28日にテレビ朝日の「報道ステーショSUNDAY」で、”おひとり女子”が経済を牽引しているという内容を放送していました。

 

自由に使えるお金が多く消費意欲が高いことから、経済を牽引していると説明していました。こだわるものにはお金を惜しまず自分磨きにお金を掛けており、未婚の女性も増えていることから、”おひとり女子”の市場規模が今後も伸びていくということです。

 

この放送後には、ネット上で”おひとり女子”を批判している意見が多く出ているようです。1回の食事のために8,000円の食材を買って、料理をする様子を伝えていたことなどが影響していたようです。しかし、日本経済のことを考えれば、稼いだお金を溜め込んで使わないよりは、どんどん消費してもらった方がいいことは確かです。

 

しかし、”おひとり女子”が経済を牽引しているというのは、一面的かつ短期的な見方だと思います。

 

”おひとり女子”ではなく結婚して子供がいる女性であれば、”おひとり女子”が自分にお金を使っている分は、全てではないにしても多くは子供に費やすことが予想されます。

 

つまり、働いて得たお金をどこに使うのかが違うというだけで、より多くのお金を使っているというわけではないと思います。子供の人数によっては、働いて得たお金を”おひとり女子”よりも多く使っていることも十分考えられます。

 

”おひとり女子”が増えることによって子供の数が減ると、子供関連の市場が小さくなってしまうことになります。”おひとり女子”が経済を牽引しているというのは、全体を見渡す視点が欠けている報じ方と言われても仕方ないような気がします。

 

 

また、中長期的には、”おひとり女子”よりも、子供がいた方が経済的な寄与は大きくなります。

 

”おひとり女子”だと、経済に寄与するのは本人だけということになりますが、子供がいればその子供が大人になって経済に寄与することになります。その子供が大人になって、また子供が出来れば更に経済に寄与していくことになります。

 

”おひとり女子”は「点」でしか経済に寄与出来ないのに対し、子供がいる人は「線」で経済に寄与していくことになります。

 

 

”おひとり女子”は短期的には経済の一部に貢献するのかもしれませんが、中長期的に見れば経済を衰退させることに繋がってしまいます。日本の少子化は、夫婦間の子供の人数が減ったことよりも、未婚率の上昇の方が影響を及ぼしています(詳しくは「少子化の要因」参照)。従って、”おひとり女子”が増えるよりも減った方が、日本の経済にとって良いことなのは確かだと思います。

 

 

私は別に”おひとり女子”を非難しようとは思ってはいません。しかし、この番組のように”おひとり女子”を持ち上げるような報じ方というのは、非常に狭い視野でしか物を見ていなく、視聴者にも変な誤解をさせてしまうような気がします。

個人的には、独身で経済的に余裕がある生活をすることよりも、子供がいて経済的な余裕がない方を選びたいと思います。理想は子供がいても経済的に余裕があることなんですが(笑)、現実はそう上手くはいかないですね。


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