RAW CARESSな日々2nd -16ページ目

[映画批評]「マイレージ、マイライフ」

一言で申せば

必殺リストラ請負人の淡い恋!


マイレージ、マイライフ [DVD]/ジョージ・クルーニー,ヴェラ・ファーミガ,アナ・ケンドリック

¥2,940
Amazon.co.jp



得点80点(良作)

2009年(米)

監督
 ジェイソン・ライトマン
出演者
 ジョージ・クルーニー
 ヴェラ・ファーミガ
 アナ・ケンドリック

(2010年9月27日DVDにて鑑賞)


こんな映画
『マイレージ、マイライフ』(Up in the Air)は、2009年のアメリカ映画。ジェイソン・ライトマンがウォルター・カーンの同名小説を映画化。

ストーリーウィキペディアより一部抜粋

ライアン・ビンガムはいわゆる「リストラ宣告人」であり、1年のうち300日以上を出張のために全米中を飛行機で飛びまわるのに費やすという人生を送っていた。

彼の目標はマイレージを1000万マイル貯め、飛行機に自分の名前を残し、フィンチ機長と面会すること。

「バックパックの中に入りきらない人生の持ち物は背負わない」というモットーを持ち、肉親とも距離を置き、結婚にも興味を持たず、旅先で知り合ったアレックスとも気軽な関係を続けていた。

だがライアンがオマハの本社に戻ったある日、新入社員のナタリーが現地出張を廃止してネット上でリストラ宣告を行うシステムを提案する。

ライアンはそれに反対し、ナタリーと衝突する。そこで上司のクレイグは、ライアンにナタリーの教育係を命じ、彼女に実際にリストラ宣告を経験してもらうために二人で出張させる。


評論(ネタばれ注意)

本作は、「バックパックの中に入りきらない人生の持ち物は背負わない」を貫く独身貴族の主人公が、再度自分自身に問いかけていく内容であり、その主人公を演じたジョージ・クルーニーの演技も新鮮であるし、脚本の運びも良く、しっかりと複線が活かされている至極の作品であると思う。


日本でもついこないだまでは、このような主人公を目指していたのではないだろうか?
つまりは、ステータスを追い求めて仕事する。

この主人公のように、すべてのカードはプレミアカード、服装は高級スーツ。
出張費で、マイレージを貯めてマイレージを1000万マイルをためることを当面の目標としている。

日本もこんな時代があったのだろうな。

なんせ、小生も古い考えの持ち主なのか、このステータスを追い求めていた。
とにかくスーツもオーダーメイド。
酒のいいやつを飲み。
車も高級車をのりまわる。


しかし、いざ無職の今になっては、ただ虚しさが残るだけ・・・。

小生は、冷静になって今ちょうどこの主人公のように自分を見つめ直している。

なので、小生はこの映画の主人公の気持ちが痛いほどわかるのである。

後半、主人公の仕事で出張がなくなり自分の家に居つくことになるのだが、途端に寂しさが沸いていくシーンがあるが、小生もそうだった。
ほとんど仕事で自分の部屋には居ず、いざ家に戻ってくると寂しさと虚しさで我慢が出来ずに酒を飲みに行ったり、酒を飲んで逃避をしていた。

なんだか、評論と言うより小生の共感話になってしまっているが、リーマンショック後のアメリカの不況を如実に描いており、リストラを行う際の様子も描かれており、リストラを喰らった小生は見ていてなんだか他人事のように思えなかった。

しかしながら、小生は思う。
完全に商業映画のアメリカ映画でも、こういった作品が作られてしっかりとヒットしていることがすばらしいと思う。

イラク戦争後のアメリカは、ベトナム戦争後と同じように暗く重い映画が多い。
しかし、作品それぞれの評価はベトナム戦争後の映画同様に良い物が多い。

芸術作品は、不況時のほうがすばらしいものが生まれる傾向にあると言われているが、日本ときたらどうだろうか?

まぁ、そこそこ作品はあるが、なんともなぁ~って感じなのが多いと思う。

正直、日本人は現実から逃避しているのではないかと思うのだ。

こういった映画が日本からも生まれてくることを願うばかりだ。

どこかで見たような映画じゃなくて、日本だから作れる映画を作ってほしいものである。

と、今回は評論というより批評になってしまいました。

この映画はお勧めですよ!(えっ、言うのが遅い?)

最後にトレイラー動画をどうぞ。





[映画批評]「ノーマンズランド」

My favorite movie

一言で言えば

何も変わらないし、何も変えれない。(劇中談)

ノー・マンズ・ランド [DVD]/ブランコ・ジュリッチ,レネ・ビトラヤツ

¥4,935

2001年(ボスニア)

監督
  ダニス・タノヴィッチ
主演
 ブランコ・ジュリッチ
 フィリプ・ショヴァゴヴィッチ
 カトリン・カートリッジ

(2010年9月25日DVDにて再鑑賞)


こんな映画
『ノー・マンズ・ランド』(No Man's Land)は、2001年公開のボスニア紛争(1992年 - 1995年)を題材にした反戦映画。

俳優は広くヨーロッパから選ばれている。


ストーリーウィキペディアより抜粋
霧の夜、ボスニア軍前線に赴いた交代要員8人は無人地帯(ノー・マンズ・ランド)のセルビア軍前線寄りに迷い込んだ末、夜明けとともにセルビア側からの一斉射撃を受ける。

そのうちの2人、チキとツェラは両軍中間にある無人の塹壕付近まで逃げるものの戦車砲で吹き飛ばされる。

その一人、肩を撃たれたチキは塹壕の中で意識を取り戻し銃を拾って帰り道を探すが、そこへボスニア側の意図を探りに2人のセルビア兵がやってくる。


評論(ネタばれ注意)

本作は、小生が好きな映画を10本挙げろと言われたら間違いなく挙げる一本である。


無職のため時間のある小生は、また見てみようと思った次第である。


本作は、戦場の中間地点にある塹壕で生きていたセルビア兵の一人の背中に仕掛けられた地雷を除去しようとして、それを取り巻く人間模様を描くブラックユーモアな反戦映画である。

そこに国連軍が加わり、はては報道陣までも加わり、事態は好転するように思われたのであるが・・・。

この映画には、4つの名台詞がある。


見ているだけの国連防護軍の軍曹が、報道キャスターに対して言う本心。

「ただ見ているだけは、殺しているのと同じだ!」


主人公が、銃を持ち戦争をどっちが仕掛けたかという言い争いをし、相手から仕掛けたと銃を突きつけて言わせるシーン。

「俺は銃を持っている。」


主人公が報道陣に対して吐く台詞。

「お前らも同罪だ!ハイエナみたいにたかりやがって、そんなに儲けたいか?」


最後、どうすることも出来ない状態で国連軍上官が言う台詞。

「何も変わらない。何も変えることもできない。」


こんな名台詞が劇中登場する。

この映画が訴えかけてくるのは間違いなく反戦である。

しかし、反戦以外にもこの世の不条理をも訴えかけてくる。

戦場という不条理。
終わりなき民族紛争。
形だけの国連。
商業目的の報道。

まるでそれらを凝縮したかのような、すばらしい傑作であると小生は感じている。


しかし、重くなりそうな要素を敢えて風刺風味で加えてあるのが功を奏している。

どこか面白いけど、どこか笑えない。

そんなこの映画は是非一度見て頂きたい作品である。


この映画の監督は実際にこのボスニア紛争の経験者であるとのこと。
DVD収録の特典映像でのインタビューは必聴である。

最後に英語字幕ですがトレイラーをどうぞ。




[映画批評]「スピリット」

一言で申せば

香港映画の王道だぁ~。



SPIRIT(スピリット) 特別版 [DVD]/ジェット・リー,中村獅童,スン・リー

¥3,980
Amazon.co.jp



得点60点(まぁまぁ)

監督
 ロニー・ユー
出演者
 ジェット・リー
 中村獅童
 孫儷
 鄒兆龍

(2010年9月22日TVにて鑑賞)


こんな映画
『SPIRIT』(原題:霍元甲)は、2006年の香港・アメリカ合作による清代末期に実在した武術家霍元甲を描いたカンフー・アクション映画。


ストーリーウィキペディアより抜粋

清代末期。名門武家に生まれたユェンジャは、父・霍恩第から病弱だと言う理由で、武術を教われなかった。

だが、兄や他の弟子たちの練習をこっそりと盗み見、親友のジンスンの助けも借りながら、独学で習得して行った。

やがて、成長し、大人になったユェンジャは、連戦連勝。天津では彼に敵う者はいなくなっていた。親友のジンスンすら止められない傲慢さから恨みを買い、復讐のために母親と娘を趙一門に殺されてしまう。

生きる意義を見失い、川へ身を投げたユェンジャは、山奥の村へと流れ着く。
流れ着いた先には、盲目の娘ユェツーと孫おばさんなどの純粋無垢な農民たちがいた。

名を偽り、村民たちと生活していくうちに、次第に生きる希望がわいてきた。数年ぶりに戻った我が家は何も変わっていなかった。親友のジンスンが自分の家財道具を売り払ってでも、そのままにしておいてくれたのだ。

しかし、中国は大きな脅威にさらされていた。西洋の力持ちが「東アジアの腰抜けどもをやっつけてやる」と息巻いていた。この力持ち(オブライアン)との対決で勝利したユェンジャは1910年6月1日、上海精武体操学校(上海精武体育会の前身)を設立する。これに危機を抱いた日本人の三田らが、異種格闘技戦を企てる。

1910年9月14日、異種格闘技戦が始まった――。


評論(ネタばれ注意)


実在した中国の拳法家霍元甲の半生を描いたのが本作である(でも、内容はフィクションだよ)

これでもかと、ジェット・リーのアクションを楽しむことが出来る。

やはり強いなぁ、ジェット・リー。

本作の肝と言えるのは、最後にライバルとして登場する中村獅童である。
武士道精神を体現したかのようなキャラで、日本人が見ても大いに湧かしてくれるし、中村獅童はある意味おいしい役であると思う。

ジェット・リーが、霍元甲の役を通して武とは何か?最強とは何か?を問いかけてくる作品であり、中国のアイデンティティを感じる作品でもある。

しかしながら、作品全体を見渡すと粗が目立つ上に中盤になり苦悩する主人公にスポットが当たるのだが、いまいち弱い。

弱いからこそ主人公の気持ちの変化が急過ぎて頭をかしげるようになる。

アクション映画にストーリーは求めちゃあかんのかな。


あれ?よくよく見たら原田眞人が出てる。

$RAW CARESSな日々-harada

この人は、映画「ラストサムライ」に出てて、有る意味日本人らしい日本人役を演じる俳優さんだと小生は思う。

ラストサムライと同じような役柄を見るとラストサムライを見てからオファーしたに違いない。

[映画批評]「シャーロックホームズ」

一言で言えば

こりゃ、有りだね!

シャーロック・ホームズ Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)/ロバート・ダウニー・Jr.,ジュード・ロウ,レイチェル・マクアダムス

¥3,980
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得点75点(GOOD)

監督
 ガイ・リッチー
主演
 ロバート・ダウニーJr
 ジュード・ロウ
 レイチェル・マクアダムス

(02010年9月23日DVDにて鑑賞)

こんな映画

監督ガイ・リッチーによる、新機軸の小説「シャーロックホームズ」の実写化作品。
実際には、作品にインスピレーションを受けたオリジナルコミックがもとであるらしい。



ストーリーgooより抜粋
あらゆる悪がはびこる、19世紀末のロンドン。不気味な儀式を思わせる手口で、若い女性が次々と殺害される怪事件が勃発する。

名探偵シャーロック・ホームズはたちまち犯人を突き止め、邪悪な黒魔術を操るブラックウッド卿を捕まえる。

だが彼は、処刑されても自分は復活する、とホームズに宣言。やがて予言通り、死刑に処されたブラックウッドが、墓場から甦ってしまう。

前代未聞の大事件に人々がパニックに陥る中、ホームズだけは史上最大の謎に挑めることに胸を躍らせていた…。

評論(ネタばれ注意)


人物設定を大胆に脚色し、よりアクション色を強めているのが本作の特徴である。

スタイリッシュに表現されたホームズはまさに監督のガイ・リッチーの本領発揮といったところか。

見ていてなかなか良かった。

ただただ苦言を申せば、謎解きのほうが意外とあっさりとしていて。なぜ?の部分がおざなりだったりする。

その物質が何で、どうやってそうしたのか?なんて部分かな。

推理物でこの辺がおざなりってのはどうかなと思ったりする。

それでも、この映画はどちらかというと雰囲気を楽しむ映画で、意外性を楽しんだりするので有るのだと思う。

たぶん続編は決まっているのだろうなと思う。

なので、次回に期待。

そこそこ楽しめます。

[映画批評]「サロゲート」

一言で言えば。


ん?大長編ドラえもんとのび太のブリキのラビリンス?

映画ドラえもん のび太とブリキの迷宮 [DVD]/大山のぶ代,小原乃梨子,野村道子

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サロゲート [DVD]/ブルース・ウィリス,ラダ・ミッチェル,ロザムンド・パイク

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得点60点(まぁまぁか?)

2009年(米)
監督
 ジョナサン・モストウ
主演
 ブルース・ウィリス
 ラダ・ミッチェル
 ジェームズ・クロムウェル

(2010年9月19日DVDにて鑑賞)



こんな映画
ブルース・ウィリス主演による、人間が遠隔操作するロボット「サロゲート」が日常的に使われる世界が舞台であるSF映画。



ストーリーウィキペディアより抜粋

身代わりロボット「サロゲート」が人間の社会生活のすべてを代行する近未来。
人間は自宅からサロゲートを遠隔操作するだけで社会生活を営むことが可能となり、圧倒的大多数の人は、サロゲートで社会生活を営むようになっていた。

このシステムの根底は、サロゲートになにが起こっても、オペレーター(サロゲートの持ち主)は無事であることが保証されていることであった。

そんな、ある日、男女2人のサロゲートが何者かに破壊され、安全であるはずのサロゲートのオペレーターも、それぞれ自宅で死亡しているのが発見された。

これは、サロゲートの安全性を否定する事件であったので、極秘でFBIが捜査することになった。FBI捜査官のトム・グリアーは、パートナーのジェニファー・ピータースと事件の捜査に着手した。

グリアーは、破壊されたサロゲートに残っていた映像の画像解析により、容疑者の使用したらしい武器のようなものと、容疑者が、マイルズ・ストリックランドという犯罪者であることを突き止めた。

不思議なことにストリックランドは、以前にも逮捕されていたが、すぐに釈放されていたのだった。


評論(ネタばれ注意)


ブルース・ウィリスが若い!髪がある。


まずはそれに目がいってしまう映画である。


本作は、「サロゲート」と言われる遠隔操作ロボが日常的に使われている世界をリアルに描写し、科学技術の過剰進歩を警告している映画である。

映画はリアルに、そして丁寧にサロゲートがもたらす世界を描いている。


逆に言えば、その描写は実は使い古された感があり、目新しくはない上に、すでに映画「アバター」が先行してこの遠隔操作を表現しているので、どこかで見たような感じなのである。

時期も悪いし、やはりどこか2番漸次感が否めない。


映画は、ブルース演じる刑事が、事件を追う形で展開され、追っていくうちに大きな陰謀に巻き込まれる王道パターンであるが、いくつかの思惑が絡まる形になるのだけど、メインとは別の思惑が、いまいちよくわからなかった。

はて?どういうこと?

そんな感じである。

メインもいまいちピンとこない。

つまりは、粗が多い。
多い上に、いまいち見ている側は面をくらってしまうのだ。
ん?って感じで。

ちなみに冒頭で、ドラえもんをなぜとりあげたかと言うと。

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この映画でも、作品が伝えたいテーマは同じ。
科学技術の過渡的な進歩に警鐘を鳴らしているからだ。

ロボットにすべてを任せている世界が舞台で、人間たちは働かなくなり筋力が衰えて、自動の車で生活をしている。

そしてロボットに反乱を起こされてドラえもんたちが巻き込まれるという話。

まさか、元ネタはこれか?

最後に広告動画をどうぞ。