【登山用OD缶】成分/残量計測/1泊あたり必要ガス量 まとめ | Photo Life in Toyama

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【登山用OD缶】成分/残量計測/1泊あたり必要ガス量 まとめ

 

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先般より登山用ストーブ(コンロ)について PRIMUSや、SOTO、そして snow peakの話題を書き込んできましたが、登山用ストーブの耐寒性で重要なのはストーブが使用するガス缶(登山用OD缶)のガス成分です。

そこで、登山用ストーブ向け【各社OD缶のガス成分】についてまとめを作成しました。

 

また、1回の山行でどのくらいガス缶を持参すればよいか分からないなぁとか、途中まで使ったガス缶が3つあるんだけど今度の山行にはどれを持っていこうかなぁ、などと思案されている方もいらっしゃると思います。

そこで、今回は【OD缶の残量計測】【登山1泊に必要なガス量】についてもまとめてご紹介します。

 

以下のINDEXから、必要部分をご参照ください。

 

上差し 本記事のINDEX

 

1.各社OD缶のガス成分

2.使用途中のOD缶のガス残量を確認するには

3.山では1泊あたり何グラムのガスが必要か?

4.ガス缶1つで何泊できるか?

5.今度の山行に必要なガス量を計算する(残ガスを考慮して)

 

 

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OD缶とはこうした形状のガス缶のことです

110、250、500の3サイズがあります

 

  1.各社OD缶のガス成分

 

 

各社の登山用OD缶に使用されているガスの種類は、3種類(ブタン、イソブタン、プロパン)となります。

 

そして、下の気化温度を見ていただけば分かる通り、ノルマルブタンはマイナス0.5°Cで気化しなくなるため、ノルマルブタンを使用したOD缶はマイナス0.5°C以下で火力が弱まります。

 

春秋の野山では0°C以下になることも多いですし、冬は簡単にマイナス10°C以下、場合によってはマイナス20°C以下になるため、冬ストーブに使用するガス缶はイソブタンとプロパンを使用したものを使うべきだということが分かります。

 


こうしたことから、一般論として極寒の冬にストーブを使用する際は、一番気化温度が低いプロパンの比率が高いものを選ぶということになりますが、プロパンは蒸気圧が非常に高いためOD缶では安全性を確保するため、EPIエクスペディションのプロパン比率40%程度がプロパン比率の限界ではないかと考えられます。

 

以下に各社の代表的なオールシーズン用OD缶のガス成分と重量をまとめました。

 

※登山ではノルマルブタン中心の夏専用ガス缶(ノーマル缶)はあまり使わないので表から除いていますが、ノーマル缶はすべて適応温度10°C以上と考えておけばOKです。

 

※下表中「snow peak プロイソ」の成分は「イソブタン65%・プロパン35%」だったと記憶していますが、明確に確認できなかったため「比率不明」としました。また、適応温度も以前謳っていたマイナス10°Cを流用しています。

 

 

この表から、極寒用ガス缶は夏に使用できないので別として、年間使用できて寒さにも強いOD缶を選ぶなら、MSR イソプロ、snow peak プロイソのどちらかを使うのが順当ということになります。

 

  2.使用途中のOD缶のガス残量を確認するには

 

登山やキャンプへガスストーブを持参し食事を作ったりすると楽しいですよね。

 

 

しかし、一度使用したOD缶の中身(ガス)がどの程度残っているか分かりにくく、また、そもそもどのくらいの量のガスを山へ持参したら良いか基準が曖昧です。

こうして、次に登山やキャンプへ出かける時に、ガス缶をいくつ持って行こうかと頭を悩ませることになります。

 

そこでこの項では、使用途中のOD缶のガス残量を正確に把握する方法をご紹介します。

そして次項以降では、OD缶のガス残量と1泊あたりに必要なガス量を比較して、次の登山に持参するガス量(ガス缶の数)を計算する方法をご紹介します。

 

では、まず使用途中のOD缶のガス残量を把握する方法です。

 

手順は

 

・使用途中のOD缶の重量を計る

 

・下記の「各社OD缶 缶とガス 重量表」を参考に、現在OD缶の中に何グラムのガスが残っているか計算する

 

つまり、新品のOD缶の重量と現在使用途中のOD缶の重量の差が「既に使用したガス量」なので、新品時のガス量から引き算をして「缶に残っているガス量」を求めるだけです。

 

1.で使用した表の重量部分だけを抜き出した表が以下です。

 

各社OD缶 缶とガス 重量表(すべて缶のキャップを除く)

 

ここでは snow peak プロイソ250(上表のグリーン部分)を例にご説明します。(下の商品です)

 

 

皆さんのご自宅に使用途中の「snow peak プロイソ250」があったと仮定します。

 

(1) そして、使用途中の缶の重さを計ったところ 320g でした

 

(2) 新品の同じ缶は 370gなので、すでに50gガスを使った状態だと分かります(新品370gー現在320g=50g使用済み)

 

(3) そしてこの缶の中には、いま 170gのガスが残っていることになります(新品ガス量220gー使用済み50g=残170g)

 

このように各OD缶ごとに新品の全体重量とガス量が分かっていれば、ガスの残量は簡単に分かります。

 

  3.山では1泊あたり何グラムのガスが必要か

 

次に、山では1泊あたり何グラムのガスが必要か考えてみます。

 

他の人のやり方を真似て、代表的な食べ物・飲み物の調理で消費するガス量を参考に列挙します。(端数は丸めています)

 

・炊飯(1合〜1.5合)  20〜25g

・鍋(水500g)     20g

・麺茹で(水500g)   15g

・カップ麺(水320g)  10g

・スープ等(水180g)     5g

 

1泊あたりのガス必要量は、これらの結果を勘案して概算で決めますが、ガスの使用量はメニューの組み立て(昼を麺にするかパンにするかなど)や季節等により大きく増減するため、「1泊あたり必要なガス量」は個人個人で基準を決めることになります。

 

そこで、私の場合の基準数字をご紹介します。

参考にしていただき、以下の表を作っておくと今後とても便利になります。

 

◼️1泊あたり必要ガス量(2人山行欄は2人分の数字)

 

私の場合、2人での山行が一番多く、次が単独なのでこのようにまとめてみました。

また、これが適当であるかどうかはこれから検証して調整するつもりです。

 

皆さんが行なう場合も最後は感覚で決めるしかありませんが、このように自分の必要量をまとめておき、これから悩まないで済むようにしましょう。

 

  4.ガス缶1つで何泊できるか?

 

今度は、新品のOD 110缶や250缶ひとつで大体何泊できるかを考えてみます。

 

もちろんストーブの性能や、気温、風の有無、メニューなどによって大きく変わりますが、先ほど決めた「1泊あたり必要ガス量」を使用して、大雑把ですが新品のガス缶で何泊できるかの目安表を作りました。ご参考にしてください。
 

 

上の表を要約すると以下のようになります。

(※かなり軽量化しガス使用量が少ないメニューを基準としています)

 

・夏で単独の場合、110 OD缶ひとつで概ね2泊可能

・夏で単独の場合、250 OD缶ひとつで概ね4泊可能

・夏の2人山行の場合、250 OD缶ひつとで概ね3泊可能

 

ただし、上の表は各自それぞれが決める「1泊あたり必要ガス量」によって大きく変わってきますので、ぜひ皆さんも「1泊あたり必要ガス量」を決めたあと「2.」「3.」の表を参考にしていただき、「自分が使っているOD缶」について「新品ガス量÷1泊あたり必要ガス量」を計算してみてください。

 

この目安を頭に入れておくと、とても便利ですよ。

 

  5.今度の山行に必要なガス量を計算する(残ガスを考慮して)

 

ここまで来れば、次回の山行に必要なガス量(缶数)が計算できます。

 

今度の山行、残っているガスにプラスしてどのくらいガスを持っていけば良いのかなぁ・・こんな状況はよくありますが、これからは簡単に計算できるという訳です。

※人により使用するガス缶が異なるので、各自簡単なExcel表を作っておくと便利です。

 

想定として「2人山行で夏の場合」そして「snow peak プロイソ250」の場合を考えてみます。

 

「2.」でご紹介した「各社OD缶 缶とガス 重量表」を再度使用してやってみます。

 

各社OD缶 缶とガス 重量表(すべて缶のキャップを除く)(再)

 

(1) いま、使用途中の snow peak プロイソ250の中に170gのガスが残っています

(2) 今回は2人の山行&キャンプで5泊する予定だけど、あとどのくらいガスを持っていけばいいのかなぁ

(3) 期間中に必要な合計ガス量は 5泊X(夏の1泊2人必要量)75g=375g となります

(4) そのうち使用途中の250缶に170g残っているので、あとプラス205gのガスが必要です(合計必要量375gー残170g=205g)

(5) snow peak プロイソ250の新品はガスが220g入っているので、使用途中の250缶(中身170g)+新品の250缶(中身220g)=合計390gを持参すれば、概ね足りることになります

 

このように計算し予備分を考慮すれば、持参するガスの量を決めることができます。

また、手持ちの250缶に残っているガスにプラスして必要なガスの量が少ない場合、プラスする缶は小型の110缶にしよう。

とか、途中まで使用した複数のガス缶がある場合にどういう組み合わせで持っていくか。といったことが、この方法で簡単に解決できます。

 

以下に、私が作成しているExcel表をご紹介します。

各自このような簡単な表を作って検討されてはいかがでしょうか。

 

 

上の表を要約すると・・

 

(1) 次回の山行は夏、そして2人で3泊を予定しています。

(2) すると(表の一番上から)合計225gのガスが必要です。

(3) 現在使用途中のガス缶は「SOTO ガス缶 110 No.1」で、残ガスが95gあります。

(4) この110 No.1に加えてもう一つ110缶を持参しても合計200gにしかならないので・・

(5) 今回は、新品の「SOTO ガス缶 250 No.1」(ガス量230g)を持参することにします。

 

このように、「持参する」欄に「1」を入れれば計算式で合計ガス量が表示されるため、どのようにガス缶を持参したら良いか判断することができます。

ぜひ、Excel等で作成することをおすすめいたします。

 

カメラ

 

今回は以上で終了です。

ご参考にしていただければ嬉しいです。

 

 

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いかがでしたでしょうか。

ご意見等ございましたら、お気軽にお寄せください。