音快計画-ヴァイオリン弾きのお仕事とはッ?!- -28ページ目

台風と共に駆け抜け完了のこと

 8/9、
 ライブにお越しいただいた皆様、
 ありがとうございました!

 暖かいお客様に囲まれ、幸せな本番になりました。めちゃイケも、世界ふしぎ発見も、世界一受けたい授業も、もしかすると嵐にしやがれさえ、全部スキップして来ていただいたはず。ご満足いただけたら幸いです。
 お花までいただいてしまいました。写真で僕が持っているのがそれですが…いや、恐れ多い。すっかり花の似合わない男になっちゃってますね。はは~

3S

 今回のライブのリハと本番、まだまだと思うところも多くありますが、3人で作る音楽に手応えを感じました。そして、かなり大きな何かを理解できたのかもしれません。再現度をもうちょっと上げれば、ここから本当に面白いことが始まるはず。
 次回をまたやります!忘れないうちに…

 以下、来ていただいた方々へ。いいなと思っても曲名を忘れてしまうので、というご指摘をかなりの割合でいただいたので、演奏した曲目をあげておきます。

Buenos Aires(Manuel Jovés)
Palomita blanca(Anselmo Aieta)白い小鳩
Michelangelo'70(Astor Piazzolla)ミケランジェロ'70
Nunca tuvo novio(Augstin Bardi)恋人もなく
La llamo silbando(Horacio Salgán) 彼女を口笛で呼ぼう
Organito de la tarde(Cátulo Castillo)たそがれのオルガニート
夏の二つの横顔1(三枝伸太郎) ※PfVn Duo
Libertango(Astor Piazzolla)

明日(大柴拓)※GtVn Duo
La casita de mis viejos(Juan Carlos Cobián)わが両親の家 ※GtVn Duo
Aquellos tangos camperos(Horacio Salgán & Ubaldo de Lío)あの田園調のタンゴ
Hiroko en BuenosAires(Osvaldo Requena & Leopoldo Federico)ブエノスアイレスのヒロコ
Estrellita(Manuel Ponce)小さな星 ※PfVn Duo
Escualo(Astor Piazzolla)鮫

El ultimo cafe(Héctor Stamponi)最後のコーヒー

 ピアソラとオリジナルは、毎回ですが、今回は絶大に評判がよかったようです。ピアソラは曲名さえ分かっていれば調べることが出来ると思います。手に入るものは、大体後期のキンテートだと思いますが、オクテート・ブエノスアイレスとか、オルケスタとか聴いて、ぜひぜひ盛大にぶっ飛んでいただきたいものです。
 白い小鳩たそがれのオルガニートなどは、オラシオ・サルガンのアレンジである、キンテート・レアルサルガン=デ・リオの録音を基にしています。キンテート・レアルに関しては、ヌエボ・キンテート・レアルも、グラン・キンテート・レアルもいいのですが、ほとんどは初期のキンテート・レアルを参考にして譜面を作っています。興味おありの方、ぜひ聴いてみて下さい。とても気持ちがいいです。

↓まかない、超絶まいうーでした!エル・チョクロのみなさん

まかない

8/9、明日、夏を駆け抜ける!

 ピアソラはベタベタな曲を(リベルタンゴ、ミケランジェロ、鮫)ガッツンドッカン参りまして、巨匠サルガンのアレンジもの、バラード、オリジナル、(なぜか)スタンダードまで。
 心地よく夏を駆け抜けるんだ!

140809フライヤー

 迫ってまいりました!自分のトリオのライブです。
 よく、「情熱の」とか「哀愁の」とかキャプションのつくタンゴですが、それはほんの一面です。エレガントでロマンティックな音楽も多い。こればっかりは、そういう曲を演奏しているのを聴いていただかないと、なかなか分かっていただけないんですが……
 特に、ヴァイオリンがソロを弾くときの扱いは、大抵ため息が出るほどロマンティック。ゴツゴツした曲の中でも!美しく、切ない。
 大体、クラシックだって何だって、パッションあふれる音楽は多いわけで、その点でタンゴだけが違うようには思えません(パッションの種類に特徴はあるかも)。
 エレガントでロマンティックな音楽である部分、それは普段あまり強調されないわけなんですが、だからこそ、わざとらしく強調しようと思いました。……と、いうライブです。

 ご存知の方はよくご存知ですが、歌のタンゴは、そりゃもう素敵で、それも色々なタイプの曲があるのですが、バラードの魅力に満ち溢れた曲が多い。こんな素晴らしい曲があるのか!?と言いたくなる曲も、パッと浮かんでくるところだけで片手じゃ足りません。
 僕がまだタンゴをほとんど聴いたことがない頃、ぐっときた曲の中から、今回は、恋人もなくウルティモ・カフェ、を。この辺り、アレンジされている譜面は使わず、ジャズのようにやっていて、いわゆるアドリブも、みんなやります。
 メロディーには、流れというか、ラインというか、膨らみというか、形というか、そういったフォルムを感じます。しかし、譜面はデジタルな記号なわけで、言わばカクカクにメロディーの形を描いているようなものだと思うのです。譜面から、元のフォルムを想像し、再現する。そこからさらに、その時、よりその場の音楽にふさわしいフォルムを感じ、歌う。それは、現在のバロックなど幅広く通じることではないかと感じています。
 音色の面も、歌というより、人の声のような音で話すように語り掛けたり、色々やっています。

 タンゴは無論、ジャズや南米音楽、作曲、多面的に活躍する、二人の才人とのこのライブ。やろうと思えばどこまででも広げられてしまい、見所満載過ぎてしまいます。そこのところ、試行錯誤が段々上手になって来ていまして、ある種の統一感があり、夏の夜を楽しむライブになっていると、自負しています。
 お時間、ご興味おありの方、ぜひ遊びにおいてください!

2S+僕は、暑過ぎて溶けてしまいましたが、当日はお待ちしています!

8/9(土)17:00開場 18:00開演
 雑司が谷 エルチョクロ http://el-choclo.com/
  豊島区南池袋3-2-8(副都心線雑司ヶ谷駅1番出口 徒歩2分半)
  出演:宮越建政/ヴァイオリン 三枝伸太郎/ピアノ 大柴拓/ギター
 チャージ:3300円
 連絡先:03-6912-5539 / info@el-choclo.com または、出演者までお願いします 

常識のひっくり返る気持ちよさ 映画『エンリコ四世』

 数日前ですが、『エンリコ四世』見てきました!

 マルコ・ベロッキオ監督の1984年作品、古い映画です。
 主演マルチェロ・マストロヤンニにも関わらず、日本で公開されませんでした。この映画を知っているのは、音楽がアストル・ピアソラで、「オブリビオン」「タンティ・アンニ・プリマ(アヴェ・マリア)」という割と知られているであろう曲が、この映画のために作られたからです。

 個人的に、こういう映画は好きです。人によってはかなり分かりにくい可能性があるとは思います。以前調べたことがあり、筋は知っていたので、何とも言えませんが…
 エンリコ4世と言うのは、11世紀の神聖ローマ皇帝、ハインリヒ4世のことです。世界史を勉強した人はうっすら覚えておいででしょうか?この人が有名なのは、「聖職叙任権闘争」「カノッサの屈辱」で世界史に名を留めているからです。

 しかしこの映画のエンリコは、皇帝本人ではありません。自分をハインリヒ4世だと思っている狂気の男の話、原作はルイジ・ピランデルロ(ノーベル文学賞受賞!)の芝居です。

 正直、まったく筋を知らずに見たかったなあ。二度のどんでん返し、味わいたかった!こういう話、昔とても好きでした。人には根拠もなく正しいと信じている部分が大抵あって、それがひっくり返る瞬間、世界がまるで違って見える!…みたいな気持ちよさでしょうか?

 え、気持ちよくない?笑 僕は新しい世界が見えるのが、とても爽快です。
 もちろん、以前を振り返った時、本当は恥ずかしかったりするけど。でも、その恥ずかしさが気にならなくなったのは、大人になったありがたさ。でも、大人になればなるほど、騙される、裏切られるを除けば、どんでん返しをくらって、世界が広がっていく機会はぐっと減っていく――ように思います。

 残念ながら、ほとんど上映は終わっているようです!関西ではまだやっているらしい!お近くの方、ぜひ!