今年の秋冬のサーフ、結果は、

50-88cm、6匹

釣行日数は7日、3日はノーバイトのボウズを喰らった。年末は地元の行事があったり、天候不順だったり、昨日まで珍しく風邪を引いたりで出れなかったのがちょっと痛かった。
数が少ないのも、ボウズを喰らうのも分かりきった釣りなので落胆もしていない。少ない釣行回数ながら80台後半が出せたわけで、多分やり方は間違ってなかったんだろう。余り日を空けずに同様の条件で釣りができれば80アップがもう少し出せた可能性があったことが少し残念だ。

現在海表面は15℃ラインが迫りつつあり、年初まで魚がいてくれるかどうかは微妙なところだ。
ま、それなりに楽しい秋冬シーズンだった。

2021年よりサーフで使ってるツインパワー2つ。20ツインパワー4000MHG(左)、4000(右、ノーマルギア、4000MHGスプールを装着)

昔から高級リールには漠然とした憧れはあったが「みんな単なる見栄で使ってんだろう」というひねくれた考えや、「安いもので十分に使える」というインプレもあったりで、汎用リールについては30年ほどは2万円以下のものばかり使ってきた。

従来のリールと比較してツインパワーの使用感は、確かにノイズが少なく安定感と高級感がある。だが、これはサーフの実釣では余り意味のないことだ。実釣での最大の差は「負荷が掛かった状態でもポンピングしないで巻ける」ということだ。

 

波が荒く、離岸流が激しく出ているサーフで80アップのスズキを寄せるとき、これまでのリール、例えば09レアニウム、12エクスセンスCI4+などのボディーやローターの柔いリールだと巻きトルクがなくショートピッチのポンピングが必要だった。ポンピングはロッド角度が変わり、ラインテンションが不安定になる。バラシを防止する意味ではあまりやりたくない操作だ。

まあ、そのポンピングのピッチを小さくすることでテンション変化をある程度抑えることはできたが、ツインパワーだと80アップのスズキ、推定8kgオーバーのヒラメであってもロッドの角度を固定してそのままグイグイ巻ける。要するに楽なのだ。

 

来年は24ツインパワーにモデルチェンジするようだが、23ヴァンキッシュと同じボディー構成になるのだろうから密巻きと極限まで薄肉化されたCI4のギアボックスが採用されるのだろう。そうなるなら今の20ツインパワーでいい。もう一つ持っている3000MHGも併せて大切に使っていこうと思う。

2-3年前からだろうか、いわゆるプロの人たちが釣り番組で使うケースが増えてきたのが、「フックリムーバー」なるもの。

特に磯のヒラスズキを含めシーバスフィッシングではよく目にする。

普通に「プライヤーがあればフックくらい外せるだろ。また要りもしないものを流行らせやがって。」と思っていたのだが....

ごく最近では無名メーカーからも多種類が発売されている。

 

この現象は以前ボガグリップを元祖とするフィッシュグリップの流行り方との類似性を感じる。サーフのスズキ釣りではランディングした魚はプライヤーでルアーを外し、口を手で掴んでリリースしていたのでボガやオーシャングリップが出ても数年は必要性を感じていなかった。

まあ、ヒラメなんかは手で口を掴めないのでどっちにしてもギャフは携行していたわけで、ギャフの代わり、ということでボガの15lbを購入し、もう20年くらい使ってるだろうか。未だに全く動作に問題はないし変形、破損もない。一生使えると思う。オーシャングリップでもよかったのだが、当時店頭で¥15,000ほどと安売りしていたので特に思い入れもなく購入したものだ。安いものではないが、何年使っても買い替えを考えなくてもよいことを考えれば非常にコスパはよいと云えるだろう。

 

そこいくとフックリムーバーはプライヤーがあれば事足りるのだが、構造が簡単なのもありフィッシュグリップ以上にパクリものが出てきた。「プライヤーより飲まれたルアーのトレブルフックが外しやすい。軸が長いのでフックが指に刺さる危険がない。」「もっと早く買えばよかった。」的なインプレも多い。

提灯インプレもそれなりに多いのだろうし、私の場合は余り小さいルアーを使わないからスズキの口の中に完全にルアーが入ることはまずないのだが、トレブルフックが複雑な掛かり方をすると、プライヤーで強引に外そうとしてフックを折ったり曲げたりしたことあった。特にシマノのルアーは構造的に弱く、レスポンダーなどはエイトカンを破損させルアーそのものをダメにしたこともあった。

 

ということで散財という自己嫌悪を感じながら購入してみた。スタジオオーシャンマークの元祖フックリムーバーなど1万円程するし、ドレスのものも5,000円くらいする。とはいえ1,000円くらいのバッタモンはすぐ壊れそうだ。

結局、コレ。

ダイワ クイックハリハズシ2 240mm、2,000円くらいなので価格もまあ許容範囲。長さはスタジオオーシャンマークのフックリムーバーとほぼ同じ。

 

ゲームベストには差すところがないので、

パズデザインのホルダーに入れて使うことに。

 

問題は、ゲームベストにぶら下げるものが一つ増え、煩わしさが確実に増すことだ。

ボガとプライヤーに加えて3つ。

プライヤーはラインカットの他にリーダーをスナップに結束する際にリーダー端部を掴んで締めこむのでどうしても必要だ。

 

で、このダイワのクイックハリハズシ。ダイワの使用方法にはトレブルフックを掴んで外す方法は明記されてないし、「深く飲まれたハリは外せません。」とはっきり書いてある。あくまで従来のシングルの針外しの延長モデルという立場だ。

だが、どう考えてもこのモデルはトレブルフックを掴んで外すのに適しているし、バッタモンも含めて所謂フックリムーバーと構造は全く同じだ。

先日の70、80アップのスズキのルアー外しにも実際に使ってみたが、プライヤーに比べれば簡単だし、何より安全だ。フックを曲げたりする折ったりすることもなさそうだ。

硬質プラスチックのグリップがやや滑りやすくフィットしないが大した問題ではない。ダイワ製らしく堅牢ぽいから長く使えそうだが、あくまでこれは従来の針外しという建前だ。

 

ま、継続して使ってみようかな。

山陰も初積雪。嫌々ながらスタッドレスに交換した。

沿岸では河川、汽水域に比べて相対的に水温が高めのサーフからもスズキは早晩居なくなるだろう。悪天候の合間に出てみることに。前回コノシロらしき小規模の群れがサーフに居たのでどうなのか。
日が経ってるし水温も下がってるので状況が変わっている可能性もあるが。

もうちょっと波は欲しいが潮位はいい感じ。ところどころに入る岩礁帯に流れも出ている。少々遠投が必要なので、あまりやりたくはないが立ちこんで少し前でキャストする。


早々にバイト。そこそこいい引きをする。

この時期特有のコンディションの魚体だ。

1匹釣れたからといってもこの時期だ、多分コノシロが入っているんだろうが連発は余り期待できない。
1時間我慢して沖目でバイト。ラインテンションが緩くリトリーブが超スローなので、リールのハンドルを巻いてラインテンションを保ちながらロッドを前方に倒し、やや引き気味に確実なアワセを入れる。

 

ヘッドシェイクは重く、そのピッチも遅い。

「デカいな。90行ったか?」

ズリズリとドラグを効かせて岩礁の方向に走る。これはまずい。スプールを押さえてラインを止めたいのだが、#4のフックだと伸ばされそうだ。ラインを岩礁から離すように立ち位置を移動するのが精一杯だ。
少し抵抗が収まり、岩礁も躱せたので寄せに掛かる。ワイルドコンタクトはこういう魚になるとやはりいい仕事をする。

時間はかかったが、浜に揚げるといいサイズ。ただ予想に反して90はなさそうだ。

手尺でも90は切れる。
フックが顎下に掛かったから引いたんだな。

狙ったピンで出せたし、たった2度のバイトをモノにできたことに満足すべきだろう。
今年はあと何回こういう釣りができるんだろうか。また明日から雪だ。

釣果
スズキ2(78、88cm)


タックル
ロッド:10エクスセンス S1000MH/R ワイルドコンタクト1000
リール:20ツインパワー 4000MHG
ライン:デュエル/ハードコアX4 ミルキーグリーンPE1.2号
リーダー:デュエル/H.D.カーボン 船ハリス 6号/1.3m(FGノット)
スナップ:ウォーターランド/スーパースナップストロング#2(ユニノット)
ルアー:タイドミノー150サーフ/AHA0091フラッシングホワイト
レスポンダー149F/02Tハデイワシキャンディ

去年は諸般の事情があり晩秋-冬のサーフに出ることができなかったが、今年は少し時間ができそうなのでぼつぼつ出ている。

カタクチイワシの接岸による爆釣には遭遇していないが、それを除外すればスズキの釣果は例年と変わらない感じ。

 

ついでにヒラメが釣れるのも、まあ例年通り。

なんだけど、、、

スズキ釣りのついでに釣れるヒラメはとにかくサイズが大きいのが特徴だ。70アップが普通。60以下は殆ど釣れない。80アップももう何枚釣っただろうか。

先日のこいつ。いつもは手尺でさっさとリリースするのだが、もしやと思ってメジャーを当てると90cmを少し切る。88-89cmといったところか。15lbのボガグリップではジョーの開きが足らなくて顎をつかむのも難儀するし、スケールを振り切り重量計測も不能。なんだか年々サイズアップしてるんだけど、、冗談抜きでそのうちメーターを超えるんじゃなかろうか。

今はサーフのルアー釣りがジャンルとして固定されつつあり、ヒラメを真面目に狙ってる人も多い。こんなのは彼らにとってはメモリアルな魚になるのだろうが、私にとってはリリースしてスズキを狙うスタンスに変わりない。

 

夕マズメの好地合いでヒラメが先に食ってくるということはベイトは居るのだろうが、スズキは居ないのかも? と少し心配にもなるが、次はすぐヒット。スズキなら70cmほどかと思った引きにもかかわらずフックを伸ばされてバラシ。

 

次は2時間後、暗くなって状況が変わったか。

短時間で2尾追加。贅沢は言えないが、もうちょっと大きけりゃな。

 

釣果
スズキ2(60、70cm)


タックル
ロッド:10エクスセンス S1000MH/R ワイルドコンタクト1000
リール:20ツインパワー 4000MHG
ライン:デュエル/ハードコアX4 ミルキーグリーンPE1.2号
リーダー:デュエル/BIGフロロカーボン 5号/1.3m(FGノット)
スナップ:ウォーターランド/スーパースナップストロング#2(ユニノット)
ルアー:ウインドストーム135F/バーニングチャート

 

上記ヒラメは仕方ないにしても、これらのミノーに装着の#4にはST-46、STX-45ZN、RB-MHを使っているが、キャッチした60、70を含めどのフックでも伸ばされた。このサイズにフックを伸ばされる状況は困るんだけどな。

#2以上のダブルハンガーのルアーならこういうことは起きないのだが、これはちょっと問題だな。

スズキ釣りではサーフのナイトゲームを主体としている私が持っているスピニングリールは現在こんな感じ。

他にヒラマサジギング用に09ツインパワーSWがあるが汎用リールとしてはこれが全てだ。

左上から

20ツインパワー 3000MHG

19ストラディック 2500SHG(18ステラのスプールを付けている)

19ストラディック 4000

左下から

20ツインパワー 4000MHG

20ツインパワー 4000

 

ダイワのリール、例えばセルテートなどいいリールだと思うのだが、ダイワはマグシールドを止めてくれないし、ベール開閉の節度がちょっと足らないのと、何よりパーツが個別に入手できないことが問題でリールはずっとシマノだ。他にスプールの互換性も考慮すると現状ではダイワのスピニングリールを購入しにくい。

勿論ダイワのリールは単体ではいいものだと思うが、自身の状況ではスピニングリールはシマノになってしまう。

 

汎用スピニングリールを使う釣りとしては、大まかにサーフのスズキとオフショアのシロイカ(ケンサキイカ)のオモリグエギングだ。

サーフの釣りを始めたのは25年くらい前で、最初は仲間に勧められてバイオマスターを使っていたが、当時のナイロンラインではドラグ性能は適当で問題なかったし、ギアの強度も左程必要はなかった。次は「もっと安い物でも十分だ」とアルテグラばかり使っていた。その後PEラインを使うようになって飛距離と感度が上がり、ミノーのバーブレスフック導入でショートバイトの取りこぼしが激減、フックアップできる魚がほぼ2-3倍に増えた。

感度と引き換えにラインでの誤魔化しが効かなくなり、ドラグ性能が良くないと魚が簡単にバレてしまうし、ファイト時のラインテンション維持のためにゴリ巻き主体で亜鉛合金ギアがすぐダメになるようになった。亜鉛ギアの耐久性の乏しさは特に問題で、セルフメンテで何度ギアを交換しても最初の70アップでゴリゴリになったりと悩まされた。

その後、09レアニウムCI4、12エクスセンスCI4+(両者4000番)に切り替えたのは、クイックレスポンスシリーズ云々より冷間鍛造ドライブギア(現在のハガネギア)を搭載するリールで最も安いラインのものだったからだ。

 

レアニウムCI4、エクスセンスCI4+ともに80アップを幾ら釣ってもすぐギアがダメになることはなくなった。が、CI4のプラボディーでは特に80アップを掛けたあとでギアのアタリが変わるのか巻きの重さがわずかに変わることがあった。これは巻きの重さで流れを察知していた私の釣りにおいては好ましくなかった。

また4000番プラボディーのフットは強度確保のためにメタルボディーのリールより太くなっており、ロッドを握る右手の指のポジションが決まりにくいのも不満だった。

なんだかんだで数年両リールを使っていたのだが、初売りセールで実質的なバイオマスターの後継機といえる19ストラディック4000の巻きに衝撃を受けることになった。当初リールを新調する予定はなかったのだが、メタルハイブリッドボディーと各パーツの寸法精度、リールフットの細さにやられて購入してしまった。4000番に関してはプラボディーを使う気がなくなり、フリマで売却。その後20ツインパワー4000、4000MHGと追加したのは、ストラディックをリジッドサポートドラグ化するには本体スプール受けにベアリング入れるほかに、ベアリング内蔵のスプールが必要で、それに1万円以上支払うのならもう少し払ってツインパワーにしようと考えたからだ。

20ツインパワーが2機あるので本来19ストラディックは必要ないのだが、息子が釣りをするかもしれない、と言うのでとりあえず残してある。

ツインパワーのダイワのライバル機は19セルテートだが、リール単体で比較すればあらゆる面でセルテートの方が勝っているだろう。滑らかな巻き心地はそのままにザイオンローターがもたらす初動の軽さ、そしてアルミモノコックボディーで235gという本体重量。

20ツインパワー4000の255gは実はフルプラボディーで当時4000番としては最軽量クラスだった12エクスセンスCI4+4000と同じ重量だ。半プラと揶揄されながらもアルミハイブリッドボディー、アルミローターでこの重量を実現したのは驚異的なことだと思うのだが、セルテートはアルミモノコックでありながら更に軽い。実釣でいえば20ツインパワーの重量は10ft前後のロッドとのバランスもとれるごく自然なもので、軽いとも重いとも感じない絶妙なものだ。19ストラディック4000になると重量は280gで少々手元の持ち重り感がある。

 

オモリグについては中錘を使うオフショアのシロイカエギングがオモリグと言われる前、12年くらい前からやっており、エギングなんだからエギング用のリールでいいだろう、と09セフィアCI4、12セフィアCI4+を導入したが、これがそもそもの間違いだった。中錘が10号程度までなら特に問題はないのだが、最近のシロイカブームで鳥取の遊漁船は常に満船状態で、オマツリ回避の意味でも40号までは用意しなければならなくなっている。40号をしゃくるのは実質的に120g以上のジギングと同じことだから、プラボディーのC3000番では本来持たない。それでもセフィアはハガネギアでそこそこ耐久力はあるのだが、無理してるのは間違いのないことだ。船長がステラ4000を使っていたのはやはりそういうことからだったのだろう。

結局これも同じ番手のボディーだが、河川のスズキに兼用しようとハイブリッドボディーの19ストラディック2500SHGにした。今年はもう少し河川や汽水域の釣りをやるつもりなのでオモリグ兼用にもう1台2500、或いはC3000ボディーのリールを揃えようと思っていたのだが、最終的に選んだのが20ツインパワー3000MHG、いわゆる無印3000番だった。

 

以前より4000番ボディーにC3000番スプールを組み合わせた3000番のリールの存在意義がよくわからなかった。4000番のボディーを使うのなら4000番にすればいいし、軽いリールがいいなら2500番ボディーのC3000番を選べばいい。そう考えていけば、2500番ボディーで実質的に120gのジギングをするのは現実的ではないから4000番にすればいい、となるのだが、オモリグではPE0.6号を使う。0.6号を4000番スプールに巻くのは無駄が多いな、と考えたときに4000番ボディーの巻上パワーとC3000番のスプール備える無印3000番のリールはまさにぴったりだ。

スズキ釣りの場合、小場所で0.8号とかを使う釣りでは正直3000でもC3000でもどちらでもいいかと思うが、20ツインパワー3000MHGの重量は230gで19ストラディックC3000などの225gとほぼ同じ。そこそこ軽量だしやはり3000番は存在意義があるのだな、とやっと今になって理解できた。

 

結局ツインパワー3台体制になってしまったのだが、リール単体でみたとき、スズキのルアー釣りにおいてはストラディックほどの性能があれば現実的には十分すぎる。クイックレスポンスシリーズでなければ、とか、軽さは正義、みたいな風潮が最近多いが、クイックレスポンスシリーズでもCI4ボディーのリールはリールフットが太いのがダメだし、ヴァンキッシュ、エクスセンスといったマグネシウムボディーのリールはボディーに傷が入ると特に海の使用では傷口から激しく腐食する。余りにも取り扱いに気を遣う道具は使いにくい。ステラを含め単純にマグネシウムボディーのリールは高価すぎるというのもある。

ツインパワーXDはクイックレスポンスシリーズの中ではアルミボディーだから腐食の面ではマグネシウムよりましだが、これには深溝スプールしかないし、スズキ釣りには向いてないカーボンドラグワッシャーでリールハンドルが丸型のみしか用意されてない。現在のシマノのクイックレスポンスシリーズでは自分の好みのものがない。

私はリールの巻きは耐久性が確保できるなら軽くあるべきで、どちらかというとクイックレスポンスシリーズの方がリールとしての本来あるべき方向性だと考えているが、20ツインパワーはメタルローターでありながら巻きの初動もそんなに重いとは思わない。特に4000番のギアで2500番のローターを回す3000MHGの巻きは十分に軽いと思っている。

これはストラディックでも同様で、本来ならばこれが19ストラディック3000MHGでも問題はないのだが、以下の通りスズキ釣りには余計な出費が掛かる。

 

素材や各パーツの精度、組み付けレベルの違いを別とすれば、19ストラディックと20ツインパワーの違いは、大まかに、ボールベアリング数、リジッドサポートドラグの有無、ドラグワッシャーの違いだ。

 

ストラディックは6ボールベアリングでツインパワーの9ベアリングより3つ少ない。これはハンドルノブ軸の片方、スプール受け、スプール内蔵の軸受け部分のベアリング有無の違いで、ハンドルノブを別にすればリジッドサポートドラグを構成する部分の差だ。バーブレスフックを使うことがある私の釣りではフェルトワッシャーのリジッドサポートドラグが寄与する部分がかなりあり、上述したとおりストラディックをリジッドサポートドラグにしようとすれば、スプール受けのベアリング、ツインパワー以上か夢屋のスプールが必要になる。ストラディックは3000番以上はカーボンドラグワッシャーで、これは厚さ的にフェルトワッシャーに交換することはできない。スプールを別に揃えれば総額で3万円を超えるので、それならいっそのことツインパワーで、となってしまう。

とはいえ、スズキ釣りや根魚でバーブ付きのフックしか使わないとか、イカ釣りにしか使わないなら、シビアなドラグ性能は要らないのでストラディックで本当に十分だ。リールの基本的性能や耐久性ではストラディック以上のものは必要ないとは思うのだが、どうやら3000番以上は最近流行しているライトショアジギングに振っている感じでスズキ釣りは少々マッチしないところが残念だ。

 

ショアのシーバスフィッシングは釣りのジャンルの中でもかなりの人口比率を占めると思うのだが、本当はクイックレスポンスシリーズが欲しい私には実質選べるものがない。シマノにはこれだけのリールがありながら希望のものが見つけられない。なんとも不便だよな。

先日リバレイの釣り用防寒レインジャケットを買い替えた記事で、「ワークマンでも同じようなものがないのだろうか?」と書いた。で、ワークマンに行ってみたら、やはり「これ釣り用じゃね?」てなものを見つけた。

イージス防寒レインジャケットPERFECT(パーフェクト)税込3,900円、一応透湿素材が使われている。

リバレイのRBBジャケットと比べると、

RBBジャケットの方が丈が短くウェーディングには適しているが、オカッパリだと尻までカバーしてくれるワークマンのジャケットの方がいい。外で着用してみたがワークマンの方が綿が多いようで防寒性能は高い。あとは透湿素材の耐久性だが、RBBのジャケットもアクアマックスという比較的低グレードの透湿素材ということもあり多少マシだろうが、まあ、価格が3倍も違うからトータルではワークマンの選択の方がいいと思う。

 

ただ、この防寒ジャケットはサイズに注意が必要だ。

これはワークマンのイージス透湿レインジャケットで、私の体形だと上着として着用してLがぴったり。だがワークマンの防寒ジャケットのLでは明らかにサイズが小さめだ。1サイズ大き目のLLでぴったり。

 

ワークマンの通常レインも防寒レインも価格を考えると釣り用のアパレルなど必要ないと思わせるものだが、試着はしといたほうがいいね。

実は生地の破れを修理しながら10年使ったダイワのゲームベスト(ライフジャケット)も年末に買い替えた。

別にリバレイ贔屓ではないのだが、有名どころでコスパ優先で選ぶとソルトのアパレル系はリバレイのRBBシリーズになりがちだ。

防寒ジャケット、ウェーダー(ナイロン、透湿素材の2つ持ち)、ゴアのオフショアサロペットパンツ、など段々RBBが増えてきた。

リバレイRBB ナチュラム限定カラー ゲームベスト フリー ブラック 882401

スタンダードモデルともいえるが、まあ最安モデル。

ポーチは別売りでこれもリバレイにした。RBB ターポリンポーチ 7549

専用のドリンクホルダーが左右に付けられる。これには、

サーモスの350mlがぴったり。コーヒーを温めて入れておくと特に冬の釣りには有り難い。

 

リバレイなので使い勝手には問題なかろうと思っていたのだが、股紐を前側で留めるバックルのメス側が前身ごろの奥まったところに付けられていて装着に手間取る。ダイワのベストはバックルのメスが10cmくらいぶら下がっていたので簡単に留められたのだが.... かといって股紐が前提のゲームベストの股紐を使わない選択肢は考えられないし、これはちょっと誤算だったな。

まあ、気になるのはこれくらい。春にはまたこのベストで釣りに出かけよう。

前記事で、22ステラは同じスーパースローオシレーションを採用していたミレニアムステラ、01ステラと同様のウォームシャフト溝が密になることによりウォームシャフトピンとの摩耗が進むとピンがシャフトの溝の交差角に当たり「カチカチ」となる可能性があることを指摘した。

が、最新のシマノのGフリーボディーを見るとその可能性はないのかもしれない、と改めて気が付いた。

現在のGフリーボディーでは、上図フォームシャフト105はマスターギア軸を跨いでピニオンギア63の上部、リールフット側に配置されている。フォームシャフトは、ピニオンギア-中間ギアL110-中間ギアS108-ウォームシャフトギア70を介して回転する。

Gフリーボディー以前のシマノのスピニングリールではウォームシャフトはピニオンギアの下側すぐ隣に配置されていたため、ピニオンギアはウォームギアを直接駆動していた。

以前の構造では介在するピニオンギアとウォームギアが至近距離で直接接触するために、ギアのサイズの変更に自由度が少なく、ウォームシャフト駆動方式でスローオシレーションを実現しようとすれば、ミレニアムステラなどで採用されたようにウォームシャフトの溝の密度を高くする必要があり、それが経時的な「カチカチ」音の原因になりやすかった。

 

が、現在のGフリーボディーでは介在するギアが2つ増えていて、ウォームシャフトをより減速して回転させることが容易になっている。ウォームシャフトの溝数を増やさなくても単にウォームシャフトの回転速度を遅くすることが可能なのかもしれない、と思っていたのだが....

シマノの22ステラのプロモーションを見ると気付いてしまった。

中間ギアの軸が更に1つ追加されてピニオンギヤからウォームギアに至るまでにギアが2つ更に追加されている。これはウォームシャフトを現行機種よりどれだけ減速させようとしているかに他ならない。ここまでやるとなるとシマノの執念を感じざるを得ない。

 

残る懸案事項はラインの食い込みだろう。これがどう解決されたのか、そもそも本当に解決されたのか。

 

インフィニティ―ループなる所謂スーパースローオシレーションに実釣でネガティブな要素がなく、飛距離アップ、ドラグ動作時の安定したライン放出、スプール上死点、下死点でのコツコツノイズの軽減など実質的なメリットしかないなら、これはダイワにとってかなりの脅威になり得るだろう。

シマノのスプールオシレーションは一部の下位機種のみS字カム方式なのに対し、ダイワは全機種S字カム方式だ。このS字カム方式はドライブギア軸がオシレーティングギアを直接駆動することでS字カムに繋がるスプールシャフトを上下させる構造だ。介在するギアがGフリーボディーを採用したシマノより少なく単純な構造のためオシレーションの減速が難しく、スプールストローク量にも限界がある。

 

最新のルアー釣りでは飛距離はかなりウエイトの高い要素だ。

ダイワのLC-ABSスプールは逆テーパーの糸巻き形状が標準で、シマノのARCスプールよりライン放出抵抗が大きく、スプールストロークも短いため、現状でも飛距離はシマノがやや優位というのは定説になっている。22ステラを始め今後のシマノのスピニングリールにおいて、トラブルレスでスーパースローオシレーションが一般化し、飛距離の差が更に開けばダイワのスピニングリールは革新的だったモノコックボディーでも補えないほど危機的な状況になる可能性がある。

 

今後のシマノの下位機種の選択を考えると、22ステラのインフィニティ―ループの功罪に注目したい。まあ、手持ちのリールを数年は使うだろうから余計な心配なのかもしれないけど。

1/21 噂されていた22ステラが発表された。村田基氏経営の潮来釣具センターでは3月発売にも関わらず既に約700件の予約が入っているとのことだ。

ステラはリールで世界シェアNo.1の巨人シマノのスピニングリールの最高峰だ。「ステラ以外はリールじゃない。」、「俺はステラを愛している。」などと公言する人が居るほど単なる道具を超えた芸術品だと言わんばかりの高級品だ。

 

私自身はシマノや釣具業界でのステラの位置付けは理解しているが、ほとんど興味がない。幾ら私が貧乏暮らしだといっても、50歳も過ぎれば10万円以上の買い物は避けられないし、そういう意味では単純にステラを買うことはできる。

だが、私はステラ相当の汎用リールの番手以外の釣りもするし、ベイトリールを使う釣りもする。単純にステラより軽いリールを使いたい釣りもある。色々な釣りをするわりには釣行頻度はさほど多くない。汎用リールに10万近い金を出すのは自身の「足るを知る」領域を逸脱しているし、それならツインパワー以下のリールを2台買うほうが合理的だと考えるからだ。

ステラを買うのは、「ゴチになります」と同じような超高級レストランで一皿1万円の料理を食うのと同じことだ。私はそれができない人間だ。

 

釣具最大手の絶対的な存在であるシマノだが、スピニングリールに関しては時々やらかすことがある。

私が海のルアー釣りを本格的に始めた30年ほど前からいうと、

 

糸を巻いたまま放置すると腐食(電蝕)して穴が空くスプール

(最上位機種のステラでも発生した。ダイワのリールでは殆ど起きなかった。)

キャスト時に引っかかってPEラインが切れるベールワイヤー

(ツインパワーで発生していた。)

曲がりくねった形状でラインがローラーに導かれないベールワイヤー

(09ツインパワーSW、08ステラSWの5000、6000)

ライントラブルが頻発したスーパースローオシレーション

(ミレニアム、01、04ステラ、他)

 

腐食しやすいスプール以外は次モデル以降で明確に機構が変更され現在に至っているし、スプールも全く腐食しない訳ではないがよほどひどい扱いをしない限り腐食することはなくなった。今のシマノのスピニングリールは完成度が極めて高く、全くと言っていいほどネガティブな要素はなくなった。ダイワのモノコックボディーに匹敵していない、ユーザーに分解させないように意図的とも思わるような複雑は構造になっている、というのはまた別の話ではあるが....

 

ではなぜ興味もないステラを取り上げるのか?

 

かつてシマノがやらかした機構が復活したからだ。

スーパースローオシレーションがインフィニティ―ループという名称で復活した。ラインの密巻きによりキャスト抵抗が減り飛距離が伸びるというものだ。かつてステラのみに搭載されていたロングストロークスプールは現在下位機種にも順次投入され、その飛距離のメリットはステラだけのものではなくなった。こういった状況から、スーパースローオシレーションで更に下位機種に対するアドバンテージを示したいのだろう。

だが、密巻きされたラインはテンションが緩く巻き取られると上から巻かれたラインに引っ掛けられやすく、それが原因でバックラッシュが頻発する。実際それが原因だと思われるが、モデルチェンジするごとにオシレーションスピードは引き上げられて18ステラに至っている。

 

22ステラではその対策として、

なる弾力のあるフィンをラインローラー下に配置して弛んだ状態でラインをスプールに巻き込まれないようにしているらしい。

 

シマノのインストラクターやテスターがライントラブルの可能性に触れることがないのは当然で、キャストフィールや飛距離のアドバンテージのみがやたらと取り上げられている。だが、私はこのアンチツイストフィンなるものに非常に懐疑的だ。

 

今サーフで使っているスピニングリールは19ストラディック、20ツインパワー、その前は12エクスセンスCi4+を使っていた。何れも4000番だ。ラインはPE1号前後。

スピニングに限らず何十年もリールを使っていれば、ラインテンションが如何に大切かは知っている。スピニングリールでのラインの弛みはバックラッシュの原因になることを長年の経験で痛い程分かっているからだ。ルアーを流す釣りでもラインを弛ませた状態では巻き取りはしない。自分の釣りではこのフィンがあろうがなかろうが関係がない。

 

そんな状態でリールを使っていて、スズキを掛けたとする。ドラグを効かせて走るほどのスズキを上げた後は、従来のオシレーション速度の4000番のリールでもラインは下糸に食い込むことが多い。ランディング直後でフルキャストはバックラッシュが起きやすい。バックラッシュが起きなくても食い込んだラインが放出される独特の抵抗感がある。

直後は忘れないように軽くキャストすることが必須だ。

 

ノーマルオシレーションでもこんな状態なのに、PE1号以下の比較的細いラインで密巻きをすれば、アンチツイストフィンがあろうがなかろうがバックラッシュの確率は増えることはあれ減ることは絶対にないはずだし、それが魚とのファイト直後なら尚更だ。

 

あと心配なのはウォームシャフトの耐久性だ。

シマノのスプールオシレーション機構はウォームシャフトに刻んである溝をウォームシャフトピンがなぞることでスプールシャフトを上下させる。

この写真はノーマルオシレーションのモデルだが、スーパースローオシレーションのステラではこの溝がより密になる。Xの個数が増え、公差するXの溝はより近くなる。

01ステラあたりのスーパースローオシレーションモデルではオシレーション機構の摩耗が進むとウォームシャフトピンがXの分岐のところでまっすぐ溝をなぞらず、ちょうど溝の角になったところに当たりやすくなる。結果ハンドルの回転に合わせてカチカチと音がする現象が起きることがあった。

溝が作る角度がノーマルモデルよりより小さくなるために、同様の摩耗をしてもよりピンが角に当たりやすくなる。これは物理的に明確だ。

 

村田基氏は「スーパースローオシレーションモデルでバックラッシュするのはキャストが下手だからだ。」と言う。多分私が22ステラを使えば手持ちの20ツインパワーよりバックラッシュは多くなるだろう。実際私はキャストが下手なのだろうし、そもそも買うつもりも興味もないステラにクドクド言うなどお門違いもいいところだ。

 

だが、問題はステラに取り入れられた新機構の大半は順次下位機種に採用されることだ。

ステラを使うのはいつも完璧なキャストをするエキスパートなアングラーばかりなのだろうから、私みたいな下手くそが使う下位機種にはインフィニティループなる機構を採用しないことを切に願うばかりだ。

19ストラディック4000のドライブギアのシム調整をする。

 

シマノのスピニングリールのシム調整は本当に面倒くさくてローターを外してボディーを開ける必要がある。色々な厚さのシムをとっかえひっかえ足したり外したり、交換したりで都度ハンドルを回してギアのアタリを見るのだが、そのたびにローター、ハンドルの付け外し、ボディーの開閉を伴う。

ダイワはモノコックボディー以前のリールだと、ハンドル軸のプレートを外すだけでドライブギア左側にアクセスできるので圧倒的に簡単だが、これもモノコックボディーになってからプレートが直接ボディーへねじ込まれる構造になったため一般的に入手できる工具では作業できなくなった。そもそもダイワはパーツ売りをしてくれないので何かあれば問答無用でメーカーオーバーホールだ。

 

現状で我慢できないほどではないのだが、もうちょっとよくしたいし、調整でハンドル上下のカタカタは良くなることは物理的に明らかだから、腹をきめてやることに。

 

用意する工具類。

基本はネジの頭に合ったドライバー、レンチを使う、という当たり前のことを守ることが大切だ。プラス、マイナスのドライバーは多少サイズが合わなくても回せるが、特にリールの分解時は合わないものは絶対に使わない。

12エクスセンスの頃と違ってトルクスレンチが必要だ。

 

あと、

スプール受けを外すのに0.89-0.9mmのヘックスレンチも必要。これは普通のヘックスレンチセットに含まれることはまずない。これも個別に用意しなければならない。

ローターを外すと、

Xプロテクトを構成するローターカラー、ローラークラッチ組の取り扱いが非常に厄介だ。この両者とフリクションリングに特殊撥水グリスが塗布されていて、触ると撥水性が損なわれる。本来触れないのだが、ローラークラッチ組の中の極小バネ、ローラーなどがバラバラになりやすく、ここらを触らずには済まない。

そもそもこの特殊撥水グリスは防水のためにボディーの合わせ面にも塗布されているので、ボディーを開けたらこれも本来塗り直しをしなくてはならない。

 

ドライブギア調整シムはボディーとベアリングの間に入っていてそれで調整するのだが、ベアリングがボディーにネジ留めされているので、これも調整のたびに取り外さねばならない。

ギア関係は見た感じ摩耗はなかったので交換は見送った。そのほうがバラす部品は少なくて済むし。

 

これまでなら30分くらい済んでいた作業だが、特にローラークラッチのバラバラに何度も遭遇し結局2時間くらい掛かってしまった。

 

今回の作業で効率的なやり方はわかった。次やるとするならもっと早くできるだろうが、本来の防水性能を保つには特殊撥水グリスを用意したほうがいい。

というか、ダイワと違ってパーツ販売をしてくれるシマノだが、最新スピニングリールの構造やトルクスネジ、特殊撥水グリスの使用をみると「素人はリールメンテせずにシマノにオーバーホール依頼しろ」という無言のメッセージを感じざるを得ない。特にXプロテクト部分を構成するローターカラー、ローラークラッチは触れないし、ローラークラッチ底部がネジ留めされてない構造で注意してないとすぐバラバラになる。

ドライブギアのシム調整も、シムサイズ自体が変わったし、ベアリング固定ネジの付け外しなど余計な手間が増えた。

ローラークラッチの構造にしてもシムの調整位置にしてもわざわざ扱いにくくする必要はないはずだが、これはシマノが意図してやっているのでないかと疑っている。

 

ネットを見るとリールいじりが好きな人は一定数居るようだが、もともと私は不必要にリールの分解をしたい方ではないので、きちんと工賃を支払ってプロにお任せしたほうがよいのかもしれないな。