生は、保護者が事前にこういう知識をもっておいて、契約に立ちあうと安心でしょう。
また、新入社員でも、賃貸契約の「保証人/連帯保証人」を頼まれた親ごさんは、その物件の契約終了までは
「保証人」=お金を請求されるかもしれない
立場なので、覚えておいて損はないでしょう。
P: 賃貸契約での、個人の保証契約(民法)については、当ブログの宅建36で説明しましたが、
次回(宅建38):根保証・根抵当でも触れる予定です。
【補足① 善管注意義務とは】
P: 「善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)」という言葉は、民法の基本用語の一つで、Sさんとの会話でも何回かでた覚えがありましたが、宅建Tシリーズの記事中では、説明してませんでしたね。
S:大学の民法の講義などでは、「委任」(民法644条:善良な管理者の注意)のところで習うかな?
宅建試験でも、過去何度か出題されていましたので、まず生成AI(Google gemini)の説明。
『民法の善管注意義務とは、民法第400条に定められている「善良なる管理者の注意義務」のことです。業務を委託された者や、特定物の引渡しの義務を負う者が、職業や地位に応じて一般的に期待される程度の注意を払うことを意味します。
【善管注意義務の適用範囲】不動産取引、委任契約、年金資産の運用、 投資顧問業。
【善管注意義務の具体例】
(中略)
不動産の賃貸において、賃借人は賃貸している部屋を善管注意義務のもとに借りる』(25年3月1日)
P: 要するに、良識の範囲で部屋を使ってれば、問題ないということですよね?
S; というか、子どもでも守れるようなことです。
そして、宅建試験の過去問(解説記事)へのリンクを掲載しておきます。
・2020年(10月) 問5 (委任契約)
・2018年 問5 (屋根の修理)
P: 新入生(とくに理系)のみなさん、もし教養課程で「民法」が履修できるなら、のちのち役立ちますよ!
【BGM】
S選曲 SOPHIA 「街」
P選曲 [ALEXANDROS] 「あまりにも素敵な夜だから」
【写真撮影:筆者】 トップ:東京海洋大学(2017年)、それ以外は、武蔵野市・吉祥寺




































