政府などは英語教育に力を入れることで、日本の国力を上げることを目指しています。そのため、学校で英語を強化する動きが進んでいます。

 

大学の授業が英語化され、小中高校で英語の教育により力を入れると、実際には日本の国力が下がることが予想されます。

 

英語で大学の授業が行われていくようになると、英語力がない学生が高等教育を受けることができなくなってしまいます(詳しくは「大学の授業英語化で学力が上がるのか?」 参照)。

 

アジアやアフリカなどの発展途上国では、英語でしか高等教育が受けられないことが多く、そうした国では英語を使いこなせない人が就ける職業が限定されてしまいます。それによって、いつまでも格差が縮まらず、国全体が発展することができなくなっています。

 

日本の大学で英語による授業が増えていくと、アジアやアフリカの多くの国のように、高等教育を受けられる人が少なくなってしまいます。そうなれば、日本人の研究開発レベルが落ちてしまい、国力が下がることにつながってしまいます。

 

また、英語による授業が理解できる学生も、日本語による授業に比べれば理解度が落ちてしまいます。韓国は日本よりも大学の授業の英語化を進めていますが、学生からは授業が分かりにくく勉強するのに非効率という声が上がっています。

 

更に、学生を教える大学の日本人教員も、母語の日本語で行うよりも英語の授業の方がレベルが下がってしまいます。

 

 

平成30年からは小学校3年生から英語が必修化され、小学校56年では成績がつく教科となります。

 

英語の授業が増えても、授業時間が増える訳ではありませんので、当然他の強化の授業時間が少なくなります。

 

その結果、英語力は現在よりも上がるかもしれませんが、他の教科は授業時間が削られることで学力が下がることが予想されます。

 

 

これらのことから、英語教育を推進すると、結果として日本の国力を下げることになってしまうような気がします。

 

文部科学省や国会議員など英語教育を推進する人達は、数学者の藤原正彦氏の「英語力が強ければ経済的な競争力も高いのであれば、最も英語力が強い英国はもっと経済的な競争力が高いはず。」という指摘にどう反論するのでしょうか。


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