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さて、今日は最近導入した深型シェラカップについて投稿します。
今回は、主に深型シェラカップの選び方、そして事前に知っておくべき知識をまとめました。
参考にしていただければと思います。
今回のもくじ
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1. 深型シェラカップとは?
深型シェラカップって何?という方に、少々ご紹介です。
従来からあるシェラカップをご存知の方は多いと思います。
また、シェラカップは直接火にかけることができるので、お湯を沸かすような用途にも使用できて便利なカップです。たいていアルミ、ステンレスかチタン合金でできています。
そして、深型シェラカップはそのシェラカップの深型タイプです。
※本記事では、深型シェラカップのことを「深型」、従来からある浅いタイプを「浅型」と呼んでいます。
シェラカップ&深型シェラカップの生い立ち
シェラカップは、自然保護の父と称されるジョン・ミューアが、1892年にサンフランシスコで創設した自然保護団体「シェラクラブ」で、会員証代わりに配られていたステンレス製カップが起源とされています。
そして次第に、シェラカップを持っているということは自然保護に関心のある人、という目印になっていきました。
また、1984年にシェラカップの容量に不満を持つバックパッカーが1パイントの水が入るロッキーカップを開発。山好きの定番品としてすぐに定着しました。今ではシェラカップとロッキーカップをひと括りに“シェラカップ”と呼ぶようになり、アウトドア界の公用語として浸透しています。
→この容量US1パイント=473mlのシェラカップであるロッキーカップが、深型シェラカップの起源とされています。
つまり、世界中の多くのバックパッカーが浅型の300mlでは小さいと感じたことから、現在の深型シェラカップができました。
ちなみに、容量約480mlの標準的な深型シェラカップの口径は浅型(300ml)のシェラカップと全く同じなので、リッド(フタ)を共通で使用することができますし、浅型を深型シェラカップにピッタリ重ねて持ち運ぶこともできます。
標準的な従来型(浅型)シェラカップ
(snow peak)
深型シェラカップ 480ml
(ベルモント)
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2. 深型シェラカップのメリット
ではなぜその深型シェラカップが良いかというと・・
浅型より容量が大きく、食器としての使用や湯沸かしに適したサイズ
標準的な浅型シェラカップはほとんどが容量300ml。これに対して深型シェラカップは標準サイズで容量480mlです。
浅型はコーヒーなど飲むにはちょうど良いのですが、食器として使用するにはかなり小さく感じます。(例えばカレーライスを食べる場合を想像していただければと思います)
また、浅型・容量300mlのシェラカップはフチまでのすり切りで300mlしか入らないので、実質的に300mlのお湯を沸かすことはできません。例えば日清カップヌードルを食べる場合、300mlのお湯が必要なので、浅型ではカップヌードルのお湯を沸かすことができない訳です。
深型シェラカップの標準的な容量は約480mlなので、300〜350mlのお湯を沸かすのにコッヘル(クッカー)を出すことなくシェラカップで用が足りることになります。(ザックの天蓋部分にバーナーと一緒に入れておくと便利です)
深型480mlにOD 110缶が、深型850mlにOD 250缶がすっぽり入る
浅型シェラカップに110缶を入れることはできませんが、深型標準サイズである480mlに110缶が、そして深型850mlには 250缶がすっぽり入ります。そのため、深型480ml+110缶+シングルバーナーをザックの天蓋に入れておくといった使い方が気軽にできます。行動中はこれで大抵用が済むので意外に重宝します。
深型480ml+110 OD缶+シングルバーナー+リッド
これで行動中はほとんどOK
容量が大きいものを選択すればクッカーの代用になる
ベルモント深型では850mlサイズまで選べるため、ソロハイク・ソロキャンプであれば、夕食でも大抵の調理はできます。
また、ベルモント製深型シェラカップのサイズをいくつか揃えておけば、全てスタッキングできるため充分クッカーの代用として使用できます。また、食器まで含めてスタッキングできる点もメリットです。
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3. ベルモント製深型シェラカップのラインナップ
現在最も人気がある深型シェラカップは、ベルモント製ですが、その理由はベルモント製は容量バリエーションとタイプが豊富なこと。そして全ての深型シェラカップがスタッキングできることです。
しかしベルモント製深型シェラカップは種類が多く分かりにくいので、表にまとめました。
なお、浅型シェラカップは除いていますのでご注意ください。
ご参考:ベルモントによるフォールドハンドルシリーズのサイズ詳細は以下をご参照ください。
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4. 深型シェラカップ 選択のポイント
フォールドとREST どちらのタイプにするか
*フォールドタイプ:ハンドルを写真のように折り畳むことができる
*RESTタイプ:ハンドルが固定されている
まずハンドルタイプの選択として、フォールドとRESTのどちらを選択するかについてご紹介します。
◆ フォールドタイプの特徴
フォールドタイプは異なる大きさのシェラカップを入れ子にしてスタッキングできるだけでなく、ハンドルが折り畳めるため手持ちの他のクッカーと組み合わせて中に収納できるので、クッカーとして使う場合はこちらを選ぶのが王道です。また、サイズ的にベルモント製で850ml・調理に使用できるサイズまで選べるのがメリットです。
また、2人用として使用する場合、850mlのシェラカップを選択し、他の1300〜1400ml程度のクッカーと組み合わせて中に収納すれば使い勝手の良い組み合わせのクッカーになります。この場合でも、チタンシェラカップ深型の軽量メリットは十分生かせます。
◆ RESTタイプの特徴
一方、RESTタイプはどちらかというと日帰りハイクに480mlを持参するとか、ソロキャンプに480mlと600mlとリッド(蓋)を持参して簡単な調理を行なうといった使い方になります。RESTタイプは600mlまでのサイズしか選択できないこと。ハンドルが折り畳めないため、他のクッカーと組み合わせると収納しづらいことが(クッカーとして使用する場合)ややマイナスとなります。
どのサイズを選択するか
大きさについては、麺類を調理する場合や炊飯を基準に考えれば分かりやすいです。
【麺類を調理する場合を基準に】(インスタント麺の場合)
・1人前:一般的に500mlの水と麺を鍋に入れて調理するので、1人前でも600mlでは水の量やスープを調整してギリギリです。従ってできれば850mlを選びたいところです。
・2人前:2人前では1000mlの水と麺を入れることになるので、1300〜1400ml程度が必要となります。
【カップ麺のお湯を沸かす場合を基準に】
・筒形カップ麺:日清カップヌードルに必要なお湯の量は 300mlから330mlです。
・器型カップ麺:日清どん兵衛きつねうどんなど器型に必要なお湯の量は約410mlです。
これらであれば、容量480mlの深型シェラカップでも十分ということになります。
【炊飯する米の量を基準に】
・以下の目安を参考にサイズを考えると良いでしょう。ちなみに1合炊飯すると茶碗に軽く2杯のご飯になるので、2人での標準的な夕食は米1.5合が目安となります。
480ml:0.8合程度
600ml:1合程度
850ml:1.5合程度
【麺調理や炊飯以外の用途では】
・日帰りハイクなど、コーヒーやスープといったお湯を沸かす用途であれば容量480mlの深型シェラカップひとつで十分です。
その場合、リッドと言われるシェラカップ用のフタがあると便利です。
どの材質を選ぶか
上の表の通り、深型シェラカップには様々な材質があり選択に迷いますが、おすすめは以下の考え方です。
◆ 基本的に超軽量なチタン製を主軸にして揃える。
◆ ただしチタン製は炊飯に向かないので、よく炊飯をおこなう人はその炊飯量を前提にアルミ製のシェラカップを加える。
◆ ベルモントのアルミ製深型シェラカップは肉厚で品質が高いため、バーナーパッドを持参する代わりにアルミ製を選ぶという選択肢もあり。(アルミ製は重量が多くなりますが、バーナーパッドを使う必要がないのでその差は僅かとなります。)
私の場合、ベルモント・チタン製のフォールドタイプ 480ml、600ml、850mlを使っていますが、今回1.5合炊飯用として同アルミ製850mlを追加購入しました。
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5. リッド(フタ)を選ぶ
深型シェラカップにはフタが付いていないので、お湯を沸かすとき、炊飯するときにはリッド(フタ)を使用します。
以下にベルモント製深型シェラカップ 480ml、600ml、850ml に使用するリッドについて記載します。
◆ 480ml用
・浅型のシェラカップ(300ml)と口径が同じなので、一般的なシェラカップ用リッドが使用できます。
・選択肢は無数にありますが、私はユニフレームのハンドル付きを使用しています。ハンドルが付いているので非常に使い勝手が良いです。
・ただし大きいシェラカップのフタと兼用できる場合も多いので、あまり難しく考えることはありません。
ユニフレーム製チタンリッド
◆ 600ml用、850ml用
・600ml、800mlの深型シェラカップは炊飯をおこなう場合が多いので、リッドが必要となります。
・その際同じベルモント製のリッドを選ぶ人が多いと思いますので、以下にベルモント製リッドの適合カップをまとめました。
ベルモント BM127(シェラカップリッドLL)にご注意
ただし、私が購入した BM127(シェラカップリッドLL)は 深型480ml、600ml、850mlに適合すると記載されていますが、480ml、600mlには適合するものの850mlにはきちんと適合していません。深型850mlに使用する場合、リッドとカップの口径がほぼ同じでしかもフチが平らなので簡単にずれてしまい炊飯等には使えません。
BM127(リッドLL)は購入注意
そして、BM127はとてもチタンが薄いので使用していると歪んでしまいフタの役割を果たさなくなる可能性が高いです。
また、BM447(ラウンドリッドLL)も歪むとネットで報告されていますが、現在こちらは発注しているところなのでまた内容追記したいと思います。
ベルモント製リッド以外の選択肢
こんな理由から、ベルモント製リッド以外のフタを選ぶという手を考えて良いと思います。
その際、サイズとして
・ベルモント深型850mlの開口部・直径は(実測で)137mmから140mm(チタンとアルミで若干異なる)
・ベルモント深型600mlの開口部・直径は(実測で)125mm前後
このサイズを覆うことができれば良い訳です。
そこで、いくつか選択肢をご紹介します。
1.手持ちのクッカーのフタを使う
もし手持ちのクッカーの中でシェラカップ各サイズに合うフタがあれば、それを使用するという選択肢もありです。
ちなみに、私が使っているのは、以下「エバニュー Ti U.L. Pot 1300」(私のは旧型)のフタ部分ですが、深型 850ml・600mlの両方に使用できます。もちろんピッタリ噛み合う訳ではありませんが、専用リッドでもほぼ同じ状態なのでこちらで代用しています。
エバニュー Ti U.L. Pot 1300
フタを深型850mlに被せたところ
上は旧型なので現在のデザインと若干違う
2.金属のプレート(平皿)を使う
また、もし新規に購入するのであれば、プレート(平皿)も良い選択です。
深型850mlに使う場合は直径15cmから17cm程度で浅めの皿。チタン・アルミ・ステンレス製を選択すれば、実際に山でも皿として使えて便利です。
例えば、こんなものがありますが、金属のプレートはいくらでも販売されているので、これらを使うのはアリです。
3.木製のプレートをフタとして使う
一番良いのは「木製の円形まな板」です。
ただ、以前はユニフレームから桐の円形まな板・直径150mm・重量57gという優れものが発売されていたのですが、現在はないので、市販の桐や檜のまな板や板を加工する以外にちょうど良いものは見当たりません。
そこで、以下のような落とし蓋を流用するという手があります。といっても「持ち手」部分を削り取らないとまな板としては使えないので若干加工が必要になります。でも、価格も安いので、なかなか良い選択肢だと思います。
以下は直径18cm、取っ手が付いた状態で70g程度なので許せると思います。
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6. その他参考情報
その他、参考になる情報をまとめておきます。
上記の「エバニュー Ti U.L. Pot 1300」に「チタン深型 850ml 」又は「アルミ深型 850ml」を入れてピッタリとスタッキングすることが可能で、フタも閉まります。
軽量な組み合わせなので、2〜3人用クッカーセットとして利用できます。
エバニュー Ti U.L.Pot 1300の中に ベルモント深型 850ml、600ml、480mlを入れ込んだところ
ベルモント深型 850mlに250 ODガス缶をスタッキングすることが可能です。
ただし、前出のエバニュー Ti U.L.Pot 1300の中に深型850mlとOD缶をスタッキングした場合、エバニュー 1300に付属するフタは閉まりません。
今回は人気のベルモント製深型シェラカップについてまとめました。
参考にしていただければ幸いです。