尾木直樹氏は、大学卒業後は私立高校や公立中学などで22年間教員をしており、現在は法政大学教授で同大学の教職課程センター長を務めています。教育関連の著作も多い教育評論家で、”尾木ママ”の愛称でマスコミでもよく見かけると思います。

 

尾木氏は、教員時代には日教組に加入していましたが、日教組が政治活動に関わることは反対だと主張しています。選挙の時に政党の票読みや資金を集めて特定の政党を支援することを、日教組はするべきではないと言っています。

 

教育基本法では、法律に定める学校は特定の政党を支持したり反対したりというような政治教育や政治的活動をすることを禁止しています。

 

しかし、日教組の教員は学校内で政治的な活動を行っています。学校内に設置した組合の掲示板に、特定の政党や政権を批判するようなビラを掲示するようなことなどを行っています。

 

そして、日教組は組織を上げて選挙活動を行っています。中には、公務中に選挙活動を平気で行っているようなところもあります。選挙期間中に、教員が授業を自習にして職員室で電話で投票のお願いをしたり、勤務時間中に教員が電話やFAXで選挙に関する連絡を取り合ったりするなど、明らかな違法行為をしています。

 

山梨県の場合は、山梨県教職員組合がある教育会館が選挙資金の集配所になっており、ここに教員を集めて投票依頼の電話をさせていました。更に山梨県では、選挙運動に貢献した組合幹部を出世させるということが、慣例として定着しているようです。

 

公立学校の教師というのは公務員で、小中高の教師の多くは地方公務員(国立の学校の場合は国家公務員)です。地方公務員法では、職員は給与が支給されている勤務時間中の職員団体の活動を禁止しています。そもそも、一般企業で勤務時間中に選挙活動が許されるところなど普通ではありえないですよね。

 

こういうことから、日教組が政治的な活動をするのは良くないし間違いだと尾木氏が指摘するのは当然だと思います。

 

 

一方で尾木氏は、日教組といっても都道府県によって加入している教員の割合も差があるし、活動内容も異なると言っています。

 

実際に組織率は都道府県によってかなりまちまちで、北海道や山梨県のように政治活動を盛んに行い反日的な活動に力を入れているところもあれば、秋田県や福井県のように組織率が高くても労使協調的で政治活動も反日的な行動に力を入れていないところもあります。

 

そして、尾木氏は日教組には付き合いで多くの教員が加入していて、加入している教員が日教組と同じような主張や活動をしているわけではなく、普通の教員も多いと言っています。

 

確かに日教組に加入していても政治活動をせず反日的な思想を持っていない教員もいますし、政治活動などをほとんど行っていない組合に加入しているケースもあります。しかし、本人が政治活動をしていなくても、加入している組合が政治的活動をしていれば、そのことを批判してやめさせるべきです。

 

日教組に加入していれば組合費を払っていますので、そのお金が日教組の政治活動に流用されることになります。結果的に日教組に加入していることが、日教組の政治活動を支援していることになります。

 

日教組の活動に積極的に関与し、政治活動を行ったり反日的な教育を推進したりするような教員は非常に責任が問われるのは当然のことです。しかし、組合に加入して組合の一員となっていながら、違法な政治活動を許してしまっている人にも、間接的な責任があると言えます。

 

組合に対して政治活動をすることを止めさせることをしないで、日教組に加入していても自分は政治活動とは無縁だと主張するのは、あまりにも無責任だと思います。

 

 

尾木氏は全国の日教組を回っていたそうですので、それぞれの組合がどのような組織でどのような活動をしているのか知っているはずです。日教組といっても、都道府県によって日教組の性質や活動が異なるので、日教組という括りだけで批判するのは良くないというのも一理あると思います。

 

しかし、教育評論家としては、法律に違反するような行為を助長している団体はどこなのかを指摘し、それを是正するような主張や活動を展開するべきではないでしょうか。

 

また、地方公務員法や教育基本法について、政治的活動や政治教育をしたときに罰則を設けることに賛成し、それを強く訴えるべきではないでしょうか。それをせずに、口だけで日教組の政治的活動は良くないと言っても、単なるポーズに過ぎないと言われても仕方ないと思います。

 

 

日教組は全国教研(教育研究全国集会)という、年に一度開催する教育に関する研究集会を開催しています。

 

この集会では、事実に基づかないイデオロギーを一方的に押し付けるような偏向的な授業の報告が行われています。そういった授業を批判するどころか、むしろ推進するようなことが行われています。

 

また、日教組は学校の授業で使用する教材を作成しており、それには多くの問題があります。内容的に事実誤認があるものや、子供に日本を悪者だと思わせるようなものが作られています。そして、”からだのノート”という行き過ぎた性教育を助長するようなものも作られて、多くの小学校で採用されています。

 

日教組は都道府県によって性質が異なると述べましたが、全国的な組織としてこのような異常な教育を推進しようとしています。

 

このようなことを尾木氏は知らないのでしょうか。もし知らないのであれば教育評論家として勉強不足と言えます。知っているのであれば、これらのことを強く批判して即刻止めさせるように働きかけるべきで、そういうことを行っていないのであれば教育評論家として失格だと思います。

 

尾木氏は、日教組が推進している異常な教育を批判せず、「学校差、個人差大きいから国定教科書で統制するとは何時代でしょうか社会主義国家じゃあるまいし・・・」などと言って、道徳の特別教科化を批判しています。ちなみに国定教科書を作るというのは間違いですし、社会主義国家ではイデオロギー教育は行っても道徳教育などは行われません。

 

彼は道徳は重要なものと認識しており、「道徳はとても大切です。民主主義社会の市民モラルをいかに身につけるかは、これからのグローバルな多文化共生社会の良識でしょう。」と言っています。

 

この発言から、尾木氏に左翼思想があることが窺えます。多文化共生というと耳触りが良いのですが、実態は「伝統」「文化」「習慣」を破壊していくということです。ヨーロッパを見れば、それがよく分かり、実際に多くの問題が発生しています

 

尾木氏のやり方は池上彰氏と同じで、一見中立的で正しいことを言っているように思わせて、根っこの思想信条のところでは本性を入れ込んでいます。この手法は多くの人をだますことになり非常に悪質だと思います。

 

尾木氏の主張することには納得できるものもありますので、そのことで惑わされないように気を付けないといけないと思います。


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