6月7日に関東地方は平年より1日早く梅雨入りが発表されましたが、その後は雨も少なく、むしろ晴れの日が多く続きました。梅雨前線が南海上に停滞し、関東地方は雨が少なく、時々前線が上昇すると雨が1日降る感じでした。大陸の高気圧が張り出してくるため、空気はかなり乾燥しています。
30℃近くまで気温が上昇しても、湿度は20%台の日も多く、乾燥肌に伴う湿疹も多く受診していました。日差しは6月なのでかなり強いため、晴れると30℃を超える真夏日になります。6月最後の週になりようやく梅雨空が続きました。それに伴い湿度も高くなり、うっとうしい日となってきました。
これから梅雨の後半になり、豪雨が降ることも予想されます。気温も30℃越えが続き、最低気温も25℃越えの熱帯夜になってきます。特に7月最初の1週間は、異常高温注意報が出ています。3ヶ月予報でも、7月は気温は平年並みで、雨量は多く、8月は高温で雨量は少なく、9月も高温で雨量は多いとのことです。
今年の夏の3ヶ月は、猛暑と残暑が予想されています。前号で書きましたが、熱中症注意の報道につられ、子供に水分ばかりとらせると、食事が取れなくなり、便も緩くなり、体力が落ちてしまいます。食事をしっかり取れるように、食前の水分を控えめにし、タンパク質、炭水化物、脂肪、野菜・果物などバランス良く取れるように、心がけて下さい。
《溶連菌感染症がここに来て一段と流行しています。感染性胃腸炎もウィルスの種類を変えながら、流行が続いています。最近はアデノウィルス感染症や手足口病などの夏風邪、ウィルス性の気管支炎や肺炎が増えてきました。虫刺され、汗疹も増えてきました。いよいよ病気も夏シーズンです。》
春から続いている溶連菌感染症の流行が、ここに来てさらに増えてきた印象です。幼児や小学生だけでなく中学生も感染して受診しています。保育園でも流行していて、1歳児でも何人かまとまって受診しています。
咽頭痛を訴えられない年齢ですが、発熱に加え食事中のどが痛そうだったり、のどに指を入れているときは、のどが痛いのかもしれません。
また、家族内感染で溶連菌感染症を繰り返している家もあります。ご両親が溶連菌を保菌していると、子供が感染を繰り返します。咽頭痛のある場合は、親もしっかり治療しておきましょう。
感染性胃腸炎も流行が続いています。嘔吐の激しいタイプと、しつこい下痢のタイプがあります。しつこい下痢の中に、前述したように、水分の取り過ぎのお子さんがいます。
食欲のある場合は、食事をしっかりとらせれば脱水になりません。水分ばかりでは、便も緩い状態が続きます。水分で満腹になるので、食事もとらなくなります。気をつけましょう。
夏風邪の代表である手足口病が流行している保育園があります。昨年手足口病はほとんど流行しなかったので、今年は要注意です。プール熱の原因のアデノウィルス感染症もここに来てさらに流行しています。
結膜炎を起こすとプール熱と言われ、解熱後2日は休まないといけません。アデノウィルスや手足口病などの夏風邪は、便中にもウィルスがでていますので、気をつけましょう。
夏風邪に加え、このところ発熱の児が多くなっています。咳がひどく、気管支炎や肺炎を起こしている児もいます。夏なのにRSウィルスもでています。熱が続き、咳がひどくなってきた場合は、薬があっても受診して肺の音を聞いてもらいましょう。
7月いっぱいは感染症が流行します。楽しい夏休みを迎えるために、感染症予防をしっかりしましょう。
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<執筆者>
おのぼり小児科アレルギー科クリニック院長尾登 誠
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