人間の脳には右脳と左脳があり、右脳は音楽脳とも呼ばれて音楽・機械音・雑音などを処理します。左脳は言語脳と呼ばれ、人間の話す声の理解や論理的処理を行います。

 

右脳は直感的に外部の情報を認識し、多くの情報を記憶することができます。また、左脳と比べると処理スピードも圧倒的に早いことが分かっており、右脳が行う視覚による画像や映像のイメージ情報の認識は非常に高速で精度が高くなっています。

 

知り合いの人を見た時に、顔は覚えているけど名前が出てこないことがあるかと思います。これは、顔は右脳で記憶できていて認識しているのですが、名前は左脳で記憶できていないために名前が出てこない状態になっています。

 

歌でも、歌詞は覚えているけど歌のタイトルが出てこないこともあると思います。これも、歌詞は音楽として右脳で記憶出来ているのですが、歌のタイトルは左脳で記憶するようになっていて、左脳の記憶容量が右脳に比べて小さいために、タイトルが記憶できていないからタイトルが分からないのです。

 

 

但し、日本人と西洋人では同じ音を聞いた場合でも、脳の違う部分を使っていることがあるようです。

 

西洋人は、虫や動物の鳴き声、波や風や小川のせせらぎなどの音、人の泣き声や笑い声などを右脳で聴いています。従って、西洋人は虫の鳴き声を単なる雑音と感じてしまうようです。

 

それに対して日本人は、これらの音を言語と同様に左脳で聴いています。虫や動物の鳴き声、風の音などは単なる音ではなく、それらの声だというように捉えています。そういったことは、虫や動物、山・川・海などありとあらゆる自然物に神が宿り、人間はその自然の中の一員に過ぎないという自然観を日本人が持っていることからくるようです。

 

日本人は虫の声を聞いて季節を感じて楽しむことがありますが、西洋人にとって虫の声は単なる雑音にしか聞こえないため、虫の声を聞いて楽しむという習慣はありません。特に、日本の夏に大量の蝉の声が聞こえる状態では、西洋人は騒音がうるさくて堪らないと感じるようです。

 

虫や動物の鳴き声や風など自然の音を、日本人は単なる音ではなくそれらの声と捉えることによって、日本語には「ワンワン」「モーモー」「ビュービュー」などの擬音語か非常に多くあります。

 

 

また、日本語には「ニコニコ」「しんなり」「ゴロゴロ」などのように。物事の状態などを現す擬態語も豊富にあります。

 

この擬態語と擬音語を総称したものを擬声語(オノマトペ)と言います。フランスの擬声語は約600種類、英語は約1000種類あると言われていますが、日本語はなんと約5000もあると言われています。

 

擬声語を使うと、状況をより分かりやすく表現することができます。従って、日本語というのは相手に状況を説明する時に非常に伝わりやすい言語のようです。

 

以前の記事で、日本語は文章をパッと見た時に分かりやすい言語ということを書きましたが(詳しくは「日本語は文章を読むのに適した言語?」参照)、状況が非常に伝わりやすいという特徴も持っているということですね。



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