刺青写真 最後の初代彫宇之作品「浪切張順」
現役中の64年間に、数千人の刺青を手掛けた「初代彫宇之」の作品の中で、最後に残された彫り物といわれるのが、初代彫文氏の背中に彫られた「浪切張順」です。
「太陽 no,115 '73 1 江戸の文身」、「原色日本刺青大鑑 刺青聞き書1」
初代彫文氏インタビューより引用
彫文氏が大工の小僧だったころ、神田のお祭りで彫勇会の人達がお神輿かついでいるのをみて威勢がいいなと思い、それがきっかけで刺青を彫ろうと思ったのだそうです。 大正13年(1924)、18歳のお盆に初代彫宇之のところに通い始めて8ヶ月かかって、19歳の4月にようやく仕上がったとのこと。 もっとも痛かったのはアバラだったそうです。
彫文氏は彫師であり、江戸時代から続く 町火消し"わ組"の伝統を受け継ぐ町鳶の鳶頭でもあったそうです。 刺青は職業柄、水に関係するもので揃えてあります。 左大腿部にはタコの絵柄が確認できます。
斜に構えて佇む彫文氏 TATTOO BURST vol,1 (1999)
施術中の初代彫文氏 太陽 no,115 '73 1 ©Photograph by 塚本章雄
初代彫宇之1843年(天保14)~1927年(昭和2)の晩年の作 「浪切長順」(1925年完成)
原色日本刺青大鑑 芳賀書店・刊 (1973)
この「浪切張順」の絵柄は、「刺青」 森田一朗・著 図譜新社・刊 の表紙に掲載されているので ご存知の方も多いと思います。
張順の視線の先に小さく"彫宇之"の銘があります。
胸には、法華経のお題目「南無妙法蓮華経」から「南無妙法」の刺青があります。右大腿部には、蟹と2つの面のような刺青が彫られています。
右側の人物は浅草彫睦会のお仲間 摺師の「ひで松」こと 北島ひで松 氏
太陽 no,115 '73 1 ©Photograph by 塚本章雄
太陽 no,115 '73 1 江戸の文身 ひで松氏のインタビューより引用
「(彫ったのは)彫宇之という人です。二代目です。あたしが彫るときに初代の人はもう年とって目がおかしくなったんでよしちゃった。」 「(絵柄は)金太郎の鯉つかみ。それで女房には山婆を彫らせたんです。」
山婆と金太郎: 三代目彫宇之作 金太郎の鯉つかみ: 二代目彫宇之作
TATTOO BURST vol,1 (1999)
上の写真の壁の右上に飾られている額は、仕事仲間である絵師の山本ひさし氏から贈られた、ひで松氏の絵だと思われます。
※1967年公開の東映映画「博奕打ち 一匹竜」のスチールに写っているこの方は…もしかして、ひで松氏でしょうか? 違うかな??
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彫文氏は彫師であり、江戸時代から続く 町火消し"わ組"の伝統を受け継ぐ町鳶の鳶頭でもあったそうです。 刺青は職業柄、水に関係するもので揃えてあります。 左大腿部にはタコの絵柄が確認できます。
斜に構えて佇む彫文氏 TATTOO BURST vol,1 (1999)
施術中の初代彫文氏 太陽 no,115 '73 1 ©Photograph by 塚本章雄
初代彫宇之1843年(天保14)~1927年(昭和2)の晩年の作 「浪切長順」(1925年完成)
原色日本刺青大鑑 芳賀書店・刊 (1973)
この「浪切張順」の絵柄は、「刺青」 森田一朗・著 図譜新社・刊 の表紙に掲載されているので ご存知の方も多いと思います。
張順の視線の先に小さく"彫宇之"の銘があります。
胸には、法華経のお題目「南無妙法蓮華経」から「南無妙法」の刺青があります。右大腿部には、蟹と2つの面のような刺青が彫られています。
右側の人物は浅草彫睦会のお仲間 摺師の「ひで松」こと 北島ひで松 氏
太陽 no,115 '73 1 ©Photograph by 塚本章雄
太陽 no,115 '73 1 江戸の文身 ひで松氏のインタビューより引用
「(彫ったのは)彫宇之という人です。二代目です。あたしが彫るときに初代の人はもう年とって目がおかしくなったんでよしちゃった。」 「(絵柄は)金太郎の鯉つかみ。それで女房には山婆を彫らせたんです。」
山婆と金太郎: 三代目彫宇之作 金太郎の鯉つかみ: 二代目彫宇之作
TATTOO BURST vol,1 (1999)
上の写真の壁の右上に飾られている額は、仕事仲間である絵師の山本ひさし氏から贈られた、ひで松氏の絵だと思われます。
※1967年公開の東映映画「博奕打ち 一匹竜」のスチールに写っているこの方は…もしかして、ひで松氏でしょうか? 違うかな??
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- 原色日本刺青大鑑 (1973年)/芳賀書店
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