

7月31日は真夏日で快晴でしたが、8月1日は、午後から真っ暗になり、雷とともに激しい豪雨になりました。海老名では1時間に120ミリ以上のゲリラ豪雨が降りました。この雨が半日も続けば大災害になるなと思わせる豪雨で8月が始まりました。
その後も、7月21日に発生した台風5号が日本の南海上をうろうろしたあげくに、九州から四国へ、その後本州に上陸し、日本を縦断していきました。この台風5号は、発生から18日間勢力を維持し、観測史上2番目の長寿台風だったようです。
この台風のおかげで、多くの小中学校が夏休みに入った7月21日以降曇りや雨が多く、夏休み前は夏らしい天気が続いていたのに、また梅雨に戻ったような天気になりました。台風が通り過ぎた後も、今度は太平洋高気圧の勢力が弱まり、替わりに北のオホーツク高気圧が勢力を増したため、北東の冷たい風(やませと言う)が、関東地方から東北の太平洋岸に吹いてくるため、曇りや雨模様で、気温も30℃に届くかといった天気が続きました。
弱い太平洋高気圧と強いオホーツク高気圧の間に日本が入り、低気圧の通り道にもなってしまったため、東京では雨の日が、8月1日から21日まで続き、40年ぶりの長雨だったようです。特にお盆週間は、気温が低く、夏日(最高気温25℃以上)にならなかった日もありました。8月初旬の平均最高気温が32℃程で、中旬は28℃、下旬が32℃で、中旬が落ち込んだ1ヶ月でした。お盆週間は、多くの家族がお出かけを計画した週だと思います。
夏前の予報では猛暑と言われていたので、楽しみにしていた子供たちも多くいたと思いますが、東日本では、プールにも入りたくないような週となってしまいました。当院は15日から診療を始めましたが、天候のためか、咳や鼻水、喘息発作といった秋のような症状のお子さんが来院しました。
23日からはオホーツク高気圧も弱まり、35℃以上の猛暑日が3日間続き、ようやく遅ればせながら真夏が来た感じでした。涼しくなった後の猛暑日だったので、さらに暑く感じてしまいました。3ヶ月予報によると、秋は気温が高く、関東地方では降水量も少ないと予報されています。残暑が厳しいと予測されていますが、どうでしょうか?秋は行事の多い季節です。運動会や遠足など楽しい思い出をたくさん作りましょう。
健康で体調が良くなければ楽しい思い出になりませんので、睡眠と栄養をよくとり、夏の疲れをしっかりとりましょう。湿度が高い季節は寝苦しく、睡眠の質が悪いので、いつもより長い時間休むように心がけましょう。
《夏休みになっても手足口病の流行が続いています。当然ですが保育園ではかなり流行していました。夏なのに冬流行するRSウィルスが全国で流行し、神奈川県では大流行しています。中でも県央地区の流行が一番でした。溶連菌感染症はかなり減りました。汗疹やとびひは少ない夏でした。》
保育園やこども園では夏休みでも集団生活をしているので、全国的に今年は大流行している手足口病が、伊勢原でも流行が続きました。手足口病の原因ウィルスにも何種類かありますが、伊勢原でも2種類以上流行している感じです。
口腔内に沢山できる型、手足だけでなく体幹にも発疹が沢山できる型とあります。口の中をあまり痛がらず食欲のある人は、特に問題はありません。園も普通に登園して良いことになっています。痛みのため食欲がない人は、食べられるようになってから登園しましょう。
ウィルスは、便中には2週間ほど存在します。その他、発疹や唾液からも感染します。手洗いの習慣が大切です。家族全員が心がけましょう。小学生以上は、抗体を保有していることが多いいので感染することは少ないのですが、感染すると幼児より口の中も手足も痛がります。大人もまれに罹りますので注意しましょう。
前号でも書きましたが、秋から冬に流行するRSウィルスが、今年は夏に大流行しています。特に神奈川県は全国でも2番目に流行している地域で、その中でも県央地区の厚木保健所管内が最も流行しています。伊勢原は平塚保健所管内ですが、厚木に隣接しているので、かなり流行しています。
保育園によっては、乳児及び幼児期早期のクラスで全滅になってしまった所もあります。当院にも同じ保育園から、同じ日にまとまって数人来院した日もありました。感染力は強く、昨年罹ってもまた罹ってしまいます。4歳くらいになると軽症のお子さんが多くなりますが、それでも肺炎になって入院することもあります。
学童でも咳・鼻水の子供が目立ちます。マイコプラズマ感染症もいますが、鼻炎から副鼻腔炎を起こし、痰がらみのひどい咳をする子供が目立ちます。乳幼児でもそうですが、エアコンの普及で室内ではどこでもエアコンが稼働しているため、外気と気温や湿度が大きく変化します。
この変化を真っ先に感じるのは鼻の粘膜になります。冷気や乾燥をした空気を加湿・加温するためには、鼻水を出して対応します。従って、エアコンの効いた室内にいると、多くの人は鼻水が出たり、鼻が詰まりやすくなります。その状態が続くと痰がらみの咳が出てきます。
特に朝起床時に症状がひどくなります。秋になると天候そのものが、鼻水・咳が出やすくなりますので注意しましょう。
溶連菌感染症はかなり減ってきましたが、まだ発症している人がいますので、新学期が始まるとまた流行する可能性があります。気をつけましょう。
下痢を中心とした感染性胃腸炎も減ってきましたが、まだ暑い日が続くと、ウィルス性だけでなく細菌性にも注意しなくてはなりません。このところ病原性大腸菌O157の話題がマスコミで相次いで報道されています。
まさかポテトサラダから発症するとは・・・。O157は腸管出血性大腸菌と言われ、下痢・血便の症状から溶血性尿毒症と言われる腎臓病を発症し、腎不全になり生命に影響します。今から20年以上前に埼玉県のしらさぎ保育園?で園内の井戸水から感染者が出ました。
大学病院に居た時に、この保育園から腎不全になってしまった患児が搬送されて来て、集中治療室で何日も付きっきりで治療していたことを思い出します。その後も大阪でかいわれ大根から感染者が多数出たことがありました。O157は、少ない菌数でも発症するので、日頃から手洗いが大切です。
特に乳幼児は口の中に手を入れることが多いので注意しましょう。その他夏は鶏肉から感染するキャンピロバクター腸炎や鶏卵や肉類から感染するサルモネラ腸炎、サルモネラは飼ってるミドリガメからも感染するとも言われていますので注意しましょう。
最近はスマホなどを操作することが多いので、手洗いしてもスマホを触れば、菌と接触します。スマホなどよく触る物にも気を配りましょう。
エアコンの普及のためか、この数年汗疹やとびひが少ない印象です。ただ先日の猛暑日の時に、乳幼児で汗疹が化膿した汗腺膿瘍になってしまった児が、数人受診してきました。乳幼児は、体表面積あたりの汗腺の数が多いいので、激しく汗をかきます。
特に髪の毛の生え際(額やうなじ周辺)は猛烈に汗が出ます。汗が噴き出れないところで菌が増殖し、膿瘍ができます。汗はこまめにおしぼりで拭いてから乾燥タオルで拭くかシャワーで流しましょう。
エアコンによる鼻水だけでなく、秋のブタクサ花粉がお盆頃より飛散し始めました。猛暑になってからさらに飛散量が増したのか、目をかゆがる人も多くなりました。8月が雨が多かったため、ブタクサの発育もかなり良く、背丈も例年よりかなり高く育っています。
小田原厚木道路の側道の高速沿いでは、一面に長い距離に渡ってブタクサが群をなして咲いています。その他秋は、ヨモギやアキノキリン草などのキク科の花粉やカナムグラなどのクワ科の花粉が飛散します。秋の花粉にも注意しましょう。
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おのぼり小児科アレルギー科クリニック院長尾登 誠
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