RAW CARESSな日々2nd -17ページ目

[映画批評]バンテージポイント

一言で言えば

レッツ巻き戻し!


バンテージ・ポイント コレクターズ・エディション [DVD]/デニス・クエイド,マシュー・フォックス,フォレスト・ウィッテカー

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得点75点(良作)


2008年(米)

監督
 ピート・トラヴィス

主演
 デニス・クエイド
 マシュー・フォックス
 フォレスト・ウィテカー
 シガニィー・ウィーバー

(2010年9月TV放映にて鑑賞)



こんな映画
『バンテージ・ポイント』(Vantage Point)は、2008年公開のアメリカ映画。スペインでの国際会議で起こった米大統領狙撃事件の全貌を、同時刻8人の視点で明かしていくサスペンス・アクション映画。


ストーリーウィキペディアより抜粋
スペインのサラマンカの広場で開催されていたテロ撲滅の国際会議で、アメリカ合衆国大統領・アシュトンが大勢の聴衆を前にスピーチをしようとした瞬間、何者かに狙撃される。

続けて会場の外で爆発音が響き、混乱に陥る広場の中で、演説台の下に仕掛けられた爆弾が爆発し……


評論(ネタばれ注意)


本作は、主人公挌がいるがさまざまな登場人物の視点から、一連の事件を描いた群像劇であり。

ゲームではおなじみのシステム、「ザッピング」を効果的に使っているのがとても印象的である。

ザッピングとは、簡単に言ったら視点を切り替えることを言う。


その用途も秀逸で、映画ののっけから惹きこまれること必須である。

小生も、最初見るつもりがなかった(なかったんかい!)

が、ちょろっと見たら続きが気になりまして結局全部見てしまいました。


ちなみに映画をいくつかに小分けすると6つのセクションに分けられる。

映画が120分くらいだとして各セクションは20分といったところか・・。


しかし、難を言えば一つの事件を複数の視点で描くのはいいが、同じシーンを複数回見せられるのはちと辛い・・・。

で、話の全容が明らかになるにつれ映画もなぜか徐々にトーンダウンしていく。

最後はまさかの展開。

あれ?最後はあんまり尺を取らないんだ。って感じでさ。

それでもなかなか魅せてくれたので良作です。

最後にCM動画をどうぞ。

[映画批評]「20世紀少年 最終章~ぼくらの旗~」

一言で申せば

まさかこいつの正体のためだけで9時間近く費やすとは・・・・。(んな価値ねえぇよ)


20世紀少年 <最終章> ぼくらの旗 通常版 [DVD]/唐沢寿明,豊川悦司,常盤貴子

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得点35点(あっそ!)

2009年(日)
監督
 堤幸彦
作者
 浦沢直樹
出演者
 唐沢寿明
 豊川悦司
 常盤貴子
 平愛梨 

(TV放送にて鑑賞)

こんな映画

浦澤直樹原作の同名漫画を豪華俳優陣で実写化したSF映画の最終章。


ストーリー

こちらより抜粋20世紀少年<最終章>ぼくらの旗 - goo 映画


「世界大統領」となった“ともだち”が、世界を支配する“ともだち歴3年”(西暦2017年)。
殺人ウイルスが蔓延した東京はそびえたつ壁に包囲され、都民の行動は完全に制限されていた。
そして“ともだち”は「8月20日正午、人類は宇宙人に滅ぼされる。私を信じるものだけが救われる」と声明を発表。
それは、その日時に新たな殺人ウイルスがばらまかれることを意味していた…。
一方、ヨシツネ率いる反政府組織“ゲンジ一派”、武装蜂起を訴えるカンナ率いる強硬派“氷の女王一派”、そしてユキジとオッチョらは、それぞれ人類滅亡を回避する方法を水面下で模索していた。


評論(ネタばれ注意)


くどい!

この映画を表す言葉は、この一言に尽きる。
なにをするにしてもくどいのだ。

あまりのくどさにあきれてくる。

こと有るたびに、「20th センチュリーボーイ」が流れる。
とにかく「ともだち」もあの仮面で引っ張る。
とにかく、子供時代が出てくる。

とにかくくどい!


だから全体として破たんしている。


ストーリー云々前に、映画として破たんしているものを3部作として三回も続いたのである。
これで原作ファンの人って満足したの?

小生は、原作は途中までしか読まなかったけど、この映画を見て原作を見ようとは思えないよ。

小生は、堤幸彦監督には当たり外れが大きいと思える。
と言うか、堤幸彦は1時間枠のドラマで光る監督のように思える。

堤幸彦と言えば、「トリック」等の監督である。
あのように癖の強い作品であれば光るのだろうけど、あまりに長く一般受けを狙うとキツイなと思う。

小生は一応は3部作を通して見たが、全体を通して及第点を付けざるを得ない。

まるで、牛丼メガ盛りを頼んだけど、カツとマグロと天ぷらが乗っかってきたかのようだ。
これじゃうまいわけがない。



[映画批評]「第9地区」

一言で言うと

主人公の無双乱舞!
ヽ(`Д´)ノ


第9地区 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)/シャールト・コプリー,デヴィッド・ジェームズ,ジェイソン・コープ

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District 9 [DVD] [Import]/出演者不明

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85点(傑作)


監督 ニール・ブロムカンプ
製作総指揮 ケン・カミンズ
ビル・ブロック
製作 ピーター・ジャクソン
キャロリン・カニンガム
脚本 ニール・ブロムカンプ
テリー・タッチェル
出演者 シャルト・コプリー ほか

(2010年9月2日DVDにて鑑賞)



こんな映画
『第9地区』(だいきゅうちく、原題:District 9)は、2009年に公開されたSF映画。
2009年度アカデミー賞ノミネート作品。


ストーリー(ウィキペディアより抜粋)

南アフリカ共和国のヨハネスブルク上空に突如宇宙船が出現。
しかし、船が故障してしまったため船内の者たちは地球に降りてくる。

28年後、乗船していたエイリアンであるエビ(外見がエビ[=PRAWN]に似ているため)たちは地上に移り、隔離地区である第9地区で難民として地球人と共存していた。
そこは人間とエビの争いが絶えないため、MNU (英:MULTI-NATIONAL UNITED) と呼ばれる超国家機関によって管理・監視されていた。

MNUの職員であるヴィカスは、エビたちをさらに離れた彼ら専用の居住区域である第10地区に移住させるべく、立ち退き要請の同意を得るため第9地区を訪れるが、その道中に見つけた謎の液体を浴びてしまう・・・・。


評論(ネタばれ注意)

「ロードオブザリング」で有名なピーター・ジャクソン監督が発掘してきた新人監督ニール・ブロムカンプ初監督作にして、さっそくのアカデミーノミネートを勝ちとった本作は、まさに傑作の誉れ高き作品である。

映画は、南アフリカのヨハネスブルグに難民として住まわされている異星人たち(エビ)と、それを管理する人間たち、その組織にいる主人公を追う形の疑似ドキュメンタリータッチで描かれている。

こういった疑似ドキュメンタリー形式をとり成功を収めることが多いが、内容がない場合が多い。
しかし、本作はすばらしいまでのテンポとストーリーのバランスの構築をはかっており、見るものを飽きさせない作りとなっている。


しかしながら、この映画は賛否が分かれるのが、必須であると思われる。

それは、作品が扱うテーマが人種差別であるからだ。
ようは、人種隔離政策(アパルトヘイト)を、異星人=黒人に置き換えているだけなのであるからだ。

南アフリカ出身の監督とのことで、自国の負の遺産をうまく映画のアイデンティティとして昇華させている。

だが、映画は人によっては嫌悪感しか残らないかもしれないと思う。

まずは、とにかくグロイ!
最後はびっくり!人がまるで水みたくはじけまくりです。
これは小さいお子さんに見せてはいけませんがな。


さすがピーター・ジャクソンお墨付き!
(ピーター・ジャクソンはもとはスプラッター映画出身であるからだ)


それに、異星人に対しての扱いの酷さ!
まるで家畜以下の扱いで、ナチスのユダヤ狩り並みの扱いの酷さ。
劇中全編は、異星人に対してあまりに酷い行為をこれでもかと見せられる。


極めつけは、主人公のあまりの身勝手さ!
変なウィルスに感染してからの主人公のあまりにも酷い一人よがりの行動はすべてのことの元凶だと言うのに度を越しているのである。(最後はほんと無双だよ)


見ている人からはこんな言葉が漏れそうだ。

「なにしてんだよ!この人。」


しかし、この嫌悪感こそが、監督が意図していることであると思う。

少しでも嫌悪感を抱かせたら監督の思うツボで、してやったりなのである。


つまりは、この映画は人間の愚かさ・高慢さ・身勝手さを描いているのだ。

だから、見た目絶対感情移入することさえ出来そうにない異星人(エビ)が、一番まともに見えてくるのであるから不思議である。

これらは、すべて監督が意図しているところであると思う。


なので、ほんとこれは傑作であると思う。

だが、冒頭に言ったように人を選ぶし監督の意図したことを読み取らないとただの汚らしい映画にしか見えないであろうと思う。

もしかすると、それさえも監督が意図したことでないかと思ってしまう。

未見の方は是非ご覧になってみてはいかがでしょうか?


最後に、予告篇トレイラーをどうぞ。

[映画批評]「機動警察パトレイバー movie2」

一言で言うと

10年以上も前の映画なのに色褪せないすごみ。



EMOTION the Best 機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]/冨永みーな,古川登志夫,池水通洋

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機動警察パトレイバー2 the Movie [Blu-ray]/冨永みーな,古川登志夫,大林隆介

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1993年(日本)
監督:押井守
企画:ヘッドギア
原作:ヘッドギア
原案:ゆうきまさみ
篠原遊馬:古川登志夫
泉野明:冨永みーな
後藤喜一:大林隆介
南雲しのぶ:榊原良子
太田功:池水通洋
進士幹泰:二又一成
山崎ひろみ:郷里大輔
シバシゲオ:千葉繁

こんな映画

同名漫画の、劇場公開作品第2段で事実上の完結作に当たる。


ストーリー(ウィキペディアより一部抜粋)

1999年、東南アジア某国で、PKO部隊として日本から派遣された陸自レイバー小隊がゲリラ部隊と接触、発砲許可を得られないまま壊滅する。しかし、一人の生存者がいた。破壊されたレイバーから脱出した彼がそこで見たのは、異教の神像が見下ろす古代遺跡であった。そして、彼は「彼岸の人」となった。

「方舟」の一件から3年後の2002年冬、かつての特車二課第2小隊の面々は、隊長の後藤と山崎を除いて、新しい職場に異動し、それぞれの日々を送っていた。そんなある日横浜ベイブリッジで爆破事件が起こり、それは自衛隊の戦闘機F-16Jらしき物体から放たれた一発のミサイルによるものであることがテレビによって報道される。そして、これがすべての始まりであった。

事件に関する様々な情報が錯綜する中、南雲と後藤の下に陸幕調査部別室の荒川と名乗る男が現れ、「柘植行人(つげ ゆきひと)」という人物の捜索協力を依頼する。後藤は荒川の真意を測りかね、依頼を断るものの、直後にバッジシステムへのハッキングによって、自衛隊三沢基地所属機による幻の東京爆撃が演出されるという事件が発生する。これに過剰反応した警察の露骨な自衛隊への対抗行動により、一部自衛隊部隊の駐屯地篭城という事態にまで発展する。そんな中、ベイブリッジ爆破事件を調べていた松井刑事は、後藤から渡された荒川の資料を元に柘植と彼の組織を調べ始める。

その後も状況は悪化の一途を辿り、在日米軍の圧力もあって事態の早急な収拾を図ろうとした政府は、警察に事態悪化の責任を押し付け、自衛隊に東京への治安出動命令を下す。

そしてある雪の朝、埋立地から3機の戦闘ヘリが飛び立つ。その後、都内の通信施設・橋梁は次々に破壊され、さらに東京上空を周回する3機の無人飛行船から妨害電波が流され、都内に展開した自衛隊部隊は情報が途絶し“孤立”していった。戦闘ヘリの襲撃により特車二課は壊滅し、警察の通信設備も破壊されていく。東京を舞台にした仮想的な「戦争」が、現実のものとして創り出されていく。

同じ朝、後藤と南雲は海法警視総監列席の下で緊急招集された警備部の幹部会議に召喚されていた。緊迫した情勢下で南雲と警視庁上層部の対立が決定的となる中、特車二課壊滅を知った後藤は、この期に及んでもなお権力闘争と責任転嫁に汲々とする上層部を見限り、南雲と共に自らの手で事態を収拾する覚悟を固める。そして壊滅した特車二課に代わり、かつての第2小隊メンバーがAV-98「イングラム」と共に呼び集められた。

戦争という状況下に置かれた東京を舞台に、この「情況」を演出したテロリストを逮捕するため、特車二課第2小隊最後の任務が始まる。

評論(ネタばれ注意)

押井守が、甲殻機動隊で世界で認められる前の作品である。
しかしながらこの作品は、小生は押井守作品の中で一番好きな作品である。


もうこの映画も20年近く前に作品となってしまうのだが、それでもこの映画が色褪せないのは、今でも通じるリアリティに満ちているからである。


このリアリィティさが、カルト的人気を読んだ証拠であると思う。

中でも如実にすごいなと思うのが、PKO活動化での日本の自衛隊のあいまいさをこの作品ではキーになってくる(そもそも米に独立しきれていない傀儡である日本に嘆いている内容なのであるが)。

この先見の明と言うか、よく当時で思いついたなと感心してしまうのである。


しかしながら、どちらかと言うと右に寄った作品であるので、そちらの方々にはすこぶる評価がいいことでしょう。

なんせ小生は右に寄ってますので、ほんと大好きなんです。

ただ、難解であるため複数回で視聴を行わないときついかと。


是非にでも、戦争の疑似状況下を作り上げていく見事なまでの過程を見て頂きたい。
それは、ここ数年では見かけることのない緻密に作り上げられたまるで芸術作品のような作品です。

アニメでロボはと敬遠しがちな方も是非ご覧になってみてはどうでしょう?



[映画批評]【真夏のオリオン】

一言で申せば

学芸会レベルだぞこれは!

真夏のオリオン [DVD]/玉木宏,北川景子,堂珍嘉邦

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得点40点(ダメだね)


2009年(日)
監督 篠原哲雄

出演者 玉木宏
北川景子
堂珍嘉邦
平岡祐太
黄川田将也
吉田栄作
吹越満

(2010年8月15日TV放映にて鑑賞)


こんな映画


福井晴敏原作による同名小説の実写化作品。


ストーリー(ウィキペディアより抜粋)


倉本いずみの元にアメリカから届いた手紙に添えられていた1枚の楽譜・・・。

それは、いずみの祖母・志津子が、船乗りたちが吉兆をもたらすと信じる真夏の空に輝くオリオン座に

祖父・倉本孝行への想いを託して書いた「真夏のオリオン」という曲だった。

そして、64年前の夏、潜水艦の艦長だった倉本がアメリカの駆逐艦と繰り広げた戦闘の記憶を呼び起こす。

その楽譜がアメリカで保管されていた理由は?真夏のオリオンが照らし出した戦いの結末とは・・・。


評論(ネタばれ注意)


福井晴敏原作による実写化作品第4段。(たしかね)

第1段「終戦のローレライ」
第2段「戦国自衛隊1945」
第3段「亡国のイージス」

正直申しますと、福井晴敏の小説はたしかに面白い。
なんというかとても文章がうまく読み手をうまくひきつけるという意味ではすばらしい小説家である。

しかし、難を言えばどの作品を読んでもどこかで見たことがあったり、設定がどことなくどっかの作品に似ていたり、物語の構成がどことなく似ていたりと、オリジナリティが薄い印象を受けるのが、難点であると小生は思っている。

それをそのまま映画にしてしまうのだから、もう目も当てられない。

本作は、実話を元にされており実際に終戦まで戦い抜いたイ号潜水艦を元にしている。
題材にするにはかっこうの本作であるはずが、小説同様のアイデンティティを欠いたかのような、グダグダ感と、出演者のなんともしまらない演技のおかげで台無しにしてしまった感が強い。

小生は、ファンの方には申し訳ないが玉木宏の演技が好きにはなれない。
なんだかいつも一緒で、彼からは戦時下の緊張感が伝わってこないんだよね。
それに、妙な落ち着きと冷静さは意味が違うからね。


潜水艦の映画にはずれなし!というジンクスが存在するのであるが、本作と終戦のローレライは申し訳ないが及第点を付けざるを得ない。

とにかく中途半端な上に、役者の演技が酷すぎるし、中身が空っぽである。
これを終戦記念日に流したところで、何が残るのであろうか?

ちなみに原作者の福井晴敏は今OVA展開をしている「機動戦士UCガンダム」の原作を担当しているのであるが、この人はSFを描いたほうが合うのではないかと思ってしまう。