スズキ釣りではサーフのナイトゲームを主体としている私が持っているスピニングリールは現在こんな感じ。
他にヒラマサジギング用に09ツインパワーSWがあるが汎用リールとしてはこれが全てだ。
左上から
20ツインパワー 3000MHG
19ストラディック 2500SHG(18ステラのスプールを付けている)
19ストラディック 4000
左下から
20ツインパワー 4000MHG
20ツインパワー 4000
ダイワのリール、例えばセルテートなどいいリールだと思うのだが、ダイワはマグシールドを止めてくれないし、ベール開閉の節度がちょっと足らないのと、何よりパーツが個別に入手できないことが問題でリールはずっとシマノだ。他にスプールの互換性も考慮すると現状ではダイワのスピニングリールを購入しにくい。
勿論ダイワのリールは単体ではいいものだと思うが、自身の状況ではスピニングリールはシマノになってしまう。
汎用スピニングリールを使う釣りとしては、大まかにサーフのスズキとオフショアのシロイカ(ケンサキイカ)のオモリグエギングだ。
サーフの釣りを始めたのは25年くらい前で、最初は仲間に勧められてバイオマスターを使っていたが、当時のナイロンラインではドラグ性能は適当で問題なかったし、ギアの強度も左程必要はなかった。次は「もっと安い物でも十分だ」とアルテグラばかり使っていた。その後PEラインを使うようになって飛距離と感度が上がり、ミノーのバーブレスフック導入でショートバイトの取りこぼしが激減、フックアップできる魚がほぼ2-3倍に増えた。
感度と引き換えにラインでの誤魔化しが効かなくなり、ドラグ性能が良くないと魚が簡単にバレてしまうし、ファイト時のラインテンション維持のためにゴリ巻き主体で亜鉛合金ギアがすぐダメになるようになった。亜鉛ギアの耐久性の乏しさは特に問題で、セルフメンテで何度ギアを交換しても最初の70アップでゴリゴリになったりと悩まされた。
その後、09レアニウムCI4、12エクスセンスCI4+(両者4000番)に切り替えたのは、クイックレスポンスシリーズ云々より冷間鍛造ドライブギア(現在のハガネギア)を搭載するリールで最も安いラインのものだったからだ。
レアニウムCI4、エクスセンスCI4+ともに80アップを幾ら釣ってもすぐギアがダメになることはなくなった。が、CI4のプラボディーでは特に80アップを掛けたあとでギアのアタリが変わるのか巻きの重さがわずかに変わることがあった。これは巻きの重さで流れを察知していた私の釣りにおいては好ましくなかった。
また4000番プラボディーのフットは強度確保のためにメタルボディーのリールより太くなっており、ロッドを握る右手の指のポジションが決まりにくいのも不満だった。
なんだかんだで数年両リールを使っていたのだが、初売りセールで実質的なバイオマスターの後継機といえる19ストラディック4000の巻きに衝撃を受けることになった。当初リールを新調する予定はなかったのだが、メタルハイブリッドボディーと各パーツの寸法精度、リールフットの細さにやられて購入してしまった。4000番に関してはプラボディーを使う気がなくなり、フリマで売却。その後20ツインパワー4000、4000MHGと追加したのは、ストラディックをリジッドサポートドラグ化するには本体スプール受けにベアリング入れるほかに、ベアリング内蔵のスプールが必要で、それに1万円以上支払うのならもう少し払ってツインパワーにしようと考えたからだ。
20ツインパワーが2機あるので本来19ストラディックは必要ないのだが、息子が釣りをするかもしれない、と言うのでとりあえず残してある。
ツインパワーのダイワのライバル機は19セルテートだが、リール単体で比較すればあらゆる面でセルテートの方が勝っているだろう。滑らかな巻き心地はそのままにザイオンローターがもたらす初動の軽さ、そしてアルミモノコックボディーで235gという本体重量。
20ツインパワー4000の255gは実はフルプラボディーで当時4000番としては最軽量クラスだった12エクスセンスCI4+4000と同じ重量だ。半プラと揶揄されながらもアルミハイブリッドボディー、アルミローターでこの重量を実現したのは驚異的なことだと思うのだが、セルテートはアルミモノコックでありながら更に軽い。実釣でいえば20ツインパワーの重量は10ft前後のロッドとのバランスもとれるごく自然なもので、軽いとも重いとも感じない絶妙なものだ。19ストラディック4000になると重量は280gで少々手元の持ち重り感がある。
オモリグについては中錘を使うオフショアのシロイカエギングがオモリグと言われる前、12年くらい前からやっており、エギングなんだからエギング用のリールでいいだろう、と09セフィアCI4、12セフィアCI4+を導入したが、これがそもそもの間違いだった。中錘が10号程度までなら特に問題はないのだが、最近のシロイカブームで鳥取の遊漁船は常に満船状態で、オマツリ回避の意味でも40号までは用意しなければならなくなっている。40号をしゃくるのは実質的に120g以上のジギングと同じことだから、プラボディーのC3000番では本来持たない。それでもセフィアはハガネギアでそこそこ耐久力はあるのだが、無理してるのは間違いのないことだ。船長がステラ4000を使っていたのはやはりそういうことからだったのだろう。
結局これも同じ番手のボディーだが、河川のスズキに兼用しようとハイブリッドボディーの19ストラディック2500SHGにした。今年はもう少し河川や汽水域の釣りをやるつもりなのでオモリグ兼用にもう1台2500、或いはC3000ボディーのリールを揃えようと思っていたのだが、最終的に選んだのが20ツインパワー3000MHG、いわゆる無印3000番だった。
以前より4000番ボディーにC3000番スプールを組み合わせた3000番のリールの存在意義がよくわからなかった。4000番のボディーを使うのなら4000番にすればいいし、軽いリールがいいなら2500番ボディーのC3000番を選べばいい。そう考えていけば、2500番ボディーで実質的に120gのジギングをするのは現実的ではないから4000番にすればいい、となるのだが、オモリグではPE0.6号を使う。0.6号を4000番スプールに巻くのは無駄が多いな、と考えたときに4000番ボディーの巻上パワーとC3000番のスプール備える無印3000番のリールはまさにぴったりだ。
スズキ釣りの場合、小場所で0.8号とかを使う釣りでは正直3000でもC3000でもどちらでもいいかと思うが、20ツインパワー3000MHGの重量は230gで19ストラディックC3000などの225gとほぼ同じ。そこそこ軽量だしやはり3000番は存在意義があるのだな、とやっと今になって理解できた。
結局ツインパワー3台体制になってしまったのだが、リール単体でみたとき、スズキのルアー釣りにおいてはストラディックほどの性能があれば現実的には十分すぎる。クイックレスポンスシリーズでなければ、とか、軽さは正義、みたいな風潮が最近多いが、クイックレスポンスシリーズでもCI4ボディーのリールはリールフットが太いのがダメだし、ヴァンキッシュ、エクスセンスといったマグネシウムボディーのリールはボディーに傷が入ると特に海の使用では傷口から激しく腐食する。余りにも取り扱いに気を遣う道具は使いにくい。ステラを含め単純にマグネシウムボディーのリールは高価すぎるというのもある。
ツインパワーXDはクイックレスポンスシリーズの中ではアルミボディーだから腐食の面ではマグネシウムよりましだが、これには深溝スプールしかないし、スズキ釣りには向いてないカーボンドラグワッシャーでリールハンドルが丸型のみしか用意されてない。現在のシマノのクイックレスポンスシリーズでは自分の好みのものがない。
私はリールの巻きは耐久性が確保できるなら軽くあるべきで、どちらかというとクイックレスポンスシリーズの方がリールとしての本来あるべき方向性だと考えているが、20ツインパワーはメタルローターでありながら巻きの初動もそんなに重いとは思わない。特に4000番のギアで2500番のローターを回す3000MHGの巻きは十分に軽いと思っている。
これはストラディックでも同様で、本来ならばこれが19ストラディック3000MHGでも問題はないのだが、以下の通りスズキ釣りには余計な出費が掛かる。
素材や各パーツの精度、組み付けレベルの違いを別とすれば、19ストラディックと20ツインパワーの違いは、大まかに、ボールベアリング数、リジッドサポートドラグの有無、ドラグワッシャーの違いだ。
ストラディックは6ボールベアリングでツインパワーの9ベアリングより3つ少ない。これはハンドルノブ軸の片方、スプール受け、スプール内蔵の軸受け部分のベアリング有無の違いで、ハンドルノブを別にすればリジッドサポートドラグを構成する部分の差だ。バーブレスフックを使うことがある私の釣りではフェルトワッシャーのリジッドサポートドラグが寄与する部分がかなりあり、上述したとおりストラディックをリジッドサポートドラグにしようとすれば、スプール受けのベアリング、ツインパワー以上か夢屋のスプールが必要になる。ストラディックは3000番以上はカーボンドラグワッシャーで、これは厚さ的にフェルトワッシャーに交換することはできない。スプールを別に揃えれば総額で3万円を超えるので、それならいっそのことツインパワーで、となってしまう。
とはいえ、スズキ釣りや根魚でバーブ付きのフックしか使わないとか、イカ釣りにしか使わないなら、シビアなドラグ性能は要らないのでストラディックで本当に十分だ。リールの基本的性能や耐久性ではストラディック以上のものは必要ないとは思うのだが、どうやら3000番以上は最近流行しているライトショアジギングに振っている感じでスズキ釣りは少々マッチしないところが残念だ。
ショアのシーバスフィッシングは釣りのジャンルの中でもかなりの人口比率を占めると思うのだが、本当はクイックレスポンスシリーズが欲しい私には実質選べるものがない。シマノにはこれだけのリールがありながら希望のものが見つけられない。なんとも不便だよな。