Photo Life in Toyama

Photo Life in Toyama

富山の写真家 林治のブログです

いつも Photo Life in Toyama へご訪問ありがとうございます。

 

既にアップさせていただいた通り、2月11日からスタートした私たち協会の写真展も2月16日に終了し、2月17日の午前中に撤収、そのまま富山へ戻ってまいりました。

 

ご来場いただいた皆さまには、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

また、運営やPOSレジシステム等、私一人で行なっている部分も多く、せっかく遠方より来られた方に対してもトラブル等により十分な応対ができなかったこと、この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 

今回の写真展で良かったこと、悪かったことについては十分反省しておく必要があるので、ここで備忘録を兼ねて書き込みさせていただきます。

 

 

  1.会場について

 

今回の写真展は、協会メンバー6人が全員、和紙プリントを使用して展示することを決めました。

そして、京都写真美術館ギャラリージャパネスク2Fという"民家のような構造"であり"和のテイストが感じられる"会場を選びました。

 

 

そしてその結果ですが、今回のコンセプトである「和紙を使用」して「日本の風景や文化を表現する」ということに関して、会場のイメージがとても合っていたと思います。






ただし、会場内部の面積(壁長)があまり広くないため、6名で出展した場合、かなりスペースが狭かったというのが本音です。

従って一人当たりの展示点数が少なく、表現上とても不自由だったことは残念でした。やはり、一般的には個展向きと言えそうです。

 

しかしながら、会場の先方担当者は非常に丁寧な仕事をしており、以下のようなメリットがありました。

 

・事前に荷物を送り、受け取って保管していただける。

・事前にDMハガキを送ると、関西を中心に50箇所程度(写真関係施設や美術館等)にDMハガキを転送してくれるシステムがある。(有料)

・設営日(毎週月曜日)に、前週の展示がない場合は規定の13:00よりも早く設営を開始することができた。

・事前に展示レイアウトを提出しておけば、それに応じてワイヤーフックやマグネットフック等を壁面に用意してくれた。

・設営時、部屋の照明やスポットライトの調整、マグネットフックの装着等、手伝っていただけた。

・期間中毎日、閉館後に巡回していただき、展示物の落下や忘れ物がないかチェックしていただけた。

・期間中毎日、朝早くから入場する旨伝えておけば、その時間に開錠していただけた。

・京都写真美術館のHPやInstagramで、静止画・動画を使用して開催中の写真展をPRしていただけた。

 

このように、かなり細かい配慮をしていただき、実際の円滑な運営に繋げることができました。

これらは、例えば公的な施設では行なっていただけないものばかりなので、とても助かりました。

 

会場借用料が比較的安いこと、販売物に手数料が取られないことと併せて、関西エリアで人気が高いことも頷けます。

 

  2.外国人来場者への対応

 

京都写真美術館は地下鉄・東山駅から平安神宮や京セラ美術館へ向かう途中にあるため、外国人観光客の来場が多いのではないかと予想しました。そして、最終日の日曜日を除けば、2〜4割の方が外国人だったと思います。

 

そのため、会場前の道路に設置するポスターや、入口横に貼るポスターを英語表記とし、一部に漢字をあしらいインパクトのあるデザインとしましたが、これは正解だったと思います。

 

 

また、外国人来場者が多いことを想定し、以下のような工夫をしました。

 

・作品ごとに設置したキャプションは英文のみの表記とした。

・アーティストごとに設置したアーティストキャプションは和文・英文併記とした。

・販売物のPOP(プライスカード等)は和文・英文併記とした。

 

また、今回出展した6人の作家は基本的な英語が話せるので、外国人の応対は比較的円滑に行なうことができました。

 

 今回ほとんどの制作物は英文を基本としました

 

  3.特に良かったこと

 

良かったことはいくつかありましたが、特に良かったことは海外からのお客様のうち、香港の高名な方に高く評価していただけたことではないかと思います。



その方は私と中塚氏の小型作品を購入されたのですが、中塚の作品現物がなく予約販売となったため住所や氏名をお聞きしました。


そして、そのお名前を検索したところ、その方は香港にカメラの博物館を持っていらっしゃる方で、大変広い展示ギャラリーもお持ちの方。また、政府関係の仕事もされている方と判明。

その方に、とても良い写真展だと何度もおっしゃっていただけたことは、とても励みになり疲れが吹き飛ぶ思いでした。


その方にご購入いただいた作品


また、ブログ繋がりの数人の方にご来場いただけたことも、個人的にはとても嬉しい出来事でした。

本当に感謝申し上げます。


  4.POSレジシステム


私たちの協会では、2年ほど前からPOSレジシステムを導入し、物品を販売する際に現金だけでなく、iDなどの電子マネー、PayPayなどのQRコード決済、各種クレジットカードを使用可能とすると同時に、必ずレシートを発行しています。



また、これにより何人の作家がいても、終了翌日にはデータを仕分けし、ミスなく各作家に還元する金額(円単位)の計算を行なっています。


今回も私が事前にメニュー体系を検討し、商品登録、価格登録、集計パターンを作り込みましたが、これらは非常にうまくいきました。


  5.トラブル


今回、事前に分かっていた懸念事項は、最終日の日曜日に京都マラソンが開催されることでした。

 

 そして、美術館からほど近い平安神宮のそばがゴールだったため、日曜日の午後は来場される方がほとんどいらっしゃらない可能性があり、私としてはかなり心配していました。


実際もマラソンゴールの時間帯やその後は来場者が少なかったのですが、これ以外に一つトラブルが発生しました。


それは、

docomoの電波が使えなくなったことです


通常、POSレジでは施設備え付けのWi-Fiか、それが使えない場合は携帯電波を使用するLTEルータを使用してインターネット通信を確保します。

また、レシートプリンタとの通信をイーサネットで行なっている関係で、Wi-Fi中継器を併用しています。


施設のWi-Fiを使用する場合、このWi-Fi中継器を毎回設定し直す必要があり、また動作が遅く設定がうまくできない場合があるため、今回はdocomo 回線を使用したLTEルータを使用していました。


全体構成


これがLTEルータ



これがWi-Fi中継器


こうした中、日曜日のマラソンゴール頃の時刻から‥まったくdocomo回線が使えなくなってしまいました。


そこで、施設のWi-Fiを使用しWi-Fi中継器を運用しようと試みましたが、この時設定変更がうまくいかず、結局docomo回線復旧までPOSレジが使用できない事態となりました。


これはいわゆる回線のバンク。結果的に30分ほどのトラブルだったため実害はありませんでしたが、これがあと数時間続いていたら大変な状況になっていたと思います。


私が次回POSレジシステムを作り運用するのは3月の1Xアーティスト展ですが、この時にはこうしたトラブルにも対応できるように準備したいと思います。


  6.まとめ


いずれにしても、今回は各作家の来場者への応対も良く、またそのおかげもあって、各専門家や海外の方の評価を受けることができました。


また皆さんから仰っていただいた言葉は、普通の写真展とは全然違う‥という言葉。


 中身の写真をアートに仕上げ、それを和紙で出力。また展示を極力統一せず、各作家の個性を損なわずに展示しゆっくり楽しんでいただく。

 

そんなやり方を、面白く感じていただき、楽しんでいただけたのであれば幸いです。


そして、今回の経験を次回以降の展示に精一杯活かしていきたいと思います。

ありがとうございました。


今回の出展・運営メンバー