※続編 「就活S feat.Z 自治体の公務員試験(新卒・中途)が激変 機電系・土木建築を優遇しすぎ⁉」を追加

 

P: 21年4月、大手メーカーの開発職として、首都圏某所で働きはじめたDくん。

リクルーターが研究室にやってきてお誘いをうけ、推薦状提出で即内定した、機電系の「0秒就活」については、当ブログで何度か取り上げています。

 

 

その機電系の採用戦線(推薦枠) に、あらたに「自治体」が参入しているようなので、急きょDくんにも話を聞こうと思ってね。

D: え!? 自治体というと、県とか市とかですか?

P: そうです。

筆者は、たまたま横浜市のサイトで下記のPDFを見つけまして。 ※1

https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/saiyo-jinji/saiyo/saiyo-info/siken-senkou-jouhou.files/7hennkoutenn.pdf

D: 令和9年(27年)4月採用からですか…。

詳細は、10月に公表されるようですが、試験が、
  一次 エントリーシート

 二次 面接

だけだと、ぼくらの就活よりも簡単かな? さすがに面接は複数回(部署の技術面接と、役員面接)ありましたから。

【10月・P補足】横浜市が、上記の「土木・機械・電気」の推薦募集の情報を公開していました。

 エントリーシートの締め切りが、25年11月4日まで。

 令和7年中に最終合格発表を行い、採用は令和9年(2027年)4月1日。

 大学からの推薦状提出は、最終合格後。

ほか、くわしくは下記のページと、リンク先の市ホームページをご覧ください。

 

P: 実は、横須賀市などは、令和5年度から、土木職の学校推薦枠採用試験を実施していたようですが、

 

 

令和7年度試験からは、事務職でも学校推薦枠採用試験を実施、第1次試験の適性検査試験の代わりが、「大学推薦」とのことです。

D:公務員試験といえば、独自の試験対策をしないといけないイメージがあって、ぼくの学科でも数人しか公務員にはなりませんでしたね。

P: そこで、1次試験の教養課目試験の代わりに、SPI3という自治体も増えそうですよ。

下は、土木職の一例です。

D: 民間志望者でも、受験しやすいようにということなんでしょうね。

機械・電気工学の学生が、圧倒的にメーカー志望になる理由はわかりますが(研究・開発環境がメーカーは良い)、土木職もたりないんですね。

P: 今年に入って、埼玉県の八潮市で道路陥没事故がありましたが、先日は、多摩地区の西東京市でも交差点に穴があく事件がありました。

下水道などのインフラの老朽化で、技術者の需要はアップする一方、2024年からの「残業規制」で、ますます人手不足のようです。

D: 上の記事に

『民間よりも採用時期が遅い点と採用試験の負担の大きさが主な理由です。ただし自治体も門戸を広げるために、前倒しで試験を実施したり、教養試験を民間企業で広く使われる適性検査(SPI)に置き換えたりする事例が増えています。』

とありましたね。

P: 神奈川県は、今年度の試験から、技術系職種で論文試験を廃止。
また、土木職、建築職、電気職、福祉職は、年3回(4月、6月、10月)の試験日を設け、複数回受験OKだそうです。

そして、秋季(10月)試験の技術系職種(総合土木、建設技術(建築)、電気)は大学3年生から受験可能(令和8年4月1日現在で21歳の方から受験可能、学歴要件なし)。

D: 民間企業の採用スケジュールも前倒しになる一方ですからね。

 

機電系のみなさんは、学内に先輩リクルーターが出没しはじめたら、その時期が就活のベストタイミングということですので、積極的に話を聞いてみることをお勧めします。

P:今回は、新卒についてでしたが、いろいろな自治体で、「経験者採用」も実施しています(下記は、神奈川県庁R6年度データ。R7年試験は準備中)。

https://www.pref.kanagawa.jp/documents/109092/r6_senkoujissikekka.pdf

官公庁関係でのお仕事歴が長いSさんによれば、

   官⇒民、民⇒官

どちらの移動も、年々増えている印象だそうなので、社会人のみなさまも頭の片隅にとどめておくとよいかな。 ※2

 

 

※1 筆者の神奈川にいる親戚(学部3年生・文系)から、自治体のインターンシップに参加した方が良いか? 相談をうけました。

サマー・インターンシップもいろいろな自治体で募集中でしたね。

※2 近所の〇産自動車ディーラーが、ショールームを改装。車の展示スペースだったところがコーヒーショップになってました…。

【BGM】

Sさん推薦 JIN 「Don't Say You Love Me」

【写真】提供:Pixabay

●エンジニアの弱点はマルチタスク?

P: 21年3月に、首都圏国公立大学・工学系修士を修了。同年4月から某大手メーカーのエンジニアとして働き始めたZくん。

3年目までは、ホワイトな環境を満喫してきましたが、昨年からは、仕事量が増えたという話でした。 ↓

でも、今年もGW11連休だったんですよね? ※1

Z: はい。

P:  11連休だと、新入生や新卒の5月病を心配する声もありますが? ※2

Z: 逆に、連休明けからの繁忙シーズンに備えて、今日はPさんに相談しているわけで。

P:  昨年の記事は「仕事量」についてでしたが、今年は「仕事の質」が変わった」イメージですよね。

Z: これまでは、上司の指示どおりの仕事を、期限内に終えれば問題なかったんですが、後輩(24卒)のフォローをしたり、社内の会議・打ち合わせへの出席回数も増えて…。

P: いわゆるタスクが増えたわけですね。

Z: 以前の雑談で、Pさんの業務用スケジュール(カレンダー)には、「1日に10タスク(コマ)」は載ってると聞いたことがありますが。

P: 筆者の会社も、某グループウェアを使っていまして、

そこのカレンダー機能を利用してます。

日/週/月とビューが変更できるタイプ(例 ↓ )。

どこの製品にも、この機能はあると思いますが。

筆者は、PC画面上のカレンダーに、日表示で予定やタスクをとにかく書いていって、終わったタスクにはマークを付けたり、メモのような内容は用がすんだら消したり…で管理しています。

Z: それだけで、10タスクを管理できているんですか! ※3

P: このカレンダー方式で、一つだけ心がけているのは、その日の「優先順位」をつけるってことです。

優先する仕事を先頭に置いたり、今日や近日締め切りの仕事には★等のマークをつけたりですね。

筆者の仕事は、突発的な変更がよくあるので、この「優先順」も時々刻々変わります。

この変更は、紙のカレンダーや手帳ではなく、デジタルならではの便利さですね。

どうせZくんも、ノートPCを肌身離さず持ち歩いているんですから、スケジュール管理機能は、使わないと損ですよ。

Z: ぼくは、多分、変更することを忘れると思います…。

P: 研究・開発エンジニアだと、月単位でコツコツ仕事をやるイメージで、いままではZくんもそういうタスクが多かったと思いますが、そこに次々、別の用件が舞い込むようになったと。

もしITエンジニア(SE)ならマルチタスクが苦手だと厳しいと思いますが、Zくんの職種なら、日々のタスクを「3つに絞る」で十分だと思います。

たいていのグループウェアには「To Do」機能も付いてますが、3つだけならカレンダー機能で十分でしょう。
朝、3コマを置いて、退勤時にチェックする習慣をつけるとか。
さすがに飛び込みの依頼はメモするとして、こまめに変更をする必要はありません。

●長期のタスクを自己管理するには?

Z: そうすると、先頭のタスクは○○プロジェクト(ぼくの分担箇所)が2か月ずっと続きますね…。
P: Zくんのような、長期の開発業務は、日々こつこつ積み上げる仕事で、いままでは他のタスクがなくて集中できていたのが、「それ以外」が増えて、時間配分に苦労してるのかな?
Z: そうです。○○プロジェクトの、ぼくのパートが遅れると、ほかに迷惑がかかりますし、かといって、上司のからのほかの指示もこなさなくてはならない。関係先も増えたし…。
P: 給料が上がれば、比例して、要求されるタスクも増えていくんですよ!
筆者は10タスクですが、下記の方は10プロジェクトを並行して管理されているそうで!!

上の記事で、効率的なタスク管理として提案されているのが、

・タスクを分解する
・タスクにかかる工数を予測する

です。

例として、「見積書作成」のタスクを分解すると、6ステップ

①プロジェクト提案書を確認する
 ~
⑥プロジェクトのフォルダに見積書を格納する

Z:  今のぼくは、○○プロジェクト(ぼくの担当部分)=見積書作成 レベルの認識ってことですね。

P: そうです。○○プロジェクトをタスクに分解して、そのタスクごとの工数も予測する。

工数予測は、初めての仕事だと難しいでしょうが、上司はある程度の見通しをもって、Zくんに仕事と締め切りの指示をしているはずです。

そして、タスクを分解すると、進捗管理の「見える化」もできます。

Z: 「見える化」という言葉は聞いたことありますが…。

P:  「見える化」の例としては、Zくんの仕事だと、チームの会議の資料に、

のような、ガントチャートがでてきますよね。

Z: はい。

P: こういう図の作成は、いまは上司(プロジェクトリーダー)がされていると思いますが、会社で使っているMicrosoft365のMicrosoft Plannnerなどで、Zくんもいずれ作成する側になるでしょう。

そして今は、いろいろ便利なツールが、個人で無料で使えます。

1例を挙げると、Jootoは、個人(1名)ならずっと無料で、上記のガントチャ―トや、

 

カンバン方式のタスクカードの作成ができます。

Z: カンバン方式って、あのトヨタのですか?

P: そうです。もともとトヨタ式、カンバンと言われているのは、製造現場での無駄を省くためのトヨタのカイゼンの一環なんですが、このカンバンを、タスク管理に応用した製品は、複数あります。

Jootoでの使い方は下記 ↓。

Z: やはり、タスクを洗い出して、細分化する作業は必須なんですね。

P: そのタスクを、タスクカードに書いて、タスクごとにラベルを付けたり、進捗状況リストの中で移動(開始~[保留]~完了)させていきます。

シンプルなので、まずタスクの洗い出しをかねて、個人のPCでカンバン方式のツールを使ってみてはどうでしょうか?

その際、あまりタスクを細かくしすぎないで、1週間(平日5日)単位で進捗を確認するくらいで良いと思いますよ。

ほかにも、おすすめタスク管理ツールはいろいろな記事で紹介されてます。

下記の記事だと、ツールを選ぶポイントは

 ・業務内容に適した機能があるか
 ・外部連携がしやすいか
 ・セキュリティ対策はされているか 

でした。

 

Z: 「トヨタ 見える化」で検索したら、下記の記事を見つけました。

『見える化は手段であって見える化することが目的ではありません』から始まって、『見るべきものを、コストをかけず、すぐにその場で見えるようにするためには、経験だけでは解決できません。知恵と工夫を駆使して、改善を繰り返していくことが唯一の道です。見える化ができない組織(個人)のほとんどは、この日常的に「見える」工夫ができていません。』

ツールを使う前の段階で、いろいろ考えることがありそうです…。

 

P: 筆者も、自分の仕事のやり方を振り返る、良いきっかけになりました。

【追伸:P】

いきなり、仕事にスケジュール/タスク管理ツールを使う前に、夏休みに向けて、旅行スケジュール作りに、ツールを利用してみてはどうでしょうか?

 

筆者も、今年いけるかどうかわかりませんが、初秋の北海道(千歳・新広島・札幌・美瑛・旭川ルート)の計画をたてたいですね~。

 

※1 GW連休中のとある晴れた日、多摩地区の某隠れ家カフェのテラス席でランチ。

ここ京都? みたいな場所です。

※2 連休明けの報道

 

 

【写真】 提供:Pixabay

【BGM】

Z選曲:Vaunday 「僕にはどうしてわかるんだろう」

P選曲:大橋トリオ 「タイムマシーン」

※宅建Tシリーズについては序章をご覧ください。24年/25年の使用テキストについてはこちら

【2025年10月追記】実際に25年度の宅建試験を受験されたSさんの感想はこちら

●A 試験まで5か月、25年試験用の問題集選びは?

P: あっと言う間に5月になりますね。

お正月に、25年の新基本テキスト「出る順宅建士 合格テキスト」を紹介して、筆者はまだ「権利関係」も全部は読み終わってませんが…。

S: Pくんは、この宅建Tシリーズの進捗に合わせて、必要な部分を読んでいただければ問題ないです。

一方、私は、今年いよいよ「宅地建物取引士資格試験」受験を予定しています。

昨年は、7/1~31がインターネットでの申し込み受付期間でした。 ※1

P: 試験が10月19日予定なので、Sさんも7月から、ブログ更新は休んで、受験モードに入る予定と聞いてましたが。

S: そうでしたが…その話は●Cで。

P: 基本的には、過去問集を解いていく予定ですよね。

大学受験だと、核になる問題集を何周するか? が話題になりますが、宅建試験でもそうですかしら?

S:下記のサイトのアドバイス、

『さらに、問題集は1周しただけで満足してしまったら勿体ないです。
レベルにもよりますが、2,3周することを前提に取り組みましょう。
例えば、1周目に何も見ず8,9割正解できたものなら、不正解のものだけ復習すればよいですが、半分ほどしか正解できなかったものであれば、2,3周してやっとその問題集の全容が見えてくるはずです。』

のとおり、1周目でどれくらい正解できるか? で、(できない問題を)何周するか?は決まってくると思います。

 

P: ちなみに、このTシリーズでは、まだ権利関係(民法など)の「賃貸借」までしか記事にしていませんが、Sさんは、他の出題範囲「宅建業法」、「法令上の制限・税・その他」にも、昨年から目を通していて、また大学時代の専攻が「民法」というアドバンテージがありますが、もし筆者がいきなり問題集に取り組んでも玉砕するのは目に見えていますね…。

S: 国立大・理系の院生の方が、60日間の勉強で宅建試験(24年度)に合格した体験記よみましたが、

この方の場合、やはり、

  20代(暗記ができる)で、勉強習慣が身についている

  60日間、大学受験生と同じようなペースで勉強ができる環境にあった

  理系もちまえの集中力(興味のあることや決めたことに全力投球する)

などがあっての短期合格で、著者のもやしさんも

『自分の勉強期間は60日ほどでしたが、一日のほとんどを勉強に使える状態で60日かかったので、社会人の方や主婦の方が宅建に受かろうと思ったら半年~1年かかっても全然おかしくないと思います。』

と書いています。

●B 「史上最強の宅建士問題集」(25年度版)を選んだ理由

 

P: 今回、「史上最強の宅建士問題集」(25年度版 以下、最強問題集)を、選んだ理由は?

S: 宅建試験は、50問中37問(24年度データ)が合格ラインなので、37問以上をどうやって正解するか? がすべてです。

宅建試験の問題集の収録問題数については、下記サイトに紹介されていまして、

 

 

最少300題~最大677題でした。

私の場合、まだ仕事もしていますし、試験は初挑戦なので、問題収録数が多い本よりも、300題くらいをしっかり勉強する方が良いかな? と思いました。

P: 上のサイトでは、ユーキャン、LEC、TAC、日建学院の問題集の紹介はされていますが、「最強問題集」の紹介はないですね。

S: この4社は、宅建受験指導で定評のあるところですが、ほかにも、「水野健の神問題集」(カドカワ)はLECの人気講師の執筆ですし、「2025年度版 宅建士 棚田式分野別過去問題集」(TAC出版)は、人気のYoutubeチャンネル・不動産大学の棚田行政書士が執筆しています。

P: その中で、今年「最強問題集」を選んだ理由は?

S: 本の表紙にも大きく出ている、カバー率96.8%という数字のインパクトですね。

この数字は過去4回の試験の平均だそうですが、出版元のナツメ社のサイトだと、

『平成10年~令和6年の宅建試験の過去問題から、選択肢ごとに切り分けてデータベース化。本試験の95%以上が確実に解けるように問題を精選して項目ごとに配列しました。』

となっています。

P: 来年くらいには、「生成AIが~」をうたい文句にした問題集もでてきそうですね。

●C 問題集を前にして

S: この問題集は、分冊になっていて、写真左が、実際の問題集。

右は、暗記カードという名前ですが、実際は頻出論点のレジュメですね。直前3か月の暗記用に使えそうです。

そして、写真では、問題集のボリューム感が伝わらないと思いますが、約510ページの厚みは手に持つとずっしりきます!

P: 分冊にはなってないんですね。

S: いずれ、宅建業法/権利関係/それ以外 の3パートに、自分で切り離すかもしれません。

直前期には、どうせ、書き込みだらけになりますので。

P: 大学受験でも、「問題集マネジメント」は必須ですからね ↓

 

ちなみに、電子版の利用は考えていないのですか?

S: 当ブログの記事でも、各問題の解説に、いろいろな過去問サイトを紹介していますが、問題を解くのは、やはり紙ですね。

本試験自体が、紙ですから。

P: そういえば、先日の読売新聞の報道だと、紙の教科書の学習効果を重視する声が、教育関係団体から相次いでいるそうですね。

 

 

S: Pくんのように、ブログの形式で「自分の文章として書く」と、デジタルでも記憶の定着はよいと思いますが、テキストなども単にスマホで読むだけだと「理解」が難しいと思います。

P: 勉強では、やはり手を動かす作業は大事ですからね。

S: そして、実際に問題集に目を通してみると、この分量をやりこむには、GW以降は「受験モード」に切り替える必要があると、実感しました。 ※2

P:つまり、ブログ記事更新は、受験するまで当面お休みと…。

S:このTシリーズの第一目的は「住み替え」に必要な知識を身に着けることなので、たとえば「相続登記の義務化の最新動向」のようなトピックがあれば、短い文章は書くかもしれません。

P: 今回は、Sさんが選んだ問題集を紹介しましたが、「やはり書店で実物を見て、それぞれの本の問題文/回答の書き方を見比べて、自分にあった問題集を選んでほしい」とのアドバイスでした。

 

※1 令和7年のスケジュールは、下記サイトに掲載される予定です。

 

 

※2 孫子いわく

先に戦地におりて敵を待つ者は佚(いっ)し、後れて戦地におりて戦いにおもむく者は労す。ゆえに善く戦う者は、人を致して人に致されず

【写真】提供:Pixabay

【BGM】
S選曲:Kis-My-Ft2 「Glory days」
P選曲:World Order 「Neo SAMURAI」

※宅建Tシリーズについては序章をご覧ください。24年/25年の使用テキストについてはこちら

A)民法の契約としての「賃貸借」

P: 宅建3940では、「賃貸借」と、他の典型契約(使用貸借、消費貸借)の相違を、過去問でチェックしました。

宅建40の冒頭で紹介した過去問(2022年・問6)では、わざわざ「A所有の甲土地を、Bが資材置場とする目的~」としていましたね?

S:「賃貸借」は、民法がベースなんですが、たとえばPくんが部屋を借りる場合は借地借家法(賃貸借の後は、借地法・借家法を予定)が優先して適用されます。

そこで、2007年の宅建・過去問(問15)などでは、

 ・動産の賃貸借契約

 ・建物の賃貸借契約(借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借、同法第39条に規定する取壊し予定の建物の賃貸借及び同法第40条に規定する一時使用目的の建物の賃貸借を除く。)

の二つの違いについて、四肢を出題しています。

まだ、借地借家法は説明してませんので、この過去問の内容については ↓。 ※補足1

 

P: 「動産の賃貸借」といえば、難しそうですが」、要するにレンタルのことですよね?

S: そうです。

動産は「有体物」(形のあるもの)で、ソフトウェアやデータのような「無体物」は対象になりません。

「有体物/無体物」は、宅建試験には、まず出題されないと思いますが、民法学習の最初に説明されるはずです。

A-1)賃貸借契約の条文(民法 第601条)

S:そして民法での「賃貸借」は、

民法第601条

『賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。』

とされています。

P: Sさんから筆者が、空気清浄機を、1か月だけ1000円で借りる約束をした場合、

『賃貸人Sが空気清浄機の使用及び収益をPにさせることを約し、賃借人Pがこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた空気清浄機を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。』

となるわけですね?

S: そうです。

賃料=有償 で貸す点が、前回(宅建40)とりあげた「使用貸借=無償」との違いです。

そして、前回紹介した過去問(2022年問6)の肢4が、

※A,Bなどをカッコで補足

『甲土地について契約の本旨に反する(借主)Bの使用によって生じた損害がある場合に、(貸主)Aが(Bに)損害賠償を請求するときは、

 ①(賃貸借契約)では甲土地の返還を受けた時から5年以内に請求しなければならない

のに対し、

 ②(使用貸借契約)では甲土地の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。』

で、ここは①の賃貸借契約も1年という、ひっかけ? でした。
P: 民法600条の2項

「前項の損害賠償の請求権については、貸主が返還を受けた時から1年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。」

当ブログでおなじみの、民法改正2020がらみでしたね…。

A-2) 賃貸借物の修繕(民法 条文606条)

実は、民法改正がらみで、同じように出題されそうなのが、

民法第606条 ※上の問題文のA,B追加

『(1) 賃貸人Aは、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人Bの責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
(2) 賃貸人Aが賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人Bは、これを拒むことができない。』

1項の『ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。』が、プラスされましたので、次はここ? と思ったら、すでに翌年の2023年問9に出題されていましたね! ※補足②

P: 問9は、民法の規定に限定して、※以下、貸主・借主を補足

『(1) 甲建物の修繕が必要であることを、貸主Aが知ったにもかかわらず、貸主Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。
(2) 甲建物の修繕が必要である場合において、借主Bが貸主Aに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、貸主Aが必要な修繕を直ちにしないときは、借主Bは甲建物の修繕をすることができる。
(3) 借主Bの責めに帰すべき事由によって甲建物の修繕が必要となった場合は、貸主Aは甲建物を修繕する義務を負わない。
(4) 甲建物の修繕が必要である場合において、急迫の事情があるときは、借主Bは甲建物の修繕をすることができる。』

S: この問題は、606条だけでなく

民法第607条
『賃貸人Aが賃借人Bの意思に反して保存行為をしようとする場合において、そのために賃借人Bが賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人Bは、契約の解除をすることができる。』

民法607条の2

『賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。
① 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
② 急迫の事情があるとき。』
も関係します。

ただ、上の条文を知らない(か忘れた)としても、肢1(相当の期間),2(直ちに)を比べると、どちらかが×か? と見当をつけて、あとは肢3,4は常識的に問題なさそうなので、スキップ。

では、Pくんは肢1,2のどちらが×と思いますか?

P: 貸主に責任があれば、「直ちに」ですが、そうでなければ、貸主の事情もあるので「相当の期間」が妥当。つまり、肢2が×ですかね?
S: 正答と、詳しい解説は下記リンクで  ↓。

 

B) 賃借権の登記

S: 所有権などの登記については、宅建09(所有権移転登記)はじめ、紹介してきました。

そして、所有権が「物権」という話は、宅建26でほかの主な物権(地上権、地役権など10種)とあわせて説明しました。

物権のなかでも、登記ができるのは、

 所有権、地上権、地役権、先取特権、質権、抵当権など

逆に

 占有権、入会権、留置権、使用貸借権

は登記できません。

そして、賃借権は本来、「債権」なんですが、不動産賃借権だけは、特別に登記が認められています。

P: 「賃借権 物権化」で生成AI(Google gemini)にきいたら、

『賃借権は、本来は債権であり、物権ではありません。しかし、不動産賃借権については、第三者に対抗できる物権に近い効力を認められており、これを「賃借権の物権化」といいます。
賃借権は、賃貸借契約によって、賃借人が賃貸人に対して、賃借対象物を使用収益する権利を主張できる権利です。債権であるため、原則として、賃貸人と賃借人との間でのみ効力を発揮し、第三者に対抗することはできません。
しかし、不動産賃貸借の場合、賃借権を登記することで、第三者に対抗できる権利として認められています。これは、賃借人を保護するために、特別の扱いがなされているからです。


具体的には、次のような点が認められています。
・賃借権を登記した場合、第三者に対抗できる:
・賃借権を登記していれば、その不動産を取得した第三者に対しても、賃借権を主張できます。
・賃借権を登記していなくても、建物を登記していれば第三者に対抗できる:
・賃借権を登記していなくても、借地の上に建てた建物を登記していれば、第三者に対抗できます。
・第三者の妨害排除請求が可能:
第三者が賃借権を妨害した場合、賃借権の物権化によって、妨害排除請求ができるようになります。
・占有による時効取得:
不動産賃借権は、一定期間占有することで、所有権を取得できる場合があります。』(2025年4月12日()

S: 不動産の賃貸借の登記については、民法605条に

『不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。』

とされています。

ただし、地上権などの物権と違って、特約をしていなければ、賃借人に登記請求権は認められません。

あくまで「債権」なので…。

P: すると、賃貸人はあまり協力してくれないような気がしますが…。

S: そこは、ケースバイケースで、宅建32で紹介した、「不要土地」などは貸す方も協力的になるでしょうね。

P: 具体的には、次回、宅建過去問で、いくつかのケースを紹介予定だそうです。

S: 事前に関連の過去問をみたいかたは ↓ 

 

 

【補足】

① 民法の賃貸借と借地借家法

民法の賃貸借契約と借地借家法の関係については、「基本テキスト」314ページで説明されています。

賃借人に有利な特約 > 借地借家法の適用 >民法

※賃貸人に有利な特約は無効

②606条の保存と、保存行為

2項の「賃貸物の保存」が分かりにくかったので、生成AI(Google gemini)に、「民法 606条2項 保存行為とは」できいたら、
『民法606条2項における「保存行為」とは、賃貸人(大家)が賃貸物件(家賃を支払って借りている物件)の現状を維持するために必要な行為を指します。

具体的には、修繕やそのための立ち入り調査などが含まれます。

例えば、賃貸物件の壁に亀裂が見つかり、修繕が必要な場合、賃貸人は賃借人(借主)に対して修繕のための立ち入りを求めることができ、賃借人はこれを拒むことはできません.
(中略)
◎保存行為の受忍義務:
2項では、賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするとき、賃借人はこれを拒むことができないとされています。これは、賃借人が賃貸人の保存行為に対して受忍義務を負っていることを意味します.
◎具体的な例:
修繕:賃貸物件の配管が破損して漏水が発生している場合、修繕は保存行為に該当します。賃貸人は修繕を行う権利があり、賃借人はこれを拒むことができません.
立入り調査:修繕をするために、賃貸物件の内部状況を確認する必要がある場合、立入り調査も保存行為に含まれます。賃借人は、賃貸人の立ち入りの要求を拒むことはできません.』(2025年4月5日)

 

【写真】

冒頭:提供「写真AC」 盛岡市の石割桜(盛岡地方裁判所の敷地内)。中:筆者、末尾:提供「Pixabay」

【BGM】

S選曲: 五十嵐 悠 starring 綱 啓永 「特別なんて」 ※映画「女神降臨」挿入歌

P選曲: sombr (ソンバー) 「back to friends」

※宅建Tシリーズについては序章をご覧ください。24年/25年の使用テキストについてはこちら

(A)民法の賃貸借と使用貸借との違い 宅建試験2022年過去問・問6

(A-1)肢①~④

P: 前回(宅建40)予告した、過去問(2022年・問6)ですね。

ここでは、A所有の甲土地を、Bが資材置場とする目的で、期間2年で

 あ:ABで賃貸借契約

 い:ABで使用貸借契約

した前提ですね。

S: 肢①~③は、前回の知識プラス、常識? で、正答できると思います。ね、Pくん。

P:肢① 貸主Aは、借主Bに土地を引き渡す前なら

 賃貸借→口頭での契約の場合に限り自由に解除できる

 使用貸借→書面で契約を締結している場合も自由に解除できる

これは、前回きいた使用貸借の条文

民法第593条の2
『貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。』

により×。

S:ちなみに「賃貸借が口頭での契約の場合に限り自由に解除できる」の正誤は?

P:  これも前回触れた、賃貸借は諾成契約&有償契約(売買契約の規定を準用)なので、たとえ口頭でも、貸主は自由に解除できないでしょう。

S: ちなみに、「契約の解除」については、宅建21で紹介しています。

P:肢②  借主Bは

 賃貸借では貸主Aの承諾がなければ甲土地を適法に転貸することはできない

 使用貸借では貸主Aの承諾がなくても甲土地を適法に転貸することができる

これは、

  使用貸借=貸主Aの承諾なしで転貸OK >賃貸借=貸主Aの承諾が必要

と言ってますが、前回の2005年問10・肢3と同じで、使用貸借はそもそもAが無料でBに貸してあげているので、Aの承諾は必要。なので×。

肢③は、借主Bは

 賃貸借では期間内に解約する権利を留保しているときには、期間内に解約の申入れをし、解約することができる →ここでは特約で、解約できる権利をもっているので〇

 使用貸借では期間内に解除する権利を留保していなくても、いつでも解除することができる→…ここは、条文の知識が必要かな?

S: たしかに、民法の条文(第598条3項)に、
借主は、いつでも契約の解除をすることができる。』

とありますが、下の解説記事にあるように、借主BがAから無料で借りた土地を、早くAに返還しても、貸主Aにデメリットはないので、契約解除OKという理解でよいと思います。

 

逆に、貸主Aが使用貸借で解除ができるのは、同条(598条)の
(1) 貸主Aは、前条第二項に規定する場合において、同項の目的に従い借主Bが使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約の解除をすることができる。
(2) 当事者(AB)が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主Aは、いつでも契約の解除をすることができる。
です。
ここで、下線の「前条第二項に規定する場合」は、
第597条 
(2)当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。
なので、簡単にいえば、
 ・当事者(AB)が返還の時期を定めなかったとき→同項の目的に従い借主Bが使用及び収益をするのに足りる期間を経過したとき
 ・当事者(AB)が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったとき→Aはいつでも契約の解除ができる
そもそも、Aが厚意でBに貸してあげていたので、納得できるかと思います。
P: 条文の言い回しは難しいですが、Sさんのレコードの貸し借りのたとえ(筆者の時代はCD)で、判断できそうです。

S: 肢④は、甲土地について契約の本旨に反するBの使用によって生じた損害がある場合
に、Aが損害賠償を請求できる期間

 賃貸借→返還を受けた時から5年以内

 使用貸借→返還を受けた時から1年以内

P:貸主Aからいえば、賃貸借(5年)>使用貸借(1年)

で、〇と思いましたが…。もしくは、あざといですが、年数が違うとか…。

S: ここは、条文の知識がないと、正解できなかった箇所で、

民法第600条 ※(2)が民法改正で追加

(1)契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。

(2)前項の損害賠償の請求権については、貸主が返還を受けた時から1年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

が、賃貸借にも適用されるため、

  賃貸借→返還を受けた時から5年以内

が×でした。

P: 賃貸借も使用貸借も1年というオチでしたか…。

S: ただし、600条2項の追加は、消滅時効との関係で重要な改正でしたので、詳しくは下記の解説をごらんください。

  

A-2) 民法(改正2020)の条文で、使用貸借と賃貸借でイコールな部分と、違う(準用されない)部分

S:さらに、

(改正後)民法第622条
第597条第1項、第599条第1項及び第2項並びに第600条の規定は、賃貸借について準用する。

となりまして、使用貸借=(準用)=賃貸借は、600条のほかに

◎第597条

 (1)当事者が使用/賃貸借の期間を定めたときは、使用/賃貸借は、その期間が満了することによって終了する。

◎第599条

(1)借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、使用/賃貸借が終了したときは、その附属させた物を収去する義務を負う。ただし、借用物から分離することができない物又は分離するのに過分の費用を要する物については、この限りでない。
 (2)借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物を収去することができる。

があります。

逆に、賃貸借に準用されないのは

×597条

 (2)当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。
 (3)使用貸借は、借主の死亡によって終了する。

×599条

 (3)借主は、借用物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、使用貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が借主の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

です。
P: 「賃貸借」については、宅建特別編で、退去時のトラブル、とくに原状回復などを紹介しましたので、使用貸借とイコールにならないのは納得です。

S: 「民法の賃貸借と使用貸借との違い」が、25年度の宅建試験で出題される可能性は低いと思いますが、広い意味での賃貸借(民法、借地借家法、宅建業法ほか含む)についての理解を深めるうえで、2022年の過去問(問6)は解説記事を読んで、肢ごとにチェックしておくとよいでしょう。

B)金銭消費貸借契約ほか

B-1)実は住宅ローンも…

P: 使用貸借、賃貸借のほかに、前回(宅建39)ふれた13の典型契約の中に、「消費貸借」がありましたね。説明に

 ・使用貸借(無償で何かを借りる契約)
 ・賃貸借(使用料を支払った上で何かを借りる契約)

に対して、

 ・消費貸借(種類や品質、数量が同じ物を返還をする旨を約束した上で、財産を受け取る契約)

とありましたが…。

S: Pくんにもなじみがあるのが、「金銭消費貸借」、つまりお金を借りて、将来同じ金額(プラス利息)を返す契約、いわゆる「借金」でしょう。

友人・家族間のお金の貸し借りは、無利息でも民法上は問題ありません。

というか、ここも2020民法改正に関わる変更箇所なんですよ。

民法589条

(1)貸主は、特約がなければ借主に利息の請求をすることができない
(2)利息の支払いの特約があるときは、貸主は、借主が金銭を受け取った日以後の利息を請求することができる

P: つまり、特約がなければ利息は払わなくてもよいと。

S: 現実には、友人や親せき以外で、お金を無利息で貸してくれるところなんて、まずないですよね。

そして、当シリーズで何度も話題にしている「住宅ローン」も、

  貸主:銀行 ⇔ 借主:家の購入者

間の金銭消費貸借契約です。

P:そこに、もれなく? 抵当権の設定契約も付いてきますが…(宅建28)。

B-2)語句としておさえておきたい「金銭消費貸借」:宅建試験2022年過去問・問5

S: 抵当権のときも話してますが、住宅ローンは金融機関と借り手との話で、宅建試験での出題は、「住宅金融支援機構法」関連が主です。

そして、「金銭消費貸借」が1問で出題されたケースは、1991年問9

 

 

くらいで、今後も、1問丸ごと「消費貸借」で出題されることはないと思いま。

ただ、今回A)で紹介した宅建試験2022年過去問・問6の直前の「問5・肢2」に、「金銭消費貸借」という語句がでてきましたので、この問5を紹介しておきます。

※不動産適正取引機構HPより

P: 「期間の計算」についての出題ですね。

S: 大学の民法の授業だと、「総則」で出てくるはずですが、この問題も以下の民法の条文を知らないと、正解はむずかしいかな?

民法139条  
 時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する。
民法140条  
 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
民法141条  
 前条(140条)の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。
民法142条  
 期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和23年法律第178号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。

 

とくに140条は「初日不算入の原則」と言われているものですが、これに当てはまらない例外も、出題(142条-肢3)されていますね。

P: 肢2には

「令和4年8月31日午前10時に、弁済期限を契約締結日から1か月後とする金銭消費貸借契約を締結した場合、令和4年9月30日の終了をもって弁済期限となる。」

とありますが、ここは売買契約でも当てはまるわけですよね?

S: 「期間の計算」について、「消費貸借」契約だけの条文は、ありません。

この問題では「金銭消費貸借契約」 という語になじみのない、Pくんのような? 受験生を惑わすために、あえてこの語句にしたかもしれませんね。

 

ただ、問5については、A-2)でも「期間の満了」などのワードがでてきましたので、その「期間」の意味を深堀する目的もあって、ご紹介しました。

問5についてくわしくは、下記のリンク先記事をお読みください。

 

P: 「期間の計算」については、補足1に、参考説明を掲載しました。

次回は、「賃貸③ 賃貸人・賃借人の権利/義務」を予定しています。

 

【補足1】

Google geminiに「民法 期間の計算 具体例」できいたら

『民法における期間の計算の具体例には、次のようなものがあります。
期間の起算点が「時間」である場合、その時点から期間の計算を開始する
期間の起算点が「日、週、月、年」である場合、期間の初日は算入しない
期間の末日が日曜日や祝日、休日の場合は、その翌日が期間の末日となる
期間の計算が週、月、年によって定められている場合は、暦に従って計算する
【具体例】
6月1日午後6時に「今から30時間以内に1万円を支払う」と約束した場合、6月2日午後12時に期間の計算が終了する
1月1日から起算して2か月は、平年なら2月28日、閏年なら2月29日が満了日
1月20日から起算して2か月は、3月19日が満了日
1月31日から起算して1か月は、平年なら2月28日、閏年なら2月29日が満了日
5月30日を起算日として1か月を計算する場合、期間は暦にしたがって計算されますので、6月29日が満了日となります
5月31日を起算日として1か月と定めた場合、応当日となる6月31日が存在しないので、その月の末日たる6月30日が満了日となります』 (2025年3月28日)
 

【BGM】

S選曲:秦基博・カバー 「なごり雪」

P選曲:ケツメイシ 「さくら」(2021年 ver.)

【写真】 冒頭:Pixabay 中・下は筆者撮影