おのぼり小児科・アレルギー科クリニック 毎月のニュース

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神奈川県伊勢原市にある、小児科とアレルギー科のブログです。毎月クリニックの最新ニュースを掲載していきます。このニュースにご意見ご希望があればスタッフまでお願いします。

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ブーケ2おのぼりクリニックニュース ブーケ2
NO229(10月号)
 
【9月に入ると秋の訪れが早く、周期的に雨と晴れが繰り返されました。Uターン台風が18日未明にかけて関東の近くを通過後、南風と強い日差しで、海老名で34℃を超え猛暑日一歩手前まで上昇しましたが、お彼岸を過ぎたら真夏日はなくなりました。】

 


 9月になり周期的に天候が変化し、晴れて30℃くらいになる日と雨で北風が吹いて25℃に届かない日もありました。中旬になると中国大陸に向かっていた台風が先島諸島を通過後急に反転して、九州に上陸後、日本列島を縦断し通過していきました。

 

かなり強力な台風だったため、関東地方を離れて通過しましたが、雨・風が強く17日の深夜から18日の未明にかけて伊勢原地域も豪雨が降りました。台風が通過した後は、台風に向かう南風が強く、また台風一過で日差しも強く、気温がどんどん上昇し、海老名では34℃を超えたそうです。

 

前日は北風で雨模様だったため、最高気温が20℃ほどで、1日で12℃以上変化したそうです。東京では51年ぶりのことだったそうです。お彼岸の入りの21日に30℃越えの夏日を最後に、真夏日はなくなりました。例年の真夏日の最終日の平均は21日だそうです。

 

ちなみに夏日(最高気温25℃)の最終日の平均は10月18日だそうです。蛇足ですが、お彼岸の6日間に、台風が発生しなかったのは33年ぶりだそうです。気象庁による3ヶ月予報及び今年の冬(12月から2月まで)の予報では、10月はやや気温が低いようですが、ほぼ平年並みで、雨の量は少ないようです。冬の気温は平年並みの寒さのようです。

 

現在、日本の南岸に沿って流れる黒潮が、このところ和歌山沖で大きく蛇行しているそうです。黒潮が蛇行している冬は、南岸低気圧が多く発生し、関東地方で雪が多いそうです。今冬はどうでしょうか?

 

 秋は運動会があったり、遠足があったり、また、伊勢原道灌祭りもあります。楽しい思い出を沢山作りましょう。この夏の天候が不順だったためか、例年感染症が少ない9月も、今年はRSウィルスや手足口病などに加え、感染性胃腸炎や最近は咳の風邪も流行しています。インフルエンザが流行したところもあります。体調管理には十分注意しましょう。

 

 

 

《RSウィルス感染症が猛威を振るっています。特に保育園では重症化しやすい低年齢児のクラスで流行が目立ちます。インフルエンザA型が流行しところがありました。溶連菌感染症が9月に入り再び流行してきました。ここに来て感染性胃腸炎に流行の兆しがあります。ブタクサ花粉もひどいです。》

 

 日本全国でRSウィルス感染症の流行が報道されています。例年秋から冬に流行するこの風邪が、今年は夏から流行し、過去に経験したことがないくらいの流行の兆しです。伊勢原ではそれ以上の勢いで流行しています。特に低年齢児が通う保育園やこども園では、感染により重症化し、入院に至った例も多くあります。

 

兄弟がいる家庭では、上の子はたいした症状でなくても、下の特に0歳児や1歳児のお子さんは、喘鳴・呼吸困難になってしまう例も多く、当院でも3・4人に1人は、協同病院にお世話になっている状態です。これからが流行の本番ですので、特に乳幼児のお子さんがいる家庭では、お子さんが集まる集団の場所への外出は控えた方が良いかもしれません。

 

 インフルエンザA型が例年に比べ早く流行したところがありました。9月中旬に当院最寄りの保育園と南の幼稚園で流行しました。夏休みの旅行などで持ち込んだウィルスが、新学期開始に流行したようです。現在は終息した感じです。今年は流行がやや早いとの情報です。数年前は12月に流行して年明けには終息した年もありました。手洗い・うがいを励行しましょう。

 

溶連菌感染症が、8月の終わりから再び流行の気配があり、9月になり新学期が始まり、一段と増えてきた印象です。中には蕁麻疹を繰り返すお子さんで、溶連菌迅速検査をすると陽性で、抗生物質の投与により蕁麻疹が消失した例もあります。特に流行が周囲に見られるときは注意しましょう。

 

 ここに来て、中学生や成人を含め、お腹の調子が悪く、下痢や吐き気で受診してきます。空気が乾燥してくると、乾燥を好むウィルスの風邪が増えます。ノロウィルスなどもその種のウィルスです。例年10月から流行が始まります。感染予防には手洗い・うがいです。特にお腹の風邪は、感染力が強く、家族内感染も多い病気です。

 

ブタクサ花粉やヨモギ花粉などの秋の花粉が沢山飛んでいます。10月からは背の高い黄色の花のアキノキリン草が飛び始めます。また、天気が良く暖かい日は、スギ花粉も飛散します。目が痒い、鼻水が出るなどの症状は花粉症です。最近はこの秋の花粉も増えてきている印象です。ご相談下さい。

 

 

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メモ執筆者>
おのぼり小児科アレルギー科クリニック院長尾登 誠
〒259-1144神奈川県伊勢原市池端182-1
TEL 0463-92-8080

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Q:ムンプスワクチンはなぜ定期接種にならないのでしょうか?

 

A;日本耳鼻咽喉学会より、2015年1月から2016年12月までの2年間に、少なくても336人が「ムンプス難聴」と診断されたと発表しました。

 

ムンプス難聴は、ムンプスワクチンで防ぐことができる合併症です。日本を除く先進国では、小児への2回の定期接種が導入されています。日本小児科学会では、国に定期接種化を要望しています。

 

しかし、1993年のMMR (麻しん・風しん・おたふく混合ワクチン)ワクチン接種中止以来、単味のワクチンは流通していますが、予防接種率は30~40%にとどまり、周期的な流行を繰り返しています。

 

ムンプス難聴336人のうち、詳細が得られた314人の約80%(260人)が、難聴により会話が困難など、日常生活にかなりの支障を来す「高度以上の難聴」の後遺症が見られました。発症年齢は2-3歳が最も多く、次いで6-13歳、20歳代後半から40歳くらいまでの「子育て世代」の成人が多かったようです。

 

一側難聴耳(272人)の後遺症を残した患者の最終聴力レベルは、92%が高度以上で、「方向感が障害される、あるいは騒音下では音が聞き取れない」。両側難聴耳(14人)の障害程度が軽い耳の最終聴力レベルも、大音量が聞き取れない「重度難聴」でした。人工内耳を装着しても騒音下では音が聞き取りづらいなど「聴力が完全に戻るわけではない」そうです。

 

1989年より欧米に習いMMRワクチンが定期接種となったが、1993年に無菌性髄膜炎の有害事象が増えたとして、定期接種が中止された。当時からワクチンの改良が抜本的に進んでいるわけでないこと、別のワクチンを使っている海外では、ムンプスに対する効果が弱いため、小児期の2回接種後、思春期から青年期にかけてムンプス流行がおきて3回目の接種が議論されています。

 

現時点では、国産・海外ワクチンの両方が定期接種化として議論されていますが、予防接種後の発熱などに敏感な日本人の国民性を踏まえ、「無菌性髄膜炎」という副反応のリスクと「ワクチン効果の持続」に対する信頼性の問題があり、国の方でなかなか定期接種にしてもらえません。

 

現状ではワクチンの改良の気配もないので、定期接種化が進まないようです。難聴の発症率は、今回調査から約1000人に1人ですが、実際はもっと多いと言われています。是非定期接種化してもらいたいものです。

 

 

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NO228(9月号)
 
【予報と違って今年の夏は雨が続きました。東京では21日連続雨が降り、観測史上2番目の長さでした。予想された猛暑は月末になりようやく3日間続きましたが、お盆週間は、関東から東北の太平洋岸では、雨で気温も低く、お出かけ日和にはなりませんでした。9月は暖かい予報ですが・・・?】

 


 7月31日は真夏日で快晴でしたが、8月1日は、午後から真っ暗になり、雷とともに激しい豪雨になりました。海老名では1時間に120ミリ以上のゲリラ豪雨が降りました。この雨が半日も続けば大災害になるなと思わせる豪雨で8月が始まりました。

 

その後も、7月21日に発生した台風5号が日本の南海上をうろうろしたあげくに、九州から四国へ、その後本州に上陸し、日本を縦断していきました。この台風5号は、発生から18日間勢力を維持し、観測史上2番目の長寿台風だったようです。

 

この台風のおかげで、多くの小中学校が夏休みに入った7月21日以降曇りや雨が多く、夏休み前は夏らしい天気が続いていたのに、また梅雨に戻ったような天気になりました。台風が通り過ぎた後も、今度は太平洋高気圧の勢力が弱まり、替わりに北のオホーツク高気圧が勢力を増したため、北東の冷たい風(やませと言う)が、関東地方から東北の太平洋岸に吹いてくるため、曇りや雨模様で、気温も30℃に届くかといった天気が続きました。

 

弱い太平洋高気圧と強いオホーツク高気圧の間に日本が入り、低気圧の通り道にもなってしまったため、東京では雨の日が、8月1日から21日まで続き、40年ぶりの長雨だったようです。特にお盆週間は、気温が低く、夏日(最高気温25℃以上)にならなかった日もありました。8月初旬の平均最高気温が32℃程で、中旬は28℃、下旬が32℃で、中旬が落ち込んだ1ヶ月でした。お盆週間は、多くの家族がお出かけを計画した週だと思います。

 

夏前の予報では猛暑と言われていたので、楽しみにしていた子供たちも多くいたと思いますが、東日本では、プールにも入りたくないような週となってしまいました。当院は15日から診療を始めましたが、天候のためか、咳や鼻水、喘息発作といった秋のような症状のお子さんが来院しました。

 

23日からはオホーツク高気圧も弱まり、35℃以上の猛暑日が3日間続き、ようやく遅ればせながら真夏が来た感じでした。涼しくなった後の猛暑日だったので、さらに暑く感じてしまいました。3ヶ月予報によると、秋は気温が高く、関東地方では降水量も少ないと予報されています。残暑が厳しいと予測されていますが、どうでしょうか?秋は行事の多い季節です。運動会や遠足など楽しい思い出をたくさん作りましょう。

 

健康で体調が良くなければ楽しい思い出になりませんので、睡眠と栄養をよくとり、夏の疲れをしっかりとりましょう。湿度が高い季節は寝苦しく、睡眠の質が悪いので、いつもより長い時間休むように心がけましょう。

 

 

《夏休みになっても手足口病の流行が続いています。当然ですが保育園ではかなり流行していました。夏なのに冬流行するRSウィルスが全国で流行し、神奈川県では大流行しています。中でも県央地区の流行が一番でした。溶連菌感染症はかなり減りました。汗疹やとびひは少ない夏でした。》

 

 保育園やこども園では夏休みでも集団生活をしているので、全国的に今年は大流行している手足口病が、伊勢原でも流行が続きました。手足口病の原因ウィルスにも何種類かありますが、伊勢原でも2種類以上流行している感じです。

 

口腔内に沢山できる型、手足だけでなく体幹にも発疹が沢山できる型とあります。口の中をあまり痛がらず食欲のある人は、特に問題はありません。園も普通に登園して良いことになっています。痛みのため食欲がない人は、食べられるようになってから登園しましょう。

 

ウィルスは、便中には2週間ほど存在します。その他、発疹や唾液からも感染します。手洗いの習慣が大切です。家族全員が心がけましょう。小学生以上は、抗体を保有していることが多いいので感染することは少ないのですが、感染すると幼児より口の中も手足も痛がります。大人もまれに罹りますので注意しましょう。

 

前号でも書きましたが、秋から冬に流行するRSウィルスが、今年は夏に大流行しています。特に神奈川県は全国でも2番目に流行している地域で、その中でも県央地区の厚木保健所管内が最も流行しています。伊勢原は平塚保健所管内ですが、厚木に隣接しているので、かなり流行しています。

 

保育園によっては、乳児及び幼児期早期のクラスで全滅になってしまった所もあります。当院にも同じ保育園から、同じ日にまとまって数人来院した日もありました。感染力は強く、昨年罹ってもまた罹ってしまいます。4歳くらいになると軽症のお子さんが多くなりますが、それでも肺炎になって入院することもあります。

 

学童でも咳・鼻水の子供が目立ちます。マイコプラズマ感染症もいますが、鼻炎から副鼻腔炎を起こし、痰がらみのひどい咳をする子供が目立ちます。乳幼児でもそうですが、エアコンの普及で室内ではどこでもエアコンが稼働しているため、外気と気温や湿度が大きく変化します。

 

この変化を真っ先に感じるのは鼻の粘膜になります。冷気や乾燥をした空気を加湿・加温するためには、鼻水を出して対応します。従って、エアコンの効いた室内にいると、多くの人は鼻水が出たり、鼻が詰まりやすくなります。その状態が続くと痰がらみの咳が出てきます。

 

特に朝起床時に症状がひどくなります。秋になると天候そのものが、鼻水・咳が出やすくなりますので注意しましょう。

 

溶連菌感染症はかなり減ってきましたが、まだ発症している人がいますので、新学期が始まるとまた流行する可能性があります。気をつけましょう。

 

下痢を中心とした感染性胃腸炎も減ってきましたが、まだ暑い日が続くと、ウィルス性だけでなく細菌性にも注意しなくてはなりません。このところ病原性大腸菌O157の話題がマスコミで相次いで報道されています。

 

まさかポテトサラダから発症するとは・・・。O157は腸管出血性大腸菌と言われ、下痢・血便の症状から溶血性尿毒症と言われる腎臓病を発症し、腎不全になり生命に影響します。今から20年以上前に埼玉県のしらさぎ保育園?で園内の井戸水から感染者が出ました。

 

大学病院に居た時に、この保育園から腎不全になってしまった患児が搬送されて来て、集中治療室で何日も付きっきりで治療していたことを思い出します。その後も大阪でかいわれ大根から感染者が多数出たことがありました。O157は、少ない菌数でも発症するので、日頃から手洗いが大切です。

 

特に乳幼児は口の中に手を入れることが多いので注意しましょう。その他夏は鶏肉から感染するキャンピロバクター腸炎や鶏卵や肉類から感染するサルモネラ腸炎、サルモネラは飼ってるミドリガメからも感染するとも言われていますので注意しましょう。

 

最近はスマホなどを操作することが多いので、手洗いしてもスマホを触れば、菌と接触します。スマホなどよく触る物にも気を配りましょう。


 エアコンの普及のためか、この数年汗疹やとびひが少ない印象です。ただ先日の猛暑日の時に、乳幼児で汗疹が化膿した汗腺膿瘍になってしまった児が、数人受診してきました。乳幼児は、体表面積あたりの汗腺の数が多いいので、激しく汗をかきます。

 

特に髪の毛の生え際(額やうなじ周辺)は猛烈に汗が出ます。汗が噴き出れないところで菌が増殖し、膿瘍ができます。汗はこまめにおしぼりで拭いてから乾燥タオルで拭くかシャワーで流しましょう。

 

エアコンによる鼻水だけでなく、秋のブタクサ花粉がお盆頃より飛散し始めました。猛暑になってからさらに飛散量が増したのか、目をかゆがる人も多くなりました。8月が雨が多かったため、ブタクサの発育もかなり良く、背丈も例年よりかなり高く育っています。

 

小田原厚木道路の側道の高速沿いでは、一面に長い距離に渡ってブタクサが群をなして咲いています。その他秋は、ヨモギやアキノキリン草などのキク科の花粉やカナムグラなどのクワ科の花粉が飛散します。秋の花粉にも注意しましょう。

 

 

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メモ執筆者>
おのぼり小児科アレルギー科クリニック院長尾登 誠
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