少子化によって、日本では数年前から人口が減少しています。人口減少による労働力人口の不足を補うために、政府は移民の大量受入を検討に入ったと報じられています。人口を減らさないためには、合計特殊出生数が2.08必要だといわれています。合計特殊出生率は、1970年代半ばから2.0を下回っており、1997年以降は1.4を下回り2012年に久しぶりに1.4を超えました。

 

少子化の原因としては、一夫婦当たりの子供の数が少なくなったことと、未婚率(結婚していない人の割合)が高くなったことがあります。

 

まずは、一夫婦あたりの子供の数がどのくらい少なくなったのかを見ていきます。下のグラフは、1980年以降における出生率の推移です。

 

合計特殊出生率・合計結婚出生率 推移

合計特殊出生率・合計結婚出生率 推移
資料:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)、厚生労働省「人口動態統計」

合計結婚出生率は、一夫婦の間に生まれた子供の数を表しています。合計特殊出生率は、1980年の1.75であったのが2009年には1.37になっています。合計結婚出生率は、1980年の2.11から2009年は1.92になっています。合計特殊出生率と比べると、減少幅は小さいことが分かります。

 

 

では、少子化のもう一つの原因である未婚率はどうなっているのでしょうか。下のグラフは10代後半から40代後半までの女性の未婚率の推移です。

女性の未婚率推移
女性の未婚率推移
資料:「昭和55年~平成22年国勢調査人口等基本集計」総務省統計局

10代後半を除いた年齢区分において、未婚率は上昇しています。特に、20代後半と30代前半の年齢区分の上昇の度合いが高くなっています。以前に比べて、結婚している女性の割合が低下して結婚している女性の人数が少なくなっていますので、それが少子化の一番の原因だと考えられます。ちなみに、日本は非嫡出子の割合が2010年は2.1%(1980年は0.8%)と非常に低くなっています。

 

未婚率が高くなっているのは、そもそも結婚しない人が増えていることもありますが、晩婚化も影響しています。1987年は女性の平均初婚年齢は25.3歳でした。それが2010年には28.5歳になり、3.2歳上がっています。晩婚化は、結果として一夫婦当たりの子供の数を示す合計結婚出生率を下げることにつながります。それは、加齢による卵子の質が低下するためです。

 

(財)日本生殖医学会によると、女性は35歳以上になると妊娠率の低下だけでなく流産率が増加します。これは加齢による卵子の質の低下が引き起こしているためです。晩婚化が進めば、それに伴って子作りをする年齢も上がります。そして、卵子の質の低下によって子供が産まれなくなってしまう確率が高くなってしまいます。



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